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「シックなお部屋で素敵だね!」 なんて、日本でも会話で使われることがあるフランス語の「Chic(シック)」。 このシックに、カンパーニュという単語を組み合わせた、「カンパーニュ・シック」という言葉があります。 それは、フランス人の価値観と深く繋がりのある意味を持っていました。 フランスに留学して、ヨーロッパ各地を周遊したブランシェ枝里子が、「カンパーニュ・シック」をご紹介します。
そもそもシックってどういう意味でしょう? 日本語に翻訳してみると、 洒落た、おしゃれな、あか抜けた、粋な、上品な、洗練された、素晴らしい…などなど沢山の言葉が出てきます。 ですが、これでもまだシックという言葉は表しきれません。 シックは、フランス人の理想を詰め込んだ言葉であるといえます。
そして、シックとは服装やインテリアなどの見た目だけを表す言葉ではありません。 その人の雰囲気、生き方、在り方が「素敵!」と思ったときにも、シックという言葉が使われます。 もし、あなたがフランス人に「C'est Chic.(シックね)」と言われたら、 最上級の褒め言葉として受け取っていいんですよ!
フランス人は個性的であること、自分らしくあることを何より大切であると考えます。 人は人、自分は自分。流行に敏感ではあるけれど、それを取り入れるかどうかはまた別の話。 流行の色や形でない母親や祖母のお下がりの服でも、自分が気に入れば喜んで大事に使 います。 自分なりの芯を持っていて、流行に流されないのがフランス人のプライドでもあります。
流行ではなく、自分なりの「シック」を追い求めていく。 そう「自分らしさ」を大切にして、他の人の「その人らしさ」も尊重するのが、お洒落なフランス人なのです。
私がパリにいた頃、ローズピンクの膝上スカートを履いた白髪のマダムとすれ違いました。 マダムはかなりご高齢とお見受けしましたが、このスカートがとても良くお似合いでした。 年齢や周りの目を気にせず、本当に自分に似合うものを選び身につけるマダム。 「年相応の服装」の価値観に囚われず、「その人に似合っていれば、それでいい」とする、道行く人々の反応。 その両方に「さすがフランス!」と感動したものです。 彼女こそ「シック」を体現した人であったなぁと後に思いました。
フランス人の理想がつまった言葉「シック」。 この素敵なシックとカンパーニュという言葉を組み合わせたものが、「カンパーニュ・シック」。 カンパーニュは田舎という意味を持っていて、直訳すると、「田舎・洗練」。 一見、逆の意味?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、これを上手くまとめ上げるのがフランス人のすごいところなんですよ。
ここでは、「素朴さの中のおしゃれ」とでも言いましょう。
「田舎風」というと、どことなく垢抜けない、野暮ったい印象がありませんか? そんな「田舎風」の中の良いところ、「自然、素朴さ、気取らなさ」を取り出して「シック」にまとめ上げるというわけです。
インテリアで言うと、原木そのままの素材感を生かして造られた、手作りの温かみのある家具などです。 シンプルで素朴な家具に、無地のリネンのファブリックを合わせ、レトロで愛らしい陶器の置物を飾ってみる。 こうした素朴で可愛らしいスタイルがカンパーニュ・シックと呼ばれています。 インテリアに限らず、あくまでさり気なく、気取らない、素朴でナチュラルなスタイルがカンパーニュ・シックなんですね。
そんなカンパーニュ・シックに欠かせないのが植物。 お花を花瓶に飾ったり、枝ものを無造作に置いてみたり、ハーブやドライフラワーを壁に吊るすのが、素敵ですよ。
また、カンパーニュ・シックに限らず、フランス人は普段からよくお花を飾ります。 「花の都パリ」とは芸術面の豊かさを表した言葉ではありますが、実際にフランスにはたくさんの花が咲き誇り、お花のある暮らしが根付いています。 フランスの街を散策した際には、家々の窓辺に見事なゼラニウムが垂れ下がっているのをよく見かけたものです。
フランスでは毎年、12,000の街が参加する「花の街」というコンクールが開かれています。 優秀な街には「花の街」の称号が与えられ、街の入り口に称号のプレートを掲げることが出来るのです。 この栄誉ある称号の獲得を目指し、フランスの街々は、こぞって街中をお花でいっぱいにしようと取り組んでいます。 フランス人のお花にかける情熱が伝わってきますね。
ヨーロッパの人々は、とにかく自然と触れ合うことが大好きなのですが、特にフランス人は飛び抜けています。 毎週、休日のパリの公園では、日光浴する人、散策を楽しむ人、ピクニックをする人々で溢れかえっており、「こんなに多くの人がパリにいたのか」と感心するほどの人出です。 これは、東京の公園などでは見られない光景です。
このような、お花や自然を愛する国民性から、カンパーニュ・シックという価値観が生まれたのかもしれませんね。
「カンパーニュ・シック」と聞いて、私が真っ先に思い浮かべたのはマリー・アントワネットです。 なぜマリー・アントワネットと思われるかも知れませんが、実は彼女は「田舎の暮らし」に憧れるあまりに、ヴェルサイユ宮殿の敷地内に擬似的な農村まで作り上げています。 マリー・アントワネットはこの農村で、レトロな村人のような服装をし、自分の子どもたちや親しい友人とのんびり過ごすことが楽しみだったようです。
流行の最先端に触れ、贅沢を極めた生活を送る女性が憧れたのが「田舎の暮らし」というのは、興味深いですね。
マリー・アントワネットが起源かどうかはわかりませんが、現代においてもフランス人は「レトロな田舎の暮らし」に憧れがあるようで、バカンスにはこぞって片田舎へと出かけます。
世界の流行の発信地とも言われるフランスにおいて、田舎の暮らし・レトロな暮らしに憧れる人々の姿は、マリー・アントワネットの時代から変わらないようですね。
知人のパリジェンヌは、 「田舎は都会よりも暮らしが豊かに感じる。物質面でなく、精神面で。 物が溢れる現代よりも、物がなかった昔のレトロな生活のほうが、丁寧に暮らしている感じがして、精神的な豊かさでは上な気がして憧れる。 あとはパリは人が多いから、広い土地の田舎に憧れるのかも。」 と言っていました。 忙しい現代人だからこそ、ゆとりある「丁寧な暮らし」に憧れるのかもしれませんね。
パリジェンヌも憧れる、素朴さと洗練さを併せ持つカンパーニュ・シック。 生活を豊かにするためのヒントがそこには隠されているように感じました。 お部屋にお花を飾ってみるだけで、心のゆとりを感じられることもあるかと思います。カンパーニュ・シックを少しでも意識して生活に取り入れてみるのも、楽しいかもしれません。 「この組み合わせって変かな?ちょっと違うかな?」なんて考えなくて良いんです!気にしない!あなたが好きだと思ったものをあなたらしく取り入れる。それがフランス流です。 あなたらしく、暮らしを豊かにしてみてくださいね。
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「シックなお部屋で素敵だね!」 なんて、日本でも会話で使われることがあるフランス語の「Chic(シック)」。
このシックに、カンパーニュという単語を組み合わせた、「カンパーニュ・シック」という言葉があります。
それは、フランス人の価値観と深く繋がりのある意味を持っていました。
フランスに留学して、ヨーロッパ各地を周遊したブランシェ枝里子が、「カンパーニュ・シック」をご紹介します。
目次
フランス人の理想の言葉“シック”
そもそもシックってどういう意味でしょう?
日本語に翻訳してみると、
洒落た、おしゃれな、あか抜けた、粋な、上品な、洗練された、素晴らしい…などなど沢山の言葉が出てきます。
ですが、これでもまだシックという言葉は表しきれません。
シックは、フランス人の理想を詰め込んだ言葉であるといえます。
そして、シックとは服装やインテリアなどの見た目だけを表す言葉ではありません。
その人の雰囲気、生き方、在り方が「素敵!」と思ったときにも、シックという言葉が使われます。
もし、あなたがフランス人に「C'est Chic.(シックね)」と言われたら、
最上級の褒め言葉として受け取っていいんですよ!
フランス人は個性的であること、自分らしくあることを何より大切であると考えます。
人は人、自分は自分。流行に敏感ではあるけれど、それを取り入れるかどうかはまた別の話。
流行の色や形でない母親や祖母のお下がりの服でも、自分が気に入れば喜んで大事に使
います。 自分なりの芯を持っていて、流行に流されないのがフランス人のプライドでもあります。
流行ではなく、自分なりの「シック」を追い求めていく。
そう「自分らしさ」を大切にして、他の人の「その人らしさ」も尊重するのが、お洒落なフランス人なのです。
私がパリにいた頃、ローズピンクの膝上スカートを履いた白髪のマダムとすれ違いました。
マダムはかなりご高齢とお見受けしましたが、このスカートがとても良くお似合いでした。
年齢や周りの目を気にせず、本当に自分に似合うものを選び身につけるマダム。
「年相応の服装」の価値観に囚われず、「その人に似合っていれば、それでいい」とする、道行く人々の反応。
その両方に「さすがフランス!」と感動したものです。
彼女こそ「シック」を体現した人であったなぁと後に思いました。
カンパーニュ × シック
フランス人の理想がつまった言葉「シック」。
この素敵なシックとカンパーニュという言葉を組み合わせたものが、「カンパーニュ・シック」。
カンパーニュは田舎という意味を持っていて、直訳すると、「田舎・洗練」。
一見、逆の意味?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、これを上手くまとめ上げるのがフランス人のすごいところなんですよ。
ここでは、「素朴さの中のおしゃれ」とでも言いましょう。
「田舎風」というと、どことなく垢抜けない、野暮ったい印象がありませんか?
そんな「田舎風」の中の良いところ、「自然、素朴さ、気取らなさ」を取り出して「シック」にまとめ上げるというわけです。
インテリアで言うと、原木そのままの素材感を生かして造られた、手作りの温かみのある家具などです。
シンプルで素朴な家具に、無地のリネンのファブリックを合わせ、レトロで愛らしい陶器の置物を飾ってみる。
こうした素朴で可愛らしいスタイルがカンパーニュ・シックと呼ばれています。
インテリアに限らず、あくまでさり気なく、気取らない、素朴でナチュラルなスタイルがカンパーニュ・シックなんですね。
そんなカンパーニュ・シックに欠かせないのが植物。
お花を花瓶に飾ったり、枝ものを無造作に置いてみたり、ハーブやドライフラワーを壁に吊るすのが、素敵ですよ。
また、カンパーニュ・シックに限らず、フランス人は普段からよくお花を飾ります。
「花の都パリ」とは芸術面の豊かさを表した言葉ではありますが、実際にフランスにはたくさんの花が咲き誇り、お花のある暮らしが根付いています。
フランスの街を散策した際には、家々の窓辺に見事なゼラニウムが垂れ下がっているのをよく見かけたものです。
フランスでは毎年、12,000の街が参加する「花の街」というコンクールが開かれています。
優秀な街には「花の街」の称号が与えられ、街の入り口に称号のプレートを掲げることが出来るのです。
この栄誉ある称号の獲得を目指し、フランスの街々は、こぞって街中をお花でいっぱいにしようと取り組んでいます。
フランス人のお花にかける情熱が伝わってきますね。
ヨーロッパの人々は、とにかく自然と触れ合うことが大好きなのですが、特にフランス人は飛び抜けています。
毎週、休日のパリの公園では、日光浴する人、散策を楽しむ人、ピクニックをする人々で溢れかえっており、「こんなに多くの人がパリにいたのか」と感心するほどの人出です。
これは、東京の公園などでは見られない光景です。
このような、お花や自然を愛する国民性から、カンパーニュ・シックという価値観が生まれたのかもしれませんね。
王妃も憧れた、素朴で素敵な暮らし
「カンパーニュ・シック」と聞いて、私が真っ先に思い浮かべたのはマリー・アントワネットです。
なぜマリー・アントワネットと思われるかも知れませんが、実は彼女は「田舎の暮らし」に憧れるあまりに、ヴェルサイユ宮殿の敷地内に擬似的な農村まで作り上げています。
マリー・アントワネットはこの農村で、レトロな村人のような服装をし、自分の子どもたちや親しい友人とのんびり過ごすことが楽しみだったようです。
流行の最先端に触れ、贅沢を極めた生活を送る女性が憧れたのが「田舎の暮らし」というのは、興味深いですね。
マリー・アントワネットが起源かどうかはわかりませんが、現代においてもフランス人は「レトロな田舎の暮らし」に憧れがあるようで、バカンスにはこぞって片田舎へと出かけます。
世界の流行の発信地とも言われるフランスにおいて、田舎の暮らし・レトロな暮らしに憧れる人々の姿は、マリー・アントワネットの時代から変わらないようですね。
知人のパリジェンヌは、
「田舎は都会よりも暮らしが豊かに感じる。物質面でなく、精神面で。
物が溢れる現代よりも、物がなかった昔のレトロな生活のほうが、丁寧に暮らしている感じがして、精神的な豊かさでは上な気がして憧れる。
あとはパリは人が多いから、広い土地の田舎に憧れるのかも。」
と言っていました。
忙しい現代人だからこそ、ゆとりある「丁寧な暮らし」に憧れるのかもしれませんね。
あなたらしく、暮らしを豊かに
パリジェンヌも憧れる、素朴さと洗練さを併せ持つカンパーニュ・シック。
生活を豊かにするためのヒントがそこには隠されているように感じました。
お部屋にお花を飾ってみるだけで、心のゆとりを感じられることもあるかと思います。カンパーニュ・シックを少しでも意識して生活に取り入れてみるのも、楽しいかもしれません。
「この組み合わせって変かな?ちょっと違うかな?」なんて考えなくて良いんです!気にしない!あなたが好きだと思ったものをあなたらしく取り入れる。それがフランス流です。
あなたらしく、暮らしを豊かにしてみてくださいね。
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▼欧州航路 オンラインショップ▼
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欧州各地にはそれぞれの歴史に紐づく伝統に裏打ちされた、ストーリーとそれにまつわる素敵なモノに溢れています。
そんな素敵なモノが生活のなかにあることで毎日がちょっと豊かに。
「日常の中の小さな幸せ」を感じてもらえるようなモノづくりを目指しています。