サウナの起源や発祥とは?フィンランドや日本におけるサウナの知られざる歴史を紹介します!

みなさんは、「サウナ」がお好きですか?
大好きで日常的にサウナに入っているという方、ごほうびとしてときどき入っているという方、まったく入ったことがないという方など、さまざまだと思います。

日本をはじめ、世界でも人気のサウナですが、その起源や発祥については意外と知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、このコラムでは、サウナの起源や歴史について迫ってみたいと思います!
日本でのサウナブームや世界のサウナの歴史・特徴もあわせてご紹介します。

サウナがお好きな方はもちろん、サウナの歴史について知りたい方なども、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。

サウナの歴史

まずは、サウナの歴史をひも解いていきましょう!
いつどこで誕生し、どのように世界に広まっていったのかについてご紹介します。

発祥・起源はフィンランド

発祥・起源はフィンランド

実は、サウナの起源は諸説あります。
「これ」といった1つの説は決まっていませんが、約2000年前にフィンランドで生まれたという説が有名です。

1年の半分以上が冬であり、厳しい寒さが続くフィンランドで、自然の窪地で暖を取るという方法が生まれました。そして、人々は家にもそうした暖を取れる設備を作るようになり、これがサウナの起源だと言われています。
一方、食べものを保管・スモークするための部屋が次第に沐浴する部屋へと変わり、それがサウナへと発展したという説もあります。

このように、サウナの起源についてはフィンランドのなかでもいくつかの説がありますが、いずれにしても厳しい寒さを乗り越えるための工夫、自然の恵みを生活に役立てるという「自然との共生」の考え方がサウナを生み出したと言えるのではないでしょうか。

フィンランドとサウナ

フィンランドの人々はサウナ文化を大切に受け継いできました。

古くは神聖な場所としても使われ、結婚式や出産の前に身体を清める場所、使者を清める場所としても捉えられていました。
また、フィンランドで古くから伝わる伝承によるとサウナ小屋には「サウナトントゥ」という妖精が住んでいるといわれています。人々を見守り、サウナの火・水を管理してくれるサウナトントゥに敬意を払うことも大切にされてきました。

フィンランドとサウナ

現代でもフィンランドの人々にとってサウナは日常生活に欠かせない存在。
約550万人の人口に対して、サウナはなんと300万個あるといわれているんです!また、家を建てる際にも、まずサウナの位置を決めて、それを中心にほかの部屋を考えて設計していくそうです。

フィンランドのサウナは、ストーブで熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」が特徴。
日本のサウナには必ずある水風呂は一般的ではなく、代わりに湖や雪にダイブしてクールダウン!
週に1度はサウナに入るという人が多く、来客時には食事だけでなく一緒にサウナに誘うこともあるそうですよ。

このようにフィンランドの人々にとって、サウナは生活や文化の中心であり、コミュニケーションの手段でもあるんです。

オリンピックから世界へ

オリンピックから世界へ

サウナが世界へ広まったのは、1956年のメルボルンオリンピックがきっかけでした。
フィンランドの選手団がサウナを持ち込み、それを見た他国の選手たちがそれぞれ自分たちの国へサウナ文化を持ち帰り広めました。

日本のサウナの歴史

サウナの発祥や歴史がわかったところで、ここからは日本のサウナの歴史をひも解いていきましょう!

日本初のサウナ

日本で初めて国産のサウナができたのは、1957年、銀座・東京温泉でした。
社長であり、射撃の日本代表選手でもあった許斐 氏利(このみ うじとし)さんが、1956年のメルボルンオリンピックでサウナを見たことがきっかけでした。

1960年代:第一次サウナブーム

東京温泉のサウナは、できてすぐに注目されたわけではありませんでした。

日本でサウナが大きく注目されるようになったのは、1964年の東京オリンピックのときでした。
選手村や競技会場の近くに設置されたフィンランド式サウナが新聞などに取り上げられ、話題に。

当時は、高度経済成長期でもあり経済的に活気づいていた時代。
男性を中心にサウナブームが訪れ、「サウナ=おじさんが行くところ」というイメージがつくようになりました。

1990年代:第二次サウナブーム

1990年代になると、健康センターやスーパー銭湯ブームが到来し、中高年の男性だけでなく、女性や幅広い年代の人がサウナを利用するようになりました。
サウナは、ダイエットや健康に効果があるとして人々の間で流行したのです。

現在の温泉施設にはマッサージやお食事処、休憩スペースがありますが、これらはこのころから取り入れられたと言われています。

2000年代~現在:第三次サウナブーム

2000年代から現在にかけて、第三次サウナブームと呼ばれる流行が到来しています。

サウナの体験談をユーモアたっぷりに描いた漫画「サ道」が2019年・2021年にドラマ化。
サウナ後の多幸感を表す言葉「ととのう」という言葉の誕生により、サウナがより親しみやすく、日常生活の一部として取り入れやすい存在になりました。

サウナについての健康効果や、より効果的な入り方などが明確に説明されるようになり、可視化されたこともサウナブームを大きくした理由と言われています。

世界のサウナ

日本のサウナの歴史がわかったところで、ここからは世界のいろいろな国のサウナの特徴や歴史などご紹介します。

古代ローマ

古代ローマには、「テルマエ」と呼ばれる公衆浴場がありました。
大浴場、運動施設、図書館などとともに、サウナもあったといわれています。
当時のサウナも現代と同じように、高温の部屋で発汗を促す役割をしていました。カルダリウムと呼ばれる高温浴室や、より乾燥した高温のラコニクムという部屋が、現代のサウナに近いものでした。

人々は1日のうち数時間をテルマエで過ごしていたといわれ、テルマエは単なる浴場ではなく、大切なコミュニケーションの場でもあったのです。

ドイツ

ドイツには、「アウフグース」と呼ばれるドイツ発祥のサウナ文化があります。
アウフグースとは、ロウリュによって発生した蒸気を、施設のスタッフがタオルなどであおいで入浴者に熱風を送るサービスのことです。
また、蒸気をあおぐ人のことを「アウフギーサー(熱波師)」と呼びます。

アウフグースは、音楽などを組み合わせたものにも発展しており、近年ではそのパフォーマンスを競い合う「ショーアウフグース」という文化も生まれています。

ロシア

ロシア

ロシアのサウナは「バーニャ」と呼ばれますが、大きな特徴が白樺の枝を束ねた「ヴィヒタ」というもので身体を叩くこと。
水に浸したヴィヒタで身体を叩くことで、血行促進、発汗、肌の保湿などの効果が期待できます。

なお、バーニャの歴史は古く、中世の10世紀ごろから人々の間で親しまれていたと言われています。

トルコ

古代ローマのテルマエを継承したトルコのサウナが、13世紀ごろに発展したといわれる「ハマム」です。
ハマムは蒸気100%、温度が50度に近い空間。
日本のサウナと比べて湿度が高く温度が低い蒸し風呂で、体を芯から温めます。温められた石の上に横になって身体を温めるスタイルです。

ハマムはテルマエと同様に、市民の社交の場でもありました。
運動、食事、商売、ときには結婚式も行われるなど、いろいろな目的で使われ、大切な文化の一部になっていたのです。

韓国

日本のお隣、韓国でもサウナ文化が発展しています。
約600年前に生まれた伝統的な「汗蒸幕(ハンジュンマク)」は、薬石と黄土で造った大きなドームのなかに入り、松の木を燃やし蒸されるスタイルです。平均温度が90~100度と高く、なかには150度の高温に達するものもあります。

また、「チムジルバン」という伝統的な銭湯も有名です。
スーパー銭湯や健康ランドに近く、50~90度の低温サウナがメインとなっています。トレーニングルームや食堂、売店などもあり、1日ゆっくりと楽しむことができます。

本格的なサウナが気軽に楽しめる施設をご紹介

ここまで、世界のさまざまなサウナをご紹介していきました。
現地で体験したいけれど、なかなか簡単に海外に行けない、という方も多いのではないでしょうか。でもご安心を。
ここでは、日本で気軽に本格的なサウナが楽しめる素敵な施設をご紹介します。

千葉県富津市/SATOYAMA TERRACE

昔ながらの里山の風景が残る千葉県富津市にある「SATOYAMA TERRACE」は、「水と風を、味わう。」をコンセプトとしたグランピング・サウナ施設です。

野草や薪の香り、暖炉の火など、山の中での暮らしのような五感を刺激する山サウナ、中に滝が流れ、水脈との一体感が深まる幻想的な滝サウナといった、こだわりのサウナ空間と、水源豊かな富津の湧き水を使用した冷水浴、心地良く抜ける風を感じながらの外気浴で、人と自然が共に息づく本格アウトドアサウナ体験ができるのが魅力です。

愛犬と泊まれるお部屋をはじめ、リラックスできる宿泊施設が整っています。

SATOYAMA TERRACE (左:滝サウナ 右:山サウナ)

横浜中華街/HARE-TABI SAUNA&INN

HARE-TABI SAUNA&INNは、神奈川県横浜市にあるサウナ施設です。
男性サウナには、近代産業発祥の地・横浜の象徴である蒸気機関のような水車型サウナストーブを日本で初めて本格導入。
女性サウナには、汽船の煙突のようなサウナストーブがありますよ。また、中国茶のセルフロウリュが楽しめるのもうれしいポイント。

豪華な寝台列車をイメージしたデザインの個室もあり、ゆったりとした宿泊ができます。

横浜中華街/HARE-TABI SAUNA&INN (左:男性サウナ 右:女性サウナ)

起源と歴史を知って、サウナをもっと楽しもう

現在、日本全国で空前のブームとなっているサウナですが、意外とその起源や歴史については詳しく知らなかった、という方も多かったのではないでしょうか。
フィンランドの厳しい寒さを乗り越えるための人々の知恵や工夫、自然との共生など、サウナ文化からは素敵な生活のヒントが得られるような気がしませんか?

発祥や歴史、世界のサウナ文化を知ることで、もっとサウナが楽しめるはず。
このコラムが、みなさんがさらにサウナに親しむきっかけになればうれしいです。


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