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みなさんは、「日本三大妖怪」を知っていますか?鬼、天狗、河童が日本三大妖怪に数えられるのですが、今回のコラムでは、知っているようでよく知らない「天狗」についてご紹介します!
そもそも天狗とはなにか、天狗の能力や、天狗が登場する日本各地の伝説、さらには天狗という言葉が使われることわざなどをチェックしていきましょう♪
そもそも天狗っていったい何?と思っている方も多いのではないでしょうか。天狗の見た目や言葉の語源をご紹介します。
天狗は、赤い顔と高く長い鼻を持つ見た目をしています。一般的に、山伏(山野に住んで修行する僧侶)のような服装で、高下駄を履いています。そして、手には扇子を持っています。
初めは恐ろしい妖怪として人々は怖がっていましたが、江戸時代ごろからは神格化されていきました。
人を惑わせたり、突風などを起こす妖怪として考えられている一方で、災厄消除や開運、魔除けなどのご利益があるという考えもあります。
古代中国で悪いことが起きるしるしである、流星(火球)を示す言葉が語源と言われています。流星が「天の狗(いぬ)」に見えたことや、隕石が大気圏に突入するときの大きな衝撃音が犬のほえる声に聞こえたことから、「天狗」という言葉が誕生しました。
今の日本では、善悪両面を持つ妖怪として知られています。キャラクター的な存在としてアニメや漫画などに登場することもありますが、現在でも天狗信仰が残っている場合もあります。
天狗は、不思議な能力と伝説を持っています。
たとえば、天狗には飛翔能力があり、空を飛ぶことができると言われています。これは、天狗が山と風の力を象徴する能力を持っているのが理由です。
また、幻術・妖術など、人を惑わせる能力を持っています。よく似たものに神通力がありますが、神通力は神や仏などが使うものであり、不可能だと思われることをなしとげてしまう特殊な力を指します。一方、幻術・妖術は人の目をくらましたりする怪しく不思議な術のことを指します。
天狗は手に団扇を持っていますが、これにはどんな意味があるのでしょうか?
団扇は、風を起こして天狗が飛翔するための道具という意味があります。ほかにも、この団扇を使って大きな物などを飛ばしたり、人々を吹き飛ばしてしまったり、病気を吹き飛ばすといった伝承もあります。
天狗の団扇は正式には「羽団扇(はうちわ)」と言うのですが、おなじく「はうちわ」を意味する「葉団扇」という別の表記もあります。
「羽団扇」の素材は、字のとおり羽です。一方、「葉団扇」は「ヤツデ」という日本原産の植物です。天狗が持っている羽団扇は疫病を追い払い、魔除けになるという言い伝えから、形が似ているヤツデは庭に植えられることが増えました。
形について、ヤツデは8つに葉が裂けているイメージですが、実際には7つまたは9つであることが多いです。ちなみに、天狗が持つ「羽団扇」も奇数に裂けていることが一般的です。
日本では、さまざまな場所に天狗による伝説があります。
鞍馬山の奥にある僧正ヶ谷(そうじょうがたに)に住むとされる天狗です。牛若丸(のちの源義経)が僧正ヶ谷で鞍馬天狗から剣術などの武芸を学んだという伝説があります。
伝統芸能・能にも「鞍馬天狗」という有名な演目がありますよ。
了庵慧明禅師(りょうあんえみょうぜんじ)という人物が最乗寺を建立することを聞いた弟子の道了尊者(どうりょうそんじゃ)は、近江の三井寺から天狗の姿になって飛んできて岩を運んだり、砕いたりして手伝いました。
了庵慧明禅師が亡くなったあとは、寺を永遠に守るため天狗の姿に化身して舞い上がり、山中深くに飛び去ったそうです。このことから、お寺の守護神として大切にされています。
飛鳥時代に、仏教の国・インドで生まれた10人の王子がいました。そのうち3番目の王子は、日本の人々を守ると決め、飯綱山に住むことにしました。王子は「三郎天狗」という天狗の姿になり、人々を見守り続けました。
また、飯綱山は武士の信仰も集め、修験道として多くの人が修業を行いました。山のふもとに住む人々は、修業する人の姿が不思議に見え、天狗だと思ったという言い伝えもあります。
比叡山への参拝ルートのひとつに、「本坂」と呼ばれる坂があり、坂の途中には「天梯権現祠(てんだいごんげんほこら)」というものがあります。
ほこらがある小山には、昔天狗が住んでいたという伝説があり、比叡山と中国の天台山を行き来したという言い伝えがあります。
ほかにも、次郎坊という天狗群の首領だった天狗が比叡山にいたのですが、修験道で人々が次々と山へ登ってくるようになると、居づらくなり、ほかの天狗とともに北に25kmほど離れた比良山に移ったという伝説もあります。
ここからは、天狗の起源から、現代の私たちが持っているようなイメージになるまでの流れをご紹介します。
もともとは、先ほど語源の箇所でご紹介したとおり、中国の「天狗」伝説の影響があります。流星や彗星が「天の狗(いぬ)」に見えた、犬の鳴き声に聞こえたという比喩から誕生しました。
日本における古い資料としては、『日本書紀』に天狗の記述がされています。637年、大きな星が流れ、雷のような激しい音がとどろきました。この事態の説明として、旻(みん)という僧侶が、「流星ではなく天狗である」と言ったという記述があります。
中国では、天狗は災いや戦いを予兆するものとして捉えられていましたが、日本ではその考え方はあまり定着しませんでした。『日本書紀』の「天狗」の部分に「あまつきつね(=天のきつね)」という説明が書かれていたことから、当時は狐のように「人を化かす妖怪」としての存在として捉えられていました。
天狗が狐のイメージから、鳥(特にトビ)の姿になったのは平安時代後期から中世ごろと言われています。12世紀前半にできた『今昔物語集』には、説話に天狗が登場することも多くありましたが、「屎鵄(くそとび)」と書かれています。
天狗が鳥のイメージになったのと同じころ、天狗=魔の存在というイメージもつくようになりました。これは、仏教において、ブッダが悟りを開こうとしたときに妨害しようと現れたのが「魔」であり、同様に僧侶の修業を妨げる存在として、天狗も「魔」のようなイメージになっていったのです。
また、山で修業をする修験道や山岳修行と天狗も関係があると言われています。それは、天狗の住処とされる深い山々で修業をすること、そして、修験者たちは火渡りの術などの「天狗の業(わざ)」というスキルを身につけていたという説があります。
私たちが今持っているような「鼻高天狗」のイメージになったのは江戸時代だとされています。
どうして鼻高天狗のイメージへと変化したのか、明確な理由はわかっていません。絵師・狩野元信は天狗を書いてほしいと言われたのですが、天狗を見たことがなかった彼は、夢で見た怪しい存在を描き、それが「鼻高天狗」だったという説があります。
また、妖怪というより神に近い存在へと昇格していきました。防火・火伏せの神としても信仰を集めていくのですが、これは天狗は火災を起こす悪い存在であると同時に、火を消すこともできると考えられたことが理由です。
天狗の正体っていったい何?と不思議に思う方も多いはず。ここでは、天狗の正体に関する主な4つの説をご紹介します。
先ほどからご紹介しているとおり、山岳信仰と天狗は深い関係があります。修験者たちの格好や不思議な修業をする姿が、天狗のイメージと重なるのです。このことから、天狗は修験者や山伏であるという説が生まれました。
天狗が高い鼻を持っている(目鼻立ちがはっきりしている)というイメージから、古代日本にきた渡来人ではないかという説があります。また、身体が大きいイメージなどもあり、天狗の正体は異国人だという考え方もあります。
恨みを残して亡くなった人の亡霊という説も有名です。たとえば、平安時代の「祟徳天皇」です。崇徳天皇の時代は、鳥羽上皇が院政を敷いて権力を持っていました。鳥羽上皇は、自分が寵愛する得子の子・体仁親王(近衛天皇)を即位させるために、崇徳天皇を譲位させます。
その後起きた保元の乱でも破れた崇徳天皇は、怒り、生きたまま天狗の姿になり、亡くなったという伝説が残っています。
天狗の起源である中国の「流星や彗星が天の狗(いぬ)に見えた、犬の鳴き声に聞こえた」という話に由来し、流星などの自然現象が天狗の正体だという説もあります。
山の奥から聞こえる大きな音や不思議な音が天狗の正体だ、天狗が発した音だ、という考え方もありました。
「天狗になる」という慣用句がありますよね。これは、「いい気になって自慢する」「思い上がった態度や高慢な様子」という意味。
自慢する様子を「鼻が高い」といいますが、天狗の鼻が高いイメージと相まってこのことわざが生まれました。
「天狗になる」状態だと、自分のことを振り返ったり、内省する余裕がなくなります。思いあがらず、謙虚にいれば時間的・精神的に余裕が生まれるという教訓でもありますね。
私たちが絵や漫画でイメージする天狗の姿になるまでにさまざまな変化がありましたね。最初は妖怪として恐れられていた天狗が、神格化して各地で信仰が残っているというのはとても興味深かったのではないでしょうか。また、天狗の正体にもいろいろな説があったりと、思った以上に天狗は奥が深いことがわかりましたね。
もし興味があれば、ぜひ全国各地の天狗伝説が残る場所を訪れてみてはいかがでしょうか。また、次回のコラムでは「鬼」についてご紹介する予定ですので、そちらもぜひ楽しみにしていてくださいね。
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みなさんは、「日本三大妖怪」を知っていますか?
鬼、天狗、河童が日本三大妖怪に数えられるのですが、今回のコラムでは、知っているようでよく知らない「天狗」についてご紹介します!
そもそも天狗とはなにか、天狗の能力や、天狗が登場する日本各地の伝説、さらには天狗という言葉が使われることわざなどをチェックしていきましょう♪
目次
天狗について
そもそも天狗っていったい何?と思っている方も多いのではないでしょうか。天狗の見た目や言葉の語源をご紹介します。
天狗って何者?
天狗は、赤い顔と高く長い鼻を持つ見た目をしています。一般的に、山伏(山野に住んで修行する僧侶)のような服装で、高下駄を履いています。そして、手には扇子を持っています。
初めは恐ろしい妖怪として人々は怖がっていましたが、江戸時代ごろからは神格化されていきました。
人を惑わせたり、突風などを起こす妖怪として考えられている一方で、災厄消除や開運、魔除けなどのご利益があるという考えもあります。
天狗の語源
古代中国で悪いことが起きるしるしである、流星(火球)を示す言葉が語源と言われています。流星が「天の狗(いぬ)」に見えたことや、隕石が大気圏に突入するときの大きな衝撃音が犬のほえる声に聞こえたことから、「天狗」という言葉が誕生しました。
現代の日本における天狗の位置付け
今の日本では、善悪両面を持つ妖怪として知られています。キャラクター的な存在としてアニメや漫画などに登場することもありますが、現在でも天狗信仰が残っている場合もあります。
天狗の妖怪的な能力と伝説
天狗は、不思議な能力と伝説を持っています。
たとえば、天狗には飛翔能力があり、空を飛ぶことができると言われています。これは、天狗が山と風の力を象徴する能力を持っているのが理由です。
また、幻術・妖術など、人を惑わせる能力を持っています。よく似たものに神通力がありますが、神通力は神や仏などが使うものであり、不可能だと思われることをなしとげてしまう特殊な力を指します。一方、幻術・妖術は人の目をくらましたりする怪しく不思議な術のことを指します。
天狗の持つ団扇は何?
天狗は手に団扇を持っていますが、これにはどんな意味があるのでしょうか?
天狗の象徴的なアイテム「団扇」とは
団扇は、風を起こして天狗が飛翔するための道具という意味があります。ほかにも、この団扇を使って大きな物などを飛ばしたり、人々を吹き飛ばしてしまったり、病気を吹き飛ばすといった伝承もあります。
団扇の形状や素材
天狗の団扇は正式には「羽団扇(はうちわ)」と言うのですが、おなじく「はうちわ」を意味する「葉団扇」という別の表記もあります。
「羽団扇」の素材は、字のとおり羽です。一方、「葉団扇」は「ヤツデ」という日本原産の植物です。天狗が持っている羽団扇は疫病を追い払い、魔除けになるという言い伝えから、形が似ているヤツデは庭に植えられることが増えました。
形について、ヤツデは8つに葉が裂けているイメージですが、実際には7つまたは9つであることが多いです。ちなみに、天狗が持つ「羽団扇」も奇数に裂けていることが一般的です。
天狗が登場する日本各地の伝説
日本では、さまざまな場所に天狗による伝説があります。
鞍馬天狗(京都)
鞍馬山の奥にある僧正ヶ谷(そうじょうがたに)に住むとされる天狗です。牛若丸(のちの源義経)が僧正ヶ谷で鞍馬天狗から剣術などの武芸を学んだという伝説があります。
伝統芸能・能にも「鞍馬天狗」という有名な演目がありますよ。
最乗寺の天狗(神奈川)
了庵慧明禅師(りょうあんえみょうぜんじ)という人物が最乗寺を建立することを聞いた弟子の道了尊者(どうりょうそんじゃ)は、近江の三井寺から天狗の姿になって飛んできて岩を運んだり、砕いたりして手伝いました。
了庵慧明禅師が亡くなったあとは、寺を永遠に守るため天狗の姿に化身して舞い上がり、山中深くに飛び去ったそうです。このことから、お寺の守護神として大切にされています。
飯綱山の天狗(長野)
飛鳥時代に、仏教の国・インドで生まれた10人の王子がいました。そのうち3番目の王子は、日本の人々を守ると決め、飯綱山に住むことにしました。王子は「三郎天狗」という天狗の姿になり、人々を見守り続けました。
また、飯綱山は武士の信仰も集め、修験道として多くの人が修業を行いました。山のふもとに住む人々は、修業する人の姿が不思議に見え、天狗だと思ったという言い伝えもあります。
比叡山の天狗(滋賀)
比叡山への参拝ルートのひとつに、「本坂」と呼ばれる坂があり、坂の途中には「天梯権現祠(てんだいごんげんほこら)」というものがあります。
ほこらがある小山には、昔天狗が住んでいたという伝説があり、比叡山と中国の天台山を行き来したという言い伝えがあります。
ほかにも、次郎坊という天狗群の首領だった天狗が比叡山にいたのですが、修験道で人々が次々と山へ登ってくるようになると、居づらくなり、ほかの天狗とともに北に25kmほど離れた比良山に移ったという伝説もあります。
天狗の起源とイメージの変化
ここからは、天狗の起源から、現代の私たちが持っているようなイメージになるまでの流れをご紹介します。
天狗の起源・発祥
もともとは、先ほど語源の箇所でご紹介したとおり、中国の「天狗」伝説の影響があります。流星や彗星が「天の狗(いぬ)」に見えた、犬の鳴き声に聞こえたという比喩から誕生しました。
古代日本における天狗
日本における古い資料としては、『日本書紀』に天狗の記述がされています。637年、大きな星が流れ、雷のような激しい音がとどろきました。この事態の説明として、旻(みん)という僧侶が、「流星ではなく天狗である」と言ったという記述があります。
中国では、天狗は災いや戦いを予兆するものとして捉えられていましたが、日本ではその考え方はあまり定着しませんでした。『日本書紀』の「天狗」の部分に「あまつきつね(=天のきつね)」という説明が書かれていたことから、当時は狐のように「人を化かす妖怪」としての存在として捉えられていました。
中世日本における天狗
天狗が狐のイメージから、鳥(特にトビ)の姿になったのは平安時代後期から中世ごろと言われています。12世紀前半にできた『今昔物語集』には、説話に天狗が登場することも多くありましたが、「屎鵄(くそとび)」と書かれています。
天狗が鳥のイメージになったのと同じころ、天狗=魔の存在というイメージもつくようになりました。これは、仏教において、ブッダが悟りを開こうとしたときに妨害しようと現れたのが「魔」であり、同様に僧侶の修業を妨げる存在として、天狗も「魔」のようなイメージになっていったのです。
また、山で修業をする修験道や山岳修行と天狗も関係があると言われています。それは、天狗の住処とされる深い山々で修業をすること、そして、修験者たちは火渡りの術などの「天狗の業(わざ)」というスキルを身につけていたという説があります。
江戸時代以降の天狗
私たちが今持っているような「鼻高天狗」のイメージになったのは江戸時代だとされています。
どうして鼻高天狗のイメージへと変化したのか、明確な理由はわかっていません。絵師・狩野元信は天狗を書いてほしいと言われたのですが、天狗を見たことがなかった彼は、夢で見た怪しい存在を描き、それが「鼻高天狗」だったという説があります。
また、妖怪というより神に近い存在へと昇格していきました。防火・火伏せの神としても信仰を集めていくのですが、これは天狗は火災を起こす悪い存在であると同時に、火を消すこともできると考えられたことが理由です。
天狗の正体
天狗の正体っていったい何?と不思議に思う方も多いはず。ここでは、天狗の正体に関する主な4つの説をご紹介します。
修験者・山伏説
先ほどからご紹介しているとおり、山岳信仰と天狗は深い関係があります。修験者たちの格好や不思議な修業をする姿が、天狗のイメージと重なるのです。このことから、天狗は修験者や山伏であるという説が生まれました。
異国人・渡来人説
天狗が高い鼻を持っている(目鼻立ちがはっきりしている)というイメージから、古代日本にきた渡来人ではないかという説があります。また、身体が大きいイメージなどもあり、天狗の正体は異国人だという考え方もあります。
怨霊・天皇・貴族の亡霊説
恨みを残して亡くなった人の亡霊という説も有名です。たとえば、平安時代の「祟徳天皇」です。崇徳天皇の時代は、鳥羽上皇が院政を敷いて権力を持っていました。鳥羽上皇は、自分が寵愛する得子の子・体仁親王(近衛天皇)を即位させるために、崇徳天皇を譲位させます。
その後起きた保元の乱でも破れた崇徳天皇は、怒り、生きたまま天狗の姿になり、亡くなったという伝説が残っています。
自然現象説
天狗の起源である中国の「流星や彗星が天の狗(いぬ)に見えた、犬の鳴き声に聞こえた」という話に由来し、流星などの自然現象が天狗の正体だという説もあります。
山の奥から聞こえる大きな音や不思議な音が天狗の正体だ、天狗が発した音だ、という考え方もありました。
「天狗になる」の意味は?
「天狗になる」という慣用句がありますよね。これは、「いい気になって自慢する」「思い上がった態度や高慢な様子」という意味。
自慢する様子を「鼻が高い」といいますが、天狗の鼻が高いイメージと相まってこのことわざが生まれました。
「天狗になる」状態だと、自分のことを振り返ったり、内省する余裕がなくなります。思いあがらず、謙虚にいれば時間的・精神的に余裕が生まれるという教訓でもありますね。
奥深い天狗の世界を楽しもう
私たちが絵や漫画でイメージする天狗の姿になるまでにさまざまな変化がありましたね。最初は妖怪として恐れられていた天狗が、神格化して各地で信仰が残っているというのはとても興味深かったのではないでしょうか。また、天狗の正体にもいろいろな説があったりと、思った以上に天狗は奥が深いことがわかりましたね。
もし興味があれば、ぜひ全国各地の天狗伝説が残る場所を訪れてみてはいかがでしょうか。
また、次回のコラムでは「鬼」についてご紹介する予定ですので、そちらもぜひ楽しみにしていてくださいね。
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なぜ猫は妖怪に?由来や民間伝承、三大化け猫について解説▼
猫の日にちなんで化け猫について知ろう!なぜ猫は妖怪になったのか?
世にも恐ろしい「百鬼夜行」とは?日本や世界の怖い&おもしろい妖怪たちも紹介▼
怖すぎる!?「百鬼夜行」の意味とは?日本や世界の妖怪もたくさんご紹介!