HARE-TABI SAUNA&INN誕生秘話

サウナという文化を、旅と街の魅力を通して広げていく「HARE-TABI SAUNA & INN」。
2021年の構想をきっかけに、このプロジェクトは新たな観光のかたちとして動き出しました。

横浜中華街にサウナをつくるに至った経緯や、地域とともに育てる施設づくりへの想いを、アミナコレクション代表取締役社長自身が綴ります。

サウナ事業の原点は「地方創生」の発想から

サウナ事業の原点は「地方創生」の発想から

アミナコレクションがサウナを手掛けようと思ったのは、2021年秋ごろに 呼子の町おこし でサウナをやったらどうかという構想が出たのがきっかけ。
サウナはフィンランドの民俗文化であるから会社理念にも合うし、サウナ目的で旅(サ旅)をする人もいるので地方の観光活性化にも合うと思ったからだ。

しかし呼子は遠方なので、いきなり新しい事業をやるには心配が多かった。
それもあり千葉県富津市で検討していたグランピング計画にサウナを併設してみようかと考えた。
そこでサウナ王という温浴コンサルタントと契約し、千葉県現地や周辺温浴施設をリサーチして回ったのだが、その帰りに立ち寄ったロードサイドの中華料理店でのこと。サウナ王が中華料理のメニュー表を見て、目をキラキラさせて「この店はサ飯ばっかりですね!」と大声で興奮してまくしたててきた。

サ飯との出会いが生んだ「横浜中華街サウナ構想」

横浜中華街サウナ構想

サウナの後に食べる食事を通称「サ飯」と言う。サウナの発汗により塩分やビタミンなどを身体が補給したがる影響なのか、サ飯では「辛いもの」「酸っぱいもの」「スタミナのつくもの」が食べたくなる。中華料理には、麻婆豆腐のような辛いもの、酸辣湯麺のような酸っぱいもの、餃子のようなスタミナのつくもの、などがふんだんにあり、サウナ施設で中華料理が提供されることが多い。

サウナ王はすべてサウナに転換して考えてしまうので、中華料理屋のメニューを見て「サ飯ばっかり!」と興奮していたのだ。私は大爆笑してしまって、「そんなこと言ったら、横浜中華街は、日本最大のサ飯街ですね!」と反射的に返した。
そこから、え?日本最大のサ飯街なのに、サウナがない。それはおかしい、と盛り上がったのだ。

現実的に考えても、2018年に非日常の旅をテーマにしたHARE-TABI TRAVELLER’S INNという宿泊施設を中華街にオープンさせていたのだが、鳴かず飛ばすだった。
そこの上層階に宿泊と相性の良いサウナを創れば相乗効果も出るし、建設のともなうグランピングより先にオープンできるし、本社も近く新しい業態の運営も作っていける。

コロナ禍の横浜を救う、新たな観光動機としてのサウナ

コロナ禍の横浜を救う、新たな観光動機としてのサウナ Hovering Cat ,
CC0, via Wikimedia Commons

そしてなんといっても、コロナ禍で甚大な打撃を受けていた横浜観光の活性化につなげられないかと思った。2020年2月、横浜港に停泊していたダイヤモンドプリンセス号でのコロナ感染がニュースで大きく取り上げられ、横浜は日本の観光地で最初に観光客喪失の打撃を被った。

その後の緊急事態宣言においては、いつもは観光客で溢れて賑わっていたメイン通りでさえ無人となり信じられない光景を見た。この未曾有の打撃からいちはやく回復して傷を癒やすために、サウナが新たな来街動機となることは一助になると思った。

またアミナコレクションは横浜中華街にて創業され、1977年にチャイハネをオープンして以来、創業者は通りの町づくりの中心人物でもあった。
会社にある町おこしのDNA、そして横浜観光への恩返しをしたいという衝動にかられ、HARE-TABI SAUNA&INN開業を目指すこととなった。

街とつながるサウナ施設づくりと地域活性化の実践

街とつながるサウナ施設づくりと地域活性化の実践

なんといっても、目的は地域の活性化。
サウナをした後、サ飯として街の中華料理を食べてもらう。
そのために他のサウナ施設と違って、食事の提供は最初から考えず、サ飯の美味しい地元中華料理店を紹介した。重慶飯店さんなどいくつかの中華料理店とはコラボのサ飯コースも作ったりして、とにかく町に人が流れるようにした。

サ飯を中心としつつ、横浜観光のハブになれば良いと思った。
徒歩圏の横浜スタジアムでの野球観戦やライブの後に来てほしいし、サウナしてから山下公園を歩いたら風が気持ち良い。サウナで整うと五感が研ぎ澄まされるので、横浜の夜景やネオン街もよりキレイに見えたりする。観光のハブになって、横浜観光をより魅力的なものにできる。

街とつながるサウナ施設づくりと地域活性化の実践

サウナを設計するうえでも、横浜らしい港町の歴史を感じるようなレンガや近代産業のインダストリアルなデザインとした。サウナストーブも、近代産業発祥の地を象徴、蒸気機関をイメージして導入。
また地域に根付いた施設にするために、中国茶のロウリュは中国茶専門店の老舗「悟空」と組んでウーロン茶やジャスミン茶の茶葉を調達。水風呂も漢方で浄化するため老舗漢方の更生堂薬局に相談して調達した。
また横浜出身のミュージッククリエーターREO MATSUMOTO氏とサウナのためのオリジナル音源を共同制作した。横浜とゆかりのある柳原氏のトリスのサウナバージョンをロゴとして採用した。

そして大事なところとして、エンタメ性はありつつもサウナの質としても最上のものを目指したかった。
サウナ王のアドバイスをうけながら、サウナ室の温度や湿度、水風呂の深さや温度、休憩の風などすべてにこだわり抜いた。サウナ事業を始めるにあたって、全国の人気サウナはすべて周り、オープンの頃にはリサーチは200施設を超えていた。その200施設でトップレベルのサウナを目指せば、勝てると思ったのだ。

街とつながるサウナ施設づくりと地域活性化の実践

サウナで飲めるドリンクについても、横浜らしさを出しつつ、創意工夫も重ねた。
業界で初、サウナ前に飲むスターターショットも考案されたし、オロポに塩をつけるなど、革新的なメニュー群でデビューさせた。また地元ビールである横浜ビールと組んで、サ旅ビールも開発。周辺サウナ施設と連携して全国から横浜へのサ旅を誘客を狙った。

サウナから広がる、横浜の新しい風景

サウナから広がる、横浜の新しい風景

最高のサ旅で横浜観光を元気にする!
このスローガン通りに開業したHARE-TABIは、当初から話題を呼び上々の滑り出しとなった。知名度と評判が高まったことで以後のstay&sauna事業の足掛かりとなった。やはり嬉しかったのは、中華料理のオーナーたちから「サウナのお客さん、うちに来てるよ」と喜びの声をもらったこと。初志を忘れずに、地域観光を活性化する施設として、進化し続けてほしい。

横浜中華街/HARE-TABI SAUNA&INN

HARE-TABI SAUNA&INNは、神奈川県横浜市にあるサウナ施設です。
男性サウナには、近代産業発祥の地・横浜の象徴である蒸気機関のような水車型サウナストーブを日本で初めて本格導入。
女性サウナには、汽船の煙突のようなサウナストーブがありますよ。また、中国茶のセルフロウリュが楽しめるのもうれしいポイント。

豪華な寝台列車をイメージしたデザインの個室もあり、ゆったりとした宿泊ができます。

横浜中華街/HARE-TABI SAUNA&INN 左:男性サウナ 右:女性サウナ

HARE-TABI SAUNA & INN YOKOHAMA

統括プロフィール画像

筆者プロフィール:進藤さわと

アミナコレクション創業者 進藤幸彦の次男坊。2010年に社長に就任。
1975年生まれ。自然と歴史と文化、それを巡る旅が好き。

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