掲載日:2024.08.02

サウナで熱中症対策!?猛暑に負けない身体を作る!

皆さんは『ととのった』ことはありますか?
今、空前のサウナブームが到来中ですが、サウナは自律神経の『ON』と『OFF』の切り替えをスムーズにしてくれます。
それだけではなく、サウナには『暑熱順化』(しょねつじゅんか)の働きもあり、これからの季節、私たちが猛暑を乗り切るためのサポートもしてくれるのです。

サウナに入って、健康で夏バテ・熱中症知らず!
今回は、夏を元気に乗り切るためのサウナについて、豆知識を交えながら紹介しますので、最後まで読んでくださいね!

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熱中症予防の暑熱順化は『サウナ』がお勧め!

最近、夏の熱中症予防のために、暑熱順化が有効であると注目されています。
この数年の猛暑は耐えがたいもので、消防庁の統計によると、昨年の5月から9月までのあいだ、熱中症になって救急搬送された人 は、全国で91,467人に達しました。
特に、5月の搬送が目立ち、これは、私たちの体が汗をかくことに慣れていないため、急に暑くなってしまうと、スムーズに発汗することができないからということです。

熱中症予防のためには、発汗できる体に『ととのえ』暑熱順化しておくことが重要なんですね。
ここからは、サウナの基礎知識全般を紹介したあと、暑熱順化について、詳しく解説していきます。

『サウナ』の基本形

まず、サウナの基本形ですが、サウナ→水風呂→外気浴という順番で3周ぐらいするのが一般的なようです。
サウナは5~10分、水風呂は1分(水温17°C前後)、外気浴は5~10分が目安になります。

あくまでも基本形ですから、慣れてきたら、サウナ施設の環境や自分の好みに合わせて、色々と試してみてください。
また、サウナに入る前に、水分補給をしっかりしておくことも忘れないでくださいね。

『サウナ』の基本形

『サウナ』の健康効果

次に、サウナの健康効果について紹介します。
実に様々な効果があるので、主なものをリストアップしてみました。

  • ◆血管の弾力性が増し、心筋梗塞のリスクが減少します。
  • ◆サウナのあと、1時間半~2時間以内に就寝すると睡眠の質が向上します。
  • ◆脳の老廃物が洗い流されて、認知症のリスクが減少します。
  • ◆精神疾患リスクが減少し、うつ病の予防にもなります。
  • ◆肩こり・腰痛・眼精疲労が軽減します。
  • ◆筋肉の疲労が軽減します。
  • ◆紫外線を浴びたあと、サウナに入ればシミ予防になります。

素晴らしいと思いませんか!?
上記のような健康効果は、サウナに入ることにより、血管が拡張・収縮し、【自律神経が『ON』=交感神経が活発】、【自律神経が『OFF』=副交感神経が活発】になることが交互にくり返され、もたらされるものと考えられています。

さらに、これから紹介する『暑熱順化』による熱中症予防効果もあるのです!

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『サウナ』で行う熱中症予防『暑熱順化』とは

暑熱順化とは、私たちの体が暑さに慣れるということです。
夏になり、暑い日がつづくようになると、人間の体は次第に慣れていき、暑さに強くなります。
こうして、暑熱順化すると、皮膚の血流量が増え、発汗による気化熱で、体外への熱放出がスムーズに行えるようになるのです。
また、汗に含まれる塩分も少なくなることから、夏バテ・熱中症になり難くなります。

暑熱順化していないと、汗に含まれる塩分が多く、熱中症になり易いというから不思議ですよね。

暑熱順化は、体を暑さに慣れさせることが重要なため、熱中症警戒アラートが出されるような猛暑になる前に、無理のない範囲で汗をかいておくことが必要です。

暑熱順化には、個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。
5月になると、かなり暑い日が出てくるようになりますので、日程に余裕をもって準備しておきましょう。

また、一度、暑熱順化したとしても、暑さから数日遠ざかってしまうと、暑熱順化の効果は、消えてしまうそうです。
自分が、暑熱順化できているのかについて常に意識を持ち、猛暑が確実視されているこの夏、熱中症にならないよう、無理せずに過ごしましょう。

熱中症対策の切り札、それは『サウナ』

『サウナ』での暑熱順化は、とにかく、ある程度の回数を継続することです。
そして『サウナ』の利点は、汗をかき難い人でも、熱いサウナ室に入ることで体の発汗作用が高まり、汗をかくことができるようになることでしょう。

暑熱順化には、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も有効だといわれています。
しかし、普段から日課にされている人なら別ですが、暑熱順化のためだけにウォーキングやジョギングをするというのは、時間や体力の面で、なかなか難しいのではないでしょうか。

その点『サウナ』であれば、座っているだけです。
仕事帰りに立ち寄ることもできますし、ランニングウェアやシューズも不要、走るといった体力面に不安のある人でも問題ありません。
おまけのように、健康効果もついてきますし、よいことづくしですね!

『暑熱順化』のときの注意点

暑熱順化は、ただ単に、サウナで大量の汗をかけばよいということではありません。
サウナ初心者なのに無理をすると、『サウナ』で熱中症になってしまう可能性もあります。
そうなれば、元も子もありません。
決して無理をせず、徐々に慣らしていくようにしましょう。

『サウナ』で汗を流したら、水分補給も忘れずに

汗の中には、私たちが健康的に生きていくために必要な亜鉛やカリウムといったミネラル分も含まれています。
それらのミネラル分は、体内でつくることができないため、飲料水や食品から補給しなければなりません。
そのことにも、忘れないでくださいね。

『サウナ』で汗を流したら、水分補給も忘れずに

どうして『サウナ』では火傷しないの?

皆さん、サウナ室の中は90.0°Cぐらいになっているのに、どうして、火傷しないのだろうと不思議に思ったことはありませんか?
90.0°Cのお湯の中に指を入れたら、確実に火傷してしまいますよね。

実は、サウナで火傷しないのは、熱い空気に触れていても、人間の体の表面温度は高くなり難いという性質があるからです。
実験によると、皮膚の表面温度が36.0°Cの人が90.0°Cの空気に触れたとき、皮膚の表面温度は36.3°Cになる程度だそうです。
一方、90.0°Cのお湯に皮膚が触れた場合は、皮膚の表面温度は70.2°Cまで上昇してしまいます。

同じ90.0°Cなのに、このような差が出てしまうのは、性質が大きく異なる二つの物質が触れ合ったとき、熱が伝わり易く、温度が変化し難い方の物質と、概ね同じ温度になるという法則(フーリエの法則)があるからだそうです。

サウナ室の空気は90.0°Cですが、皮膚の方が熱の伝導率が高く、温度が変化し難いため、体の周りの温度は皮膚の温度に近づくことになります。

また、汗は蒸発するときに、気化熱によって体を冷やしてくれます。
そのため、サウナ室で感じる熱さが軽減されるということです。

どうして『サウナ』では火傷しないの?
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熱中症予防のため、夏こそ浴槽 でしっかり体を温めましょう

熱中症予防の暑熱順化のため『サウナ』が有効なのは、よく分った。
でも『サウナ』にいく時間がない、あるいは『サウナ』にいったことがないので敷居の高さを感じてしまうという人もいるかも知れません。
そんな人のために、自宅の浴槽にゆっくりつかる方法や、自宅の浴室を『サウナ』代わりにしてしまう方法を紹介しましょう。

自宅の浴槽にゆっくりつかる

暑熱順化は、自宅の浴槽でもすることができます。
もしかしたら、夏はシャワーで済ませているという人も多いかも知れませんが、浴槽に入りましょう。

浴槽での暑熱順化は、40°C前後のお湯に肩までつかり、10~15分ぐらいでしょうか。
額から汗がじんわりと出てくるぐらいが目安です。
『サウナ』のように3周する必要はありませんので、一日一回で大丈夫。
入浴前後には水分補給をして、最初のうちは10分でなくても構いません。
無理をせず、徐々に慣らしていってください。

自宅の浴室を『サウナ』化

もう少し、積極的に暑熱順化したい人は、浴室でのプチサウナ体験はいかがでしょうか。
これは、浴槽に張るお湯の温度を42°C以上に設定し、10~15分ぐらいつかります。
『サウナ』と同じように心臓がバクバクしてきますので、そうしたら、浴槽から出て水のシャワーを浴びるのです。
『サウナ』と同じように3周してもよいでしょう。
『ととのう』ところまでいくかは微妙ですが、体験者によると『サウナ』に入ったときと同じような感覚になれるということですから、暑熱順化し、熱中症予防の目的も果たせるはずです。

補足として、当然のことにはなりますが、心臓や血管に持病のある人は『サウナ』や自宅での暑熱順化の前に、主治医の方としっかり相談してください。
そして、くれぐれも、無理をしないことです。

『サウナ』で『ととのう』とは

最後に『サウナ』でいうところの『ととのう』という状態について、解説します。
『サウナ』に入ると、血管の拡張・収縮により自律神経が刺激されることは、既に触れました。
これにより、私たちの脳内には『セロトニン』・『エンドルフィン』・『アドレナリン』・『ノルアドレナリン』と呼ばれる物質が分泌されます。

『セロトニン』は、私たちをリラックスさせてくれる神経伝達物質です。
『エンドルフィン』は、多幸感や快楽を感じさせてくれ『アドレナリン』や『ノルアドレナリン』も、頭が冴えて集中力が発揮できるようになる神経伝達物質といわれています。
これらの物質が同時に脳内に分泌されることにより、私たちは、リラックスしつつ気持ちがよく、集中力もあるという、何ともいいようのない状態になるということです。
これが『ととのう』といわれています。

『サウナ』で『ととのう』とは
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まとめ

『暑熱順化』の重要性と『サウナ』の健康効果について紹介しました。
最近は、サウナ専門施設だけなく、日帰り入浴施設の中にも『サウナ』コーナーが設けられ、私たちにとって『サウナ』への敷居は下がり、利用し易くなっています。
熱中症予防のための対策は様々ですが、この夏を健康的に乗り切るため、皆さんの選択肢の中に『サウナ』や『自宅での暑熱順化』を加え、熱中症対策や健康増進を図られてみたらいかがでしょうか。

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