人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
みなさんは、ハワイにどのようなイメージを持っていますか? さんさんと照り輝く太陽、白い砂浜と青い海、アロハシャツ、雄大な山々など、人によってハワイと聞いて思い浮かべるものはさまざまだと思います。
そんなハワイの魅力のひとつに、「ハワイ語」があります。ハワイの人々の文化や考え方が大きく反映されたハワイ語。今回のコラムでは、そんなハワイ語のなかから「オハナ」という言葉をピックアップしたいと思います。ハワイを舞台にしたディズニー映画『リロ&スティッチ』で何度も『Ohana(オハナ)』という言葉が使われていたため、知っているという方も多いのではないでしょうか。
「オハナ」という言葉の語源や、込められた深い意味、意外なタロイモとハワイの関係、オハナと自然の関係、そしてオハナに関連するハワイ語もいくつかご紹介していきたいと思います。
このコラムを読めば、きっともっとハワイの魅力が感じられるはずです。ぜひ最後まで読んで、ハワイへの知識や愛を深めてみてくださいね。
「オハナ」の一般的な意味は「家族」なのですが、本来の意味はもっと深く、「生き死にをともにする命をかけた運命共同体」「生死にかかわる絆の強い運命共同体」のことを指すといわれています。
日本語で「家族」というと、夫婦とその子ども、祖父母など、血のつながりのある近い親戚、といったイメージですよね。
しかしハワイ語の「オハナ」は、血族を中心とした固い絆で結ばれた人々のことという意味を持っています。日本語の「家族」よりもずっと広いイメージです。血のつながりがある人を中心としますが、ときには血のつながっていない他人も「オハナ」に含まれることがあるんですよ……!
「Ohana(オハナ)」の語源は、意外なところにありました。それは、植物の「タロイモ」。「オハ」とはタロイモの芽の部分を指す言葉なんです。
そもそも「オハ」には「繁殖」という意味がありますが、小さな球根のつぼみを意味する「ohā(オハー)」は「呼吸のようなもの」という意味があります。そしてその「オハ」に「〜たち」という意味の「-na」がついて生まれた言葉が「Ohana(オハナ)」なのです。
「オハ」+「ナ」を組み合わせて直訳すると「呼吸をするものたち」となります。そこから時とともに「家族」という意味へ転じていったと伝えられています。
植物のタロイモが「オハナ」の語源に関係していることがわかりましたね。タロイモは、ハワイの人々の生活に欠かせない植物であり、多くの家庭では主要な食べ物として食べられています。葉も茎も含めてすべて食べられる植物であり、栄養価も高く、非アレルギー性植物であることから、子どもからお年寄りまでみんなに食べられてきました。
実は、タロイモはハワイで古くから神聖なものとして人々から大きな敬意を抱かれてきた植物なんです。
ネイティブハワイアンの人々は、タロイモの植物を宇宙観的に先祖代々の親族と考えているんだそうです。人間はタロイモから生まれた、と考えられ、神聖なものとなっていました。どれくらい古くから食べられているかというと、なんと西暦450年にまでさかのぼるそうです。
そして、タロイモを育てるには、芽の部分を切り取って土に埋めます。先ほどご紹介したとおり、「芽=オハ」なので、タロイモを受け替えながら増やしていくことは、ハワイアン民族が繁栄することにつながると考えられているのです。
昔、ハワイでは人々は大きな一族として生活をしていました。親戚がみんなで集まって暮らすようなイメージです。
体力があり、働き盛りの世代が海などで働き、年配の人や子どもたちが小さな子どもの面倒を見ます。そして、子どもたちにもそれぞれやることが割り当てられていたため、一族のなかで、誰一人として欠かせない存在だったのです。
また、一族の絆が深いことから、他一族との争いもありました。残念ながら争いに敗れてしまった一族は、勝った一族から奴隷のような扱いを受けるケースもあったとか。しかし、なかにはオハナとして迎え入れられる場合もあったそうです。その場合、さらに大きなオハナとなって百数十名が生活を一緒にしていました。
さきほどご紹介したとおり、オハナは血のつながりだけでなく、もっと広い「運命共同体」のようなものです。そのため、ハワイでは誰しもがオハナに属しています。
オハナにはいろいろな種類があります。たとえば、生物としてのオハナ(血族)、仕事におけるオハナ、趣味・レクリエーションの仲間とのオハナ、教会・宗教を通じたオハナなどです。ハワイでは身近なフラ教室(フラ・ハーラウ)もその一つであり、生徒(ハウマナ)は先生(クム)にとってのオハナなのです。 ハワイの人々は、みんな誰かのオハナとしてお互いつながっていると考えているのです。
オハナ内部が平穏であることが大切なため、オハナに属している人はそれぞれが真面目に、他の人のことを思って行動することが求められています。
オハナとタロイモが関係しているとご紹介した通り、オハナは自然とも深いかかわりを持っています。
古くからハワイの人々は、自然を敬い、大切にしながら共存してきました。人間はタロイモから生まれた、と考えられていたこともあり、オハナの考え方は環境への配慮にもつながっています。
たとえば、地球と世界の家族に対して尊敬の念を示すために、私たちにできることはたくさんあります。たとえば、環境汚染を防ぐこと、魚は必要な分だけ獲ること、食べ物を無駄にしないこと、ゴミを拾うこと、相手の安全を保つために交通ルールを守ること、などです。
これらの行動をすることで、私たち一人一人がオハナを尊重していることを示せるのです。
最後に、オハナに関連のあるほかのハワイ語をいくつかご紹介しますね。
カプとは、ポリネシア文化の中で成立した「社会の掟」で、「禁止」や「禁忌」を指し、英語の「タブー」の語源となったとも考えられている言葉です。
法律というよりも、宗教的・文化的なものに基づいたルール・掟であり、広範囲のものを指します。また、カプにはいろいろな種類があります。ポリネシア諸島に共通するカプ、それぞれの島のカプ、それぞれの行政単位のカプ、オハナ内のカプ、地位、職業、性別ごとのカプなどです。
たとえば、王族に対する失礼な行為についてのカプや、魚を取ってはいけない場所や時期に関するカプなどがあります。オハナ内のカプには、お互いに監視し合い、諫め合うという意味合いもあります。
「ホオポノポノ」はもともと「物事を正す、調和させる」という意味があります。そして、古来ハワイアンが家族間の問題を探り、調和を取り戻すために使ってきた精神的な解決手段でもあります。「ポノ」は「正常な状態」という意味があります。
オハナ内での争いごとやトラブルがあると、神がおこり罰をあたえられると考えられていたため、できるかぎりオハナを穏やかな状態に保つことが大切にされてきたのです。
「ハナイ」とは、ハワイの養子制度のことを指します。現代の私たちが知っているような養子制度とは少し違い、オハナの精神を大切にした風習でした。初めての孫を祖父母(クプナ)が養子として迎えて育てるというのが多かったようです。
祖父母が育てるのは、子どもはオハナ全体の子どもとして神様から授かる、と考えられていたため、経験や知恵をたくさん持っているからという理由だといわれています。
古代ハワイでは世襲制度が基本だったため、初めての孫は祖父母がしっかりと英才教育することが求められていました。
オハナは、単なる家族という意味にとどまらず、「誰一人欠かすことのできない大切な運命共同体」という意味があることがわかりましたね。
オハナという言葉の本当の意味を知ることで、ハワイの人々の文化や考え方がわかったのではないでしょうか。
このコラムが、みなさんがハワイをもっと好きになるきっかけになればうれしいです!
みなさんは、ハワイにどのようなイメージを持っていますか?
さんさんと照り輝く太陽、白い砂浜と青い海、アロハシャツ、雄大な山々など、人によってハワイと聞いて思い浮かべるものはさまざまだと思います。
そんなハワイの魅力のひとつに、「ハワイ語」があります。ハワイの人々の文化や考え方が大きく反映されたハワイ語。今回のコラムでは、そんなハワイ語のなかから「オハナ」という言葉をピックアップしたいと思います。ハワイを舞台にしたディズニー映画『リロ&スティッチ』で何度も『Ohana(オハナ)』という言葉が使われていたため、知っているという方も多いのではないでしょうか。
「オハナ」という言葉の語源や、込められた深い意味、意外なタロイモとハワイの関係、オハナと自然の関係、そしてオハナに関連するハワイ語もいくつかご紹介していきたいと思います。
このコラムを読めば、きっともっとハワイの魅力が感じられるはずです。ぜひ最後まで読んで、ハワイへの知識や愛を深めてみてくださいね。
目次
オハナに込められた深い意味とは
「オハナ」の一般的な意味は「家族」なのですが、本来の意味はもっと深く、「生き死にをともにする命をかけた運命共同体」「生死にかかわる絆の強い運命共同体」のことを指すといわれています。
日本語で「家族」というと、夫婦とその子ども、祖父母など、血のつながりのある近い親戚、といったイメージですよね。
しかしハワイ語の「オハナ」は、血族を中心とした固い絆で結ばれた人々のことという意味を持っています。日本語の「家族」よりもずっと広いイメージです。血のつながりがある人を中心としますが、ときには血のつながっていない他人も「オハナ」に含まれることがあるんですよ……!
オハナの語源
「Ohana(オハナ)」の語源は、意外なところにありました。それは、植物の「タロイモ」。「オハ」とはタロイモの芽の部分を指す言葉なんです。
そもそも「オハ」には「繁殖」という意味がありますが、小さな球根のつぼみを意味する「ohā(オハー)」は「呼吸のようなもの」という意味があります。そしてその「オハ」に「〜たち」という意味の「-na」がついて生まれた言葉が「Ohana(オハナ)」なのです。
「オハ」+「ナ」を組み合わせて直訳すると「呼吸をするものたち」となります。そこから時とともに「家族」という意味へ転じていったと伝えられています。
タロイモとハワイの深い関係
植物のタロイモが「オハナ」の語源に関係していることがわかりましたね。タロイモは、ハワイの人々の生活に欠かせない植物であり、多くの家庭では主要な食べ物として食べられています。葉も茎も含めてすべて食べられる植物であり、栄養価も高く、非アレルギー性植物であることから、子どもからお年寄りまでみんなに食べられてきました。
実は、タロイモはハワイで古くから神聖なものとして人々から大きな敬意を抱かれてきた植物なんです。
ネイティブハワイアンの人々は、タロイモの植物を宇宙観的に先祖代々の親族と考えているんだそうです。人間はタロイモから生まれた、と考えられ、神聖なものとなっていました。どれくらい古くから食べられているかというと、なんと西暦450年にまでさかのぼるそうです。
そして、タロイモを育てるには、芽の部分を切り取って土に埋めます。先ほどご紹介したとおり、「芽=オハ」なので、タロイモを受け替えながら増やしていくことは、ハワイアン民族が繁栄することにつながると考えられているのです。
オハナのあり方
昔、ハワイでは人々は大きな一族として生活をしていました。親戚がみんなで集まって暮らすようなイメージです。
体力があり、働き盛りの世代が海などで働き、年配の人や子どもたちが小さな子どもの面倒を見ます。そして、子どもたちにもそれぞれやることが割り当てられていたため、一族のなかで、誰一人として欠かせない存在だったのです。
また、一族の絆が深いことから、他一族との争いもありました。残念ながら争いに敗れてしまった一族は、勝った一族から奴隷のような扱いを受けるケースもあったとか。しかし、なかにはオハナとして迎え入れられる場合もあったそうです。その場合、さらに大きなオハナとなって百数十名が生活を一緒にしていました。
オハナの定義
さきほどご紹介したとおり、オハナは血のつながりだけでなく、もっと広い「運命共同体」のようなものです。そのため、ハワイでは誰しもがオハナに属しています。
オハナにはいろいろな種類があります。たとえば、生物としてのオハナ(血族)、仕事におけるオハナ、趣味・レクリエーションの仲間とのオハナ、教会・宗教を通じたオハナなどです。ハワイでは身近なフラ教室(フラ・ハーラウ)もその一つであり、生徒(ハウマナ)は先生(クム)にとってのオハナなのです。
ハワイの人々は、みんな誰かのオハナとしてお互いつながっていると考えているのです。
オハナ内部が平穏であることが大切なため、オハナに属している人はそれぞれが真面目に、他の人のことを思って行動することが求められています。
オハナと自然
オハナとタロイモが関係しているとご紹介した通り、オハナは自然とも深いかかわりを持っています。
古くからハワイの人々は、自然を敬い、大切にしながら共存してきました。人間はタロイモから生まれた、と考えられていたこともあり、オハナの考え方は環境への配慮にもつながっています。
たとえば、地球と世界の家族に対して尊敬の念を示すために、私たちにできることはたくさんあります。たとえば、環境汚染を防ぐこと、魚は必要な分だけ獲ること、食べ物を無駄にしないこと、ゴミを拾うこと、相手の安全を保つために交通ルールを守ること、などです。
これらの行動をすることで、私たち一人一人がオハナを尊重していることを示せるのです。
オハナに関連するハワイ語
最後に、オハナに関連のあるほかのハワイ語をいくつかご紹介しますね。
カプ
カプとは、ポリネシア文化の中で成立した「社会の掟」で、「禁止」や「禁忌」を指し、英語の「タブー」の語源となったとも考えられている言葉です。
法律というよりも、宗教的・文化的なものに基づいたルール・掟であり、広範囲のものを指します。また、カプにはいろいろな種類があります。ポリネシア諸島に共通するカプ、それぞれの島のカプ、それぞれの行政単位のカプ、オハナ内のカプ、地位、職業、性別ごとのカプなどです。
たとえば、王族に対する失礼な行為についてのカプや、魚を取ってはいけない場所や時期に関するカプなどがあります。オハナ内のカプには、お互いに監視し合い、諫め合うという意味合いもあります。
ホオポノポノ
「ホオポノポノ」はもともと「物事を正す、調和させる」という意味があります。そして、古来ハワイアンが家族間の問題を探り、調和を取り戻すために使ってきた精神的な解決手段でもあります。「ポノ」は「正常な状態」という意味があります。
オハナ内での争いごとやトラブルがあると、神がおこり罰をあたえられると考えられていたため、できるかぎりオハナを穏やかな状態に保つことが大切にされてきたのです。
ハナイ
「ハナイ」とは、ハワイの養子制度のことを指します。現代の私たちが知っているような養子制度とは少し違い、オハナの精神を大切にした風習でした。初めての孫を祖父母(クプナ)が養子として迎えて育てるというのが多かったようです。
祖父母が育てるのは、子どもはオハナ全体の子どもとして神様から授かる、と考えられていたため、経験や知恵をたくさん持っているからという理由だといわれています。
古代ハワイでは世襲制度が基本だったため、初めての孫は祖父母がしっかりと英才教育することが求められていました。
オハナの深い意味を知って、ハワイをもっと好きになろう!
オハナは、単なる家族という意味にとどまらず、「誰一人欠かすことのできない大切な運命共同体」という意味があることがわかりましたね。
オハナという言葉の本当の意味を知ることで、ハワイの人々の文化や考え方がわかったのではないでしょうか。
このコラムが、みなさんがハワイをもっと好きになるきっかけになればうれしいです!