世界自然遺産に自生する「屋久杉」の樹齢は?世界でもっとも長生きな木をランキングでご紹介

スギの平均寿命は500年前後とされていますが、すべての屋久杉がこの平均寿命より長く生き続けます。
私たちが屋久杉という言葉に神秘性を感じるのは、刻まれている時の長さゆえかもしれません。
屋久杉の長寿の理由を解き明かし、世界の木と樹齢を比べてみましょう。
最後には屋久杉パワーをもらえそうなアクセサリーもご紹介するので、ぜひご覧ください。

樹齢1,000年を超えたら屋久杉?分布する環境と長寿の理由

樹齢1,000年を超えたら屋久杉?分布する環境と長寿の理由

屋久杉の生息地として広く知られている屋久島。
しかしながら、屋久島に生息しているすべてのスギが屋久杉と呼ばれるわけではありません。
まずは、屋久杉の概要と長寿の理由について知りましょう。

屋久島は長命の屋久杉を育む島世界自然遺産

屋久島は長命の屋久杉を育む島世界自然遺産

九州で最も標高が高い宮之浦岳(1936m)を有する屋久島が浮かぶのは九州本土の南端で、島の90%は森林におおわれています。
屋久杉はそんな屋久島の標高500m以上の山地に自生している日本の特産種。
現代において、自然林の希少性の高さは計り知れません。

まっすぐ育つ性質・軽さ・加工のしやすさから、扱いやすい木材としてスギは縄文時代から人間の営みに取り入れられていました。
需要の高さから人工林が増え続け、現存する自然林は多くないため、屋久島の世界遺産登録の折には屋久杉の自然林も大きな評価要素の一つとなりました。

巨木は大器晩成?屋久杉の長寿の秘密

巨木は大器晩成?屋久杉の長寿の秘密

屋久杉の平均寿命を著しく伸ばしているのは、自生している屋久島の独特な環境です。
清らかな水に恵まれている反面、花崗岩(かこうがん)におおわれた山地は栄養が豊かではありません。
しかし、この栄養の乏しさこそが屋久杉の長寿の秘密です。
栄養が限られるため、屋久杉はほかのスギと比べて、ゆっくり成長を重ねていきます。
その速度は、500年で直径40cmほど。
代わりに幹や枝は緻密になり、樹脂分も多くなるため、腐りにくくなります。
成長の遅さこそが屋久杉の長寿の秘密と言えるでしょう。

巨木は大器晩成?屋久杉の長寿の秘密02

樹齢1,000年を超えたらスタートライン?屋久杉が生きる時の長さ

屋久島で育つ杉は、樹齢が1,000年を超えると、はじめて屋久杉と呼ばれます。
そもそも樹齢が1,000年を超えないと屋久杉と呼ばれないので、すべての屋久杉がスギの平均寿命である500年を超える、というわけですね。
樹齢が1,000年に満たない屋久島の杉は「小杉」と呼ばれ、屋久杉とは明確に分類されています。
江戸時代には、加工しやすい形に育った屋久杉を抜き切りしていました。
現代に残る小杉の多くは、江戸時代の伐採後にできた明るい場所に芽吹き、後発で成長したとされています。

樹齢2,000年超えも多数!個性豊かな長命の屋久杉たち

人の手による伐採を免れて、現在も成長を続けている屋久杉たちの多くが、個性豊かな伸び方をしています。
幹が曲線を描いていたり途中で木同士が繋がっていたりすると加工が難しいため、江戸時代に好んで抜き切りされたのは真っすぐ成長した杉たちでした。
加工に向かないという理由で残された長命な杉たちが、個性的な屋久杉として、私たちに木の歴史を届けてくれています。

縄文杉は最高齢の屋久杉

屋久杉は、ほかと比べても長寿だったり、成長の仕方が特徴的だったりすると名前を付けられることがあります。
発見した学者の名前や公募など、由来は実にさまざま。
ここからは、現存する最大にして最高齢の屋久杉「縄文杉」にフォーカスしましょう。

縄文杉と屋久杉、名称の違い

縄文杉と屋久杉、名称の違い

先述のとおり、屋久杉は屋久島に根ざして樹齢が1,000年を超えた杉たちの総称です。
一方、縄文杉は特定の個体を指す固有名称です。
ほかの屋久杉と差別化する意図が読み取れますが、なぜ縄文杉と名付けられたのでしょうか?

発見当時の推定樹齢は4,000年以上!縄文杉の名前の由来

後に縄文杉の命名される巨木が発見されたのは1966年。
当時行われた調査で推定樹齢が4,000年以上と判明し、縄文時代から生きている個体のため「縄文杉」と名付けられた説があります。
表面の独特なデコボコが縄文土器に似ているからという説もありますが、正確な名前の由来は定かではありません。

樹齢7000年以上の可能性も!?縄文杉の樹齢を再調査

縄文杉の発見から10年が経過した1976年に改めて詳しい調査が行われました。
幹周の大きさや付近の樹木の年輪測定などから、樹齢が7,000年以上である可能性が浮上。
発見当時の推定樹齢から数字が大幅に更新されたことで注目を集めました。
名前の由来には諸説ありますが、その圧倒的な樹齢の長さは固有名称を付けられる十分な理由と言えるでしょう。

現地で自然を満喫しながら、推し屋久杉を見つけよう!

現地で自然を満喫しながら、推し屋久杉を見つけよう!

縄文杉以外にも3m上空で融合している夫婦杉や世界自然遺産会議記念の公募で名付けられたひげ長老など、個性豊かな屋久杉が屋久島には生きています。
それぞれに通じる登山コースやデッキが整備されているため、現地では自然を全身に浴びながら、屋久杉の大きさを目の前で体感できます。
太さも伸び方も千差万別、ぜひ推し屋久杉を見つけてくださいね。

縄文杉は何位?世界の巨木樹齢ランキング!

日本国内の動植物では最も長寿とされる縄文杉ですが、世界にはどれくらいの樹齢を重ねた木が生きているのでしょうか?
縄文杉との比較をランキング形式でご紹介します。

4位 日本「縄文杉」 樹齢約2,700年~

縄文杉は世界の巨木と比べると4位、上には上がいるものですね。
樹齢が7,000年以上の可能性があるのではないか、と思った方もいらっしゃるでしょう。
樹体保護の観点から、より古い時代に形成された芯部の詳しい調査は行われておらず、ランキングに反映されていない部分があります。
「約2,700年」というのは、縄文杉の健康状態に支障が出ない若い部分で実施された測定の結果です。

3位 アメリカ「ブリストルコーンパインのメトシェラ」 樹齢約4,765年

アメリカ「ブリストルコーンパインのメトシェラ」

アメリカ カリフォルニア州のホワイト山脈のブリッスルコーン・パイン(日本名:イガゴヨウ松)は、標高3,300m、冬には-30度まで気温が下がる厳しい環境に生きています。
旧約聖書に登場する969歳まで生きた人物にちなんで「メトシェラ」と名付けられました。

過酷な土地ゆえに樹脂が豊かに成長し虫やキノコによる害に強いうえ、酸素が少なく山火事のリスクが低い土地に根付いたことも長寿の秘訣と言われています。
条件の悪い土地でゆるやかに成長する点は、縄文杉と重なる部分がありますね。

2位 スウェーデン「ドイツトウヒ」 樹齢約9,550年

スウェーデン「ドイツトウヒ」

スウェーデンのフルフジェーレット山脈にドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)は、「Old Tjikko」と名付けられています。
スウェーデンの環境において、9,550年前より古い時代に木は存在できないとされています。
ドイツトウヒは、正確さに定評のある「放射性炭素年代測定法」で樹齢が測定され、その付近の時代から成長を開始したことが判明しました。
約1万1,000年前に終わりを迎えた氷河期の直後から地球に根を張る世界最古の木の一つです。

長寿なのが信じられない見た目で、高さは5メートル。本当にそんなに長生きなの?と思われるかもしれませんが実は長寿の秘訣がありました。
同一の根から幹、枝を再生するクローンを形成しているそうです。そのためほぼ永遠の命をもつといわれていますが、再生を含めて長生きする戦略を持ったこの木を「樹齢約9500歳」と呼ぶことについては疑問の声が上がることもあるそうです。

1位 アメリカ「パンド」 樹齢約80,000年

アメリカ「パンド」
アメリカ「パンド」

アメリカ ユタ州のリッチフィールドにあるポプラ(ヤマナラシ)の木が堂々の一位。
林にも見えるこの画像のすべてが、実は一本の苗木から枝分かれした木なのです。

パンドはポプラの大群生を指す名前で、その広さは驚異の43ヘクタール。
地上で見ると、それぞれが独立したポプラに見えます。
しかし、すべての根が地下でつながっており、計算で導き出された総重量は6615トン。
生物としての歴史・大きさ・重さ、どれをとっても規格外のNo.1です。

世界で一番長寿の木の次は、世界で一番大きな木も気になりませんか?
こちらの記事では、高層ビルに匹敵するほど大きく成長した木なども紹介しています。

屋久杉の息吹を生活に取り入れるアクセサリー

屋久杉は古来より長寿や開運厄除けの象徴として親しまれてきました。
しかし、2001年時点で伐採が禁止され、以降は自然倒木した土埋木のみが使用を許されています。
枯渇が間近に迫り、希少性が高まっている屋久杉、その息吹を生活に取り入れるアクセサリーを三つご紹介します。

屋久杉耀きブレスレット ラリマー

屋久杉耀きブレスレット ラリマー

世界三大ヒーリングストーンの一つ、海面に似た穏やかな模様を持つ「ラリマー」を親玉に配し、屋久杉との調和で爽やかな印象を受ける一品。
ラリマーは愛と平和を象徴し、美容やダイエット・アンチエイジングにも強い石とされています。淡い色合いでどのようなコーディネートにも合わせやすく、女性におすすめのブレスレットです。

屋久杉六芒星 ホワイトタイガーアイブレスレット

屋久杉六芒星 ホワイトタイガーアイブレスレット

屋久杉とタイガーアイを組み合わせたことで、重厚感のあるブレスレットに仕上がりました。
守護や金運の効果があるとされるホワイトタイガーアイ(白虎目石)が、魔除けを表す六芒星「龍目紋」の形に組み上げられています。
お守りとしての側面も持ち合わせている一品です。

屋久杉四神ブレスレット アパタイト

屋久杉四神ブレスレット アパタイト

玄武・青龍・朱雀・白虎の四神が刻まれた水晶を対応する方角に配し、屋久杉と天然石の組み合わせも相まって、力強さがあふれる一品。
アパタイト(燐灰石 りんかいせき)は心身浄化の作用があり、やる気や力を高めてくれると言われています。
落ち着きのある配色から、男性におすすめのブレスレットです。

世界レベルの樹齢を誇る巨木もそびえる屋久島

屋久島には、樹齢1000年を超える屋久杉たちがひしめき合い、途方もない時を重ねる希少な自然林がありました。
人間では到達のしようがない膨大な時間を巨木という物量で目の当たりにするからこそ、私たちは屋久杉たちに神秘性を感じるのでしょう。

興味が湧いた方は、ぜひ現地で屋久杉という大自然を感じてください。

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