華麗なフラメンコ衣装で舞い踊る!スペイン・セビージャの春祭り

少しずつ春の訪れを感じられるような季節になってきましたね。
春は色とりどりの花が咲き乱れ、心浮き立つ季節でもあります。世界各地で春を祝うお祭りが開催されますが、今回は、スペイン三大祭りのひとつである「セビージャの春祭り」についてお伝えします。

読み終わる頃には、あなたもスペイン行きのフライトをチェックしたくなってしまうかも?それでは行ってみましょう!

スペイン<セビージャの春祭り>とは?

陽気で情熱的な気質を持つスペインの人々。飲んで歌って踊って、人生を謳歌しているという印象を強く受けます。これがスペインの三大祭り「バレンシアの火祭り」「セビージャの春祭り」「パンプローナの牛追い祭り」にもよく表れていて、老いも若きも、全身全霊でお祭りを楽しんでいる様子が見られます。

今回取り上げる「セビージャの春祭り」の開催地は、スペイン南部に位置するセビージャ(またはセビリア)。イスラムとカトリックの文化的影響を強く受けた美しい町。フラメンコの発祥地、オペラ「セビリアの理髪師」の舞台としてよく知られており、世界遺産や映画ロケ地もあります。

スペイン<セビージャの春祭り>とは?

春祭りはこうして生まれた

この春祭りの起源は古く、畜産・農業見本市が復活した1847年から始まります。会場を埋め尽くすカセータ(Caseta)と呼ばれるお祭り小屋は、元々は会期中の家畜小屋、商人とその家族の住まいだったのです。
見本市は次第にお祭りの様相を呈し、規模も拡大していきました。現在は、美味しい食べ物とお酒に酔いしれ、素敵な衣装を身にまとい踊り明かす、国を代表するイベントに変わりました。スペイン語ではフェリア・デ・アブリル(Feria de Abril:4月市)と呼ばれ、その名の通り毎年4月頃に開催されています。

彩り鮮やかな春祭り会場

春祭りの会場は、セビージャ旧市街からグアダルキビール(Guadalquivir)川を渡った向こう側、ロス・レメディオス(Los Remedios)地区に位置します。
いつもは空き地になっている広大な土地に、1,000軒を超えるカセータが並ぶエリア、移動遊園地のあるアトラクションエリアに分かれた会場が設営されます。通りを見上げると22,000個以上といわれる赤と白の提灯が一面に飾られています。

彩り鮮やかな春祭り会場

ストライプ柄が可愛いお祭り小屋、カセータ

カセータは伝統的に会員制で、残念ながら招待客以外は入れません。
でも1割程度は入場自由の公営カセータ(Caseta Publica)で、観光客でもお祭り気分を味わえます。また、現地のガイドツアーを利用する手もあり。会場見学やカセータでの食事もできるようです。
カセータの外観は、赤と白または緑と白の縦縞のテントで統一されています。表からは見えにくいのですが、奥行きのある構造になっていて、テーブルのある広間の奥に、バルやキッチン、トイレが設置された小部屋が隠れています。
丸一日でも過ごすことができる、小さなお家ですね。

ストライプ柄が可愛いお祭り小屋、カセータ

大人も子供も楽しめる!盛り沢山のイベント

春祭りは初日の点灯イベントで幕が開き、最終日の花火大会で幕を閉じます。カセータでの飲食や踊りだけでなく、老若男女が楽しめるイベントが目白押しです。
点灯イベント、アルンブラード(Alumbrado)は深夜0時に始まります。巨大な正門ポルターダ(Portada)から、会場全体にも次々と明かりが灯っていきます。毎年変わるポルターダのデザインも魅力です。

着飾った馬、乗馬服に身を包み颯爽と馬を操る男女、フラメンコドレス姿の女性達が体を寄せ合う馬車の列の華やかさにもワクワクが止まりません。畜産見本市の名残も感じますね。運転手付きの馬車をレンタルして、会場を見て回るのもおすすめです。
春祭り会場から車で10分弱のReal Maestranza de Caballería(レアル・マエストランサ・デ・カバジェリーア)闘牛場では、花形闘牛士の勇姿を拝むことができます。連日午後に催される人気イベントです。

<セビージャの春祭り>を味わい尽くすためのアイディア3選

魅力満載の「セビージャの春祭り」、もっともっと、心行くまで満喫したい!そう思ったら、観光客だからと遠慮しないで、セビージャっ子の輪に混じり、お祭りを全力で楽しみましょう。

伝統衣装でおしゃれしよう!

女性なら、何と言ってもフラメンコドレスです。ボディラインを美しく魅せるタイトシルエット、女性らしさを際立たせる袖口や裾の幾重にも重なる大きなフリルが魅力的です。
長いフリンジのついた薄手のショールを羽織り、大きな花飾りを頭の上に乗せて可愛らしく、または耳の脇に付けて色っぽく、大振りのイヤリングやブレスレットを付ければ完璧です。一気に気分が盛り上がること間違いなしです!男性には、コルトスーツと呼ばれる丈の短いジャケットにタイトなパンツ、フェルト地でつばがフラットなコルドベスハットをかぶることをおすすめします。体にぴったり合うスーツも美しいです。

伝統衣装でおしゃれしよう!

セビジャーナスを踊ろう!

セビジャーナスは、セビージャ近郊で広く親しまれている伝統的な民謡で、フラメンコに大きな影響を受けた陽気な踊りです。カセータでは、セビジャーナスの音楽をずっと流したままにして、人々は好きな時に歌い、踊り、飲んだり食べたり、おしゃべりをしたりして過ごします。見ているだけでも楽しくなるセビジャーナスですが、初心者のための即席レッスンも開催されていますので、ぜひ一緒に踊ってみてください !

セビジャーナスを踊ろう!

スペイン料理に舌鼓を打ち、美酒に酔う!

やはりお祭りに美味しいものは欠かせませんよね?
まずはお酒から。辛口シェリー酒のマンサニージャ(Manzanilla)と、それをレモネードで割ったカクテル、レブヒート(Rebujito)が一番人気です。ワインやビール、ソフトドリンクももちろんあります。

お酒と一緒に、美味しいタパスをたくさん頂きましょう。アンチョビやイカなど魚のフライ(Pescado Frito)、エビ料理、モンタディート(Montadito)、トマトの冷製スープ、サルモレッホ(Salmorejo)、ガスパッチョ(Gazpacho)、スペイン風オムレツなどなど。イベリコハムやソーセージ、チーズ、オリーブ、サラダ、どれもとても美味しいです。
そしてお祭りの最後には、ブニュエロ(Buñuelos)という丸い揚げドーナッツをチョコレートソースに浸して食べます。散々飲んで食べた後の疲れた胃にドーナッツ?とためらってしまいますが、これが意外に癖になるのです。ぜひご賞味あれ。

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筆者プロフィール:gracen

ヨーロッパ在住ライター・翻訳家。
海外在住歴15年・旅行歴25ヶ国の経験を活かして幅広い分野で執筆。
幼少期に「いろいろな国の本当の姿をこの目で確かめたい」と強烈に感じたことが原動力に。
得意分野は、海外移住・旅行、語学、お花・農業、自然療法、IT、法律など。パリの老舗花店であるMouliéとLa Maison Vertumneで花修行の経験あり。


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