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チャイハネの春の新作が続々と登場しています。 デザイナーが現代の空気感と流行を捉え、そして自分の思いも込めたアイテムを紹介します。
はじめまして、企画部のLynnです。 今回は、お題通りに、スカジャンの誕生ストーリーを語ります。
チャイハネで種類豊富のアイテムの中で、どうしてスカジャンを選んだのか?
その前に、皆さん、「アメカジ」ってご存知ですか?
アメカジとはアメリカンカジュアルを略称したものであって、シンプルで動きやすく、ラフ過ぎないキッチリとしたスタイルなのが特徴です。
アメカジの歴史 1980年代~1990年代にアメリカの若者のファッションをヒントに渋谷の若者たちが考えたのがアメカジです。発祥は名前からしてアメリカと思われがちであるが、実は発祥は日本です! アメカジの一つのスタイルに「スカジャン」があります。戦後、米兵が本国へのお土産として日本の伝統的デザインのものが人気だったことに目をつけ、親しみやすいベイスボールスタジオジャンパー(スタジャン)にオリエンタルな刺しゅうを施したものが大当たりしました。 発祥の地として横須賀の米軍基地周辺のドブ板通りが有名で、「スカジャン」の愛称で親しまれています。
その中で、チャイハネらしいアメカジはなんでしょう? それが、ウエスタンスタイルに近い、歴史の美しさを感じる、ヴィンテージテイストの、渋めメンズスタイルです。 提案コーデのポイントになるのが、一枚で決まる、スカジャン風の軽アウターです。
ここから、スカジャンのストーリーが始まりました。
春のメンズコーデにポイントになるアイテムは、しっかりデザイナーの思いを込めたい!唯一無二のスカジャンをつくりたい!というのは、最初から決めたことです。 そこから、どういうメッセージをお客様に伝えたいのか? 正直、すごく悩みました。
最近のチャイハネは、色々な優秀なアーティスト方々とのコラボがあります、そこから結構話しに出るのが、環境問題です。 そこからヒントをもらいました。
私の小さい頃に、中国である人気なドラマを見てました。有名な小説「水滸傳」の実写版です。 当時、小さな私の頭の中で一番印象に残ったのは、「武松打虎」のシーンで、あのカッコイイ虎です。 ※武松(ぶしょう)は、中国の小説『水滸伝』の登場人物。梁山泊108人の豪傑の1人。鋭い目と太い眉をもつ精悍な大男で、無類の酒好き。拳法の使い手。故郷へ帰る途中で、人食い虎を退治した。
なんでドラマの動物にそんなに印象が残る?ってぐらい、インパクトがありました。 こちらの虎はアムールトラ(シベリアトラ)、中国では「東北虎」と呼びます。
絶滅の危機に瀕する「東北虎」、ご存知ですか? 東北虎は、ネコ科に属するトラの一亜種。現在はロシア極東の沿海地方およびハバロフスク地方の、アムール川および中国東北部を含むウスリー川流域、長白山地区でのみ生息が確認されています。 現存する8つのトラの亜種でも大型の体躯を持ち、ネコ科の中でも最大の亜種です。雄の個体では全長3メートル、体重350キロを超えた例も報告されている。
近年、アムールトラの個体数は500頭程度にまで落ち込んでいると推測され、絶滅が危惧されています。一時期は自然破壊のために絶滅寸前まで追い込まれていたものの、東西冷戦終結後にアメリカを中心とした西側の動物保護団体による保護活動が進み、生息環境も改善されつつあるため、個体数は徐々に回復傾向にあります。
真っ白の雪世界に出てくる、キレイな縞模様、カッコイイ体型、威厳がある顔、こんなに美しい動物、放っておけばもうすぐこの世の中から消えてしまう、大人になってから知ったことです。 2017年に、中国国内ではわずか27頭しか居ないという衝撃の事実を知りました。その後、人々が色んな努力をして、そこからすこしずつ増えてはいますが、絶滅の危機は変わってません。 当時の衝撃と悲しい気持ち、今でも忘れていません。
環境を大事にしないと、美しい生物どんどんこの世の中から消えて行くかもしれません。その思いを込めたメッセージを、もっとみなさんに伝えたい、すこしでも、広げたい。 その気持ちで、スカジャンの背中のデザインを始めました。
ストーリーを決めた上、背中の刺繍デザインを開始しました。 もちろんインパクトのあるアムールトラをメインにしていますが、そのほかのモチーフは、中国のカルチャーも感じる、チャイハネらしいオリエンタル要素をアレンジしました。オリジナルのモチーフデザインの組み合わせを何回も修正して、やっと出来上がりました!
今回のスカジャン企画は、衣料品だけではなく、雑貨も共通のアイテムがあります。身に着けるにもカッコイイし、ポーチやバックにしてもカッコイイ! そういう色味を出せるようにを雑貨デザイナーと何回も打ち合わせて試行錯誤しました。やはりアメカジコーデの提案が大事なので、着てカッコイイ色、チャイハネにしかない色から考えまじめました。 アメカジと言えばベージュ、もうすこし渋めの色、春感がある明るい色、それでこの3色を構成しました。 背中のメッセージもはっきりするように、刺繍の色も配色を意識しています。
最後に、文字を入れてデザインを完成させるところですが、思いを込めて中国の漢字を入れるか、それども分かりやすく英語を入れるか? そこに関して、雑貨のデザイナーと二人で頭を抱えてました。
最近、中国語が入っているファッションも結構見ますが、思い切って入れますか? かわいいのかな? と疑問を抱きました。中国人の私が、中国語を読めるから悩むところです(笑)。
但し、せっかく想いを込めたデザインで、伝えたいストーリーがあるのに、怖くて出さないのもなんだろう? と、デザイナー間で悩んだ結果、大胆に入れることになりました!
もっともっと、ものをカッコ良くするために、中国語のバランス、意味合いをいっぱい調べて、「保护蓝天碧水」にしました。 青い空と海を守ろうという意味です。 分かりやすく、みなさんにそのメッセージを伝えらたらいいですね!
一つ面白いエピソードですが、トラの後ろにある太陽にも見える地球、実は最初は違うデザインでした。 地球は球体なので、角度によって地図の見え方が変わります。最初はそこまで気にしなくアメリカ大陸側の地球モチーフを入れてしまいました。 デザインが最終決定の寸前に、オリエンタルなのにアジアが見えてないのは? という風に突っ込まれて、慌てて修正しました。 危なかったです(笑)。
そうして、美しいアムールトラ、オリエンタル雰囲気のロータスと色合い、walk with the sunにも感じる太陽、最後に、地球を守るモチーフと言葉、色んな思いを込めた、スカジャンの刺繍デザインが出来上がりました!
このデザインを魅力的に思ってもらえたら嬉しいです! 環境を守るのも、忘れずに!
Lynnさんデザインの2023春の新作アイテムはこちら
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チャイハネ衣料 デザイナー 南出身の中国人です。ココナッツが好きすぎて周りに変な目で見られます(笑)。 決めたことはなかなか諦めない性格で、小さい頃から服飾デザインを夢にして、一度もぶれたことありません。 映画が好きです。特にホラー映画と90年代の香港映画が好きです。ホラー映画はただの個人趣味ですが、香港映画はその独特なフィルター感が好きで、観ると故郷を思い出します。 その鮮やかな色味とカルチャーの魅力を基盤に、今はチャイハネの服づくりに打ち込んでいます。
チャイハネの春の新作が続々と登場しています。
デザイナーが現代の空気感と流行を捉え、そして自分の思いも込めたアイテムを紹介します。
目次
はじめまして、企画部のLynnです。
今回は、お題通りに、スカジャンの誕生ストーリーを語ります。
まず、そもそもなんでスカジャンなのか?
チャイハネで種類豊富のアイテムの中で、どうしてスカジャンを選んだのか?
その前に、皆さん、「アメカジ」ってご存知ですか?
アメカジとはアメリカンカジュアルを略称したものであって、シンプルで動きやすく、ラフ過ぎないキッチリとしたスタイルなのが特徴です。
アメカジの歴史
1980年代~1990年代にアメリカの若者のファッションをヒントに渋谷の若者たちが考えたのがアメカジです。発祥は名前からしてアメリカと思われがちであるが、実は発祥は日本です!
アメカジの一つのスタイルに「スカジャン」があります。戦後、米兵が本国へのお土産として日本の伝統的デザインのものが人気だったことに目をつけ、親しみやすいベイスボールスタジオジャンパー(スタジャン)にオリエンタルな刺しゅうを施したものが大当たりしました。
発祥の地として横須賀の米軍基地周辺のドブ板通りが有名で、「スカジャン」の愛称で親しまれています。
その中で、チャイハネらしいアメカジはなんでしょう?
それが、ウエスタンスタイルに近い、歴史の美しさを感じる、ヴィンテージテイストの、渋めメンズスタイルです。
提案コーデのポイントになるのが、一枚で決まる、スカジャン風の軽アウターです。
ここから、スカジャンのストーリーが始まりました。
環境へのメッセージ
春のメンズコーデにポイントになるアイテムは、しっかりデザイナーの思いを込めたい!唯一無二のスカジャンをつくりたい!というのは、最初から決めたことです。
そこから、どういうメッセージをお客様に伝えたいのか?
正直、すごく悩みました。
最近のチャイハネは、色々な優秀なアーティスト方々とのコラボがあります、そこから結構話しに出るのが、環境問題です。
そこからヒントをもらいました。
私の小さい頃に、中国である人気なドラマを見てました。有名な小説「水滸傳」の実写版です。
当時、小さな私の頭の中で一番印象に残ったのは、「武松打虎」のシーンで、あのカッコイイ虎です。
※武松(ぶしょう)は、中国の小説『水滸伝』の登場人物。梁山泊108人の豪傑の1人。鋭い目と太い眉をもつ精悍な大男で、無類の酒好き。拳法の使い手。故郷へ帰る途中で、人食い虎を退治した。
なんでドラマの動物にそんなに印象が残る?ってぐらい、インパクトがありました。
こちらの虎はアムールトラ(シベリアトラ)、中国では「東北虎」と呼びます。
「東北虎(アムールトラ)」について
絶滅の危機に瀕する「東北虎」、ご存知ですか?
東北虎は、ネコ科に属するトラの一亜種。現在はロシア極東の沿海地方およびハバロフスク地方の、アムール川および中国東北部を含むウスリー川流域、長白山地区でのみ生息が確認されています。
現存する8つのトラの亜種でも大型の体躯を持ち、ネコ科の中でも最大の亜種です。雄の個体では全長3メートル、体重350キロを超えた例も報告されている。
(カシー・サーリ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)
近年、アムールトラの個体数は500頭程度にまで落ち込んでいると推測され、絶滅が危惧されています。一時期は自然破壊のために絶滅寸前まで追い込まれていたものの、東西冷戦終結後にアメリカを中心とした西側の動物保護団体による保護活動が進み、生息環境も改善されつつあるため、個体数は徐々に回復傾向にあります。
真っ白の雪世界に出てくる、キレイな縞模様、カッコイイ体型、威厳がある顔、こんなに美しい動物、放っておけばもうすぐこの世の中から消えてしまう、大人になってから知ったことです。
2017年に、中国国内ではわずか27頭しか居ないという衝撃の事実を知りました。その後、人々が色んな努力をして、そこからすこしずつ増えてはいますが、絶滅の危機は変わってません。
当時の衝撃と悲しい気持ち、今でも忘れていません。
環境を大事にしないと、美しい生物どんどんこの世の中から消えて行くかもしれません。その思いを込めたメッセージを、もっとみなさんに伝えたい、すこしでも、広げたい。
その気持ちで、スカジャンの背中のデザインを始めました。
デザイン決め
ストーリーを決めた上、背中の刺繍デザインを開始しました。
もちろんインパクトのあるアムールトラをメインにしていますが、そのほかのモチーフは、中国のカルチャーも感じる、チャイハネらしいオリエンタル要素をアレンジしました。オリジナルのモチーフデザインの組み合わせを何回も修正して、やっと出来上がりました!
今回のスカジャン企画は、衣料品だけではなく、雑貨も共通のアイテムがあります。身に着けるにもカッコイイし、ポーチやバックにしてもカッコイイ!
そういう色味を出せるようにを雑貨デザイナーと何回も打ち合わせて試行錯誤しました。やはりアメカジコーデの提案が大事なので、着てカッコイイ色、チャイハネにしかない色から考えまじめました。
アメカジと言えばベージュ、もうすこし渋めの色、春感がある明るい色、それでこの3色を構成しました。
背中のメッセージもはっきりするように、刺繍の色も配色を意識しています。
諦めずに細かいところまで詰める
最後に、文字を入れてデザインを完成させるところですが、思いを込めて中国の漢字を入れるか、それども分かりやすく英語を入れるか? そこに関して、雑貨のデザイナーと二人で頭を抱えてました。
最近、中国語が入っているファッションも結構見ますが、思い切って入れますか? かわいいのかな? と疑問を抱きました。中国人の私が、中国語を読めるから悩むところです(笑)。
但し、せっかく想いを込めたデザインで、伝えたいストーリーがあるのに、怖くて出さないのもなんだろう? と、デザイナー間で悩んだ結果、大胆に入れることになりました!
もっともっと、ものをカッコ良くするために、中国語のバランス、意味合いをいっぱい調べて、「保护蓝天碧水」にしました。
青い空と海を守ろうという意味です。
分かりやすく、みなさんにそのメッセージを伝えらたらいいですね!
一つ面白いエピソードですが、トラの後ろにある太陽にも見える地球、実は最初は違うデザインでした。
地球は球体なので、角度によって地図の見え方が変わります。最初はそこまで気にしなくアメリカ大陸側の地球モチーフを入れてしまいました。
デザインが最終決定の寸前に、オリエンタルなのにアジアが見えてないのは? という風に突っ込まれて、慌てて修正しました。
危なかったです(笑)。
そうして、美しいアムールトラ、オリエンタル雰囲気のロータスと色合い、walk with the sunにも感じる太陽、最後に、地球を守るモチーフと言葉、色んな思いを込めた、スカジャンの刺繍デザインが出来上がりました!
このデザインを魅力的に思ってもらえたら嬉しいです!
環境を守るのも、忘れずに!
スカジャンアイテム
Lynnさんデザインの2023春の新作アイテムはこちら
雑貨担当者と、スカジャン柄が映えるようなバッグや財布を考えて、出来たのがこちら。
チャイハネに登場した新しい仲間達を紹介▼
LOVE&PEACEなカラベラヒッピーズ
この記事が好きなあなたにおすすめ!▼
インドの奇妙な習慣・文化――DeepIndia――
ライタープロフィール:Lynn
チャイハネ衣料 デザイナー
南出身の中国人です。ココナッツが好きすぎて周りに変な目で見られます(笑)。
決めたことはなかなか諦めない性格で、小さい頃から服飾デザインを夢にして、一度もぶれたことありません。
映画が好きです。特にホラー映画と90年代の香港映画が好きです。ホラー映画はただの個人趣味ですが、香港映画はその独特なフィルター感が好きで、観ると故郷を思い出します。
その鮮やかな色味とカルチャーの魅力を基盤に、今はチャイハネの服づくりに打ち込んでいます。