ハワイと言えば美しいリゾートビーチが有名ですが、パイナップルとの深い関係をご存じでしょうか。
パイナップルはハワイに19世紀に導入されて以来、ハワイの主要農産物として発展し、観光客にも大人気です。

この記事では、そんなハワイとパイナップルの歴史や魅力について詳しくご紹介します。
最後までお読みいただければ、ハワイとパイナップルの関係についてより深く理解できるでしょう。

ハワイのパイナップルの歴史

ここでは、ハワイでパイナップルがどのように名産品となったかについて、歴史を具体的にご紹介します。

ハワイ語でパイナップルは【ハラカヒキ】

ハワイ語でパイナップルは「ハラカヒキ（Hala kahiki）」と呼ばれています。
この言葉は、ハワイの文化や歴史に深く根ざしています。

「ハラ」はハワイを代表する植物の一つであるタコノキを指し、「カヒキ」は海外という意味です。
つまり、「ハラカヒキ」は「外国から来たタコノキ」という意味になります。
この名前の由来は、タコノキの実や香りがパイナップルに似ていたためだと言われています。

ハワイの歴史に深く根ざしているタコノキが名称の由来となっていることが、パイナップルがハワイの文化に欠かせない存在である証と言えるでしょう。

パイナップルはハワイにとって外来種

パイナップルはもともとハワイの固有種ではなく、16世紀ごろに初めてハワイに持ち込まれたとされていますが、正確な記録は18世紀末のキャプテン・クックの上陸までさかのぼります。
最も古い記録は1813年であり、当時のパイナップルの葉は非常に硬くて、吹き矢の矢じりとしても使用されていました。
1886年にはジャマイカからトゲのない品種が導入され、これがハワイでのパイナップル栽培の拡大に大きく寄与します。
この品種改良により、広大なプランテーションが誕生し、1900年代にはハワイのパイナップルが世界シェアの80%を占めるまでに成長しました。
プランテーションとは、熱帯や亜熱帯地域で大規模に商品作物（コーヒー、ゴム、綿花など）を栽培する農園のことです。
これらの農園では、現地の安価な労働力を使って大量生産を行い、経営は欧米の起業家が行うシステムが一般的です。

プランテーションの導入により、パイナップル産業はハワイの経済に大きな影響を与えました。
例えば、1901年にジェームズ・ドールがオアフ島にハワイアン・パイナップル社を設立し、ラナイ島を買い取って島全体をパイナップルのプランテーションに変えました。

ハワイでのパイナップルの栽培方法

パイナップルの栽培には多くの手作業が必要で機械化が難しいため、知識と時間、そしてかなりの忍耐力が求められます。
まず、パイナップルの栽培に適した環境が重要です。
ハワイのパイナップル畑は、標高900メートル以下の広大な平地や山間部に位置し、夜間は涼しく、日中は20℃から30℃の温暖な気候が理想的とされています。また、晴天の日が多いことも重要な要素です。

パイナップルの栽培は、まず苗を植えることから始まります。
苗はパイナップルの上部にある葉の部分を切り取り、数日間乾燥させた後、土に植えます。
最初の収穫までには18〜20ヶ月かかり、その後の収穫にはさらに15ヶ月が必要です。
収穫時には、労働者が列を作って移動しながら作業を行います。
パイナップルの葉には鋭いトゲがあるため、厚いグローブと衣類を着用して肌を守らなければなりません。
収穫が終わると、畑のパイナップルはすべて引き抜かれ、新しい栽培サイクルが始まります。

このように、ハワイでのパイナップル栽培は手間と時間がかかるものの、その結果として甘くてジューシーなパイナップルが生まれます。
ハワイの温暖な気候と豊かな土壌が、世界中で愛されるパイナップルを育てるのに最適な環境を提供してきました。

ハワイの人々にとってパイナップルとはどんな存在？

ハワイの人々にとって、パイナップルは単なる果物以上の存在です。
パイナップルは「富と繁栄の象徴」として広く認識されており、ハワイの文化や日常生活に深く根付いています。
その多くの実がなる特性から、パイナップルは「豊かさ」や「恵み」を象徴し、ハワイの人々にとっては希望や繁栄のシンボルです。

また、パイナップルは「ホスピタリティ（おもてなし）」の象徴でもあります。
ハワイでは、パイナップルが訪れる人々を歓迎するフルーツとして親しまれており、感謝の気持ちや人への思いやりを表すものとして振る舞われます。
このため、パイナップルはハワイアンジュエリーやハワイアンキルトのモチーフとしても人気です。

さらに、パイナップルはハワイの経済にも大きな影響を与えてきました。
20世紀初頭には、パイナップル産業がハワイの主要な経済活動の一つとなり、多くの雇用を生み出しました。この歴史的背景から、パイナップルはハワイの発展と繁栄を象徴する重要な存在となっています。

現在では人件費の安価なアジア産に押され、ハワイのパイナップル産業は衰退してしまいましたが、ドール・プランテーションは今も健在で、有名な観光地の一つとなっています。
このように、パイナップルはハワイの人々にとって経済的な繁栄だけでなく、文化的な価値や人々の絆を象徴する特別な果物です。

ハワイアンジュエリーとしてのパイナップル

ハワイにおけるパイナップルモチーフのハワイアンジュエリーは、特別な意味を持っています。
先述のように、ハワイでパイナップルは「富と繁栄の象徴」として広く認識されており、ハワイの歴史と文化に深く根付いているからです。
そのため、パイナップルはハワイアンジュエリーのデザインにおいても非常に人気があります。
また、パイナップルが「ホスピタリティ（おもてなし）」の象徴でもあり、訪れる人々を歓迎するフルーツとして親しまれていることも、ジュエリーとして愛用されている理由の1つです。
ハワイアンジュエリーのパイナップルモチーフは、金運アップや繁栄を願うラッキーアイテムとしても人気です。
そのデザインは、ハワイの自然の美しさと調和し、身につける人々に元気と幸運をもたらすと信じられています。
パイナップルモチーフのジュエリーは、ペアアクセサリーとしても人気があり、二人の絆を深める象徴として愛されています。

このように、ハワイのパイナップルモチーフのハワイアンジュエリーは、歴史的な背景と文化的な価値を持ち、ハワイの人々にとって特別な存在です。
ハワイを訪れる際には、ぜひパイナップルモチーフのジュエリーを手に入れて、その魅力を感じてみてください。

ハワイのパイナップルをおうちでも楽しもう

ハワイに旅行に行って、現地のパイナップルを持ち帰ることができたら素晴らしいことだと思いませんか？
ここでは、ハワイのパイナップルをご自宅で楽しむためのコツをご紹介します。

ハワイのパイナップルを日本へ持ち帰る方法

ハワイのパイナップルは、その甘さとジューシーさで人気があります。旅行の思い出として持ち帰りたい方も多いでしょう。
ここでは、ハワイからパイナップルを日本に持ち帰るための手続きを詳しく説明します。

まず、ハワイでパイナップルを購入する際には、スーパーマーケットやドールプランテーションなどの観光地で手に入れることが可能です。
新鮮なパイナップルを選ぶ際には、緑色の熟していないものを選ぶと、日本に到着したときにちょうど良いタイミングで食べられます。

次に、パイナップルを日本に持ち帰るためには、アメリカ合衆国農務省（USDA）の検査証明書が必要です。
この証明書は、ホノルル国際空港の植物検疫所で取得できます。空港の一階にある団体用出口の奥に位置しており、到着ロビーを出て左に進むと見つかります。

証明書を取得する手順は以下の通りです。

• 検疫所の入り口でインターホンを鳴らし、係員に「パイナップルの証明書を取得したい」と伝えます。
• 申請書に必要事項を記入し、発行料として61ドルを支払います（1証明書につき1申請、パイナップルは何個でも大丈夫です）。
• 係員がパイナップルに虫や土がついていないかを検査します。
• 約30分後に証明書が発行されます。

注意点として、週末は施設が閉まっているため、平日に証明書を取得しておかなければなりません。
また、パイナップルは手荷物として持ち込むことができるため、スーツケースに入れる際にはしっかりと梱包し、傷つかないように注意しましょう。

このように、ハワイのパイナップルを持ち帰るためには、少しの手間と時間がかかりますが、持ち帰る価値は十分にあります。
ハワイの歴史と共に育まれたパイナップルを、日本でも楽しんでください。

美味しいパイナップルの見分け方

ハワイに行ってパイナップルを直接購入できなくても、日本のスーパーなどで購入する際に、いくつかのポイントを押さえることで美味しいパイナップルを選べます。
ここでは、良質なパイナップルの見分け方を詳しく説明します。

• 形と重さパイナップルは全体的に丸みを帯びていて、下部がどっしりとしているものが良いです。持ったときにずっしりと重みを感じるものは、果汁が豊富で甘いことが多いです。
• 香りパイナップルの底部から甘い香りが漂っているものを選びましょう。香りが強いほど、果実が熟していて甘い証拠です。
• 葉の状態葉が濃い緑色で、しっかりとしたものが良質なパイナップルの証です。葉が枯れていたり、乾燥しているものは避けましょう。
• 果皮の色果皮が均一に黄色くなっているものが理想的です。ただし、緑色の部分が残っていても、香りや重さが良ければ甘いことがあります。
• 弾力パイナップルの底部を軽く押してみて、少し弾力を感じるものが良いです。硬すぎるものは未熟で、柔らかすぎるものは過熟の可能性があります。
• 食べ頃パイナップルは特に気温が高くなる真夏に旬を迎えます。5月から9月にかけて収穫されたパイナップルは特に糖度が高いのでおすすめです。

ハワイのパイナップルは、その歴史と共に育まれた特別な果物です。
上記のポイントを参考にして、美味しいパイナップルを選び、ハワイの豊かな味わいを楽しんでください。

ハワイとパイナップルの深い関係

ハワイとパイナップルの歴史は、19世紀に「ハラカヒキ」として導入されたことから始まります。
パイナップルはハワイの主要産業となり、観光客にも人気の果物です。栽培には手間と時間がかかりますが、ハワイの温暖な気候がその成長を支えてきました。
ハワイの人々にとってパイナップルは富と繁栄の象徴であり、ホスピタリティのシンボルです。

ハワイアンジュエリーの素材としても人気があり、訪れる人々を歓迎する意味が込められています。
ハワイを訪れた際には、ぜひパイナップルを手に入れて、その歴史と魅力を大いに感じてください。

ハワイの伝統【ハワイアンキルト】って？▼

ハワイアンキルトはハワイの歴史ある“アート”～幸せのモチーフや楽しみ方～

この記事が好きなあなたにおすすめ！▼

ハワイの伝統料理「ハワイアンフード」～先住民が伝承する食文化に触れる～