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ウズベキスタン最大の観光都市サマルカンド。美しいブルーの建築物で彩られたこの都市は「青の都」とも呼ばれ、世界中の人々を魅了しています。
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大学入学と同時にバックパッカーデビューをし、アフリカや南米、中東と50ヵ国近く旅をしてきました。そういう自己紹介をすると必ず聞かれるのが「一番のオススメは?」「ねぇ、どこの国が良かった?」です。
返答にはいつも迷います。人には好みがあるから。そして候補国がありすぎるから。ですが、その候補に必ずあがるのがウズベキスタン。中でもウズベキスタンの都市・サマルカンドは手放しでオススメできる都市の一つです。
サマルカンドの旧市街を歩いていると、街中に突然この世のものとは思えないほど壮大で美しい建物に囲まれた広場が現れます。それが、レギスタン広場。そこはまるで舞台。または劇場。〝映画の撮影やテーマパークのために最先端の技術を駆使して造られた人工物です〟と言われたら信じてしまえるほどのスケールと現実離れした美しさに満ちていました。
最先端の芸術的建築物といっても過言ではないこの建物ですが、実際に建てられたのは15~17世紀と、遥か昔のこと。雨風をしのげない吹きっさらしの場所に建っているにも関わらず、状態はとてもよく美しいままなのです。私にとってこのレギスタン広場は、エジプトのスフィンクスやペルーのマチュピチュ遺跡より圧巻で、カンボジアのアンコール・ワットより美しく、ヨルダンのペトラ遺跡より神秘的でした。
青い空に向かって天高くそびえ立つミナレットも、何十種類もの青を閉じ込めたドームも、イスラムらしい繊細な模様が施された建物の外観も、広場の床の模様も、何もかもが完璧で、心がいっぱいになりました。背筋がスッと伸びるような荘厳さを持つこの場所にいると思わず呟いてしまいます「世界にこんなに美しい場所があったなんて」と。
コの字型に並ぶ3棟の建物はすべてマドラサと呼ばれる神学校です。どれも素晴らしいのですが、中でも中央にあるマドラサ内部にある天井の細工は、息を呑む美しさでした。
まず凹凸。天井には「パソコンで再現しましたか?」と問いたくなるほど細かな凹凸があり、それによって円や六角形、星型が浮かび上がって見えました。そこに大きく分けて金色、青色、白色の3色の彩色が加わります。天井は天使の羽にもみえる黄金色の葉や花、絡まり合う蔦でビッシリ埋められていました。
じっと見つめていると、金色の葉がグルグルと回りだし天井そのものが回転したり、収縮したり生命のように動き出します。宇宙を見つめているような、曼荼羅の世界に迷い込んだかのような不思議な気分でした。私にとって、この天井は永遠に見つめていられる装飾美です。
サマルカンドの旧市街には、レギスタン広場以外にもサマルカンドブルーと呼ばれる青色をまとった建物がいくつも建っています。どの建物もレギスタン広場に負けず劣らず荘厳で、宗教建築物なだけあって、やっぱりどこか神秘的でした。
そして、どの場所でも現地の人がくつろいでいました。外国人観光客で溢れている場所は一つもありません。むしろ現地の人の方が多かったくらい。小さな子どもを連れて歩く母親、本を読んで議論している若い学生たち、ベンチに腰掛けているおばあさん…。どの遺跡も街の人々の生活の一部になっていました。
強い風が吹くとサラサラの白い砂が舞うような、乾燥した大地と同じ砂の色をした建物たち。旧市街は、色の薄い世界で統一されているので、鮮やかなブルーがより際立ちます。心奪われるようなサマルカンドブルーを背景に、生活を営む街の人々を見ていると、タイムスリップしたような、異世界に来たような、アラビアンナイトの世界に入り込んだような不思議な気分になりました。
ウズベキスタンは、とにかく美しい国です。シルクロードで栄えたこの国には悠久の美が溢れていて観光スポットもいっぱい。中でもサマルカンドブルーと呼ばれる青色で染められた都市「サマルカンド」は圧巻の美しさを誇っています。
魅力的な観光スポットが街のそこかしこにあるのに、良い意味で観光地化されておらず、人々の普通の暮らしが見られます。観光スポットを見て終わりというより、現地の人の暮らしの中にお邪魔させてもらうイメージ。
英語は通じたり通じなかったり、都市と都市を結ぶ交通網はしっかりしているのに、タクシーは捕まらなかったり、ホテルなのにお湯が使えなかったり、ちょっとだけ不自由なのもまた、魅力のひとつです。
建物や遺跡にシルクロードの名残があり、旧ソ連の名残があり、街並みはとてつもなく美しいのに、人々の暮らしは素朴。そのアンバランスさが旅をしていて最高に楽しい国だと思っています。
サマルカンドについてもっと詳しく知りたい方はこちら▼
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大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。マイナーな国をメインに、世界中を旅する。旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。公式HP:Lucia Travel
ウズベキスタン最大の観光都市サマルカンド。美しいブルーの建築物で彩られたこの都市は「青の都」とも呼ばれ、世界中の人々を魅了しています。
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目次
一番オススメの国は?と聞かれたら
大学入学と同時にバックパッカーデビューをし、アフリカや南米、中東と50ヵ国近く旅をしてきました。
そういう自己紹介をすると必ず聞かれるのが「一番のオススメは?」「ねぇ、どこの国が良かった?」です。
返答にはいつも迷います。人には好みがあるから。そして候補国がありすぎるから。
ですが、その候補に必ずあがるのがウズベキスタン。中でもウズベキスタンの都市・サマルカンドは手放しでオススメできる都市の一つです。
荘厳華麗なレギスタン広場
サマルカンドの旧市街を歩いていると、街中に突然この世のものとは思えないほど壮大で美しい建物に囲まれた広場が現れます。それが、レギスタン広場。
そこはまるで舞台。または劇場。〝映画の撮影やテーマパークのために最先端の技術を駆使して造られた人工物です〟と言われたら信じてしまえるほどのスケールと現実離れした美しさに満ちていました。
最先端の芸術的建築物といっても過言ではないこの建物ですが、実際に建てられたのは15~17世紀と、遥か昔のこと。雨風をしのげない吹きっさらしの場所に建っているにも関わらず、状態はとてもよく美しいままなのです。
私にとってこのレギスタン広場は、エジプトのスフィンクスやペルーのマチュピチュ遺跡より圧巻で、カンボジアのアンコール・ワットより美しく、ヨルダンのペトラ遺跡より神秘的でした。
青い空に向かって天高くそびえ立つミナレットも、何十種類もの青を閉じ込めたドームも、イスラムらしい繊細な模様が施された建物の外観も、広場の床の模様も、何もかもが完璧で、心がいっぱいになりました。
背筋がスッと伸びるような荘厳さを持つこの場所にいると思わず呟いてしまいます「世界にこんなに美しい場所があったなんて」と。
息を呑む美しさ!繊細な装飾
コの字型に並ぶ3棟の建物はすべてマドラサと呼ばれる神学校です。どれも素晴らしいのですが、中でも中央にあるマドラサ内部にある天井の細工は、息を呑む美しさでした。
まず凹凸。天井には「パソコンで再現しましたか?」と問いたくなるほど細かな凹凸があり、それによって円や六角形、星型が浮かび上がって見えました。
そこに大きく分けて金色、青色、白色の3色の彩色が加わります。天井は天使の羽にもみえる黄金色の葉や花、絡まり合う蔦でビッシリ埋められていました。
じっと見つめていると、金色の葉がグルグルと回りだし天井そのものが回転したり、収縮したり生命のように動き出します。
宇宙を見つめているような、曼荼羅の世界に迷い込んだかのような不思議な気分でした。私にとって、この天井は永遠に見つめていられる装飾美です。
鮮やかなサマルカンドブルー
サマルカンドの旧市街には、レギスタン広場以外にもサマルカンドブルーと呼ばれる青色をまとった建物がいくつも建っています。
どの建物もレギスタン広場に負けず劣らず荘厳で、宗教建築物なだけあって、やっぱりどこか神秘的でした。
そして、どの場所でも現地の人がくつろいでいました。外国人観光客で溢れている場所は一つもありません。むしろ現地の人の方が多かったくらい。
小さな子どもを連れて歩く母親、本を読んで議論している若い学生たち、ベンチに腰掛けているおばあさん…。どの遺跡も街の人々の生活の一部になっていました。
強い風が吹くとサラサラの白い砂が舞うような、乾燥した大地と同じ砂の色をした建物たち。旧市街は、色の薄い世界で統一されているので、鮮やかなブルーがより際立ちます。
心奪われるようなサマルカンドブルーを背景に、生活を営む街の人々を見ていると、タイムスリップしたような、異世界に来たような、アラビアンナイトの世界に入り込んだような不思議な気分になりました。
ウズベキスタンの悠久の美と素朴な人々
ウズベキスタンは、とにかく美しい国です。シルクロードで栄えたこの国には悠久の美が溢れていて観光スポットもいっぱい。中でもサマルカンドブルーと呼ばれる青色で染められた都市「サマルカンド」は圧巻の美しさを誇っています。
魅力的な観光スポットが街のそこかしこにあるのに、良い意味で観光地化されておらず、人々の普通の暮らしが見られます。観光スポットを見て終わりというより、現地の人の暮らしの中にお邪魔させてもらうイメージ。
英語は通じたり通じなかったり、都市と都市を結ぶ交通網はしっかりしているのに、タクシーは捕まらなかったり、ホテルなのにお湯が使えなかったり、ちょっとだけ不自由なのもまた、魅力のひとつです。
建物や遺跡にシルクロードの名残があり、旧ソ連の名残があり、街並みはとてつもなく美しいのに、人々の暮らしは素朴。そのアンバランスさが旅をしていて最高に楽しい国だと思っています。
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リスキーだけど試してみる価値あり?▼
筆者プロフィール:R.香月(かつき)
大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。
マイナーな国をメインに、世界中を旅する。
旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。
出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。
公式HP:Lucia Travel