掲載日:2024.06.26

知っておきたい日本の国立公園一覧!選ばれる基準や魅力をたっぷりご紹介

みなさんがお住まいの地域の近くに、「国立公園」はありますか?
「そもそも国立公園って何?」「日本に国立公園ってどれくらいあるの?」と不思議に思っている方も多いかもしれませんね。

このコラムでは、日本の国立公園について、定義や基準、特徴などをわかりやすく解説します。
コラム後半では、日本の国立公園を一覧でご紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけたらうれしいです。

日本の国立公園とは何ですか?

日本の国立公園とは何ですか?
北海道大雪山国立公園

まずは、日本の国立公園とは何か、確認していきましょう!
住宅街にあるような普通の公園とは何が違い、どのような手続きで国立公園に指定されるのでしょうか?

国立公園の定義と基準

環境省によると、国立公園の定義は「環境大臣が自然公園法に基づき指定し、国が直接管理する自然公園」となっています。
自然公園法は、自然の風景を保護すること、その利用をすすめること、生物多様性を確保することなどを目的とした法律です。

国立公園は、日本にいくつもある公園のなかでも、「特に美しく自然が豊か」であることが選ばれる基準です。

国立公園の目的と役割

国立公園の目的は、美しく、豊かな自然を後世に残していくことです。特に日本の自然は生物多様性が優れているため、その環境を保護することも目的です。

また、国立公園の役割は、生態系を守ること、人と自然のつながりや、そこで生まれる感動を多くの人に味わってもらうことなどがあります。また、後ほど詳しく解説しますが、日本の国立公園は、海や川だけでなく、集落・農耕地など人の営みによってつくられた場所も含まれています。

国立公園の指定基準と手続き

先ほどもご紹介したとおり、国立公園は日本の公園のなかでも、とりわけ自然が豊かで美しい景観を持っていることが指定基準となります。また、国内だけでなく世界にも誇れるような素晴らしい風景であることもポイントです。

国立公園に指定されるための手続きは、直接環境省に申請書・届出書を提出します。さまざまな審査が行われ、最終的に環境大臣の指定を受ければ完了です。

3種類の自然公園

日本には、国立公園と似たような公園がほかにもあります。ここからは、3種類の自然公園についてご紹介します。

国立公園

国立公園は、傑出した自然環境、美しい景観を持っている場所のことです。国が直接管理していますが、都道府県や市町村、民間企業やそのエリアに住む人などとも協力しているところがポイントです。現在、日本には34か所あります。

国定公園

国定公園は、国立公園に準ずる景勝地のことです。環境大臣が指定しますが、保護や管理を行うのは国ではなく都道府県です。現在、日本には58か所あります。

都道府県立自然公園

都道府県立自然公園は、国立公園・国定公園に次ぐ自然の風景地で、その都道府県を代表するような場所のことです。都道府県が条例で指定し、保護や管理も都道府県が行います。現在、日本には310か所あります。

ちなみに、これら3種類の自然公園の面積は日本の国土の約15%を占めています。

日本の国立公園の特徴

日本だけでなく、世界にも国立公園があります。日本の国立公園の特徴は、公園内に多くの「私有地」が含まれているということです。これは、日本の国立公園が、単なる海や川といった自然だけでなく、集落や農耕地など人の営みによってつくられた場所も含まれているから。

国立公園の中に住んでいる人もいるため、人々の暮らしや産業などと調整しながら管理が行われているんです。

一方、世界の国立公園は、土地すべてを公園専用としているところも多いです。また、たとえばアメリカの国立公園は生態系の保護が主な目的ですが、日本の国立公園は生態系の保護だけでなく、景観や伝統文化、地域特有の暮らしの保護も目的に含まれています。

雑学

「世界一美しい国立公園はどこ?」

世界一美しい、となるとなかなか選定が難しいのですが、たとえば「グランドティトン国立公園」はアメリカで最も美しい国立公園といわれています。ワイオミング州にあり、ハイキングコースは多くの人の人気を集めています。

グランドティトン国立公園
雑学

「日本で一番古い国立公園はどこ?」

日本で最初に国立公園に指定されたのは、瀬戸内海、雲仙、霧島の3か所。昭和9年(1934年)3月16日のことでした。ちなみに、日本よりも前にアメリカでは国立公園の指定が始まっており、これを受けて、日本でも「国立公園を作ってほしい」という人々の想いが高まっていきました。

霧島錦江湾国立公園

国立公園の所在地

ここからは、日本の国立公園がどこにあるのかご紹介します。

日本の国立公園一覧と設置地域

日本では、北は北海道から南は沖縄や小笠原諸島まで、各地域に国立公園があります。
日本の国立公園の一覧と設置地域は以下のとおりです。

北海道地区

知床国立公園 知床国立公園

利尻礼文サロベツ国立公園

日本最北の国立公園です。なかなか見ることができない貴重な高山植物が低地で見られる礼文島、利尻富士と呼ばれる利尻山が見られる利尻島は、訪れる人を魅了します。

知床国立公園

日本の最東北端に位置する国立公園。アイヌ語で「大地の突き出たところ」という意味の「シリ・エトク」が「知床」という名前の由来なんですよ。火山活動や流氷によって作り出された雄大な自然が圧倒的。

阿寒摩周国立公園

北海道の東部に位置しています。3つのカルデラ湖と火山は日本のなかでもめずらしい貴重な地域。日本の国立公園のなかでも、特に原始的な姿が残っている場所として有名です。

北海道には、そのほか「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と称される山々が特徴の大雪山国立公園、国の特別天然記念物のタンチョウが見られる釧路湿原国立公園、「生きた火山の博物館」とも呼ばれる支笏洞爺国立公園があります。

東北地区

三陸復興国立公園 三陸復興国立公園

十和田八幡平国立公園

本州北部中央の山岳地帯に位置しています。神秘的な十和田湖や清らかな奥入瀬渓流のほか、さまざまな山が楽しめます。豊かな自然で暮らす動植物と四季を通じて変化に富んだ美しい景観が魅力です。

三陸復興国立公園

災害復興を目的にもつ国立公園で、多様な海洋生物の保護だけでなく、災害教育も目的としています。「海のアルプス」とも呼ばれる大断崖も圧巻です。

磐梯朝日国立公園

山形県・福島県・新潟県に広がり、陸域では日本で2番目に大きな国立公園。美しく貴重な高山植物や、山・湖沼・森など、多様な顔を持っています。

関東地区

富士箱根伊豆国立公園 富士箱根伊豆国立公園

日光国立公園

福島県・栃木県・群馬県に広がり、滝・高原・湖沼などの自然名所をハイキングで回るのもおすすめの公園です。自然だけでなく、神社仏閣などの歴史的建造物も多くあります。

小笠原国立公園

日本列島から約1,000km離れた場所にあります。海洋島なので、固有動物や植物など独自の生態系が広がっています。ちなみに、2018年には3度目の「星空日本一」にも選ばれているんですよ。

関東地区にはほかにも、文化の交流点となった尾瀬を代表する尾瀬国立公園、鍾乳洞などもある秩父多摩甲斐国立公園、各所から富士山が見える富士箱根伊豆国立公園、今なお隆起し続ける山岳地の南アルプス国立公園があります。

中部地区

中部山岳国立公園 中部山岳国立公園

上信越高原国立公園

群馬県・新潟県・長野県にまたがり、日本百名山にも選ばれるほどの山々が連なる風景が魅力。登山やスキーなど、アクティビティを楽しみたい人にもおすすめです。

妙高戸隠連山国立公園

新潟県・長野県に広がり、山と湖が織りなす風景が魅力の公園。豪雪地帯としても有名で、厳しい自然環境から生まれた文化・山岳信仰なども特徴的です。

中部地区にはほかにも、里山・里海が魅力の伊勢志摩国立公園、雪と高山植物が美しい白山国立公園、ライチョウが有名な中部山岳国立公園があります。

近畿地区

吉野熊野国立公園 吉野熊野国立公園

吉野熊野国立公園

熊野信仰の那智山や、「近畿の屋根」と称される大峰山脈などが魅力の三重県・奈良県・和歌山県に広がる公園です。一部は世界遺産にも登録されています。

山陰海岸国立公園

京都府・兵庫県・鳥取県に広がり、海食崖、海食洞、岩礁など変化に富んだ海岸の景観が楽しめます。独特の地形であることから「地質の公園」「岩石美の公園」とも呼ばれます。

中国・四国地区

瀬戸内海国立公園 瀬戸内海国立公園

瀬戸内海国立公園

日本で初めて国立公園に指定された場所のひとつ。広い海に点在する個性豊かな島々が魅力です。海域を含め90ヘクタール以上の面積で、日本で一番広い国立公園です。

大山隠岐国立公園

「国引き神話」の舞台ともなっており、自然と人々の暮らしが古くから交差してきた場所でもあります。出雲大社など、神社も充実しています。

足摺宇和海国立公園

愛媛県・高知県に広がる公園。黒潮の影響を受けて、「シコロサンゴ」が群生しています。シュノーケリングを楽しみたい人にもおすすめです。

九州・沖縄地区

屋久島国立公園 屋久島国立公園

雲仙天草国立公園

長崎県・熊本県・鹿児島県にまたがる公園で、湯煙わく雲仙岳が魅力。また、古くから海外との交易も栄え、キリスト教の歴史や史跡も見ることができます。

屋久島国立公園

屋久島と口永良部島からなる公園です。2つの島は近いですが、まったく異なる生態系が広がっています。トレッキングやリバー&シーカヤックなどのアクティビティも楽しめます。

九州・沖縄地区にはほかにも、400を超える島々が存在する西海国立公園、阿蘇山などの火山群が雄大な阿蘇くじゅう国立公園、日本最初の国立公園のひとつである霧島錦江湾国立公園、固有種と歴史遺産が豊かな奄美群島国立公園、マングローブ林が広がるやんばる国立公園、「ケラマブルー」の海が美しい慶良間諸島国立公園、イリオモテヤマネコなどの貴重な動物が暮らす西表石垣国立公園があります。

自然豊かな美しい景勝地である国立公園を楽しもう

いかがでしたか?
このコラムでは、日本の国立公園の基準や役割、世界の国立公園との違いなどをご紹介してきました。国立公園とはいっても、雄大な自然が楽しめるもの、人々の暮らしが感じられるものなど、いろいろなものがありましたね。

このコラムを読んで日本の国立公園に興味を持った方は、気になる場所にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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