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もうすぐ待ちに待った夏休みやお盆休みが始まりますね! 暑いから家のなかでゆっくりしたい、という方もいれば、お休みを利用して思いっきりアウトドアを楽しみたい、という方もいるでしょう。
そこで、今回のコラムでは、「男体山(なんたいさん)の山開き」にフォーカスして、2024年の男体山の山開きはいつなのか、そもそも山開きとはなんなのかなどについて、わかりやすく解説していきます。 またあわせて、意外と知らない男体山の伝説や歴史などもご紹介していきたいと思います。 アウトドア派の方や普段から山登りを楽しんでいる方はもちろん、あまり登山の経験がないという方も楽しめる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
2024年の男体山の山開きは、4月25日(木)です。 山開きの意味や具体的にどんな風習なのかということは、後ほど詳しく解説しますが、この日から登山者たちは男体山に登ることができるようになります。
登山シーズンは決まっているため、秋になると閉山されます。 2024年の男体山の閉山は、11月11日(月)を予定しています。この日以降、冬の間は男体山に登ることができません。次に登ることができるようになるのは、2025年の山開き以降となります。なお、男体山の山開きと閉山については、例年日程が決まっています。山開きは4月25日、閉山は11月11日です。ただし、この日程は、2019年以降のもので、それ以前の山開きは5月5日、閉山は10月25日でした。 男体山の山開きと閉山の日程が2019年以降変わったのは、いくつか理由があります。
1つめは、気候変動の影響によるものです。地球温暖化によって、近年では4月下旬と11月上旬に雪が少なくなりました。そのため、山開きを5月上旬から4月下旬に早め、閉山を10月下旬から11月上旬に遅らせても、登山者が安全に男体山に登れるだろうと判断し、日程を変更しました。
2つめの理由は、登山者からの要望によるものでした。男体山はとても人気がある山であり、登山者も多いです。登山者たちから、山開きを早めて、そして閉山を遅らせて、できるだけ長い期間登山させてほしいとの要望が多く寄せられたといいます。
こうした2つの理由から、山開きが早くなり、閉山が遅くなりました。 結果として、安全面が確保された状態で長い期間男体山に登ることができるのは素敵なことですよね。
ここまで男体山の山開きの日程をご紹介しました。 しかし、みなさんのなかには「そもそも山開きってなに?」「山はいつでも登って良いのではないの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。 ここからは、山開きについて、具体的にどんな風習なのか、その意味や目的はなんなのかということをわかりやすく解説していきます。
そもそも、山開きとはいったいどのようなものなのでしょうか?山開きは、毎年日程を決めて、山小屋などを開き、登山者を迎える準備をし、一般の人々にその山に登ることを許可することです。山開きの時期や日程は、それぞれの山によって少しずつ異なりますが、たいてい3月~7月にかけて行われる場合が多いです。特に5月末から7月はピークとなり、多くの山で山開きが行われます。山開きでは、山の神様に登山の安全を祈願する風習があります。
たとえば、男体山の山開きでは、登山口の近くにある「日光二荒山神社中宮祠」に神職や関係者などが集まり、神事を行います。続いて彼らが登山口に移動し、冬の間閉ざされていた朱塗りの門のかんぬきをはずして、門を開きます。さらに、登山道に出て玉ぐしをささげ、その年も安全に登山できることを祈願します。ちなみに、山開きの前に登山することも不可能ではありませんが、事故などのリスクが高いため、おすすめされていません。
昔は、山は神聖な場所として考えられており、修行をする山伏(やまぶし)や僧侶たちだけが入ることができました。今回ご紹介する男体山をはじめとして、日本には多くの「霊山」がありますが、これも山が修行の場としてとらえられてきたことが理由です。昔は、一般の人々がそれを無視して山に入ると、天狗におそわれるという恐ろしい言い伝えもあったといいます。
山には神社があることがありますが、これは日本が昔から山岳信仰がさかんだったことに由来します。また、江戸時代の中ごろになると、山頂の神様に参拝する講中登山(こうちゅうとざん)が流行。こういった人々を受け入れるために、各地の山で限られた期間であれば山に登ることを許すようになっていきます。これが、山開きのルーツです。
ちなみに、何かを始めることを「○○開き」といいますが、これは「山開き」が由来といわれています。つまり、「山開き」という言葉がもともとあり、そこから何かのはじまりを「○○開き」と呼ぶようになったんです。たとえば、海で一般の人々に海水浴をすることが許される「海開き」という風習・言葉がありますが、こちらは「山開き」という言葉にならって生まれたといわれています。
ここからは、男体山について詳しくご紹介していきたいと思います。先ほどもご紹介したとおり、日本各地に「霊山」がありますが、男体山もそのひとつ。男体山には、意外と知られていない伝説も残っているんですよ。
男体山は、栃木県にある標高2,486mの山です。日光連山の中央に位置し、中禅寺湖のほとりにそびえたつ姿はとても雄大です。その美しさから、「日光富士」や「下野(しもつけ)富士」と呼ばれることも。「日本百名山」のひとつにも数えられています。山域全体が日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)の境内にあり、冬場は入山禁止となっています。
男体山は、古くから日光における信仰の中心となっていました。1,200年以上の信仰の歴史があると考えられています。男体山にはじめて登ったのは、782年(天応2年)に登頂した僧である勝道上人だといわれています。
男体山にまつわるおもしろい伝説もあります。
昔、男体山の神様と赤城山の神様が、美しい中禅寺湖を自分の領地にしようとしました。そこで、それぞれ大蛇と大ムカデに姿を変えて、激しい争奪戦を繰りひろげます。しかし、なかなか決着はつきません。男体山の神様は、弓の名人である自分の子孫・猿麻呂に大ムカデの目を射抜かせて、ついに相手を討ち負かした、という伝説です。そして、この戦いが繰り広げられたのが、現在の戦場ヶ原だといわれています。
今回のコラムでは、2024年の男体山の山開きの日程や、山開きでは具体的になにをするのか、どのような目的で山開きをするのかなどをわかりやすく詳しく解説していきました。山開きは、人々が安全に登山を楽しめるためのもの。山に登ることで、豊かな自然に触れることができたり、雄大な景色を楽しむことができます。男体山をはじめ、山に登るときには、山開きの時期を待ってから行くようにしてくださいね。
もうすぐ待ちに待った夏休みやお盆休みが始まりますね!
暑いから家のなかでゆっくりしたい、という方もいれば、お休みを利用して思いっきりアウトドアを楽しみたい、という方もいるでしょう。
そこで、今回のコラムでは、「男体山(なんたいさん)の山開き」にフォーカスして、2024年の男体山の山開きはいつなのか、そもそも山開きとはなんなのかなどについて、わかりやすく解説していきます。
またあわせて、意外と知らない男体山の伝説や歴史などもご紹介していきたいと思います。
アウトドア派の方や普段から山登りを楽しんでいる方はもちろん、あまり登山の経験がないという方も楽しめる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
2024年の男体山の山開きはいつ?
2024年の男体山の山開きは、4月25日(木)です。
山開きの意味や具体的にどんな風習なのかということは、後ほど詳しく解説しますが、この日から登山者たちは男体山に登ることができるようになります。
登山シーズンは決まっているため、秋になると閉山されます。
2024年の男体山の閉山は、11月11日(月)を予定しています。この日以降、冬の間は男体山に登ることができません。次に登ることができるようになるのは、2025年の山開き以降となります。なお、男体山の山開きと閉山については、例年日程が決まっています。山開きは4月25日、閉山は11月11日です。ただし、この日程は、2019年以降のもので、それ以前の山開きは5月5日、閉山は10月25日でした。
男体山の山開きと閉山の日程が2019年以降変わったのは、いくつか理由があります。
1つめは、気候変動の影響によるものです。地球温暖化によって、近年では4月下旬と11月上旬に雪が少なくなりました。そのため、山開きを5月上旬から4月下旬に早め、閉山を10月下旬から11月上旬に遅らせても、登山者が安全に男体山に登れるだろうと判断し、日程を変更しました。
2つめの理由は、登山者からの要望によるものでした。男体山はとても人気がある山であり、登山者も多いです。登山者たちから、山開きを早めて、そして閉山を遅らせて、できるだけ長い期間登山させてほしいとの要望が多く寄せられたといいます。
こうした2つの理由から、山開きが早くなり、閉山が遅くなりました。
結果として、安全面が確保された状態で長い期間男体山に登ることができるのは素敵なことですよね。
そもそも山開きってなに?
ここまで男体山の山開きの日程をご紹介しました。
しかし、みなさんのなかには「そもそも山開きってなに?」「山はいつでも登って良いのではないの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
ここからは、山開きについて、具体的にどんな風習なのか、その意味や目的はなんなのかということをわかりやすく解説していきます。
山開きってどんな風習なの?
そもそも、山開きとはいったいどのようなものなのでしょうか?山開きは、毎年日程を決めて、山小屋などを開き、登山者を迎える準備をし、一般の人々にその山に登ることを許可することです。山開きの時期や日程は、それぞれの山によって少しずつ異なりますが、たいてい3月~7月にかけて行われる場合が多いです。特に5月末から7月はピークとなり、多くの山で山開きが行われます。山開きでは、山の神様に登山の安全を祈願する風習があります。
たとえば、男体山の山開きでは、登山口の近くにある「日光二荒山神社中宮祠」に神職や関係者などが集まり、神事を行います。続いて彼らが登山口に移動し、冬の間閉ざされていた朱塗りの門のかんぬきをはずして、門を開きます。さらに、登山道に出て玉ぐしをささげ、その年も安全に登山できることを祈願します。ちなみに、山開きの前に登山することも不可能ではありませんが、事故などのリスクが高いため、おすすめされていません。
山開きのルーツは山岳信仰にあり
昔は、山は神聖な場所として考えられており、修行をする山伏(やまぶし)や僧侶たちだけが入ることができました。今回ご紹介する男体山をはじめとして、日本には多くの「霊山」がありますが、これも山が修行の場としてとらえられてきたことが理由です。昔は、一般の人々がそれを無視して山に入ると、天狗におそわれるという恐ろしい言い伝えもあったといいます。
山には神社があることがありますが、これは日本が昔から山岳信仰がさかんだったことに由来します。また、江戸時代の中ごろになると、山頂の神様に参拝する講中登山(こうちゅうとざん)が流行。こういった人々を受け入れるために、各地の山で限られた期間であれば山に登ることを許すようになっていきます。これが、山開きのルーツです。
「山開き」という言葉にまつわる雑学
ちなみに、何かを始めることを「○○開き」といいますが、これは「山開き」が由来といわれています。つまり、「山開き」という言葉がもともとあり、そこから何かのはじまりを「○○開き」と呼ぶようになったんです。たとえば、海で一般の人々に海水浴をすることが許される「海開き」という風習・言葉がありますが、こちらは「山開き」という言葉にならって生まれたといわれています。
日光連山の霊山「男体山」とは?
ここからは、男体山について詳しくご紹介していきたいと思います。先ほどもご紹介したとおり、日本各地に「霊山」がありますが、男体山もそのひとつ。男体山には、意外と知られていない伝説も残っているんですよ。
男体山とは?
男体山は、栃木県にある標高2,486mの山です。日光連山の中央に位置し、中禅寺湖のほとりにそびえたつ姿はとても雄大です。その美しさから、「日光富士」や「下野(しもつけ)富士」と呼ばれることも。「日本百名山」のひとつにも数えられています。山域全体が日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)の境内にあり、冬場は入山禁止となっています。
男体山の歴史
男体山は、古くから日光における信仰の中心となっていました。1,200年以上の信仰の歴史があると考えられています。男体山にはじめて登ったのは、782年(天応2年)に登頂した僧である勝道上人だといわれています。
男体山の伝説
男体山にまつわるおもしろい伝説もあります。
昔、男体山の神様と赤城山の神様が、美しい中禅寺湖を自分の領地にしようとしました。そこで、それぞれ大蛇と大ムカデに姿を変えて、激しい争奪戦を繰りひろげます。しかし、なかなか決着はつきません。男体山の神様は、弓の名人である自分の子孫・猿麻呂に大ムカデの目を射抜かせて、ついに相手を討ち負かした、という伝説です。そして、この戦いが繰り広げられたのが、現在の戦場ヶ原だといわれています。
山開きの日程を知って、安全に登山を楽しもう
今回のコラムでは、2024年の男体山の山開きの日程や、山開きでは具体的になにをするのか、どのような目的で山開きをするのかなどをわかりやすく詳しく解説していきました。山開きは、人々が安全に登山を楽しめるためのもの。山に登ることで、豊かな自然に触れることができたり、雄大な景色を楽しむことができます。男体山をはじめ、山に登るときには、山開きの時期を待ってから行くようにしてくださいね。