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アミナコレクション創業当初にエクササイズの場として誕生したシルクロード舞踏館。 ここは、様々な舞踊やヨガ、太極拳、そして民俗音楽を通して、世界中の民俗文化を体験できる芸能の庭です。
月ごとに組まれるタイムテーブルによって様々な民俗文化を体験できるシルクロード舞踏館のプログラムの中で、月2回稽古をしている「さんさ踊り」について、ご紹介していきたいと思います。
今から30年以上前、新横浜オルタナティブ生活館において、民俗舞踊研究会の須藤武子先生を講師に、岩手の郷土芸能「黒川さんさ踊り」のワークショップが行われました。
「大地の土を踏むようなイメージで、足を踏みしめて・・」という足の運びに、一遍に福島県南相馬の山中で幼少期を過ごした時の風景が蘇り、すっかり虜になりました。 歩きながら、また電車の中でも「ダンコンダゴスコダンガトカッ」と「口唱歌」を繰り返していたものです。
黒川さんさ踊りの身体のダイナミズムには「力を入れるところ、力の抜くところ」があります。力を入れて踏ん張るところは低い姿勢に、力を抜くときは楽に。 それは、日常生活や仕事の所作の中でも活用できます。 今まで頭でばかり考え過ぎ頑張っていたことが、ストレスの種だと気づかされます。グループのリーダー、進藤宏子さんには、「林さんは、力を抜くのが上手ね!」と、よく言われます。
笛や太鼓のお囃子に合わせて力強くかつしなやかで躍動感あふれる「輪踊り」は、一人ひとりの個性を超えたエネルギーの輪となって伝わってきます。 笛もまた奥が深く、自分の体の調子や気持ちが「音色」に出るのです。
「黒川さんさ」は、私にとって日常生活に体とこころのバランスをとる必要不可欠のものです。末永く続けていきたいと思います。
戦争で一時途絶えた黒川さんさが、戦後しばらくして活動を再開してから50周年を迎えた2018年9月、「個と地に息吹く~黒川さんさ50周年感謝の集い」が地元で開催され、横浜からも皆で参加しました。
地元との交流を重ねるたびに、その土地で受け継ぐための様々な役割を、なんの損得もなく引き受けている地元の方々の姿を学ぶにつけ、身の引き締まる思いをひしと感じます。
この2年間はコロナ禍で黒川の皆さまとの直接の交流が途絶えていますが、通えないことで、黒川を第二の故郷のようにいつしか思っている自分を発見しています。
「魂鎮(たましずめ)」。この言葉は、故進藤幸彦さん(アミナコレクション創業者)であるボスがつけました。 黒川さんさを学ぶ横浜グループ、二子流東京鬼剣舞、会津流横浜獅子躍りという岩手の芸能を首都圏で学ぶ3つのグループが、ここ30年近く新横浜駅の裏手の丘の上にある篠原八幡神社境内で奉納舞をしています。
1年間、仲間と共に踊りを練習できたことへの感謝、そして無病息災、平和を祈り、舞い納めをします。それを楽しみに集まってくれる近在の方も多く、年末の小さな祭事のようになりつつあります。
20数年ほど前、魂鎮を共催しているスペース・オルタの佐藤真起さんが、アメリカインディアンのメディスンマン、トム・ドストウ氏をこの辺りの聖地として篠原八幡神社に連れていく機会があり、私も同行したことがありました。 トムさんは拝殿へではなく、境内に立つ2本の木に祈りを込めました。
昨年、魂鎮の際、笛をずっと一人で吹いていて息が続かなくなり諦めかけた時、ふとトムさんが祈りを捧げた木の存在に気を向けると、なぜか息が通り、最後まで笛を務めることができたという不思議な体験をしたことがあります。
今年も12月25日(日)オルタ館を出発、道行を行い、正午頃神社で奉納舞を行います。 様々な出来事でちりじりとなりがちな魂を鎮め、生きていることに感謝し、笛の音が空高くに届きますように。
2022年度 魂鎮(たましずめ)
【日時】12月25日(日) 《奉納舞》正午ごろ 【場所】篠原八幡神社(新横浜) 【内容】・二子流東京鬼剣舞 ・黒川さんさを学ぶ横浜グループ ・金津流横浜獅子躍 【問合せ】045-473-3407(進藤)
当日はスペース・オルタを出発、新横浜駅を横切り、篠原八幡神社に向かいます。 獅子躍りの衣装にはササラと呼ばれる白く長い飾りが背中からのびており、これを引っ掛けないようにガード下をくぐる様子や、新幹線と伝統芸能が交差する新横浜駅 篠原口の坂のあたりが見どころです。
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福島県南相馬市原町区出身、福島原発かながわ訴訟を支援する会共同代表、NPO法人精神保健を考える会まいんどくらぶ副理事長、趣味:骨董市めぐり。父が表具師で和紙に囲まれた生活の中で「手づくり」が好きになる。黒川さんさの笠の花(牡丹)も仲間たちと作る。昔着物や帯、古布の収集癖があり、現在はそれを素材にリメイク、洋裁に励んでいる。(「すずめ屋」の名で「すぺーすろっかく」の片隅に仲間と11月のデビューを目指し、目下出品制作中)
アミナコレクション創業当初にエクササイズの場として誕生したシルクロード舞踏館。
ここは、様々な舞踊やヨガ、太極拳、そして民俗音楽を通して、世界中の民俗文化を体験できる芸能の庭です。
月ごとに組まれるタイムテーブルによって様々な民俗文化を体験できるシルクロード舞踏館のプログラムの中で、月2回稽古をしている「さんさ踊り」について、ご紹介していきたいと思います。
目次
黒川さんさ踊りとの出会い
今から30年以上前、新横浜オルタナティブ生活館において、民俗舞踊研究会の須藤武子先生を講師に、岩手の郷土芸能「黒川さんさ踊り」のワークショップが行われました。
「大地の土を踏むようなイメージで、足を踏みしめて・・」という足の運びに、一遍に福島県南相馬の山中で幼少期を過ごした時の風景が蘇り、すっかり虜になりました。
歩きながら、また電車の中でも「ダンコンダゴスコダンガトカッ」と「口唱歌」を繰り返していたものです。
黒川さんさ踊りの身体のダイナミズムには「力を入れるところ、力の抜くところ」があります。力を入れて踏ん張るところは低い姿勢に、力を抜くときは楽に。
それは、日常生活や仕事の所作の中でも活用できます。
今まで頭でばかり考え過ぎ頑張っていたことが、ストレスの種だと気づかされます。グループのリーダー、進藤宏子さんには、「林さんは、力を抜くのが上手ね!」と、よく言われます。
笛や太鼓のお囃子に合わせて力強くかつしなやかで躍動感あふれる「輪踊り」は、一人ひとりの個性を超えたエネルギーの輪となって伝わってきます。
笛もまた奥が深く、自分の体の調子や気持ちが「音色」に出るのです。
「黒川さんさ」は、私にとって日常生活に体とこころのバランスをとる必要不可欠のものです。末永く続けていきたいと思います。
地元保存会の方々との交流を通して
戦争で一時途絶えた黒川さんさが、戦後しばらくして活動を再開してから50周年を迎えた2018年9月、「個と地に息吹く~黒川さんさ50周年感謝の集い」が地元で開催され、横浜からも皆で参加しました。
地元との交流を重ねるたびに、その土地で受け継ぐための様々な役割を、なんの損得もなく引き受けている地元の方々の姿を学ぶにつけ、身の引き締まる思いをひしと感じます。
この2年間はコロナ禍で黒川の皆さまとの直接の交流が途絶えていますが、通えないことで、黒川を第二の故郷のようにいつしか思っている自分を発見しています。
「魂鎮」―1年の舞い納めに感謝を込めて
「魂鎮(たましずめ)」。この言葉は、故進藤幸彦さん(アミナコレクション創業者)であるボスがつけました。
黒川さんさを学ぶ横浜グループ、二子流東京鬼剣舞、会津流横浜獅子躍りという岩手の芸能を首都圏で学ぶ3つのグループが、ここ30年近く新横浜駅の裏手の丘の上にある篠原八幡神社境内で奉納舞をしています。
1年間、仲間と共に踊りを練習できたことへの感謝、そして無病息災、平和を祈り、舞い納めをします。それを楽しみに集まってくれる近在の方も多く、年末の小さな祭事のようになりつつあります。
20数年ほど前、魂鎮を共催しているスペース・オルタの佐藤真起さんが、アメリカインディアンのメディスンマン、トム・ドストウ氏をこの辺りの聖地として篠原八幡神社に連れていく機会があり、私も同行したことがありました。
トムさんは拝殿へではなく、境内に立つ2本の木に祈りを込めました。
昨年、魂鎮の際、笛をずっと一人で吹いていて息が続かなくなり諦めかけた時、ふとトムさんが祈りを捧げた木の存在に気を向けると、なぜか息が通り、最後まで笛を務めることができたという不思議な体験をしたことがあります。
今年も12月25日(日)オルタ館を出発、道行を行い、正午頃神社で奉納舞を行います。
様々な出来事でちりじりとなりがちな魂を鎮め、生きていることに感謝し、笛の音が空高くに届きますように。
2022年度 魂鎮(たましずめ)について
2022年度 魂鎮(たましずめ)
【日時】12月25日(日) 《奉納舞》正午ごろ
【場所】篠原八幡神社(新横浜)
【内容】・二子流東京鬼剣舞
・黒川さんさを学ぶ横浜グループ
・金津流横浜獅子躍
【問合せ】045-473-3407(進藤)
当日はスペース・オルタを出発、新横浜駅を横切り、篠原八幡神社に向かいます。
獅子躍りの衣装にはササラと呼ばれる白く長い飾りが背中からのびており、これを引っ掛けないようにガード下をくぐる様子や、新幹線と伝統芸能が交差する新横浜駅 篠原口の坂のあたりが見どころです。
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筆者プロフィール:黒川さんさを学ぶ横浜グループ 林 洋子
福島県南相馬市原町区出身、福島原発かながわ訴訟を支援する会共同代表、NPO法人精神保健を考える会まいんどくらぶ副理事長、趣味:骨董市めぐり。父が表具師で和紙に囲まれた生活の中で「手づくり」が好きになる。黒川さんさの笠の花(牡丹)も仲間たちと作る。昔着物や帯、古布の収集癖があり、現在はそれを素材にリメイク、洋裁に励んでいる。(「すずめ屋」の名で「すぺーすろっかく」の片隅に仲間と11月のデビューを目指し、目下出品制作中)