山羊座は、十二星座占いに用いられる星座の1つです。
山羊座の絵を見てみると、下半身が魚の尻尾となっている奇妙な姿をしています。この山羊座の姿は、ある神話が由来となっているのです。
そこで今回は、山羊座に関する神話や星座の探し方、山羊座の人の性格や相性の良い他の星座などについて紹介していきます。

山羊座（やぎ座）の基本情報

山羊座は、ラテン語で「カプリコーン（Capricorn）」と呼ばれる星座です。
秋（9月～11月）の南の夜空に現れる山羊座は、射手座と水瓶座の間にある星座で、上半身が山羊で下半身は魚といった不思議な姿をしています。

逆三角形の分かりやすい形をしていますが、3等星以下の暗い星で作られているので見つけるのが難しい星座です。
天球上の太陽の通り道である「黄道」に沿った位置にある12個の星座「黄道十二星座」の1つで、昔から星座占いに使用されています。

山羊座（やぎ座）の起源・由来

山羊座の起源は、今から4000～3000年前の古代バビロニアで創作された「ヤギ魚」と呼ばれる上半身がヤギ、下半身が魚という体を持つ架空の生き物、または水と知恵の神エンキだといわれています。

「ヤギ魚」が元になったとされる山羊座は古代バビロニアで、現在の山羊座と同じ位置で星座になっており、メソポタミア地方では山羊座の位置に太陽が来る時期が雨季と重なることから、古代バビロニアでは山羊座が雨をもたらす存在として信仰の対象となり、人々は五穀豊穣や繁栄を願っていたと考えられています。

また、かつては冬至点（黄道で最も南に位置する点で太陽がこの点の位置に来た時が冬至となる）が山羊座にあったことから、この星座は「太陽の南の門」や「神々の門」とも呼ばれていました。

その後、古代バビロニアの山羊座は地中海を渡ってヨーロッパ地方に伝わり、ギリシャ神話に登場する上半身は人間で下半身は山羊という姿をした牧神パンと同一視され、現在の「山羊座」へと転じたのです。

山羊座（やぎ座）ってどんな形？

山羊座は、いびつな逆三角形を逆さまにしたような形をしています。
上半身がヤギで下半身が魚の形をした絵があてはめられていて、逆三角形の右側の頂点にある縦に2つ並んだ星が山羊の角にあたる部分で、左側の頂点にある2つ並んだ星が魚の尻尾の部分にあたります。
山羊座の中で最も特徴的な星は、角の部分にあたる「アルゲディ」（山羊座アルファ星）という二重星で、双眼鏡で見ると2つの星が連なって見えます。
「アゲルティ」とはアラビア語で「子ヤギ」という意味です。

また、アゲルティのすぐ近くにある「ダビー」と呼ばれる星も二重星で、星の間隔がアゲルティよりも短いので、ほぼ重なって見えます。
「ダビー」はアラビア語で「屠殺者（とさつしゃ）」という意味ですが、神様に生贄を捧げる人を指しています。

惑星との関係

西洋占星術では、十二星座1つ1つに各星座を守る惑星があり、これを「守護惑星」といいます。
山羊座の守護惑星は「土星」で、ギリシャ神話に登場する時間の神・クロノスが割り当てられています。
土星は惑星の中で2番目に大きな星なので、「安定」や「維持」、「権威」などを象徴しています。
そのため、山羊座には時間の管理が上手く、努力家で頑固な性格、確実に物事を進める能力が備わっているとされています。
また、クロノスは旧世代の神々の王であると同時にゼウスの父で、ゼウスたち新世代の神々と敵対していたので、土星は山羊座に試練を与えるとされ、山羊座は困難に立ち向かうことが多いともいわれています。

山羊座（やぎ座）の神話

山羊座は、ギリシャ神話に登場する牧神パンがモデルになっています。
牧神パンがなぜ山羊座になったのか詳しく解説していきましょう。

牧神パンとはどんな神様？

牧神パンとは、上半身が人間、下半身はヤギで、顔はヤギのように毛深く、ヤギの角と耳を持つ半人半獣の神様です。
パンは、伝令の神ヘルメスとギリシャ王の娘ドリュオペとの間に生まれましたが、その奇妙な姿から母親から置き去りにされてしまいます。
それを見つけた父親のヘルメスが息子を天界に連れ帰ると、神々はとても喜びました。
全ての神々を喜ばせたヘルメスの子は、「全て」という意味の「パン」という名前をヘルメスから授かり、羊飼いや羊を守る牧神となりました。

牧神となったパンは、葦の笛を吹いたり昼寝をしたりして過ごすのんきで明るい性格で、好きになった女性を追いかけまわす女好きでしたが、怒らせると呪いをかけたり叫び声で怖がらせたりする怖い一面も持っていました。

人間が物音を立ててパンの昼寝を邪魔した際、恐ろしい叫び声を上げたり石を投げたりして怒り狂い、羊が半狂乱になってしまうという神話があり、このエピソードが「パニック」の語源となったとも言われています。

牧神パンが山羊座（やぎ座）になった由来の神話とは

半人半獣の牧神パンが山羊座になったのは、次の神話が元になっています。

ある日、神々がエジプトのナイル川のほとりで宴会を開いていました。
牧神パンもその宴会に参加し、笛を演奏して神々を楽しませていました。
その時、突然恐ろしい怪物テュポンが現れて神々に襲い掛かります。
神々はそれぞれ魚や鳥などの動物に姿を変えて逃げましたが、笛を吹いていてテュポンに気づくのが遅れたパンは、慌てふためいて上半身はヤギに、川に浸かっていた下半身は魚に変身してしまいました。
パンの奇妙な姿を見たゼウスたちは面白がり、夜空の星座にしたのが山羊座だといわれています。

山羊座（やぎ座）生まれの人の特徴

占いの中で最もポピュラーな十二星座占いは西洋占星術を簡略化した占いで、誕生日に太陽が十二星座のどの星座宮に位置したかで、その人の性格や運命、相性などを占うものです。
この十二星座占いにおいて、山羊座生まれの人はどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、山羊座の人の性格や向いている職業、他の星座との相性などについて解説していきましょう。

何月生まれが山羊座（やぎ座）？

十二星座占いで山羊座になるのは、12月22日～1月19日に生まれた人です。
しかし、占いによっては12月23日～1月20日となる場合があります。
これは、年によって太陽が黄道（太陽の通り道）の上にある「黄道十二星座」それぞれの星座の位置に滞在している期間が1日ほどずれる場合があるからです。
そのため正しく占うには、12月22日生まれと1月20日生まれの人は、自分が生まれた年や時刻などを確認しておくとよいでしょう。
また、始まりの日の境目の日に生まれた人は、1つ前の星座の影響も受けているともいわれているので、両方の星座を確認することをおすすめします。

長所・短所

山羊座生まれの人の1番の長所は、真面目で忍耐強く、努力を惜しまないという面です。
そのため、目標を達成させて成功する人が多い傾向にあるとされています。
責任感が強く、冷静でありながら、強い情熱を持っているので、リーダーとしてチームを引っ張っていける能力を持っています。
山羊座の守護惑星が土星であることから、時間やスケジュールの管理が上手いのも長所の1つです。
また、静かで孤独に強いタイプの人が多いのも山羊座の特徴です。

一方で、山羊座生まれの人には、プライドが高く頑固、自分にも他人にも厳しく、保守的といった短所もあります。
予定外のことが起きるとパニックになって何もできなくなってしまうという短所があります。
また、人に甘えるのが下手なので、困っても自分で何とかしようと抱え込んでストレスを溜めやすい性格の人が多いともいわれています。

人間関係の傾向

山羊座生まれの人は、安心、安定の人間関係を好む傾向にあるとされています。
リーダーとして大勢の中でも上手くやっていけますが、じつは信頼できる少人数で深く付き合うことを大切にしています。
そのため、心を開くのに時間がかかりますが、一度心を開くと安心して本音を話すようになります。
また、上下関係に厳しく、礼儀やマナーも大切にするので、多くの人に信頼されています。

恋愛に関しては、とても不器用で控えめですが、好きになった相手を誠実に愛するという特徴があります。
情熱的な一面もあり、相手には自分と同等の愛情を注いでくれることを望みます。
結婚には安定を求めているので、金銭的にも精神的にも穏やかに生活を送れる人を求める傾向にあります。

相性の良い星座

十二星座占いでは、相性の良い星座と相性の悪い星座があるとされています。
ここでは、山羊座生まれの人とその他の星座の人との相性が良い順に紹介していきましょう。

向いている職業

真面目で責任感が強く、努力を惜しまない性格の山羊座生まれの人は、次のような職業が向いています。

• 経営に関する仕事/
  （ex.経営者、起業家、事業開発担当、管理職など）
• 数字に関する仕事/
  （ex.金融業、会計士、税理士、投資家など）
• 建設に関する仕事/
  （ex.建築家、建設管理者、土木エンジニアなど）
• 国や自治体に関する仕事/
  （ex.公務員、政治家、官僚、外交官など）
• 法律に関する仕事/
  （ex.弁護士、裁判官、パラリーガルなど）
• 医療に関する仕事/
  （ex.医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師など）
• 芸術に関する仕事/
  （ex.画家、イラストレーター、音楽家、作曲家、舞台美術家など）

一方、現実主義で人と話すのが苦手な山羊座生まれの人は、社交的な仕事の接客業や、架空の世界を表現する俳優やモデル、自由すぎるフリーランスなどは向いていないといわれています。

山羊座（やぎ座）の見つけ方

山羊座は秋の星座で、秋の始まりから冬の始まり（9月～11月頃）に見られます。
山羊座は形が分かりやすいのですが、光の弱い3等星以下の星ばかりなので、とても見つけにくい星座です。
そこでここでは、秋の夜空の中から山羊座を探すポイントを解説していきましょう。

見つけるポイント

山羊座を見つけるポイントは、夏の大三角形の1つであるわし座の1等星アルタイルとみなみのうお座の1等星フォーマルハウトを見つけることです。
天の川にあるアルタイルと、南の地平線近くにあるフォーマルハウトのちょうど真ん中辺りに、逆三角形の山羊座が見つかります。

山羊座を見つけるのにおすすめの時期と時間帯は、9月から11月にかけての午後8時から午後9時ごろ。
とくに8月下旬の午後10時ごろと、9月下旬の午後8時ごろには、南の空30度ほどの高さに昇るので見つけやすくておすすめです。

誕生日に山羊座（やぎ座）は見られる？

十二星座占いの山羊座は、12月22日～1月19日生まれの人の星座です。

山羊座は9月～11月に見られる秋の星座で、十二星座占いの山羊座の誕生日である12月～1月は昼間の空に上がるため、誕生日の夜に見ることは基本的にはできません。
しかし、日没後の1時間ほど西の空の低い位置に出るため、山羊座生まれの人が自分の誕生日に山羊座を見たい場合は、日没直後の西の空の地平線に近い所を探してみるとよいでしょう。

山羊座（やぎ座）のラッキーアイテム

最後に、真面目で忍耐強く情熱的な山羊座の運気が上昇するラッキーアイテムを紹介します。

慌てすぎて滑稽な姿になってしまった山羊座（やぎ座）

山羊座は、上半身がヤギで下半身が魚という変わった姿を現した秋の星座です。
生まれた時から半人半獣の姿で、変身に失敗してもなお神々から愛される牧神パンは、のんびりとした愛情深い神様でしたが、時に恐ろしい顔も見せます。
そんなパンが星座となった由来は、他の星座の神話に比べるとユニークでクスッと笑ってしまいますよね。
山羊座のエピソードを面白いと思った方は、ぜひ秋の夜空にある山羊座を探してみてください。

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