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雪合戦のように、本気でオレンジを投げ合うお祭りをご存知でしょうか?
イタリアのIvrea(イブレア)では、毎年カーニバル(謝肉祭)の時期にチームに分かれてオレンジを投げ合う「オレンジ祭り」が開催されています。
オレンジを投げ合うという非常に珍しいお祭りですが、毎年数多くの人が参加し、世界中の番組でも取り上げられるくらい注目の集まるお祭りです。
今回は世にも珍しいオレンジ祭りについて詳しくご紹介します!
オレンジ祭りとはどんなお祭りなのか、いつどこで開催されているのか、まずは基本情報から見ていきましょう。
「オレンジ祭り」とは市民同士でチームに分かれてオレンジを投げ合うお祭りで、毎年カーニバル(謝肉祭)の時期に開催されています。 オレンジ祭りはイタリア語で「Battaglia delle arance:バッターリァ デッレ アランチェ)」と言い、直訳すると「オレンジバトル」という意味。
バトルという言葉が示すように、参加者が貴族と地区ごとのチームに分かれてオレンジを投げ合う対抗戦で、3日間にわたって開催されます。 5つの広場が会場となり、馬車に乗った貴族チームが広場に入場したら開戦。相手チームに向かって本気でオレンジを投げ合います。
最終日には勝利チームが決まりますが、固いオレンジを本気で投げ合うので、中には負傷する人も。 そんな激しいお祭りですが毎年数多くの市民や観光客が参加し、大きな盛り上がりを見せています。
オレンジ祭りが開催されるのは、イタリアの北部・ピエモンテ州にある、イブレア(イタリア語:Ivrea)というアルプス山麓の都市です。 地理的には、2006年に冬季オリンピックが開催されたトリノの中心部から北東に50kmほどのところに位置しています。
イブレアはイヴレーアとも表記され、人口は2万人ほどの小さな地方都市ですが、2018年には20世紀の産業都市群が世界遺産にも認定されました。
トリノからイブレアへ行く方法は、列車やバス、タクシーなどの交通機関で、所要時間は1時間から1時間30分前後です。
オレンジ祭りは、毎年イタリアのカーニバルの時期に3日間にわたって開催されています。 例年2月から3月にかけてカーニバルは開催され、オレンジ祭りはカーニバルの告解の日曜日から火曜日まで行われるため、開催日は毎年異なります。
2025年の開催日は3月2日~3月4日の3日間。
期間中はオレンジを投げ合うだけでなく、パレードの開催や地元の郷土料理なども振る舞われ、観光で訪れる人々や参加者を楽しませてくれます。
奇祭とも言われるオレンジ祭りですが、なぜこのようなお祭りが行われるようになったのでしょうか。 オレンジ祭りの起源や歴史について、見ていきましょう。
オレンジ祭りの起源は諸説ありますが、1200年頃に起きた「返り討ち事件」がきっかけだとされています。
当時、非道な政治で民衆を苦しめていた領主は花嫁の初夜権を持っており、粉屋の若い娘ヴィオレッタが領主に強引に結婚を迫られました。 ところがヴィオレッタは領主の首を取り、返り討ちにしてしまいます。
この事件をきっかけに、圧政で不満が高まっていた市民が自由を求めて反乱を起こし、ついには城を破壊するに至りました。 そんな当時の市民vs貴族の争いを再現して、市民が立ち上がったことを祝うようになったのが、オレンジ祭りの起源とされています。
市民が領主の圧政に対して反乱を起こしたことを祝うのがオレンジ祭りの起源とされていますが、本来はオレンジを投げるお祭りではありませんでした。 もともとは白インゲン豆を投げていたのがリンゴに変わり、やがて現在のオレンジを投げ合うスタイルに変化したのだとか。
18世紀頃のイタリアのカーニバルでは、パレードに参加する男性に対して女性が豆や花などを投げ込む習慣があったそうです。 やがて女性側がより自分に気を引くために、イブレアでは珍しかったオレンジを投げ入れるようになったところ、男性側もオレンジを投げ返すようになりました。
のちにオレンジの投げ合いが1200年頃に起きた市民の反乱に置き換えられ、現在のオレンジ祭りになったとのことです。
オレンジを投げ合うオレンジ合戦がメインイベントのオレンジ祭りですが、戦いのルールはどのようになっているのでしょうか。
またオレンジ祭りでは合戦以外にも様々な催しが行われています。 オレンジ合戦のルールや、お祭りで催されるイベントについて見ていきましょう。
オレンジ合戦は、イブレア市民が貴族チームと平民チームとに分かれ、オレンジを投げ合って優劣を競います。
貴族チームメンバーは1,000名以上で構成され、貴族のような衣装を着てヘルメットをかぶり、50台以上の馬車に分かれて乗ります。 5つある会場の広場に貴族チームの馬車が入ると開戦です。
対する平民チームは4,000名以上で構成され、9つのチームが編成されます。 平民は貴族のような装備をしませんが、チームを表すマークの入ったユニフォームを着用して合戦に臨みます。
合戦には審判もいて、オレンジを投げる量やかわし方などの評定基準を元に点数が付けられ、最も多くの点数を獲得したチームが優勝となります。
「オレンジを大量に投げるなんてもったいない!」と思われる方も多いかも知れませんが、安心してください!
オレンジ祭りで使用されるオレンジは、シチリアでお祭りに向けて「投げるため」に生産されているオレンジで、食用には適さないものです。(口にすると酸味と苦みが強いそう)
また、お祭りが終わるとオレンジの残骸は市の清掃局によって全て回収され、家畜の餌や農業用の堆肥として利用されるので、粗末になることもありません。
投げるためだけにオレンジを生産するなんて、イタリアの人々のオレンジ祭りへのただならぬ熱意を感じますね!
カーニバル期間中は大小さまざまなパレードが行われており、オレンジ合戦会場の周辺でも中世の歴史的な衣装をまとった人たちによるパレードが行われています。
中でも「粉屋の娘のパレード」は、市民が領主による圧政から抜け出すきっかけとなった、粉屋の娘ヴィオレッタのパレードです。 このパレードでは主役であるヴィオレッタのほか、領主側の軍人や平民側の騎士などが音楽に合わせて行進していきます。
そしてパレードが始まる前に多くの人が集まっているのが、地元の人々の懇意による豆のスープの振る舞いです。 スープは「ファジョーリ・グラッシ」と呼ばれ、白インゲンと豚肉やソーセージなどを大鍋でグツグツ煮込んで作られます。
こちらは観光客でも列に並べば頂くことが出来ます。オレンジ祭りが開催される3月はまだまだ寒い時期なので、温かいスープが身も心も温めてくれるでしょう。
ほかにも郷土料理が振る舞われたり、初めて会う人同士で酒を交わしたりと、みんな陽気になりお祭りムード一色になります。
実際のオレンジ祭りがどんなものなのか、気になってきたのではないでしょうか? ここでは実際にオレンジ祭りに参加した筆者が、現地のお祭りの様子についてご紹介します!
貴族チームが乗った馬車が、ゆっくり会場の中に入ってきたら合戦の始まり!
平民チームは荷台の上にいる貴族チーム目掛けてオレンジを投げ、貴族チームは平民チームを見下ろすようにしてオレンジを投げ合います。
貴族チームの馬車は広場の中をゆっくり移動しますが、たまに馬車が立ち止まると平民チームによる猛攻撃が行われていました。 貴族チームより平民チームのほうが数も多いため、貴族チームの馬車が平民に取り囲まれ、あちこちからオレンジが飛んできているような状態です。
片手では間に合わないとみたのか、両手で投げ続ける貴族チームの方もいましたが、これはかなりの激務!
会場となる広場一帯には、見物客にオレンジが飛んでいかないよう高さのあるネットが張り巡らされていますが、常にオレンジがどこからか飛んできてネットに当たっている状態でした。 合戦が始まる前から仄かにオレンジの香りがしていましたが、合戦が始まるとより強烈なフレッシュオレンジの香りがして、むせかえりそうです。
筆者はネット裏で観ていましたが、オレンジがぶつかってきていないのにも関わらず、衣類にはオレンジ果汁が飛び散っていました。
オレンジ合戦が終わったあとは、会場一面にオレンジの残骸やオレンジが入っていた空の木箱が山積みに。オレンジの残骸が絨毯のように敷き詰められ、果汁の水たまりが出来ている部分もあり、それは歩くのが困難なほどでした。
それではオレンジ祭りの見学方法や、オレンジ合戦に参加する方法について見ていきましょう。
近郊の都市トリノからイブレアまではバスが運行されていますが、当日は大混雑が予想されるためスケジュールに余裕を持って移動するのがおすすめです。
オレンジ祭り当日は駅から会場に向かう途中にゲートが設けられ、そこでチケットを購入して中へと入ることができます。
会場内でのアクティビティの予約は不要で、チケットを購入すればオレンジ祭りで行われるイベント全てに参加できます。 また、チケットを購入すると開催されるイベントの情報が記載されたパンフレットがもらえるので、それを見ながら参加するイベントを決めるのが良いでしょう。
見学だけしたい場合は、オレンジ合戦が行われる広場のネット裏で見学することができます。 オレンジが飛んでこないよう高さのあるネットが一帯に張り巡らされており、オレンジが飛んでくる心配もありません。
ただし、オレンジの果汁がネットを超えて衣類に飛ぶこともあるので、汚れてもいい服や靴を履いていくのがおすすめです。
また、「赤い帽子を被っている人は狙わない」という伝統的なルールがあるため、会場の内外で売られている赤い帽子「ベレットフリジオ(Berretto frigio)」を被れば、オレンジを投げつけられずにオレンジ合戦を楽しむことができます。
オレンジ祭りは地区対抗のお祭りなので基本的には住民だけが参加できますが、地区ごとに外部参加者枠が設けられています。
外部参加者枠を利用すれば観光客であっても申し込めますが、参加費用の支払いと地区のユニフォーム購入が必要になります。 しかし多くの観光客は事前予約などを行わずに、見物用のネットを超えて勝手に参加しているのが現状です。
オレンジ合戦では固いオレンジを本気で投げ合うため、体に当たって怪我をする可能性があります。 万が一怪我をしても自己責任となるので、参加する方は怪我のリスクを承知の上で参加しましょう。
また、赤い帽子を被っていれば狙われないというルールがあるとはいえ、帽子を被っていても流れ弾ならぬ流れオレンジが飛んでくることもあるので油断は禁物です。
オレンジ祭りが開催される頃のイブレアはまだ寒いので、しっかり防寒対策を行ってお祭りに参加してくださいね。
以上、北イタリア・イブレアのオレンジ祭りについてご紹介してきました。 大人達がみんな本気になってオレンジを投げ合う光景なんて、このお祭りでしか目にできません。 是非イブレアに訪れて、この臨場感溢れるお祭りの空気を味わってみてはいかがでしょうか?
雪合戦のように、本気でオレンジを投げ合うお祭りをご存知でしょうか?
イタリアのIvrea(イブレア)では、毎年カーニバル(謝肉祭)の時期にチームに分かれてオレンジを投げ合う「オレンジ祭り」が開催されています。
オレンジを投げ合うという非常に珍しいお祭りですが、毎年数多くの人が参加し、世界中の番組でも取り上げられるくらい注目の集まるお祭りです。
今回は世にも珍しいオレンジ祭りについて詳しくご紹介します!
目次
オレンジ祭りの基本情報
オレンジ祭りとはどんなお祭りなのか、いつどこで開催されているのか、まずは基本情報から見ていきましょう。
オレンジ祭りとは?
「オレンジ祭り」とは市民同士でチームに分かれてオレンジを投げ合うお祭りで、毎年カーニバル(謝肉祭)の時期に開催されています。
オレンジ祭りはイタリア語で「Battaglia delle arance:バッターリァ デッレ アランチェ)」と言い、直訳すると「オレンジバトル」という意味。
バトルという言葉が示すように、参加者が貴族と地区ごとのチームに分かれてオレンジを投げ合う対抗戦で、3日間にわたって開催されます。
5つの広場が会場となり、馬車に乗った貴族チームが広場に入場したら開戦。相手チームに向かって本気でオレンジを投げ合います。
最終日には勝利チームが決まりますが、固いオレンジを本気で投げ合うので、中には負傷する人も。
そんな激しいお祭りですが毎年数多くの市民や観光客が参加し、大きな盛り上がりを見せています。
どこで行われる?
オレンジ祭りが開催されるのは、イタリアの北部・ピエモンテ州にある、イブレア(イタリア語:Ivrea)というアルプス山麓の都市です。
地理的には、2006年に冬季オリンピックが開催されたトリノの中心部から北東に50kmほどのところに位置しています。
イブレアはイヴレーアとも表記され、人口は2万人ほどの小さな地方都市ですが、2018年には20世紀の産業都市群が世界遺産にも認定されました。
トリノからイブレアへ行く方法は、列車やバス、タクシーなどの交通機関で、所要時間は1時間から1時間30分前後です。
いつ開催される?
オレンジ祭りは、毎年イタリアのカーニバルの時期に3日間にわたって開催されています。
例年2月から3月にかけてカーニバルは開催され、オレンジ祭りはカーニバルの告解の日曜日から火曜日まで行われるため、開催日は毎年異なります。
2025年の開催日は3月2日~3月4日の3日間。
期間中はオレンジを投げ合うだけでなく、パレードの開催や地元の郷土料理なども振る舞われ、観光で訪れる人々や参加者を楽しませてくれます。
オレンジ祭りの起源と歴史
奇祭とも言われるオレンジ祭りですが、なぜこのようなお祭りが行われるようになったのでしょうか。
オレンジ祭りの起源や歴史について、見ていきましょう。
オレンジ祭りの起源
オレンジ祭りの起源は諸説ありますが、1200年頃に起きた「返り討ち事件」がきっかけだとされています。
当時、非道な政治で民衆を苦しめていた領主は花嫁の初夜権を持っており、粉屋の若い娘ヴィオレッタが領主に強引に結婚を迫られました。
ところがヴィオレッタは領主の首を取り、返り討ちにしてしまいます。
この事件をきっかけに、圧政で不満が高まっていた市民が自由を求めて反乱を起こし、ついには城を破壊するに至りました。
そんな当時の市民vs貴族の争いを再現して、市民が立ち上がったことを祝うようになったのが、オレンジ祭りの起源とされています。
オレンジ祭りの歴史
市民が領主の圧政に対して反乱を起こしたことを祝うのがオレンジ祭りの起源とされていますが、本来はオレンジを投げるお祭りではありませんでした。
もともとは白インゲン豆を投げていたのがリンゴに変わり、やがて現在のオレンジを投げ合うスタイルに変化したのだとか。
18世紀頃のイタリアのカーニバルでは、パレードに参加する男性に対して女性が豆や花などを投げ込む習慣があったそうです。
やがて女性側がより自分に気を引くために、イブレアでは珍しかったオレンジを投げ入れるようになったところ、男性側もオレンジを投げ返すようになりました。
のちにオレンジの投げ合いが1200年頃に起きた市民の反乱に置き換えられ、現在のオレンジ祭りになったとのことです。
オレンジ祭りの内容
オレンジを投げ合うオレンジ合戦がメインイベントのオレンジ祭りですが、戦いのルールはどのようになっているのでしょうか。
またオレンジ祭りでは合戦以外にも様々な催しが行われています。
オレンジ合戦のルールや、お祭りで催されるイベントについて見ていきましょう。
オレンジ合戦のルール
オレンジ合戦は、イブレア市民が貴族チームと平民チームとに分かれ、オレンジを投げ合って優劣を競います。
貴族チームメンバーは1,000名以上で構成され、貴族のような衣装を着てヘルメットをかぶり、50台以上の馬車に分かれて乗ります。
5つある会場の広場に貴族チームの馬車が入ると開戦です。
対する平民チームは4,000名以上で構成され、9つのチームが編成されます。
平民は貴族のような装備をしませんが、チームを表すマークの入ったユニフォームを着用して合戦に臨みます。
合戦には審判もいて、オレンジを投げる量やかわし方などの評定基準を元に点数が付けられ、最も多くの点数を獲得したチームが優勝となります。
投げる用のオレンジが使われる
「オレンジを大量に投げるなんてもったいない!」と思われる方も多いかも知れませんが、安心してください!
オレンジ祭りで使用されるオレンジは、シチリアでお祭りに向けて「投げるため」に生産されているオレンジで、食用には適さないものです。(口にすると酸味と苦みが強いそう)
また、お祭りが終わるとオレンジの残骸は市の清掃局によって全て回収され、家畜の餌や農業用の堆肥として利用されるので、粗末になることもありません。
投げるためだけにオレンジを生産するなんて、イタリアの人々のオレンジ祭りへのただならぬ熱意を感じますね!
祭りを彩るその他の催し
カーニバル期間中は大小さまざまなパレードが行われており、オレンジ合戦会場の周辺でも中世の歴史的な衣装をまとった人たちによるパレードが行われています。
中でも「粉屋の娘のパレード」は、市民が領主による圧政から抜け出すきっかけとなった、粉屋の娘ヴィオレッタのパレードです。
このパレードでは主役であるヴィオレッタのほか、領主側の軍人や平民側の騎士などが音楽に合わせて行進していきます。
そしてパレードが始まる前に多くの人が集まっているのが、地元の人々の懇意による豆のスープの振る舞いです。
スープは「ファジョーリ・グラッシ」と呼ばれ、白インゲンと豚肉やソーセージなどを大鍋でグツグツ煮込んで作られます。
こちらは観光客でも列に並べば頂くことが出来ます。オレンジ祭りが開催される3月はまだまだ寒い時期なので、温かいスープが身も心も温めてくれるでしょう。
ほかにも郷土料理が振る舞われたり、初めて会う人同士で酒を交わしたりと、みんな陽気になりお祭りムード一色になります。
オレンジ祭りの様子を現地レポート!
実際のオレンジ祭りがどんなものなのか、気になってきたのではないでしょうか?
ここでは実際にオレンジ祭りに参加した筆者が、現地のお祭りの様子についてご紹介します!
貴族チームが乗った馬車が、ゆっくり会場の中に入ってきたら合戦の始まり!
平民チームは荷台の上にいる貴族チーム目掛けてオレンジを投げ、貴族チームは平民チームを見下ろすようにしてオレンジを投げ合います。
貴族チームの馬車は広場の中をゆっくり移動しますが、たまに馬車が立ち止まると平民チームによる猛攻撃が行われていました。
貴族チームより平民チームのほうが数も多いため、貴族チームの馬車が平民に取り囲まれ、あちこちからオレンジが飛んできているような状態です。
片手では間に合わないとみたのか、両手で投げ続ける貴族チームの方もいましたが、これはかなりの激務!
会場となる広場一帯には、見物客にオレンジが飛んでいかないよう高さのあるネットが張り巡らされていますが、常にオレンジがどこからか飛んできてネットに当たっている状態でした。
合戦が始まる前から仄かにオレンジの香りがしていましたが、合戦が始まるとより強烈なフレッシュオレンジの香りがして、むせかえりそうです。
筆者はネット裏で観ていましたが、オレンジがぶつかってきていないのにも関わらず、衣類にはオレンジ果汁が飛び散っていました。
オレンジ合戦が終わったあとは、会場一面にオレンジの残骸やオレンジが入っていた空の木箱が山積みに。オレンジの残骸が絨毯のように敷き詰められ、果汁の水たまりが出来ている部分もあり、それは歩くのが困難なほどでした。
オレンジ祭りに参加する方法
それではオレンジ祭りの見学方法や、オレンジ合戦に参加する方法について見ていきましょう。
近郊の都市トリノからイブレアまではバスが運行されていますが、当日は大混雑が予想されるためスケジュールに余裕を持って移動するのがおすすめです。
予約やチケット購入は必要?
オレンジ祭り当日は駅から会場に向かう途中にゲートが設けられ、そこでチケットを購入して中へと入ることができます。
会場内でのアクティビティの予約は不要で、チケットを購入すればオレンジ祭りで行われるイベント全てに参加できます。
また、チケットを購入すると開催されるイベントの情報が記載されたパンフレットがもらえるので、それを見ながら参加するイベントを決めるのが良いでしょう。
見学だけしたい場合
見学だけしたい場合は、オレンジ合戦が行われる広場のネット裏で見学することができます。
オレンジが飛んでこないよう高さのあるネットが一帯に張り巡らされており、オレンジが飛んでくる心配もありません。
ただし、オレンジの果汁がネットを超えて衣類に飛ぶこともあるので、汚れてもいい服や靴を履いていくのがおすすめです。
また、「赤い帽子を被っている人は狙わない」という伝統的なルールがあるため、会場の内外で売られている赤い帽子「ベレットフリジオ(Berretto frigio)」を被れば、オレンジを投げつけられずにオレンジ合戦を楽しむことができます。
オレンジ合戦に参戦したい場合
オレンジ祭りは地区対抗のお祭りなので基本的には住民だけが参加できますが、地区ごとに外部参加者枠が設けられています。
外部参加者枠を利用すれば観光客であっても申し込めますが、参加費用の支払いと地区のユニフォーム購入が必要になります。
しかし多くの観光客は事前予約などを行わずに、見物用のネットを超えて勝手に参加しているのが現状です。
参加する際の注意点
オレンジ合戦では固いオレンジを本気で投げ合うため、体に当たって怪我をする可能性があります。
万が一怪我をしても自己責任となるので、参加する方は怪我のリスクを承知の上で参加しましょう。
また、赤い帽子を被っていれば狙われないというルールがあるとはいえ、帽子を被っていても流れ弾ならぬ流れオレンジが飛んでくることもあるので油断は禁物です。
オレンジ祭りが開催される頃のイブレアはまだ寒いので、しっかり防寒対策を行ってお祭りに参加してくださいね。
観るのも参加するのも面白いオレンジ祭り
以上、北イタリア・イブレアのオレンジ祭りについてご紹介してきました。
大人達がみんな本気になってオレンジを投げ合う光景なんて、このお祭りでしか目にできません。
是非イブレアに訪れて、この臨場感溢れるお祭りの空気を味わってみてはいかがでしょうか?