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女性の横顔が彫り出されている美しい装飾品。 これは「カメオ」といって、繊細な彫り、柔らかな表情、美しい色合いを楽しめる、まさに持ち歩ける、小さな芸術のような代物です。
今回は、そんな不思議な魅力を持つカメオにまつわるお話をご紹介していきます。
そもそも「カメオ」とは何を指して言うのでしょうか。
「カメオ」とは、正しくは立体的な装飾を施す、浮き彫りの技法のことを指します。今ではその技法を使った立体的な作品のことをカメオと呼ぶことも多いですが、元々は技法そのもののことを表した言葉でした。
反対に、沈み彫りの技法のことは「インタリオ」といい、モチーフが浮かび上がっているか、沈んでいるかによって、その呼び名は異なります。
カメオは、主に天然石や宝石、貝殻などを素材として、職人によって彫ってつくられ、それぞれ用いられる素材によって名前が少し異なります。
一般的によく目にするのは、天然石のメノウを用いたものでしょう。 天然石を用いて作られたカメオは「ストーンカメオ」と呼ばれていますが、その中でもメノウは歴史があり、本カメオと呼ばれているのだとか。
同様に、コクーンシェルなど貝殻を用いて作られるカメオは、「シェルカメオ」と呼ばれます。 その他にも、アクリルで作られたアクリルカメオ、金属を用いたメタルカメオ、溶岩を使ったラーヴァカメオ、貴石も装飾に用いて作られたカメオ・アビレなど、その種類は様々です。
中でもガラスで作られる「ガラスカメオ」は彫刻を施すことがとても難しく、希少なものとして知られています。 ですが、ガラス・ペーストといって、練りガラスとカメオやインタリオを模した型を使用して作られるものもあります。
カメオというとアンティークなイメージがありますが、イメージの通りその歴史はとても古く、起源は古代エジプトまで遡ります。
一説には、古代エジプトに再生・復活・創造の象徴とされた「スカラベ」が、カメオの起源といわれています。
スカラベとは、昆虫のタマオシコガネのことを差し、古代エジプトではスカラベの姿神ケプリ(太陽神)として崇められていました。そのスカラベが彫刻や、印章、護符などに用いられて、神聖なモノとされていました。
時はギリシャに流れ、カメオも変化していきます。 自然災害が神の怒りであると考えられていた時代、神の怒りを鎮めるための一つの手段として、神をモチーフにした装飾品を作り、身に着けていました。
ギリシャ神話のゼウスを始めとする12神を主神に、エロースやニンフなども愛した古代ギリシャ人たちは、神やニンフの姿をカメオの技法で彫りおこしました。 神をモチーフとしたカメオは、「お守り」として常時身に着けられることになりました。
現代の私たちがよく目にする横顔美人なカメオのアクセサリーの原型は、遥か昔の古代ギリシャ時代に形作られたという、なんとも壮大な歴史を感じるものなのですね。
カメオを愛した一人、19世紀のフランスの皇帝、かの有名なナポレオン1世。 ナポレオンは、自身を古代ローマ皇帝の継承者として示すために、宝石彫刻技術を政権と結び付けました。
そして、フランスのパリにカメオの工房を作ったり、職人を移住させたり、はたまたカメオ彫刻を教える学校を建てたり…。 そんなこともあり、フランスでは大きなカメオブームが巻き起こりました。ナポレオンのカメオへの愛が溢れています。
イギリス帝国がもっとも繁栄したといわれるヴィクトリア朝のヴィクトリア女王もカメオの虜でした。
白のウエディングドレスを世の定番としたことで有名なヴィクトリア女王が、普段からカメオのアクセサリーを着用していたことで、瞬く間にイギリスの貴族社会で流行りました。
ヴィクトリア女王、ナポレオンの影響もあり、それまで男性の持ちものとして主流だったカメオが、女性を始めとしたより多く人々の装飾品になっていったのです。
いかがでしたでしょうか。 カメオって、こんなにも長い歴史があって、時代を超えて愛されてきたんだと知って頂けていたら嬉しいです。
古代エジプトから続く伝統が、現代の私たちに手元に届いているということに、なんだか感動してしまう今日この頃。 古代と現代をつなぐ、小さな伝統芸術カメオを、お守りとして身に着けて日常をちょっと晴れやかに過ごしてみるのも良いかもしれません。
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女性の横顔が彫り出されている美しい装飾品。
これは「カメオ」といって、繊細な彫り、柔らかな表情、美しい色合いを楽しめる、まさに持ち歩ける、小さな芸術のような代物です。
今回は、そんな不思議な魅力を持つカメオにまつわるお話をご紹介していきます。
目次
カメオとは?
そもそも「カメオ」とは何を指して言うのでしょうか。
彫刻技法カメオ
「カメオ」とは、正しくは立体的な装飾を施す、浮き彫りの技法のことを指します。今ではその技法を使った立体的な作品のことをカメオと呼ぶことも多いですが、元々は技法そのもののことを表した言葉でした。
反対に、沈み彫りの技法のことは「インタリオ」といい、モチーフが浮かび上がっているか、沈んでいるかによって、その呼び名は異なります。
素材によって異なるカメオの名前
カメオは、主に天然石や宝石、貝殻などを素材として、職人によって彫ってつくられ、それぞれ用いられる素材によって名前が少し異なります。
一般的によく目にするのは、天然石のメノウを用いたものでしょう。
天然石を用いて作られたカメオは「ストーンカメオ」と呼ばれていますが、その中でもメノウは歴史があり、本カメオと呼ばれているのだとか。
同様に、コクーンシェルなど貝殻を用いて作られるカメオは、「シェルカメオ」と呼ばれます。
その他にも、アクリルで作られたアクリルカメオ、金属を用いたメタルカメオ、溶岩を使ったラーヴァカメオ、貴石も装飾に用いて作られたカメオ・アビレなど、その種類は様々です。
中でもガラスで作られる「ガラスカメオ」は彫刻を施すことがとても難しく、希少なものとして知られています。
ですが、ガラス・ペーストといって、練りガラスとカメオやインタリオを模した型を使用して作られるものもあります。
カメオの歴史
カメオというとアンティークなイメージがありますが、イメージの通りその歴史はとても古く、起源は古代エジプトまで遡ります。
カメオの始まり
一説には、古代エジプトに再生・復活・創造の象徴とされた「スカラベ」が、カメオの起源といわれています。
スカラベとは、昆虫のタマオシコガネのことを差し、古代エジプトではスカラベの姿神ケプリ(太陽神)として崇められていました。そのスカラベが彫刻や、印章、護符などに用いられて、神聖なモノとされていました。
お守りとしてのカメオ
時はギリシャに流れ、カメオも変化していきます。
自然災害が神の怒りであると考えられていた時代、神の怒りを鎮めるための一つの手段として、神をモチーフにした装飾品を作り、身に着けていました。
ギリシャ神話のゼウスを始めとする12神を主神に、エロースやニンフなども愛した古代ギリシャ人たちは、神やニンフの姿をカメオの技法で彫りおこしました。
神をモチーフとしたカメオは、「お守り」として常時身に着けられることになりました。
現代の私たちがよく目にする横顔美人なカメオのアクセサリーの原型は、遥か昔の古代ギリシャ時代に形作られたという、なんとも壮大な歴史を感じるものなのですね。
カメオを愛した偉人たち
カメオを愛した一人、19世紀のフランスの皇帝、かの有名なナポレオン1世。
ナポレオンは、自身を古代ローマ皇帝の継承者として示すために、宝石彫刻技術を政権と結び付けました。
そして、フランスのパリにカメオの工房を作ったり、職人を移住させたり、はたまたカメオ彫刻を教える学校を建てたり…。
そんなこともあり、フランスでは大きなカメオブームが巻き起こりました。ナポレオンのカメオへの愛が溢れています。
イギリス帝国がもっとも繁栄したといわれるヴィクトリア朝のヴィクトリア女王もカメオの虜でした。
白のウエディングドレスを世の定番としたことで有名なヴィクトリア女王が、普段からカメオのアクセサリーを着用していたことで、瞬く間にイギリスの貴族社会で流行りました。
ヴィクトリア女王、ナポレオンの影響もあり、それまで男性の持ちものとして主流だったカメオが、女性を始めとしたより多く人々の装飾品になっていったのです。
いかがでしたでしょうか。
カメオって、こんなにも長い歴史があって、時代を超えて愛されてきたんだと知って頂けていたら嬉しいです。
古代エジプトから続く伝統が、現代の私たちに手元に届いているということに、なんだか感動してしまう今日この頃。
古代と現代をつなぐ、小さな伝統芸術カメオを、お守りとして身に着けて日常をちょっと晴れやかに過ごしてみるのも良いかもしれません。
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欧州各地にはそれぞれの歴史に紐づく伝統に裏打ちされた、
ストーリーとそれにまつわる素敵なモノに溢れています。
そんな素敵なモノが生活のなかにあることで毎日がちょっと豊かに。
「日常の中の小さな幸せ」を感じてもらえるようなモノづくりを目指しています。