映画「天岩戸 -The original myth of ancient JAPAN」DVD発売記念
神話の舞台であり、先人たちが足を踏み入れることができなかった天岩戸。
その天岩戸(洞窟)を御神体として御祀りしている天岩戸神社のクラウドファンディング支援として制作された、映画「天岩戸 -The original myth of ancient JAPAN」がDVDとして発売開始いたしました。
販売を記念し、監督・編集を行った廣田勇介さんから、撮影にいたったきっかけや思いのコメントをいただきました。
神話の舞台であり、先人たちが足を踏み入れることができなかった天岩戸。
その天岩戸(洞窟)を御神体として御祀りしている天岩戸神社のクラウドファンディング支援として制作された、映画「天岩戸 -The original myth of ancient JAPAN」がDVDとして発売開始いたしました。
販売を記念し、監督・編集を行った廣田勇介さんから、撮影にいたったきっかけや思いのコメントをいただきました。
2022年の天岩戸注連縄御神事(あまのいわと学校)のレポートはこちら
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<DVDのあらすじ>
史上初の難題に挑んだのは、世界に14座ある8000m峰の全山登頂を達成したプロ登山家の竹内洋岳(たけうち ひろたか)と、山岳界のアカデミー賞と呼ばれるフランス・ピオレドール賞を受賞した山岳ガイドの天野和明(あまのかずあき)。
事前準備として、神話の世界で天岩戸と結び付きのある戸隠山(長野県)を訪れた様子のほか、令和2年夏に行われた現地調査、2020年12月の神事当日までを追った。
雪が散らつく令和2年12月。神事当日、どのようにしめ縄を張ったのか。神話の世界を再現した歴史的な瞬間を、ぜひご覧ください。
令和2年6月30日、いわゆる大祓の日に、私はとある実業家の方から撮影の依頼をうけ、神話の故郷として知られる高千穂の天岩戸神社におりました。
その日は、京都の西行庵(さいぎょうあん)の庵主、花輪竹峯(はなわちくほう)さんによる献茶式が行われ、私はその撮影を頼まれたのでした。
撮影が終わると、宮司が一同を連れて、神社の御神体「天岩戸洞窟」を拝む遥拝殿(ようはいでん)に連れていってくださいました。
当時は、まだ洞窟は深い森に覆われ、宮司さんから「あそこが天岩戸ですよ」と言われても、その所在がわからずないほどであり、洞窟は深い森に覆われていました。、ジャングルの密林に覆われたアンコールワットのような、眠れる遺跡のような雰囲気を湛えていました。
そこで宮司は遠く御神体を拝みながら、運命的な言葉を私に伝えたのです。
「古事記に記されている通り、私はいつか御神体にしめ縄をかけて差し上げたいと思っているのです。広田さんは、登山をされているそうですね。なんとか、あそこにしめ縄をかけられませんか?」
私は、カメラマンの傍ら、山岳ガイドとして20年ほどキャリアも持っていましたが、そこは断崖絶壁であり、何よりも深い森に覆われていたため、確信がもてませんでした。
「私一人では無理ですが、先輩に世界的な登山家がいます。一度相談してみましょう」
私はその場でそのように答え、その瞬間、この歴史的なプロジェクトがスタートしたのです。
その後、私は、日本を代表するプロ登山家の竹内洋岳さん、そして山岳ガイドの天野和明さんに相談をしたことろ、2人とも二つ返事で、了解をくれました。普段は海外の遠征登山に飛び回っている忙しいお二人ですが、ちょうどコロナ禍ということもあり、竹内さんはエベレスト遠征が中止になって、半年の空白期間ができたのでした。
その年、令和2年はコロナ蔓延の初年度であり、日本中の神社仏閣のお祭りが自粛となりました。それは日本という国が始まって以来、国家が事実上、お祭りへの参加を禁止した初めての年でした。
そういう年に、天岩戸に神話以来、初めて足を踏み入れ、しめ縄をかけるという歴史的な神事がスタートしたのですが、それは当然ながら容易なことではありませんでした。
それは単に未知への洞窟の探索という冒険的な意味だけではなく、コロナという未曾有の危機に対して、医学的なリスク、また、そういった中でお祭りを開催するという社会的なリスクなど、すべての過程が未知への挑戦となるプロジェクトとなりました。
その後、数度の調査と、神話の地、戸隠への旅を経て、令和2年12月18日、冬至の日を前に、この歴史的なお祭りが成就したのです。
私はカメラマンとして、すべての行程に同行し、許可を頂いた上で、映像と写真に収め、日本神話を継承するため、その一部始終を捉えた映画を作成しました。この映画を通じて、多くの人々が、この国の「心の故郷」とも言える天岩戸に想いを馳せて頂ければと思っています。
この祭りの体験を通して、実感したことは、古事記や日本書記に描かれる神話の世界というのは、現実に起こった話であり、今後も人々が悪戦苦闘しながらも、現実に立ち向かう姿が、新しい神話として描かれていくだろう、ということでした。
映画「天岩戸 -The original myth of ancient JAPAN」DVD
出演/竹内洋岳、天野和明、佐藤永周(天岩戸神社宮司)、林千智加子
監督/編集 廣田勇介
撮影/手嶋常久
音楽/平松誠
撮影協力/天岩戸神社, 戸隠神社, ハニーコミュニケーションズ(敬称略)
制作/廣田勇介写真事務所
DVDは全国の岩座にてお取り扱いしております。
店舗情報はこちら
ライタープロフィール:広田勇介 写真家/映像作家
昭和52年生まれ 山岳ガイドとして国内外で活動し、富士山を300回以上登山。日本の山岳信仰に興味を持ち、各地の霊山を取材。アウトドア雑誌ランドネで「神様百名山を旅する」を連載中。上皇陛下奉祝行事、今上天皇陛下御即位奉祝行事などで撮影を担当。靖國神社遊就館で「宗良親王と楠木正成公-英霊との精神的な絆-」展を開催中。