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世界中から毎年約500万人が訪れる、パリの最北部にあるクリニャンクールの蚤の市。 そこは19世紀のパリの面影があり、時を超えて物語から抜け出してきたような魅惑的な品々が溢れています。
本記事は、クリニャンクールの蚤の市の魅力について、歴史や見どころ、そして楽しむコツを紹介します! ぜひ、読んでみてパリ・クリニャンクールの蚤の市の魅力を堪能してみてくださいね。
街並みの美しさや、魅惑的なアンティークなど、ヨーロッパでは、古いものを大切にする文化があります。 では、古いものを大切にするヨーロッパの精神とは、どのように現代に受け継がれているのでしょう?
ヨーロッパには古いものに対して高い尊敬心があり、移り変わることよりも伝統や歴史を守り続けることが大切にされています。たとえば、街の景観を保つために建築や壁・屋根の色の変更には国や自治体の許可が必要で、家やアパートを購入する場合も中古物件をリフォームするのが一般的です。
また、先祖から受け継がれた品物を大切にして使う人が多く、曽祖父母が使っていた家具や食器、アクセサリーなどをさりげなく普段使いしています。そんなライフスタイルは、なんだかとってもおしゃれに感じます。
さらに、週末には各地で食品のマルシェや小規模なブロカント、蚤の市が開かれ、探し物があれば必ずと言っていいほど訪れる人々もいます。
ヨーロッパでは、古いものと新しいものの境界線があまりなく、良いものは良い。好きなものは好き。というこだわりによって伝統が受け継がれている様に感じます。
フランス語の蚤の市は「Marché aux puces(マルシェ オ ピュス(蚤))」といい、英語に直訳すると「Flea market(フリー(蚤)マーケット)」。
FleaとFreeの発音が似ているため、いつしか蚤の市は「Free market(フリーマーケット)」とも呼ばれるようになり、誰でも自由に物を売買できる場所として広く知られるようになりました。もともとはフリーマーケットも蚤の市も同じ物ということ!誰もが知っているフリーマーケットの語源は、蚤の市だったんですね!
それでも、現在の「蚤の市」と「フリーマーケット」にはいくつかの違いがあります。 蚤の市は、個人や小規模な業者が出店し、古い家具や骨董品、古着などを販売する場所であり、お宝を探しに訪れる人やアンティーク好きの人に人気があります。 一方、フリーマーケットは、自治体や慈善団体が開催するイベント形式のものが一般的であり、個人や団体が中古品や手作り品などを販売するのが特徴です。
とはいえ、どちらの市場も、古いものや中古品を手に入れることができる素晴らしい場所で、掘り出し物を見つけたときの感動は格別です。
クリニャンクールの蚤の市は、フランスでサン=トゥアンの蚤の市(Marchéaux puces St-ouen)と呼ばれています。
パリにある3つの大きな蚤の市(ヴァンヴ・クリニャンクール・モントルイユ)の中で最大規模のもので、パリ市とサン=トゥアン市の境界に位置し、3000以上の古物商が軒を連ねる蚤の市です。
そもそも「蚤の市」という名前の由来は、フランスに昔から存在した「chiffonniers(シフォニエ)」と呼ばれる古着商人たちに由来します。彼らが集めた古着は蚤だらけだったため、それらを売る市場が「蚤の市」と呼ばれるようになりました。
その後、この市場は骨董品や古物を売買する場所として定着し、現在では世界中で骨董やアンティークの市場は「蚤の市」という名前で親しまれています。
19世紀後半にオスマンにより行われたパリ改造により、衛生的でないという理由から、ごみ収集業者が城壁の外へ追放されました。この城壁は当時パリを囲んでいた「ティエールの城壁」。彼らはこの堀の外にバラック小屋を建て、そこに住み始めます。
その地域の古着商「シフォニエ」たちを中心に、まだ使える廃品や不用品を集めた「蚤だらけのマルシェ」が毎週日曜日に開かれるようになり、1885年頃には現在の蚤の市の原型ができたと言われています。
当時、パリの上・中流階級層は、あまり近づかないエリアでしたが、掘り出し物が多く見つかる市場として口コミが広がります。そしてフランス中の骨董商やアンティーク好きがこぞって押し寄せ、本格的なアンティーク取引の市場が始まりました。同時に、カフェや社交場などが次々と増え、多くの文化人や刺激を求める若者が集うようになっていきます。
こうして骨董を中心に作り上げられたクリニャンクールの独特な雰囲気は、当時の面影をそのまま現在まで残しています。このような深みのある特徴は他の蚤の市にはないものであり、現在ではパリの観光地としても人気を博しています。
3000軒の店舗が集うクリニャンクールの蚤の市は、その広さからしっかり区画されて分かれていて、各エリアにはそれぞれ個性的な特徴があります。 特に魅力的なエリアのおすすめ5選をご紹介していきますね。
Dauphine(ドフィン)のアーケードは、クリニャンクール蚤の市で最大規模の地区で、比較的新しい2階建ての建物には約300軒の店舗があります。雨の日でも楽しめるのは嬉しいポイントです。
古き良き商店街やショッピングモールのような雰囲気で、お店は番号で割り振られ迷子になりにくいエリア。家具、絵画、陶器、銀製品、装飾品に絵本におもちゃなど、なんでも豊富に取り扱われています。
かなり広く他のエリアも周りたいのなら、時間を気にしながら歩くことをお勧めしますが、落ち着いた雰囲気でじっくり商品を探したい人にもおすすめですよ。
クリニャンクールの中で最も古いとされるVernaison(ヴェルネゾン)。 まるで映画のセットのような雰囲気のあるエリアです。パリガイドブックのクリニャンクールのイメージには、ほとんどここの写真が使われていますよ。
蔦が絡まる情緒あふれる風景の中、所狭しと並ぶアンティークたち。 家具、絵画、食器、雑貨、おもちゃ、 手芸品、アクセサリー、ビーズ屋さんが、興奮してしまうほどに、とにかく溢れかえっています。
小さなお店が多く、まさに「あこがれのパリの蚤の市!」といった雰囲気。どれもこれも魅力的で、アンティーク小物好きにはたまらない場所ですよ。
若者を中心に人気があるエリアMalik(マリック)には、古着やアクセサリー、レコード、本などが販売されています。ユニークな商品や珍しい品物が多く、ここでも掘り出し物を見つける楽しみがあります。
アンティークよりもヴィンテージの品が多く、また無名の若手デザイナーたちのブティックがあるのも魅力の一つ。
古いレコードジャケットを眺めるだけでも楽しいですし、50〜80年代のビンテージ・アクセサリーも豊富に取り扱う店舗が多く、思わず真剣になってしまうので、スリに気をつけましょう…。
Biron(ビロン)は、高級アンティーク専門の地区。高級ヨーロッパ・アンティークがずらりと並べられているのは圧巻です。
アールヌーボーやアールデコ、バカラのアンティーク・グラスに家具。ヴィトン、シャネル、エルメス、カルティエなどの超一流ブランドのアンティーク品が並んでいます。
高級ブランドぞろいですが、中には掘り出し物もあるので、ブランド・アンティークが好きな人におすすめのエリアですよ。
Jules Valles(ジュール・ヴァレ)エリアは、ポストカードや古本にシフォンやレース、ビーズなどの小物のお店が多いエリア。 まさにお宝発掘エリアなので、アンティーク好きの審美眼を最大限に開眼して挑みましょう!
小道具やガラクタなど豊富で、まさかこんな物まで!というようなおもしろさもありますよ。
クリニャンクールには様々なお店がありますが、私の一番のお気に入りは、Vernaison(ヴェルネゾン)エリアにあるヴィンテージ・キーホルダー専門店です。小さな店の壁一面に、所狭しと打ち付けられた無数のキーホルダーが並ぶお店でした。
昔のフランスでは、いろいろな日用品のメーカーが、おまけでオリジナルキーホルダーを作って配っていたそうです。 コレクターの多いブルボンキーホルダーや、商品のキャラクターに、鍋や歯磨き粉にココアの瓶、シャンプーにジャムなど、まるでミニチュアのスーパーマーケットのような品揃えに、毎回思わず笑みが現れてしまいます。
もちろんビンテージ物なので、レアなものはびっくりするお値段なのですが、普通のものは1ユーロから買えるので、ついつい覗いてみてはコレクションを増やしてしまうのです。
ある日、なんとなく気分が沈んでいて、考えと気持ちがまとまらずもやもやと過ごしていました。壁のキーホルダーを見ていると、赤くて大きな一粒の雫のような形のキーホルダーが目に入りました。
一目惚れして、どうしても欲しくなり、店員さんに声をかけて取ってもらうと、彼女はにっこり笑って「はい、幸運をどうぞ!」といって私に手渡してくれました。
幸運?と思いましたが、よく見ると、赤く透き通った雫の形の周りには、うっすらと金色で「Goutte Porte Chance」と書かれていました。意味は「幸運の雫」です。 その時にやっと笑みの理由がわかって彼女の顔を見ると、「きっといいことがあるよ。だって幸運の雫が目に入ったんだから!」と言って、微笑んでくれました。
たったそれだけでしたが、帰り道、彼女の笑顔と赤い雫との出会いに、私はなんだかとても心が弾みました。歩きながら「まあ、なんとかなるかな!」と思えたことを、今でもその雫を見るたびに思い出します。
いかがでしたか? 今回はパリの三大蚤の市のひとつ、クリニャンクールの蚤の市についてご紹介しました。
時の流れの中、不思議な縁で現在にまでたどり着いた、素敵なもの達に出会える場所、クリニャンクール。
骨董品たちは、パリの歴史情緒あふれるこの界隈で、静かに並びながら再び自分たちの時を取り戻すのを待っています。物語や伝統、文化が秘められた素敵なモノに巡り合うと、心の中がふわっと暖かくなって大切にしようと思います。
クリニャンクールに限らず、「蚤の市」とはそんな時空を超えた「モノ」と「ひと」との出会いを叶える場所。 機会があれば是非その素敵な空間を巡ってみると、楽しいかもしれませんね。
フランス在住ライター。ヨーロッパアンティークの魅力に惹かれ、フランスを中心にヨーロッパのブロカントや蚤の市を訪れては、素敵な物たちとの時空を超えた出会いにいつも心を躍らせています。
※使用画像はすべてイメージです。
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欧州各地にはそれぞれの歴史に紐づく伝統に裏打ちされた、 ストーリーとそれにまつわる素敵なモノに溢れています。 そんな素敵なモノが生活のなかにあることで毎日がちょっと豊かに。 「日常の中の小さな幸せ」を感じてもらえるようなモノづくりを目指しています。
世界中から毎年約500万人が訪れる、パリの最北部にあるクリニャンクールの蚤の市。
そこは19世紀のパリの面影があり、時を超えて物語から抜け出してきたような魅惑的な品々が溢れています。
本記事は、クリニャンクールの蚤の市の魅力について、歴史や見どころ、そして楽しむコツを紹介します!
ぜひ、読んでみてパリ・クリニャンクールの蚤の市の魅力を堪能してみてくださいね。
目次
古いものを大切にするヨーロッパの精神
街並みの美しさや、魅惑的なアンティークなど、ヨーロッパでは、古いものを大切にする文化があります。
では、古いものを大切にするヨーロッパの精神とは、どのように現代に受け継がれているのでしょう?
日常の中に受け継がれてゆく伝統と歴史
ヨーロッパには古いものに対して高い尊敬心があり、移り変わることよりも伝統や歴史を守り続けることが大切にされています。たとえば、街の景観を保つために建築や壁・屋根の色の変更には国や自治体の許可が必要で、家やアパートを購入する場合も中古物件をリフォームするのが一般的です。
また、先祖から受け継がれた品物を大切にして使う人が多く、曽祖父母が使っていた家具や食器、アクセサリーなどをさりげなく普段使いしています。そんなライフスタイルは、なんだかとってもおしゃれに感じます。
さらに、週末には各地で食品のマルシェや小規模なブロカント、蚤の市が開かれ、探し物があれば必ずと言っていいほど訪れる人々もいます。
ヨーロッパでは、古いものと新しいものの境界線があまりなく、良いものは良い。好きなものは好き。というこだわりによって伝統が受け継がれている様に感じます。
蚤の市とフリーマーケットは別物なの?
フランス語の蚤の市は「Marché aux puces(マルシェ オ ピュス(蚤))」といい、英語に直訳すると「Flea market(フリー(蚤)マーケット)」。
FleaとFreeの発音が似ているため、いつしか蚤の市は「Free market(フリーマーケット)」とも呼ばれるようになり、誰でも自由に物を売買できる場所として広く知られるようになりました。もともとはフリーマーケットも蚤の市も同じ物ということ!誰もが知っているフリーマーケットの語源は、蚤の市だったんですね!
それでも、現在の「蚤の市」と「フリーマーケット」にはいくつかの違いがあります。
蚤の市は、個人や小規模な業者が出店し、古い家具や骨董品、古着などを販売する場所であり、お宝を探しに訪れる人やアンティーク好きの人に人気があります。
一方、フリーマーケットは、自治体や慈善団体が開催するイベント形式のものが一般的であり、個人や団体が中古品や手作り品などを販売するのが特徴です。
とはいえ、どちらの市場も、古いものや中古品を手に入れることができる素晴らしい場所で、掘り出し物を見つけたときの感動は格別です。
クリニャンクール蚤の市とは
クリニャンクールの蚤の市は、フランスでサン=トゥアンの蚤の市(Marchéaux puces St-ouen)と呼ばれています。
パリにある3つの大きな蚤の市(ヴァンヴ・クリニャンクール・モントルイユ)の中で最大規模のもので、パリ市とサン=トゥアン市の境界に位置し、3000以上の古物商が軒を連ねる蚤の市です。
そもそも「蚤の市」という名前の由来は、フランスに昔から存在した「chiffonniers(シフォニエ)」と呼ばれる古着商人たちに由来します。彼らが集めた古着は蚤だらけだったため、それらを売る市場が「蚤の市」と呼ばれるようになりました。
その後、この市場は骨董品や古物を売買する場所として定着し、現在では世界中で骨董やアンティークの市場は「蚤の市」という名前で親しまれています。
クリニャンクール蚤の市の歴史
19世紀後半にオスマンにより行われたパリ改造により、衛生的でないという理由から、ごみ収集業者が城壁の外へ追放されました。この城壁は当時パリを囲んでいた「ティエールの城壁」。彼らはこの堀の外にバラック小屋を建て、そこに住み始めます。
その地域の古着商「シフォニエ」たちを中心に、まだ使える廃品や不用品を集めた「蚤だらけのマルシェ」が毎週日曜日に開かれるようになり、1885年頃には現在の蚤の市の原型ができたと言われています。
当時、パリの上・中流階級層は、あまり近づかないエリアでしたが、掘り出し物が多く見つかる市場として口コミが広がります。そしてフランス中の骨董商やアンティーク好きがこぞって押し寄せ、本格的なアンティーク取引の市場が始まりました。同時に、カフェや社交場などが次々と増え、多くの文化人や刺激を求める若者が集うようになっていきます。
こうして骨董を中心に作り上げられたクリニャンクールの独特な雰囲気は、当時の面影をそのまま現在まで残しています。このような深みのある特徴は他の蚤の市にはないものであり、現在ではパリの観光地としても人気を博しています。
1日では絶対に回れない!クリニャンクール蚤の市
クリニャンクールの蚤の市はエリアによって特色あり!
3000軒の店舗が集うクリニャンクールの蚤の市は、その広さからしっかり区画されて分かれていて、各エリアにはそれぞれ個性的な特徴があります。
特に魅力的なエリアのおすすめ5選をご紹介していきますね。
■クリニャンクール蚤の市の最大規模エリア!「ドフィン」
Dauphine(ドフィン)のアーケードは、クリニャンクール蚤の市で最大規模の地区で、比較的新しい2階建ての建物には約300軒の店舗があります。雨の日でも楽しめるのは嬉しいポイントです。
古き良き商店街やショッピングモールのような雰囲気で、お店は番号で割り振られ迷子になりにくいエリア。家具、絵画、陶器、銀製品、装飾品に絵本におもちゃなど、なんでも豊富に取り扱われています。
かなり広く他のエリアも周りたいのなら、時間を気にしながら歩くことをお勧めしますが、落ち着いた雰囲気でじっくり商品を探したい人にもおすすめですよ。
■アンティーク小物好きがはしゃいでしまうエリア「ヴェルネゾン」
クリニャンクールの中で最も古いとされるVernaison(ヴェルネゾン)。
まるで映画のセットのような雰囲気のあるエリアです。パリガイドブックのクリニャンクールのイメージには、ほとんどここの写真が使われていますよ。
蔦が絡まる情緒あふれる風景の中、所狭しと並ぶアンティークたち。
家具、絵画、食器、雑貨、おもちゃ、 手芸品、アクセサリー、ビーズ屋さんが、興奮してしまうほどに、とにかく溢れかえっています。
小さなお店が多く、まさに「あこがれのパリの蚤の市!」といった雰囲気。どれもこれも魅力的で、アンティーク小物好きにはたまらない場所ですよ。
■古着やレコードを探すなら「マリク」に行こう!
若者を中心に人気があるエリアMalik(マリック)には、古着やアクセサリー、レコード、本などが販売されています。ユニークな商品や珍しい品物が多く、ここでも掘り出し物を見つける楽しみがあります。
アンティークよりもヴィンテージの品が多く、また無名の若手デザイナーたちのブティックがあるのも魅力の一つ。
古いレコードジャケットを眺めるだけでも楽しいですし、50〜80年代のビンテージ・アクセサリーも豊富に取り扱う店舗が多く、思わず真剣になってしまうので、スリに気をつけましょう…。
■憧れの高級ヨーロッパ・アンティークに圧巻!「ビロン」
Biron(ビロン)は、高級アンティーク専門の地区。高級ヨーロッパ・アンティークがずらりと並べられているのは圧巻です。
アールヌーボーやアールデコ、バカラのアンティーク・グラスに家具。ヴィトン、シャネル、エルメス、カルティエなどの超一流ブランドのアンティーク品が並んでいます。
高級ブランドぞろいですが、中には掘り出し物もあるので、ブランド・アンティークが好きな人におすすめのエリアですよ。
■雑多なガラクタの中に煌めくお宝を探せ!「ジュール ヴァレ」
Jules Valles(ジュール・ヴァレ)エリアは、ポストカードや古本にシフォンやレース、ビーズなどの小物のお店が多いエリア。
まさにお宝発掘エリアなので、アンティーク好きの審美眼を最大限に開眼して挑みましょう!
小道具やガラクタなど豊富で、まさかこんな物まで!というようなおもしろさもありますよ。
ヴェルネゾンで一目惚れした「幸せの雫のキーホルダー」
クリニャンクールには様々なお店がありますが、私の一番のお気に入りは、Vernaison(ヴェルネゾン)エリアにあるヴィンテージ・キーホルダー専門店です。小さな店の壁一面に、所狭しと打ち付けられた無数のキーホルダーが並ぶお店でした。
昔のフランスでは、いろいろな日用品のメーカーが、おまけでオリジナルキーホルダーを作って配っていたそうです。
コレクターの多いブルボンキーホルダーや、商品のキャラクターに、鍋や歯磨き粉にココアの瓶、シャンプーにジャムなど、まるでミニチュアのスーパーマーケットのような品揃えに、毎回思わず笑みが現れてしまいます。
もちろんビンテージ物なので、レアなものはびっくりするお値段なのですが、普通のものは1ユーロから買えるので、ついつい覗いてみてはコレクションを増やしてしまうのです。
ある日、なんとなく気分が沈んでいて、考えと気持ちがまとまらずもやもやと過ごしていました。壁のキーホルダーを見ていると、赤くて大きな一粒の雫のような形のキーホルダーが目に入りました。
一目惚れして、どうしても欲しくなり、店員さんに声をかけて取ってもらうと、彼女はにっこり笑って「はい、幸運をどうぞ!」といって私に手渡してくれました。
幸運?と思いましたが、よく見ると、赤く透き通った雫の形の周りには、うっすらと金色で「Goutte Porte Chance」と書かれていました。意味は「幸運の雫」です。
その時にやっと笑みの理由がわかって彼女の顔を見ると、「きっといいことがあるよ。だって幸運の雫が目に入ったんだから!」と言って、微笑んでくれました。
たったそれだけでしたが、帰り道、彼女の笑顔と赤い雫との出会いに、私はなんだかとても心が弾みました。歩きながら「まあ、なんとかなるかな!」と思えたことを、今でもその雫を見るたびに思い出します。
まとめ
いかがでしたか?
今回はパリの三大蚤の市のひとつ、クリニャンクールの蚤の市についてご紹介しました。
時の流れの中、不思議な縁で現在にまでたどり着いた、素敵なもの達に出会える場所、クリニャンクール。
骨董品たちは、パリの歴史情緒あふれるこの界隈で、静かに並びながら再び自分たちの時を取り戻すのを待っています。物語や伝統、文化が秘められた素敵なモノに巡り合うと、心の中がふわっと暖かくなって大切にしようと思います。
クリニャンクールに限らず、「蚤の市」とはそんな時空を超えた「モノ」と「ひと」との出会いを叶える場所。
機会があれば是非その素敵な空間を巡ってみると、楽しいかもしれませんね。
ライタープロフィール:Wasanbonne
フランス在住ライター。ヨーロッパアンティークの魅力に惹かれ、フランスを中心にヨーロッパのブロカントや蚤の市を訪れては、素敵な物たちとの時空を超えた出会いにいつも心を躍らせています。
※使用画像はすべてイメージです。
まるで持ち歩ける芸術品?気になる方はこちら▼
小さな芸術、カメオの魅力に触れる
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欧州各地にはそれぞれの歴史に紐づく伝統に裏打ちされた、
ストーリーとそれにまつわる素敵なモノに溢れています。
そんな素敵なモノが生活のなかにあることで毎日がちょっと豊かに。
「日常の中の小さな幸せ」を感じてもらえるようなモノづくりを目指しています。