2022.12.13

お年玉の由来はお餅!?意外と知らないマナーやお年玉をあげる意味を徹底紹介!

お年玉は、日本でおなじみのお正月行事です。しかし、お年玉の文化やマナーに関してはよく知らないという人もたくさんいるのではないでしょうか?
そこで今回は、お年玉の由来、マナー、海外のお年玉文化、近年のお正月事情について詳しく解説していきます!

昔はお餅を配っていた?お年玉の由来やあげる意味とは

現代のようにお年玉でお金をあげる文化は、昭和30年代ごろに始まったとされています。
では、それ以前は何を贈っていたのかというと、なんと餅だったそうです。

鏡餅

お正月に年神様をお迎えするにあたって、家の中では鏡餅が飾られます。その鏡餅に年神様の魂が宿っていたと考えられていたため、「御年魂(おとしだま)」として共有することで年神様からの恩恵を受けていたのです。

餅がお年玉として配られていた当時は、子どもだけでなく大人も受け取っていました。
しかし、餅からお金を贈る文化に変わっていくタイミングで、お年玉をもらう対象は子どもだけに限定されるようになったそうです。

これっぽち...という謙遜から始まった「ポチ袋」

お年玉を入れる袋として定番のポチ袋は、「ほんの少しだけ」を意味する「これっぽち」から来ているとされています。

明治時代の関西では、芸者さんや舞妓さんにお心づけを渡すときに小袋に入れていました。渡す側が「これっぽちのお金」と謙遜していたことから、お年玉を入れる袋もポチ袋と呼ばれるようになったという説が有力です。

ポチ袋にお金を入れるときは、できるだけ新札を用意しましょう。
また、4つ折りだと「死」のイメージで縁起が悪いので、3つ折りにするのがマナーです。3つ折りにする際は、肖像がついている方を上にして置き、左、右の順に折っていきます。そのままポチ袋を表にした状態で入れて、封はしないようにしましょう。尚、紙幣は上下逆さまにならないように気を付けてくださいね。

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今更聞けない!お年玉のマナーについて

子どもの頃から、なんとなく受け取ってきたお年玉。
でも、改まって考えると「お年玉をあげる立場になったけどマナーが分からない!」「子どもがお年玉をもらう年齢だけどお返しはどうすればいい?」と焦っている人もいるのではないでしょうか?

ここでは、お正月にお年玉をあげる側のマナーはもちろん、もらう側が注意すべき点についてもご紹介します!

お年玉を贈る様子

【2022年】年齢別のお年玉金額相場

お年玉をあげる側にとって、金額の相場は気になるポイント。トラブルを回避するためにも、2022年におけるお年玉の年齢別相場をチェックしてきましょう。

未就学児から大学生まで、以下のような金額が相場とされています。

未就学児 1,000円
小学生 低学年/1,000~2,000円 
高学年/3,000円
中学生 3,000~10,000円
高校生 5,000~10,000円
大学生 5,000~10,000円

子どもが大きくなるにつれて、贈るお年玉の金額も増える傾向にあります。

ただし、「お年玉は小学生になってからあげる」と考えている層も多く、未就学児にはお年玉をあげないという意見も寄せられています。大学生に対しても「成人したらお年玉はおしまい」という認識を持つ人がいるため、未就学児と同様にお年玉自体を贈らない大人も多くなっているようです。

お年玉のお返しは必要?

お年玉をもらう年齢の子どもを持つ親にとって気になるのが、お年玉のお返し。
大人から働いていない子どもに対して渡すのがお年玉なので、原則お返しは必要ありません。

ただ、もしお年玉をくれる相手に子どもがいない場合は注意が必要です。
毎年子どもがお年玉をもらい続けるとなると、相手の出費はかなりの額になってしまいます。

「こっちばっかりお金を使っている…」「お正月に顔を合わせるのにお年玉をあげないわけにいかないし…」と相手が思っている可能性も高いので、お年玉の3分の1程度の金額のお菓子などを用意するのがおすすめです。

4や9の金額は避けて!

お年玉をあげる際は、「死」や「苦」をイメージさせる4や9が付く金額は避けるのがベターです。
4,000円や9,000円は中途半端な金額でもあるので、どうしてもその金額でないといけないというケース以外は5,000円や1万円を包むようにしましょう。

お年玉のお金

目上の人に「お年玉」という言葉はNG

お年玉は、目上の人が目下の人に渡すのが習わしです。
上司やお世話になっている人は自分にとって目上の人ですが、その子どももマナー上は目上の人に分類されます。そのため、「お年玉」という言い方ではなく、厳密には「年賀」という呼び方になる点に注意しましょう。

年配の方やマナーに厳しい方は「お年玉」と聞いて違和感を覚えるケースもあるため、言葉の選び方に気を付けることが大切です。

実は中国が起源?海外にも見られるお年玉文化の特徴

お年玉=日本特有の習慣と考えられがちですが、実は海外にもお年玉文化はあります。元々は中国が起源になっているとも言われていることから、アジアの国々で多く見られるのが特徴です。
ここでは、東アジアと南アジアの6か国のお年玉文化についてお話ししていきます!

中国

中国では、日本のお正月とは違って旧正月にお年玉をあげる習わしがあります。
大人から子どもにお金をあげることで1年の厄払いになると考えられており、中国で縁起の良い色・赤のポチ袋にお金を入れるのが習慣なのだそう。

中国のお年玉

子どもの祟りを追い払うことを「ヤースイチェン(圧歳銭)」と呼ぶため、中国ではお年玉のことも「ヤースイチェン」と呼ぶそうです。ただし、別の呼び名として「ホーンパオ(紅包)」もよく使われています。

元々、中国ではご祝儀を渡すときに「ホーンパオ」と呼ばれるに赤い封筒を使う習慣があるため、赤いポチ袋に入ったお年玉をそう呼ぶ人も多くなっています。尚、中国でのお年玉文化は、上司から部下のように大人同士でやり取りされるのも一般的です。

香港

香港も、旧正月になると赤い袋に入ったお年玉を贈る習慣があります。
香港でのお年玉の呼び名は「ライシー(利是)」です。

中国同様、お年玉をもらえるのは子どもだけでなく、会社の従業員や部下も含まれます。お年玉を渡さない人=ケチという考え方が根付いているため、社長や部下が多い上司の人は大変な思いをしているのだとか!

また、親戚の集まりなどに行くと、未婚の人は無条件にお年玉を配られます。
「大人になってもお年玉がもらえてラッキー!」と思うかもしれませんが、実際は成人後も親戚からお年玉をもらうことを「恥ずかしい」と感じる人も多くなっているようです。

台湾

台湾でのお年玉の呼び名は、「ヤースイチェン(圧歳銭)」や「ホーンパオ(紅包)」です。
子どもや目下の大人にお年玉をあげる習慣は中国や香港と同じですが、台湾では子どもが成人すると親が子どもからお年玉をもらう番になります。

ベトナム

ベトナムの旧正月では、赤い封筒にお金を入れて子どもや目下の人に渡します。お金は基本的に新札を入れるのが決まりで、1年のはじまりに新札をもらうことで良い年を過ごせると考えられています。
お年玉の呼び名は地域によって異なり、北部では「ムントゥイ」、南部においては「リーシー」です。

韓国

お隣の国・韓国にもお年玉文化はあります。韓国のお年玉は「セベットン」という呼び方で、目上の人から目下の人に渡すのが一般的です。
ただし、「セベットン」をもらうためには目上の人に服従を誓う必要があり、中には土下座といったパフォーマンスを強いられることもあるというから驚きです。

インド

インドでは、毎年10月か11月にお正月がやって来ます。お正月のお祭り「ディワリ」に合わせて各家庭がご馳走やお菓子を用意し、近所に住む子どもたちを招待してお年玉にあたるお小遣いをあげるのが習わしです。

ただし、ヒンドゥー教の神話に登場するドゥルガー女神に基づいた行事なので、インドでお年玉をもらうのは女の子のみとなっています。ディワリについてはこちらの記事でご紹介しているので、気になる方は合わせてご覧ください!

ディワリ

キャッシュレス化が進む新しいお年玉文化

お年玉と言えば、ポチ袋に入ったお金というイメージですよね。
しかし、IT化が進む現代社会では、なんとキャッシュレスでお年玉を贈るという新たな習慣も広がっているのです。

2021年に株式会社Financial Academyが行った調査において、実に54%もの人々がキャッシュレスのお年玉に賛成しています。2018年の調査と比べて20%増の賛成率となっており、背景には新型コロナウイルス感染症による衛生観念の変化や帰省困難などが関係しています。

ただし、実際にキャッシュレスでお年玉をあげる人は、全体の10%に留まっているのが実情です。

直接会えなくてもお年玉を贈れる気軽さは利点でもあり、一方でその気軽さからお金のありがたみを感じにくくなるのではという心配の声も上がっています。顔を合わせて受け取る方が実感も湧いて嬉しいなどの意見もありますが、時代が変わっていく中で、今後そういった考え方にも変化があるかもしれませんね。

まとめ

今回は、お年玉の由来や海外でのお年玉文化についてご紹介しました。

お餅から始まった日本のお年玉は、時代の流れに乗ってキャッシュレスへと形を変えています。日本に似ているようで少し違った海外のお年玉も、各国の文化や考え方を反映していて面白いですよね。

お正月を迎える前にお年玉のマナーについても改めておさらいして、ぜひとも楽しい新年を過ごしてください!

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