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割烹着(かっぽうぎ)って何? 江戸っ子!粋!そんな響きに感じられるもの。 もしかしたら、割烹着そのものに馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんね。 国民的アニメ、“サザエさん”に登場する“フネさん”が着用しているものと言えばイメージできるでしょうか。 ではエプロンって何? 料理や掃除など、家事の必須のアイテムと誰もが分かるでしょう。 割烹着は一言で言うならば、エプロンの元祖でしょうか。 今回は日本で考案された割烹着の誕生や歴史、また最近の流行りとしてリバイバルした姿の全貌をお伝えします。
割烹着を知る前に、この言葉を分析してみましょう。 「割烹着=割烹+着」の2つの意味が合わさったものですね。 “着”は身にまとうもの、部屋着、おしゃれ着、作業着、体育着、給食着など。 では、“割烹”はどんな意味なのでしょうか? 辞書によれば、日本料理を作る際に使われる言葉で、“調理”を意味します。 更に分析してみると、 「割」は下ごしらえをする。「烹」は加熱調理をする。 丁寧な下ごしらえを経て加熱調理を施し、“日本料理”に仕上げる。 素晴らしい和の食文化とともに、この割烹という言葉が存在するのが分かります。 割烹着とは、日本料理を作る過程において必要不可欠な“支度着”と言えますね。
日本初の女子高等教育機関として創立され、120年以上の歴史をもつ“日本女子大学”。 女性の社会進出への教育理念の下、女子学生の実験等の作業着として開発されたのが割烹着と言われています。 しかしこれには諸説があり、明治15年に日本橋で開講された家庭料理を学ぶ料理学校、“赤堀割烹教場”で考案されたとも言われています。 料理を習いに来るのはリッチな生徒が多く、高価な着物を汚しては失礼だという学校側の配慮により、手元や袖をしっかりカバーするデザインにしたそうです。 また、娘が嫁ぐ際によそ行き用の着物を守るために用意された、という説もあります。 ちなみに江戸時代までの調理着は、たすき掛けにする紐かけや前掛けが主流でした
割烹着が生み出された背景には様々な説がありますが、いずれにせよ、衣類を保護するために割烹着を着用する習慣が始まったのには、間違いなさそうです。 その当時は特に、家事をするのは女性が当たり前の世の中でしたから、 割烹着=主婦の作業着 として明治初期頃から広まっていきました。 継承されている和文化は、深く長い歴史を持つものが多い中、割烹着は現代よりさほど遡ることのない明治時代に誕生したのは意外です。 明治を経て、大正から昭和初期頃まで割烹着文化は続きましたが、その後のエプロンの登場により日常から姿を消していきました。
悲しくも衰退してしまったかに見えた割烹着は、割烹料理店や小料理店などの料理人や女将さんのトレードマークとして目にする機会がありますね。 また、リケジョ(理系女子)が研究の際に着用する姿も話題になりました。 2013年には和食が“ユネスコ無形文化遺産”に登録されたことからも、日本人の伝統的な食文化が海外から注目されています。 今回のテーマである“割烹着”は、その誇るべく“和食・日本料理”が生み出される過程においても重要な役割を果たしていた、誇るべき和文化と言えるのではないでしょうか。 昨今では、そのような奥深さを持った割烹着の優れた機能性が再燃されるとともに、おしゃれ着としての着こなし等、新たなブームを呼んでいます。
誰でもイメージできる割烹着の基本スタイル、それは“スモッグ”です。 腕と身体の前後も含め、着物(衣類)を保護する形状です。 着丈はスモッグよりもやや長めの膝丈位が一般的でしたが、現在は短め長めと様々です。
・ゆったりした作りが着物や洋服をしっかりカバー ・袖口がゴムでつまっているため、邪魔にならない ・素材によって料理や掃除等の目的別に使い分けができる ・何と言っても身動き自由自在!
天然や化学繊維など素材が豊富です。 *綿や麻:通気性や吸収性も良く、夏でも心地よくサラッと着られる *リネン:耐久性に優れ、洗濯を重ねるごとに柔らかい風合いへ *ポリエステルやレーヨン:撥水・防水加工。速乾性も良く、シワになりにくい
昔の割烹着と言えば、白地に襟元はフリルが定番・主流でした。 最近では、基本の割烹着スタイルをベースに、首元が詰まった形や背中にリボンやレースをあしらったもの、ボタンやポケットがついているものバラエティ豊か。 また豊富な色使いとともに、チェックや水玉、ヒョウ柄など、おしゃれ性に富んだものを多く見かけます。
“エプロン”はいつどこで生まれたのでしょうか? 驚くことなかれ、数千年前の古代エジプトから存在していたと言います。 着用していたのは、王様や女神様。 宝石や刺繍などが施されたゴージャスなエプロンは、権力の象徴とされていました。 現代のそれとは意味も姿も全く異なりますね。 16世紀頃には中世ヨーロッパに伝わり、実用性を求めた労働者や商人、職人などが作業用として身につけるようになりました。 その後ファッションアイテムとして、上流階級層の間でエプロンが流行していたそうです。
エプロンと割烹着、着用目的の根底は衣服をプロテクトすることにあります。 どっちが良いかな?選ぶに迷うことがあるかもしれません。 しかしその必要は全くありません。 なぜって、割烹着とエプロンはそれぞれに素敵な個性があるから! 例えば、スカートとパンツ。どちらも穿くものですが、作りと見た目に違いがあります。 TPOはもちろん、その日の気分に合わせて洋服を選ぶのと同じように、割烹着もエプロンも目的やフィーリングに合わせて着用できます。 たとえ面倒な家事であっても、楽しくスイスイ進められそうですね。
“割烹着は家事作業着”という固定概念を手放しましょう。 例えば、和文化の一つでもある華道や茶道をたしなむ方もいらっしゃるかと思います。 そのような機会にも割烹着は大活躍。 また、最近人気のDIYやガーデニング。家事と言ってしまえばそれまでですが、“趣味として楽しむ“という考え方の方が断然シックリしますよね。 好きなものをオリジナルに作る。花や植物を素敵にあしらう。 お気に入りのおしゃれ割烹着を身につけながら打ち込むと、楽しさが倍増します!
お掃除、料理など家事全般はもちろん、優美な趣味からアウトドアなどに大活躍の割烹着。 その一方で、普段使い=洋服感覚で購入する方も増えているようです。 つまり“ファッションを意識する” ・長め丈のものをワンピース風に ・パンツに合わせて、短めのものをブラウス風に ・羽織もののように着てみる(前ボタンの割烹着などはカーディガン風に) 素材やデザインが豊富であることから、着こなし方も無限大です。
もうすぐ母の日。 時代が移り変わろうとも、母への感謝や想いは永遠ですね。 お母さんの好きなものって何だろう。 あらためて考えてみると、実はよく知らない。 家族が心地良く暮らせるよう、日々支えてくれるお母さん。 普段は言えない“ありがとう”の気持ちを込めて、とっておきの割烹着をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
昭和のお母さんイメージの強い割烹着。 ちょっと古くさいなぁと感じてしまう方へ。 実はそのイメージこそが、もう古いかもしれませんね。 “機能性とおしゃれ性” この二面性を持つ割烹着は、もはや最高のファッションアイテムにまで成長しました。 その根底には、古き良き和文化が、完全には廃れることなく息づいていたから。 そして今、新しい発想とともに割烹着が人気を博しています。 これを機に、自分らしいお気に入りの割烹着をワードローブに増やしてみてはいかがでしょうか?
1. はじめに
割烹着(かっぽうぎ)って何?
江戸っ子!粋!そんな響きに感じられるもの。
もしかしたら、割烹着そのものに馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんね。
国民的アニメ、“サザエさん”に登場する“フネさん”が着用しているものと言えばイメージできるでしょうか。
ではエプロンって何?
料理や掃除など、家事の必須のアイテムと誰もが分かるでしょう。
割烹着は一言で言うならば、エプロンの元祖でしょうか。
今回は日本で考案された割烹着の誕生や歴史、また最近の流行りとしてリバイバルした姿の全貌をお伝えします。
2. 割烹着とは?
割烹着を知る前に、この言葉を分析してみましょう。
「割烹着=割烹+着」の2つの意味が合わさったものですね。
“着”は身にまとうもの、部屋着、おしゃれ着、作業着、体育着、給食着など。
では、“割烹”はどんな意味なのでしょうか?
辞書によれば、日本料理を作る際に使われる言葉で、“調理”を意味します。
更に分析してみると、
「割」は下ごしらえをする。「烹」は加熱調理をする。
丁寧な下ごしらえを経て加熱調理を施し、“日本料理”に仕上げる。
素晴らしい和の食文化とともに、この割烹という言葉が存在するのが分かります。
割烹着とは、日本料理を作る過程において必要不可欠な“支度着”と言えますね。
3.割烹着の誕生~現在
① はじまり(明治初期)
日本初の女子高等教育機関として創立され、120年以上の歴史をもつ“日本女子大学”。
女性の社会進出への教育理念の下、女子学生の実験等の作業着として開発されたのが割烹着と言われています。
しかしこれには諸説があり、明治15年に日本橋で開講された家庭料理を学ぶ料理学校、“赤堀割烹教場”で考案されたとも言われています。
料理を習いに来るのはリッチな生徒が多く、高価な着物を汚しては失礼だという学校側の配慮により、手元や袖をしっかりカバーするデザインにしたそうです。
また、娘が嫁ぐ際によそ行き用の着物を守るために用意された、という説もあります。
ちなみに江戸時代までの調理着は、たすき掛けにする紐かけや前掛けが主流でした
② 広まりと衰退
割烹着が生み出された背景には様々な説がありますが、いずれにせよ、衣類を保護するために割烹着を着用する習慣が始まったのには、間違いなさそうです。
その当時は特に、家事をするのは女性が当たり前の世の中でしたから、
割烹着=主婦の作業着
として明治初期頃から広まっていきました。
継承されている和文化は、深く長い歴史を持つものが多い中、割烹着は現代よりさほど遡ることのない明治時代に誕生したのは意外です。
明治を経て、大正から昭和初期頃まで割烹着文化は続きましたが、その後のエプロンの登場により日常から姿を消していきました。
③ 現在
悲しくも衰退してしまったかに見えた割烹着は、割烹料理店や小料理店などの料理人や女将さんのトレードマークとして目にする機会がありますね。
また、リケジョ(理系女子)が研究の際に着用する姿も話題になりました。
2013年には和食が“ユネスコ無形文化遺産”に登録されたことからも、日本人の伝統的な食文化が海外から注目されています。
今回のテーマである“割烹着”は、その誇るべく“和食・日本料理”が生み出される過程においても重要な役割を果たしていた、誇るべき和文化と言えるのではないでしょうか。
昨今では、そのような奥深さを持った割烹着の優れた機能性が再燃されるとともに、おしゃれ着としての着こなし等、新たなブームを呼んでいます。
4.割烹着の姿~どんなデザイン?~
① スタイル
誰でもイメージできる割烹着の基本スタイル、それは“スモッグ”です。
腕と身体の前後も含め、着物(衣類)を保護する形状です。
着丈はスモッグよりもやや長めの膝丈位が一般的でしたが、現在は短め長めと様々です。
② 機能性
・ゆったりした作りが着物や洋服をしっかりカバー
・袖口がゴムでつまっているため、邪魔にならない
・素材によって料理や掃除等の目的別に使い分けができる
・何と言っても身動き自由自在!
③ 素材
天然や化学繊維など素材が豊富です。
*綿や麻:通気性や吸収性も良く、夏でも心地よくサラッと着られる
*リネン:耐久性に優れ、洗濯を重ねるごとに柔らかい風合いへ
*ポリエステルやレーヨン:撥水・防水加工。速乾性も良く、シワになりにくい
④ デザイン
昔の割烹着と言えば、白地に襟元はフリルが定番・主流でした。
最近では、基本の割烹着スタイルをベースに、首元が詰まった形や背中にリボンやレースをあしらったもの、ボタンやポケットがついているものバラエティ豊か。
また豊富な色使いとともに、チェックや水玉、ヒョウ柄など、おしゃれ性に富んだものを多く見かけます。
5.エプロンと割烹着~選ぶのに迷ってしまう?~
① エプロン誕生秘話
“エプロン”はいつどこで生まれたのでしょうか?
驚くことなかれ、数千年前の古代エジプトから存在していたと言います。
着用していたのは、王様や女神様。
宝石や刺繍などが施されたゴージャスなエプロンは、権力の象徴とされていました。
現代のそれとは意味も姿も全く異なりますね。
16世紀頃には中世ヨーロッパに伝わり、実用性を求めた労働者や商人、職人などが作業用として身につけるようになりました。
その後ファッションアイテムとして、上流階級層の間でエプロンが流行していたそうです。
② エプロン vs. 割烹着
エプロンと割烹着、着用目的の根底は衣服をプロテクトすることにあります。
どっちが良いかな?選ぶに迷うことがあるかもしれません。
しかしその必要は全くありません。
なぜって、割烹着とエプロンはそれぞれに素敵な個性があるから!
例えば、スカートとパンツ。どちらも穿くものですが、作りと見た目に違いがあります。
TPOはもちろん、その日の気分に合わせて洋服を選ぶのと同じように、割烹着もエプロンも目的やフィーリングに合わせて着用できます。
たとえ面倒な家事であっても、楽しくスイスイ進められそうですね。
6.割烹着を楽しむスタイル~母の日に贈る~
① 割烹着は“楽しさを見出すアイテム”
“割烹着は家事作業着”という固定概念を手放しましょう。
例えば、和文化の一つでもある華道や茶道をたしなむ方もいらっしゃるかと思います。
そのような機会にも割烹着は大活躍。
また、最近人気のDIYやガーデニング。家事と言ってしまえばそれまでですが、“趣味として楽しむ“という考え方の方が断然シックリしますよね。
好きなものをオリジナルに作る。花や植物を素敵にあしらう。
お気に入りのおしゃれ割烹着を身につけながら打ち込むと、楽しさが倍増します!
② おしゃれに着こなす
お掃除、料理など家事全般はもちろん、優美な趣味からアウトドアなどに大活躍の割烹着。
その一方で、普段使い=洋服感覚で購入する方も増えているようです。
つまり“ファッションを意識する”
・長め丈のものをワンピース風に
・パンツに合わせて、短めのものをブラウス風に
・羽織もののように着てみる(前ボタンの割烹着などはカーディガン風に)
素材やデザインが豊富であることから、着こなし方も無限大です。
③ 母の日への贈り物に
もうすぐ母の日。
時代が移り変わろうとも、母への感謝や想いは永遠ですね。
お母さんの好きなものって何だろう。
あらためて考えてみると、実はよく知らない。
家族が心地良く暮らせるよう、日々支えてくれるお母さん。
普段は言えない“ありがとう”の気持ちを込めて、とっておきの割烹着をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
7.さいごに
昭和のお母さんイメージの強い割烹着。
ちょっと古くさいなぁと感じてしまう方へ。
実はそのイメージこそが、もう古いかもしれませんね。
“機能性とおしゃれ性”
この二面性を持つ割烹着は、もはや最高のファッションアイテムにまで成長しました。
その根底には、古き良き和文化が、完全には廃れることなく息づいていたから。
そして今、新しい発想とともに割烹着が人気を博しています。
これを機に、自分らしいお気に入りの割烹着をワードローブに増やしてみてはいかがでしょうか?