掲載日:2025.01.17

世界一高い木はどんな木!?不思議な木や身近な木の名前の由来もご紹介!

みなさんがお住まいのエリアには、「木」は多いですか?
山や森など自然豊かな場所に住んでいるので木がたくさんある。都会に住んでいるので木はあまり身近ではないでなはい……など、人によってさまざまだと思います。

今回のコラムでは、そんな木について、「世界一高い木」や「日本一高い木」をご紹介していきたいと思います。
知っているようで知らない木にまつわる雑学もたくさんご紹介していますので、ぜひ最後まで読んで木に詳しくなりましょう♪

世界一高い木とは?

世界一高い木は、アメリカ合衆国・カリフォルニア州・レッドウッド国立公園にある「ハイペリオン」という木です。より詳しくはのちほどご紹介しますが、高さはなんと115.61m!
これは30階建てのビルとほぼ同じです。直径は4.84mで、樹齢は約600年と言われています。木の種類はセコイアというもので、ヒノキ科セコイア属に属する大きな針葉樹です。

世界で2番目に高い木は、オーストラリア・タスマニアにある「センチュリオン」です。高さは99.82m!
ユーカリの一種です。センチュリオンのまわりには高さ85mほどの木が2本もあるんだとか。

世界で3番目に高い木は、アメリカ合衆国・オレゴン州で見られる「ドーナー・ファー」という木です。高さは99.7mで、樹齢は約500年です。
ドーナー・ファーはベイマツという種類なのですが、これは日本がアメリカから建築用としてたくさん輸入している木なんです。そう考えると、ちょっと身近に感じられますよね♪

世界で一番大きい木

世界で一番大きい木は、アメリカ合衆国・カリフォルニア州にあるセコイア国立公園内に生えている「シャーマン将軍の木」です。体積はなんと約1,486立方メートル!世界で一番大きい生命体とも言われているんだとか。

世界で一番大きい木

高さは83.8m。世界一高い木「ハイペリオン」には届きませんが、それでも十分高いですよね。

世界一高い木「ハイペリオン」の秘密

ここからは、世界一高い木「ハイペリオン」についてもっと詳しくご紹介していきます。
実際に見てみたい!と思う方もいるかもしれませんが、訪れるときには少し注意が必要です。

「ハイペリオン」という名前の由来は?

ハイペリオンという名前は、この1本の木だけに付けられた名前です(木の種類としては「セコイア」です)。古代ギリシャ神話に登場する太陽神「ヒュペリーオーン」に由来します。
ヒュペリーオーンは、「高みを行くもの」という意味があるそうです。まさに世界一高い木の名前としてぴったりですよね。

どうやって発見されたの?

ハイペリオンは、2006年にレッドウッド国立公園のレッドウッド海岸側で発見されました。見つけたのは、自然を愛する2人の専門家。
最終的に、セコイアの研究の大物であるアメリカの植物学者のスティーブン・シレットさんが確認し、認められました。

訪れるときの注意点や観光情報

世界一高いハイペリオンを見ようと、たくさんの人が集まってしまった結果、木の下に生えていた草や低木がすっかり踏み荒らされてしまいました。

こうした理由から、2022年に新しく規制が作られました。ハイペリオンから1平方マイル(2.6平方キロ弱)以内に入ってはいけないことになり、違反した場合は最大で禁錮6カ月と罰金5千ドル(約67万円)が科せられるとか。
地元当局は定期的に人が近づいていないか見回りも行っています。

ちなみに、ハイペリオンがある場所はへき地なので、何かあっても救急医療は期待できません。観光で訪れるのはちょっと厳しいかもしれませんね。

ハイペリオンは生態学的にもとても重要

ハイペリオンはセコイアという種類の木なのですが、セコイアは、30cmにもおよぶ分厚い樹皮が特徴です。
この分厚い樹皮があるおかげで、山火事が起きたときにも、セコイアの木だけは燃え尽きずに生き残るんだそうです。また、樹皮は赤っぽい色をしているのですが、これは多くのタンニンを含んでいるから。タンニンのおかげで、病原菌や白蟻の侵入を妨いでいます。

森林災害からも森を守り、そこで暮らす生物たちを守っているのがハイペリオンなんですね。

どうしてこんな形?世界の不思議な木

ここでは、世界にあるユニークな木を2つご紹介します。

最古の木々

世界で最も古いのは「ウォレマイ・パイン」という木です。希少な木でもあり、1994年にシドニー郊外で発見されるまでは、すでに絶滅したと考えられていました。

最古の木々

教会を包み込む木

フランスで最も有名な木と言われているのが「チャペルツリー」です。教会(チャペル)を包み込むように生えている木です。樹齢は約500年とも言われ、長い時間をかけて教会と一体になったような不思議な形をしています。

教会を包み込む木

日本で一番高い木は?

これまで世界の木をご紹介してきましたが、日本の木も気になりませんか?

日本で一番高い木は、京都・大悲山(だいひざん)の国有林エリアに生えている高さ62.3mの「花脊(はなせ)の三本杉」です。
高さだけでなく、形もユニーク。1つの根元から3本のスギ(東幹・北西幹・西幹)がそろって天に向かって伸びているんです。

一番多い木は何?

日本で一番多い木は、スギです。日本の森林面積(約2,502万ヘクタール)のうち、スギが生えているエリアは約440万ヘクタールであり、約18%を占めています。

日本でスギが一番多い理由は、固有種であり、日本の環境に適しているから。北海道から九州の屋久島まで広く分布しているんですよ。
また、スギは軽くてやわらかく、加工しやすいことから建築にも多く使われるので、よく植林されていることも理由です。

一番多い木は何?

知っておきたい木に関するトリビア

ここでは、知っているとちょっと自慢できるかもしれない木に関するトリビアをご紹介します。

知っておきたい木に関するトリビア

木は死ぬとどこへ

木は、時間が経つと自然に地面に倒れます。そのあと、雨・風邪・微生物などのはたらきによって分解・腐敗し始めます。完全に分解すると跡形もなくなり、その場所に新しい木の生命が着床・発芽・生長していきます。

分解までにかかる期間は、早い場合5年ほど、遅い場合は10年くらいと言われています。

1年でどのくらい成長する?

木の成長スピードは種類によってさまざまです。たとえばサクラは1年に100cm前後、クスノキは1年に50cm前後、サツキツツジは1年に10cm前後成長します。
ポイントは、大きな木は成長が早く、小さな木は時間をかけて大きくなっていくということです。

木の年輪はどうやってできる?

年輪は、中心にいくほど古い幹、外側にいくほど新しい幹という作りになっています。樹皮のすぐ内側に細胞分裂する組織(形成層)があり、そこから新しい年輪が一層ずつ作られていきます。

木1本が吸収するCO2の量は?

木1本が吸収するCO2の量は、木の種類によって変わります。例えばスギの木1本は、1年で約14kgのCO2を吸収します。車から排出されるCO2は1年で約2300kgと言われているので、それをすべて吸収するには、スギが約160本必要ということになります。

木の名前の由来

最後に、私たちに身近な木の名前の由来をチェックしていきましょう!

エノキ

エノキの「エ」は枝のことを指し、枝が多い木だからという説があります。ほかにも、熟した果実を小鳥がよく食べることから「餌(エ)の木」、木材が農器具の柄に利用されたことから「柄の木」という説もありますよ。

ヒノキ

ヒノキは、「日の木」から来たのではないかと言われています。ヒノキは昔から尊い木とされてきたため、最高のものを表す「日」から「日の木」になったと考えられています。また、不思議な力を意味する「霊(ひ)の木」から転じたという説もあります。

スギ

スギは、まっすぐ上に伸びる木なので「直木(スクキ)」からその名前になったと言われています。本居宣長は『古事記伝』のなかでスギは「進木(スギ)」の意味ではないかと書いています。

カエデ

カエデは、葉がカエルの手のような形をしていたことから、「蛙手(かえるで)」が転訛して「カエデ」と名付けられました。ちなみに、『万葉集』にもカエデを指したもので、「かえるで」という表現が見られます。

サクラ

サクラの名前の由来には、さまざまな説があります。
たとえば、古事記や日本書紀に登場する「木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)」が由来とする説や、小さな花が一斉に開花する様子から「咲き群がる」、花が麗らかに咲く様子を表す言葉「咲き麗(さきうら)」から転訛したという説などです。

奥深い木の世界を楽しもう

世界一高い木や世界一大きい木は、みなさんの想像以上のものだったのではないでしょうか?年輪のしくみや、身近な木の名前の由来など、木の世界はとても奥が深いですよね。

このコラムが、みなさんが木をもっと好きになるきっかけになればうれしいです。

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