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ハワイの公式言語は英語、そしてもうひとつはハワイ語です。 ハワイ語はもともとネイティブハワイアンが話していた言葉で、約1,500年前にポリネシアの島々から伝わったとされています。
ハワイに暮らしていてもハワイ語を話せる人はまだまだ多いとはいえませんが、ハワイの地名や、あいさつ、古くから伝わるメレ(歌)の中でよく目にする、ハワイの文化や歴史が詰まった美しい言葉です。
長い歴史の中で、禁じられ、消滅の危機にあったハワイ語。近年では再び注目を集め、若い人でも流暢にハワイ語を話せる人が増えているそうです。
今回は、愛と思いやりに満ちた美しい言葉「ハワイ語」についてお伝えしたいと思います。
ハワイ語は、もともとネイティブハワイアンが使っていた言語。タヒチ語などと同じ系統の「ポリネシア諸語」に属します。
約1,500年前、南太平洋のポリネシアの島々を旅した航海者たちが、ハワイ諸島に辿り着き、この地で独自の文化と言語を発展させたのが始まりです。
ハワイ語は西はマダガスカル、東はイースター島、北は台湾、そして南はニュージーランドという広範囲で使われているオーストロネシア語族(南東語族)に属する言語です。
ハワイ語は、タヒチ語、マオリ語、サモア語、トンガ語などのポリネシア諸語に近い言語といわれ、発音や語彙、文法に多くの共通点があります。
一説によると、キャプテン・クックが初めてハワイに訪れた際、片言のタヒチ語とジェスチャーを使い、ハワイアンたちとコミュニケーションをとっていたのだとか。
ネイティブハワイアンたちが使っていた頃のハワイ語は、彼らの生活、職業、宗教や、感情、生息していた動植物など、必要とされる言葉はそれほど多くはなかったかもしれません。
もともとハワイ語は「文字」を持たない言語だったため、伝統文化や歴史など大切なことはすべて、メレ(歌)やフラ(踊り)に込めて口頭で伝承されてきました。
その後1778年キャプテン・クックのハワイ諸島来島をきっかけに、ハワイ語は急激に進化します。西欧から持ち込まれた武器や洋服、家畜など、今までハワイ語になかった言葉や、異文化と交流によって新たなハワイ語が次々誕生していきました。
1820年に最初のアメリカ人宣教師がハワイに到着すると、ハワイ語は新たな局面を迎えます。一番の変化は宣教師たちによりアルファベットが伝えられたこと。
彼らはハワイ語をローマ字で表記する方法を確立し、聖書や讃美歌、教育資料をハワイ語で書き記すようになりました。つまり口頭言語だったハワイ語に文字が誕生したのです。
言葉を表記するようになると、ハワイアンの識字率は約40年の間に0%から95%までアップしたといわれています。
1893年にハワイ王国が転覆し、ハワイがアメリカ合衆国の一部となると、ハワイ語は衰退の一途をたどることに。
特にハワイ準州の時代は、アメリカ人としての教養を高めるため、英語が公用語となりました。さらにハワイの公立高校でハワイ語の使用が禁止され、ハワイ語は急激に衰退。消滅の危機に直面します。
しかし抑圧された暮らしの中で、ハワイアンたちは、公の場では英語を使いながら、家庭やフラハラウの中でひっそりとハワイ語を伝承し続けていたのです。
1970年代に入ると、ハワイアンルネッサンス(ハワイ文化復興運動)の動きが活発化。その流れを受け1978年には英語に並び、ハワイ語がハワイ州の公用語に指定されました。
ハワイ文化の復興にハワイ語は欠かせないとして、研究者たちにより1984年、カウアイ島にハワイ語で教育する学校が設立されたのです。
その後、同様の学校がハワイ各所に次々開校。衰退していたハワイ語は少しずつ復活の兆しを見せ、40年経った今では、ハワイ語を話せる世代が確実に広がっています。
ハワイ語の発音は、比較的シンプルで明瞭です。全ての音が母音で終わるため、日本語の発音によく似ています。またローマ字表記に似ているため、日本人にとっては馴染みやすいでしょう。
オナオナ(ほのかな香り)、ハノハノ(壮大な)、ナヘナへ(快い)など、音節を繰り返す単語が多く、音楽のようにリズミカルで、心地のよい音が魅力です。
ハワイ語の文法は、日本語とも英語とも異なる構造を持っています。基本的な文の構造は、動詞(V)+主語(S)+目的語(O)の順番。
ハワイ語には名詞の複数形の表現があります。名詞そのものは変化せず、名詞の前につける冠詞を単数形の「ke」や「ka」、もしくは複数形の「nā」に変えることで表現します。
疑問文を作りたい場合は、文末に「?」を付けるだけ。会話では語尾を軽く上げるだけで、疑問文になります。
ハワイ語のアルファベットは12文字。5つの母音(A、E、I、O、U)と、7つの子音(H、K、L、M、N、P、W)。そして「オキナ( ‘ )」「カハコー( ¯ )」と呼ばれる記号を組み合わせて使います。読み方はローマ字読みですが、Wの発音がVに近いので注意が必要です。
「オキナ( ‘ )」は母音の前に置き、音をつまらせて読みます。また「カハコー( ¯ )」は母音の上に置き、音を伸ばします。
ハワイ語のアルファベットのことを「Pī, ā, pā (ピーアーパー)」と呼びます。これは「PとAでPAと発音する」という音読システムのこと。英語のアルファベットをABC(エイビーシー)と呼ぶのと似ていますね。
ハワイ語は、ハワイの文化とアイデンティティを象徴する重要な要素です。かつて文字を持たなかった古代ハワイでは、先祖が何百年もの間大切にしてきた伝統文化を、ハワイ語のメレや踊りに込めて伝承してきたからです。
ハワイ語を学び使うことは、ハワイの伝統や歴史、文化を紐解き、次世代に伝えることを意味します。ハワイ文化の復興はハワイ語の繁栄なくしては成しえないのです。
ハワイ語について学んだところで誰もが知る有名なハワイ語の意味をご紹介しましょう。 まず、知っているハワイ語といえば「ALOHA」ではないでしょうか?
「ALOHA」には「こんにちは」「さようなら」「愛しています」など、挨拶をはじめ30以上の意味があるといわれています。
「ALOHA」は
と1文字1文字に意味が込められているのだとか。このようにハワイ語には自然や家族や仲間を思いやり調和を願う気持ちが込められています。
次に、ハワイを代表する有名な地名を見てみましょう。
例えば、 「ワイキキ(Waikīkī)」とは、Wai=(真水)、kīkī=(湧き出る)を合わせた言葉で「真水が湧き出る場所」という意味があります。
「ホノルル(Honolulu)」とはHono=(湾、入り江)、Lulu=(穏やかな)を合わせた言葉で「穏やかな海」を意味します。
現在ハワイの公式言語でもあるハワイ語。もともとネイティブハワイアンが話していた言葉で、過去にはアメリカにより禁じられ、消滅の危機に瀕した時代もありました。
しかし近年、ハワイアンルネッサンスの流れの中で、ハワイ語による教育設備が充実したことにより、ハワイ語が話せる世代がどんどん増えています。
ハワイ語の繁栄は、ハワイの誇り、ハワイの伝統文化の復興そのもの。今回は、愛と思いやりに溢れた美しい言語「ハワイ語」についてお届けしました。
ハワイの公式言語は英語、そしてもうひとつはハワイ語です。
ハワイ語はもともとネイティブハワイアンが話していた言葉で、約1,500年前にポリネシアの島々から伝わったとされています。
ハワイに暮らしていてもハワイ語を話せる人はまだまだ多いとはいえませんが、ハワイの地名や、あいさつ、古くから伝わるメレ(歌)の中でよく目にする、ハワイの文化や歴史が詰まった美しい言葉です。
長い歴史の中で、禁じられ、消滅の危機にあったハワイ語。近年では再び注目を集め、若い人でも流暢にハワイ語を話せる人が増えているそうです。
今回は、愛と思いやりに満ちた美しい言葉「ハワイ語」についてお伝えしたいと思います。
目次
ハワイ語の起源
ハワイ語はどこから来たのか
ハワイ語は、もともとネイティブハワイアンが使っていた言語。タヒチ語などと同じ系統の「ポリネシア諸語」に属します。
約1,500年前、南太平洋のポリネシアの島々を旅した航海者たちが、ハワイ諸島に辿り着き、この地で独自の文化と言語を発展させたのが始まりです。
ハワイ語の仲間
ハワイ語は西はマダガスカル、東はイースター島、北は台湾、そして南はニュージーランドという広範囲で使われているオーストロネシア語族(南東語族)に属する言語です。
ハワイ語は、タヒチ語、マオリ語、サモア語、トンガ語などのポリネシア諸語に近い言語といわれ、発音や語彙、文法に多くの共通点があります。
一説によると、キャプテン・クックが初めてハワイに訪れた際、片言のタヒチ語とジェスチャーを使い、ハワイアンたちとコミュニケーションをとっていたのだとか。
ハワイ語の歴史と変化
キャプテン・クック来島前後
ネイティブハワイアンたちが使っていた頃のハワイ語は、彼らの生活、職業、宗教や、感情、生息していた動植物など、必要とされる言葉はそれほど多くはなかったかもしれません。
もともとハワイ語は「文字」を持たない言語だったため、伝統文化や歴史など大切なことはすべて、メレ(歌)やフラ(踊り)に込めて口頭で伝承されてきました。
その後1778年キャプテン・クックのハワイ諸島来島をきっかけに、ハワイ語は急激に進化します。西欧から持ち込まれた武器や洋服、家畜など、今までハワイ語になかった言葉や、異文化と交流によって新たなハワイ語が次々誕生していきました。
宣教師たちの来島後
1820年に最初のアメリカ人宣教師がハワイに到着すると、ハワイ語は新たな局面を迎えます。一番の変化は宣教師たちによりアルファベットが伝えられたこと。
彼らはハワイ語をローマ字で表記する方法を確立し、聖書や讃美歌、教育資料をハワイ語で書き記すようになりました。つまり口頭言語だったハワイ語に文字が誕生したのです。
言葉を表記するようになると、ハワイアンの識字率は約40年の間に0%から95%までアップしたといわれています。
この新聞は今ではハワイ文化や歴史が詰まった貴重な資料です。
ハワイ王朝転覆後
1893年にハワイ王国が転覆し、ハワイがアメリカ合衆国の一部となると、ハワイ語は衰退の一途をたどることに。
特にハワイ準州の時代は、アメリカ人としての教養を高めるため、英語が公用語となりました。さらにハワイの公立高校でハワイ語の使用が禁止され、ハワイ語は急激に衰退。消滅の危機に直面します。
しかし抑圧された暮らしの中で、ハワイアンたちは、公の場では英語を使いながら、家庭やフラハラウの中でひっそりとハワイ語を伝承し続けていたのです。
ハワイアンルネッサンス
1970年代に入ると、ハワイアンルネッサンス(ハワイ文化復興運動)の動きが活発化。その流れを受け1978年には英語に並び、ハワイ語がハワイ州の公用語に指定されました。
ハワイ文化の復興にハワイ語は欠かせないとして、研究者たちにより1984年、カウアイ島にハワイ語で教育する学校が設立されたのです。
その後、同様の学校がハワイ各所に次々開校。衰退していたハワイ語は少しずつ復活の兆しを見せ、40年経った今では、ハワイ語を話せる世代が確実に広がっています。
ハワイ語の特徴
ハワイ語の発音
ハワイ語の発音は、比較的シンプルで明瞭です。全ての音が母音で終わるため、日本語の発音によく似ています。またローマ字表記に似ているため、日本人にとっては馴染みやすいでしょう。
オナオナ(ほのかな香り)、ハノハノ(壮大な)、ナヘナへ(快い)など、音節を繰り返す単語が多く、音楽のようにリズミカルで、心地のよい音が魅力です。
ハワイ語の文法
ハワイ語の文法は、日本語とも英語とも異なる構造を持っています。基本的な文の構造は、動詞(V)+主語(S)+目的語(O)の順番。
ハワイ語には名詞の複数形の表現があります。名詞そのものは変化せず、名詞の前につける冠詞を単数形の「ke」や「ka」、もしくは複数形の「nā」に変えることで表現します。
疑問文を作りたい場合は、文末に「?」を付けるだけ。会話では語尾を軽く上げるだけで、疑問文になります。
ハワイ語の表記
ハワイ語のアルファベットは12文字。5つの母音(A、E、I、O、U)と、7つの子音(H、K、L、M、N、P、W)。そして「オキナ( ‘ )」「カハコー( ¯ )」と呼ばれる記号を組み合わせて使います。読み方はローマ字読みですが、Wの発音がVに近いので注意が必要です。
「オキナ( ‘ )」は母音の前に置き、音をつまらせて読みます。また「カハコー( ¯ )」は母音の上に置き、音を伸ばします。
ハワイ語のアルファベットのことを「Pī, ā, pā (ピーアーパー)」と呼びます。これは「PとAでPAと発音する」という音読システムのこと。英語のアルファベットをABC(エイビーシー)と呼ぶのと似ていますね。
ハワイ語の重要性
ハワイ語は、ハワイの文化とアイデンティティを象徴する重要な要素です。かつて文字を持たなかった古代ハワイでは、先祖が何百年もの間大切にしてきた伝統文化を、ハワイ語のメレや踊りに込めて伝承してきたからです。
ハワイ語を学び使うことは、ハワイの伝統や歴史、文化を紐解き、次世代に伝えることを意味します。ハワイ文化の復興はハワイ語の繁栄なくしては成しえないのです。
ハワイ語をご紹介
ハワイ語について学んだところで誰もが知る有名なハワイ語の意味をご紹介しましょう。
まず、知っているハワイ語といえば「ALOHA」ではないでしょうか?
「ALOHA」には「こんにちは」「さようなら」「愛しています」など、挨拶をはじめ30以上の意味があるといわれています。
「ALOHA」は
と1文字1文字に意味が込められているのだとか。このようにハワイ語には自然や家族や仲間を思いやり調和を願う気持ちが込められています。
次に、ハワイを代表する有名な地名を見てみましょう。
例えば、
「ワイキキ(Waikīkī)」とは、Wai=(真水)、kīkī=(湧き出る)を合わせた言葉で「真水が湧き出る場所」という意味があります。
「ホノルル(Honolulu)」とはHono=(湾、入り江)、Lulu=(穏やかな)を合わせた言葉で「穏やかな海」を意味します。
ハワイ語の復活
現在ハワイの公式言語でもあるハワイ語。もともとネイティブハワイアンが話していた言葉で、過去にはアメリカにより禁じられ、消滅の危機に瀕した時代もありました。
しかし近年、ハワイアンルネッサンスの流れの中で、ハワイ語による教育設備が充実したことにより、ハワイ語が話せる世代がどんどん増えています。
ハワイ語の繁栄は、ハワイの誇り、ハワイの伝統文化の復興そのもの。今回は、愛と思いやりに溢れた美しい言語「ハワイ語」についてお届けしました。