盛り塩のある生活~盛り塩に込められた意味や作り方、その効果とは?~

皆様は“盛り塩”ってご存知でしょうか?
もしかしたらお店の入り口などで見かけたことがあるという方もいるかもしれません。

どういう意味があるの?作り方も一見難しそう!と思われがちな“盛り塩”。
しかし最近では、日常生活で気軽に盛り塩を取り入れる方が増えています。
今回は、古くから伝わる風習として、また最近のブームの一つでもある“盛り塩”について、その意味や由来はもちろんのこと、盛り塩の作り方や置き場所、その効果など、盛り塩の全貌をお伝えします。

盛り塩ってどんなもの?

盛り塩のある生活

盛り塩の姿を一言で言うと、“お皿の上に山のような形に盛った塩”のこと。高飲食店やショップなどの入り口に置かれています。またお店だけでなく、家に盛り塩を置く場合もあります。
盛り塩の具体的な内容の前に、由来や意味を見ていきましょう。

盛り塩の由来・置く意味は?

盛り塩の由来

日本の風習として受け継がれてきた盛り塩は、“邪気払い” “縁起担ぎ”のためと信じられてきました。
盛り塩の形の特徴は、先が尖がっていること。
昔から尖ったものは魔除けになるといった風水学的な見方もあることから、盛り塩は家を守ってくれる存在として、古くから伝わってきたといわれています。

では、なぜ塩が“邪気払い” “縁起担ぎ”の目的で使われるようになったのでしょうか?

日本神話に出てくる“イザナギノミコト”の禊のお話

“清め塩”の経験がある方ならご存知かと思いますが、塩は清める(浄める)意味を持ちます。その理由は日本神話に記されています。

イザナギノミコトという神さまが黄泉の国(死の国)から現世に戻る際、黄泉のケガレを祓うために海で身体を洗い禊(みそぎ)を行いました。
古くから日本では、ケガレを水で祓うという概念がありますが、このことから塩にもケガレを祓い浄める力があると考えられてきました。

お相撲さんが塩をまいて勝負に臨むのや、地鎮祭(じちんさい=建物を建てる際に行う儀礼)で、土地の四方に塩をまくのも、厄を祓い浄めるためなのです。

牛車による“福を招く”盛り塩のお話

盛り塩の文化は、平安時代に中国から伝わってきたとも言われています。
高貴な人を招き寄せるため、家の前に盛って置かれていたのは、“お塩”。当時、そのような人々の移動手段は“牛車”。もうお分かりですね!
牛は好物の塩を舐めるために足を止め、当然その家に立ち寄る流れに.......。
このような説から、盛り塩=“福を招く”といわれました。

現代でも盛り塩文化が受け継がれているのは、こうした理由からなのかもしれませんね。

盛り塩の作り方

盛り塩を生活に取り入れてみたいけれど、準備や作り方(盛り方)が難しそうと思う方もいるのではないでしょうか。
意外と簡単にできますので、気軽に楽しみながら盛り塩を作ってみましょう!

用意するもの

  • 塩(粗塩や天然塩がおすすめ)
  • 白いシンプルな陶器製の小皿(直径5㎝前後位がおすすめ)
    →お皿が無い場合は、正方形の白無地の紙や半紙でも大丈夫です。
  • 塩固め器
  • ヘラ(盛り塩用でなくても大丈夫)

こちらはデパートやネット販売などで揃えることができます。

盛り方

盛り塩のある生活
  • 塩固め器の1/3程度まで塩を入れて、指で押さえる
  • 器の上まで塩を入れ、ヘラでおさえて平らにする
  • 小皿を裏返し、器にのせる
  • 全体をゆっくりひっくり返し、器を外してできあがり!
POINT

塩がサラサラの場合は、霧吹きで少し湿らせておくとキレイに成型できます。

盛り塩を置く場所やその効果とは?

盛り塩を置く場所

基本の場所と言えば、やはり“玄関”や運気が滞って厄が溜まりやすいといわれる“水回り”。
それぞれの場所を挙げながら、期待できる効果などをご紹介いたします。

◆玄関

出入口である玄関は、厄も運気も出入りしやすい場所。
玄関に盛り塩を置くことで、悪い気を除けるという意味があります。

POINT

・1つ置く場合:
千客万来を願う意味があります。
飲食店などで1つだけ置かれていることが多いのは、商売繁盛のためになります。

・2つ置く場合:
ケガレを祓う意味があります。
外からの邪気を寄せ付けないために結界を張るという意味で2つ置くことが多いのです。
扉の両側または、内側と外側に置くことが多く見られます。

玄関に置くときは、ドアの開け閉めの際に邪魔にならないよう気を付けましょう。

◆神棚

盛り塩のある生活

玄関や部屋の中に盛り塩を置くのは、魔除けや厄除け、開運などが目的。しかし、神棚に盛り塩を置くのは、神様にお供えするため、つまり“供物”です。
神様と人間が同じものを食べることで神のご加護を願う“神人共食”という考え方が深く関わっています。
神棚の盛り塩はできれば毎日取り替えるべきですが、難しいという方は毎月1日と15日に取り替えてみましょう。

◆キッチン

大切な食を司るキッチン。火と水の使用によって互いにバランスが乱れやすく、運気の流れが滞りやすい場所とも言われています。
盛り塩を置くことで火気と水気が調和され、家庭内の運気アップが期待されます。

◆洗面所

顔や歯を洗い、身だしなみを整える場所でもあることから、運気が落ちやすい場所ともいわれています。そのためここに盛り塩を置く方も多くいるようです。
運気の流れを良くし、家庭円満にも繋がると考えられています。

◆お風呂

キッチン同様、水と火が使用される場所かつ、1日の身体の汚れを落とす場所でもあります。湿気のある場所なので、塩が溶けたり固まりやすく、盛り塩を交換する頻度は他の場所より高いでしょう。
盛り塩を置くことで火気と水気が調和されるほか、役目を終えた盛り塩を入浴時に浴槽に入れることで厄落としの効果アップがあるといわれています。

◆トイレ

清潔に空気の通りも良くしておきたいのがトイレ。トイレは特に悪い運気が溜まりやすい所と言われています。
清潔にして盛り塩を置けば、健康面はもちろんのこと、金運アップも期待されますよ。

置くと良い方角は?

運気アップを願い、盛り塩を置く方角を意識する方も少なくありません。
おすすめの方角は次の通り。

盛り塩のある生活

家の中心から見て、

  • 4方向(東西南北)の場所
  • 表鬼門(邪気や鬼が入る方角)の北北東
  • 裏鬼門(邪気や鬼が出ていく方角)の南南西

邪気の出入りを防ぐためにも、特に表鬼門と裏鬼門の方角に盛り塩を置いて運気の流れを良くしたいですね。
ただし方角は難易度が少し高いので、あまり神経質にならなくても大丈夫。
まずは気になる所にちょっと置いて、“盛り塩を楽しむ”ことから始めてみてはいかがでしょうか。

盛り塩の種類

基本の形

盛り塩の形は、円錐か八角錐が良いといわれています。

円錐:
一般的な盛り塩の形として挙げられます。
八角錐:
“八=末広がり”と言われるように、良縁を引き寄せるとも言われ、縁起の良い形です。
また、形を維持しやすいことからも、盛り塩にはおすすめ。

使う塩にルールはある?

特にルールはないのですが、粗塩や天然塩がおすすめ。
旨味成分やにがりが含まれるもの、添加物が入っている塩は、できれば避けた方が良いでしょう。

(注:盛り塩用の塩は、食用でないことが多いので気を付けて下さいね。)

盛り塩の捨て方・注意点

交換するタイミング

決まりはありませんが、目安として月に2~3回交換するのが一般的です。
神棚の神饌の取り換え時に合せて、毎月1日と15日に取り替えるのも良いかもしれませんね。

処分方法

昔は川に流したり、土に埋めるなどして捨てていましたが、現代では生活環境や環境保護の観点からも難しいかと思います。
ゴミとして処分するほか、塩にはヌメリ取りや臭い消しの効果があるため、掃除も兼ねてキッチンや洗面所などに流すのもよいでしょう。キッチンや洗面所に流す際は、詰まらないように固まった塩をほぐしましょう。
(くれぐれももったいないからと、料理など“食”に使用するのは避けて下さいね。)

いずれの方法にしても、お役目を果たしてくれた塩を処分する際には、感謝の気持ちを忘れずに......。

置いてはいけない場所はある?実は危ないって本当?

盛り塩のある生活

盛り塩をトイレに置いてはいけないという話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
ですが全く問題ありません!

先にもお伝えしたように水回り全体は運気が滞りやすいと言われているため、盛り塩を置くことで、良い運気を取り込んで健康面にも良い効果が期待できると考えられています。

ですが、良いこと尽くしを期待して、手あたり次第に盛り塩を置くのはおすすめしません。

盛り塩を置く前には、必ずその場をきれいに掃除して整えましょう。その理由は、汚れやホコリをしっかり落とし、空気の流れも良くすることで、盛り塩がお役目を果たしてくれると考えられているからです。

守り浄めてくれた塩を感謝と共に処分して、新しいものに取り替える。
その流れが、より良き運気を招く効果に繋がっていくことと思います。

まとめ

いかがでしたか?
古くから伝わる“盛り塩”の風習。
邪気払いや魔除けはもちろん、運気アップや幸運を呼び込み、商売繁盛も期待される盛り塩の習慣は、現代生活にも受け継がれています。

盛り塩に大切なのは?

  • 置く場所(環境)を整えること
  • 心を整え、感謝を忘れないこと

心に豊かさをも生み出し、穏やかで心地良い日常の寄り添いとなってくれる盛り塩。
ぜひ新年を迎えたこの時期に、盛り塩生活をはじめてみませんか。

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