掲載日:2024.12.20

そもそも「縁起が悪い」ってどういう意味?日本や世界の縁起の悪いことをご紹介!

「縁起が悪いからそんなことをしない方がいいよ」「それって縁起が悪いらしいよ」など、私たちは普段の生活のなかでも、「縁起」や「縁起が悪い」という言葉をよく使っていますよね。しかし、「縁起が悪い」というのは、実際どのような意味なのか、どのようなことを「縁起が悪い」というのか、実はあまりはっきりわかっていない、という方も多いかもしれません。

そこで、今回のコラムでは、「縁起が悪い」ということの意味をわかりやすく解説します。また、日本で古くから長く伝わる縁起が悪いことをたくさんご紹介していきます。このコラムを最後まで読んで、縁起についてさらに深く知りましょう♪

よく使う「縁起が悪い」ってどんな意味?

まずは、「縁起が悪い」ということの意味についてわかりやすくご紹介します。

そもそも縁起とは?

「良い・悪いの前に、そもそも縁起とはいったいなに?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。意外かもしれませんが、実は本来「縁起」とは仏教用語なんです!「すべての存在は無数無量といってよい程の因縁によってありえている」という意味があります。また、私たちが感じる苦しみには原因があり、その原因を消滅させることで苦しみが消える、といったように、生きる上で生まれる「苦しみ」の原因や条件を追求し解き明かしたものが「縁起」とも言われています。

つまり縁起とは、ものごとが起きる理由や原因ということです。

現在、私たちの生活のなかでは、仏教的な意味ではなく、物事の吉凶の前兆、きざし、前ぶれといった意味で使われています。私たちが使っている意味が間違っているわけではありませんが、本来は仏教の言葉だということを頭のどこかで覚えておきたいですね。

縁起が悪いとは?

私たちは、普段の生活で、縁起を物事の良い・悪いの前兆、前ぶれという意味で使っているとご紹介しました。
そのため、「縁起が悪い」とは、なにか悪いことや、不運、災いなどをもたらすと人々から思われている兆候のことを指します。よく、「縁起が悪いから○○をしない方がいい」と言ったりしますが、これは、なにかをすることで良くないことが起きると人々が信じているからです。

昔から伝わる、縁起が悪いこと

つづいてここからは、日本で古くから伝わる縁起が悪いことについて、項目ごとに分かりやすくご紹介していきます。また、悪いことが起きないようにするための解決策や対策についてもあわせてご紹介します。最後には、世界で伝えられている縁起が悪いことについてもご紹介したいと思います。みなさんが聞いたことがあるもの、知っているものはいくつあるでしょうか?

虫や動物にまつわること

虫や動物は、私たちの身近にたくさんいますよね。家の外で見かけるもの、家のなかでみかけるものなど、さまざまです。たとえば、以下のような生き物は、実は縁起が悪いと考えられているんです。

夜蜘蛛はどろぼう蜘蛛!?

夜蜘蛛(夜に見かける蜘蛛のこと) は、昔から縁起が悪い生き物だと考えられてきました。「見かけたら退治してしまいなさい!」という俗信があるのですが、どうしてこれほどまでに嫌われてしまうのでしょうか?

それは、夜蜘蛛が、巣を張り巡らしてエサとなる虫を待ち伏せする様子が、不気味に見えるからだと言われています。また、薄暗い夜の時間帯にひっそりとたたずむ蜘蛛が、まるでどろぼうのように見えることも、理由のひとつです。そのため、夜蜘蛛を見かけると、その家にどろぼうが忍び込む前触れだと考えられていたのです。

科学的に証明されているものではないため、対策としては、「蜘蛛はダニなどの人体に有害な害虫を食べてくれるありがたい存在」と考えを変えてみることができます。もしくは、見かけたらそっと外に出してあげるという解決策も良いでしょう。

夜蜘蛛はどろぼう蜘蛛!?

数字にまつわること

数字と縁起のつながりは、古くからたくさんの人が信じてきたものでもあります。みなさんも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

4や9は不吉な数字!?

日本では、古くから4や9という数字は縁起が悪いと言われてきました。それは、「四」を音読みしたときに、「死」を連想させるからという理由です。同じように、「九」は「苦」を連想させるからです。平安時代には「四」を「し」と読むことを避けて、「よ」と呼ばれていたという話もあります。現代でも、病院やマンションの部屋番号では「4」や「9」の付く部屋が飛ばされていることがあります。

私たちができることとしては、他に数字の選択肢があるのであれば4や9を選ばない、特に病院などでは4や9という数字を口に出さないなどができるでしょう。また、言葉として不自然でなければ、4を「し」ではなく「よん」と読んだり、「9」を「く」ではなく「きゅう」と読むことも解決策になるでしょう。ちなみに、中国や韓国でも4は不吉だと考えられています。しかし、キリスト教では、「4」は十字架をイメージさせ、ラッキーナンバーと考えられているようです。9については、中国では「久」=「永久」を連想できることから吉の数字と言われています。

食べ物にまつわること

私たちが毎日行っている食事についても、さまざまなことについて縁起が悪いと考えられています。知らずに以下のことをやってしまうと、まわりから指摘されてしまいますので、ぜひ気をつけてみてくださいね。

箸渡しは縁起が悪い

箸渡しとは、お箸とお箸で物を渡し合うことを指します。これは、火葬場で行われる儀式のひとつです。火葬をしたあとに、遺骨を近親者が箸から箸へと渡していきながら、骨壺に納める一連の流れのことです。そのため、死を連想させる行為なので、普段の食事の場面では避けましょう。箸渡しをしないための対策としては、小皿を使って渡す、取り分けるためのトングなどを使うといったことができます。

箸渡しは縁起が悪い

立て箸もNG

立て箸とは、お茶碗に山盛りにされたご飯に対して垂直にお箸を立ててさすことを指します。これは、お葬式などで亡くなった方に向けてご飯に箸を立てお供えするものなので、日常生活でするのは縁起が悪いと考えられています。ご飯に突きたてなくてもいいように、きちんと箸置きを使うなどの解決策があります。

立て箸もNG

<番外編>世界の縁起が悪いこと

最後に、世界の縁起が悪いことをご紹介します。ちなみに、英語ではこうした迷信のことを“superstition”(発音:スーパースティション)と言いますよ♪

鏡を割ると不運が7年続く(イギリス、アイルランド、アメリカ、ロシアなど)

鏡を割ると不運が7年続くという言い伝えがあります。これは、鏡は魂を反映するものと考えられており、鏡が割れることは、所有者(または別の人)を襲う不幸を意味するからだというのが理由です。

しかし、鏡がたとえ割れてしまったとしても大丈夫。「破片を集めて、月光の下で土のなかに埋めると不幸が回避できる」という解決策も古くから言い伝えられています。もしれてしまったら、これを試してみてはいかがでしょうか。

<番外編>世界の縁起が悪いこと

縁起が悪いことを前もって知っておこう♪

今回のコラムでは、さまざまな縁起が悪いことをご紹介しました。「縁起が悪いことがこんなにもたくさんあるの!?」とびっくりした方も多いかもしれません。しかし、不安に思う必要はありません。縁起が悪いことをあらかじめ知っておけば、対策もできますし、どうすれば避けられるかも考えることができます。縁起を気にしすぎるのではなく、頭のどこかで覚えておくと、毎日の生活も軽やかに乗り切っていけるはずです♪このコラムが、みなさんが縁起や縁起の悪いことについて興味を持ち、さらに深く知るきっかけになればうれしいです!

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