【ROCKと民俗音楽】ポピュラー音楽とインド音楽の関わりとは

はじめましてfeiと申します。これから皆さんと一緒に何回に分けてポピュラーなロック音楽と、インド音楽について色々とお話していきたいと思います。


先ず第一回は、いわずとも知れたTHE BEATLES ジョンレノンの名曲中の名曲Across the Universeという曲と、インド音楽について個人的な見解を交えて論じていきたいと思っておりますので、是非お付き合いください。


ちょっと細かい話をしますとこの曲は非常に厄介で複数のヴァージョンが存在します。しかもオフィシャルでも7ヴァージョンあり、海賊盤などを含めるともうすごいことになってしまいますので、先ずは聴いてもらいたいヴァージョンを解説しながら話を進めていきたいと思います。

時は1968年2月のセッションにて録音が始まりました。この年にビートルズの面々はインドの瞑想修行に出発します。その間のシングルレコードとして、ポールがLady Madonnaを書き、そしてジョンがこのAcross the Universeを書くことになります。

本日聴く 参考音源
Across the Universe TAKE2(アンソロジー2収録バージョン)

この音源はビートルズアンソロジープロジェクトで1995年に先ずは映像が発表され、そしてCDとアナログ(確かカセットも)6CDのうちの、パート2に収録されています。今でも簡単に手に入りますので、ダウンロードではなくメディアで是非入手して頂きたいですね。やはりレコード、CDジャケットと実際のメディアに向き合うということは非常に大事だと思います。心構えですね。

さて、本題といきましょう。
歌詞の方から一部見ていきましょう。下記のような非常に重要なフレーズがあります。


『Across the Universe』より歌詞抜粋

Jai Guru Deva, Om #注
我らが導師 神に勝利あれ オーム

Nothing’s gonna change my world
何ものも 私の世界を変えることはできない

Nothing’s gonna change my world
何ものも 私の世界を変えることはできない

#注 サンスクリット語の呪文で勝利あれ(Jai)、導師(Guru)、神(Deva)、霊(Om)

うーん、深い実に深い歌詞ですね。
簡単に述べると、神に感謝という意味合いになります。もう完全にインドの精神世界ですね。ちなみにOMは日本語で言うところの阿吽という意味合いで瞑想の呼吸です。

このときのジョンは余りの忙しさに逃れたく神にすがる思いできっとインドに行って瞑想をしたかったのではないかと思います。そして、瞑想するのですが、余り長くは続かなかったようですね。でもこの時の写真を見るとメンバーそれぞれが独特のオーラがあります。存在感、そして音楽にも。その事に思いを馳せて聴いてみるときっと今まで聴こえなかった音が聴こえてくる筈です。 そして、それがあったからこそのこの名曲の誕生した。本当に素敵です。そしてインド音楽にも本当に感謝ですね。

そして、次に楽曲ついてて見ていきましょう。
今ちょうど聴きながら論じているのですが、のっけからもう世界に引き込まれますね。もうこれはインド音楽ですよ。ラフなテイクということで、ジョンのヴォーカルも不安定。しかしそれが心をつかまれる。そしてポールのコーラスもない。そして、インドの代表的な楽器シタールとタンブーラの登場。しかも大量なフランジング(音にうねりを出す効果)をかけて完全にサイケデリック。このシタールとタンブーラは入ることによってこの曲を異次元の空間へと誘います。

 

余談ですが、あのローリングストーンズのブライアンジョーズも1968年7月にモロッコ、ジャジューカ村に出向いて彼らの民族音楽を現地録音してます。しかも同じく大量のフランジングをかけて。(こちらの分析は次回以降にしたいと思ってます。)

こうして僕たちは知らないうちにインド音楽を心地よく聴いているのです。
そしてもう既にその音楽に魅了されているのです。

さあ、どうでしょうか?早速、この曲聴きたくなってきませんか?いや、すぐに聴きましょう。

 

そして、最後にマニアックな話をひとつだけ。
BEATLESのインド盤レコードはシタールなどインド楽器の聴こえ方が違うそうです。実際確認していないので確信は持てませんが、世界のBEATLESのレコードを聴き倒すといういう企画本がありまして、そこに書いてありました。
是非今度一緒に高円寺あたりのレコード屋さんで僕と一緒にインド盤探しにいきませんか?

では、次回また次回お会いしましょう。

                                    

筆者プロフィール: feizemin

中学の頃はクラシック音楽少年だったが親戚にビートルズのカセットテープを借りて聴いたその日よりロックミュージックに目覚める。
現在は営業部に所属している傍ら、プライベートでは自身のグループfeimoというオリジナルグループで日々オリジナルソングを作ってレコーディングなどおこない、
音楽を通じて人々を幸福に出来るよう活動中。


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