Letter From Venice, Italy【後編】

THE STORY OF EUROPE~欧州は素敵な「モノ」に溢れている~

私たちがベネチアで出会った素敵なベネチアンガラスの生産者さんからのお便り。

3代続く伝統あるガラス細工一家の歴史と、製作にかける想いなどが綴られた 前編 につづき、後編では、ガラス細工アクセサリーの制作工程、そして、職人としてのこだわりなどが綴られています。

商品の背景にある素敵なストーリー。
選んでもらえたひとつがお気に入りのひとつになってもらえたらうれしいです。


日本の皆さん、ボンジョルノ!

このお便りを通じ、私たちがムラーノ島で作るベネチアンガラスのことをみなさんにちょっとでも知ってもらえたら嬉しいです。

ムラーノには大きな工場があり、ベネチアンガラス細工の基になるガラス棒を仕入れることができます。

ピンセット、ナイフ、はさみなどのさまざまな道具を駆使して色を混ぜたり、形を変えたり、ビーズなどを作ったりします。

出来上がったビーズは母の手にわたり、辛抱強く小さなビーズを組み合わせて、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリーを作ります。

私たちは作品の品質に対して特に気を配っているので、欠陥のあるガラス細工を作らないよう一切妥協を許しません。
完璧なガラス細工を作るために常に改良を行い、真剣に取り組んでいます。

大量生産で生み出される欠陥の無い物と違い、ハンドメイドでは完璧なモノを作るために、大変な技術と集中力がいるのです。

一番苦労するのは、ガラス製造過程でのヘルプに、誰か他の人を雇うことができないということです。

有名な絵画の複製と同じように、模倣してオリジナルのように見せることはできますが、わたしたちの目はどちらが模倣品であるかを確実に見分けることができます。
そのため、細心の注意をはらって、作業を行うことが不可欠です。

もう一つの難しさは、人々の絶え間なく変わる嗜好に応えて、常に新しいものを作り続けることです。
古くから続く伝統技術と、時代に沿った志向やセンスを組み合わせて新しいものを生み出すことは、とても大切であるとともに、とても難しいことでもあります。

このように大変な手間と労力をかけてガラス細工をつくっているのです。

ベネチアンガラス細工は私たちの日常の生活の中でも大切に紡がれてきました。
鏡、ゴブレット、ガラス、その他アクセサリーなど、ベネチアのすべての家にベネチアンガラスで作られたモノが実際に取り入れられ、使われているのです。

そして、ベネチアンガラスの生産は私たちベネチア人の歴史の中でも、とても重要な役割を担っています。

かつて1950年代には、4000人近くの人々がガラス工場で働いていました。これは、現在ムラーノに住んでいる市民の数とほとんど同じであることを考えると、驚くべき数字です!

ベネチアンガラスは私たちの生活の一部であるだけでなく、何世紀にもわたって大切な雇用も生み出しているのです。

ベネチアンガラスを手に取ったとき、単に美しさだけに見惚れずに、
私たちが大切にしている伝統や、職人の熱い思いも一緒に感じて頂ければ嬉しいです。

一つ一つをよく見てみると、それぞれに他とは違う、魅力が見つかるはずです。それはきっと、世界に一つだけの、あなたのためのオリジナル。
普段の生活に身に着けて、毎日をちょっと特別に感じたいものです。
唯一無二の魅力は、きっとあなたの個性とともに、きらりと輝くはずだから。

グラッツィエ! チャオ!!


 


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