日本や世界のスパイスの種類・使い方を紹介!旅で出会った各地域のスパイスの効能や料理も解説!

世界中には数多くの種類のスパイスが存在します。いろいろな国を旅すると、その地域独特のスパイスとの付き合い方をしていることがわかります。
スパイスは風味や香りで料理を美味しくするだけじゃなく、多彩な効能で食べる人の健康や生活に影響していることをご存じですか?

スパイスと上手に付き合うことは、豊かな生活を送る力強い味方!
スパイスにはどんな種類があるのか見ていきましょう。世界中を旅した経験を踏まえて、世界中のスパイスの便利な使い方も併せてご紹介します♪

スパイスとは?スパイスの基礎知識

スパイスとは、植物の種子や根、樹皮、果実、実、花などの部分を乾燥させて利用し、料理に香りや辛味、色味、風味を加えるために使われる食品素材のこと。日本語だと「香辛料」を指します。世界にどのくらいスパイスの種類が存在するのかというと、定義が曖昧ではありますが、その数全世界で100~150種類に及ぶといわれています。中には日本固有のスパイスも含まれています。それについては後ほど解説しますね!

スパイスが料理に与える影響

使いやすく加工されたスパイスは、料理にさまざまな効果をプラスします。
辛みを足したり肉や魚の臭みを消したりして、料理の魅力を一段と高めてくれます。
また、スパイスに含まれている成分の効能として、食べた人の健康にプラスに作用することもあります。ですが、食べ過ぎると体調が悪くなる場合がありますので注意が必要です。

スパイスとハーブの違いは?

スパイスは植物から作られますが、どの部位を使うかによって「ハーブ」と「スパイス」で呼び分けていることをご存じでしたか?
一般的に、下記のような基準でスパイスかハーブかを分類しているようです。

ハーブ 植物の茎・葉・花を使ったもの
スパイス それ以外の部位を使ったもの

ただし、国や地域によってスパイスの定義が違うことや、基本的な使われ方は同じなので、そこまで厳格に区別する必要はないみたいですね。

スパイス文化の発祥は?スパイスの歴史に迫る

人類とスパイスとの関わりは、数千年にわたる長い歴史があります。

紀元前3000年ごろのインドではすでにターメリックやショウガなどが料理や薬に用いられていました。古代エジプトやメソポタミアでも使用されており、人類の歴史とともに発展してきたのです。中世ヨーロッパではスパイスは金と同じほどの価値があり、大航海時代には交易の中心となり、国同士の争いの火種にもなっていたのだとか。それだけの価値があり王侯貴族の間で珍重されていたことがやがて大量生産と流通の拡大により庶民にも普及し、世界各地で独自のスパイス文化が花開いていきました。

スパイスの種類一覧 ― 部位別 ―

スパイスは植物を加工して作られますが、どの部位を使用するかによって個性が大きく異なる面白さもあるんですよ♪
部位ごとにどんなスパイスがあるのか、それぞれ代表的なものをピックアップして紹介します。

「種子系」のスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
コリアンダー コリアンダー
  • 柑橘系の香りと辛みを持つ
  • クセが少ない
  • 植物の葉は「パクチー」
  • ソーセージ
  • カレー
  • シチュー
クミン クミン
  • 歴史の古いスパイス
  • カレーに欠かせない
  • エスニック料理にも多用
  • カレー
  • ミートローフ
  • クミンライス

「根・茎系」のスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
ターメリック ターメリック
  • 「ウコン」とも呼ぶ
  • 土の香りとほろ苦い風味
  • 料理を黄色く着色する
  • カレー
  • ターメリックライス
  • デンバー漬け
ジンジャー ジンジャー
  • 日本では「しょうが(生姜)」で親しまれる
  • 西欧では乾燥して使われることが多い
  • 加熱前後で効能が変わる成分を含む
  • 生姜焼き
  • ジンジャーエール
  • ジンジャーブレッドマン

「樹皮系」のスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
シナモン シナモン
  • ほのかな甘い香りと辛み
  • 代表的なものは「セイロン種」と「カシア種」
  • 粉末と砂糖を混ぜたものが「シナモンシュガー」
  • アップルパイ
  • シナモンティー
  • シナモントースト
シナニッケイ(ニッキ) シナニッケイ(ニッキ)
  • アメリカやイギリスで流通するシナモンの大半はコレ
  • セイロン種より粉砕が難しく、粗いものが多い
  • カレーに適した品種
  • カレー
  • 菓子類
  • 肉の香り付け

「花・つぼみ系」のスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
サフラン サフラン
  • 上品な香りを持つ
  • 料理を黄色に着色
  • 高価なものが多い
  • パエリヤ
  • リゾット
  • ブイヤベース
クローブ クローブ
  • 開花直前のつぼみを乾燥させてスパイスに使用
  • バニラに似た香りを持ちながら刺激的なさわやかさを持つ
  • 強い香りは肉の臭み消しに
  • ハンバーグ
  • ポトフ
  • 焼きリンゴ

「果実系」のスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
唐辛子 唐辛子
  • 熱さを感じる辛みと香りが特徴
  • 交配で変種ができやすいことで多品種
  • フランス料理ではあまり使われない
  • 辛い調味料やソース
  • 各種炒め料理の辛み付け
  • 辣子鶏(ラーズージー)
オールスパイス オールスパイス
  • 名前に反して単一の植物
  • ナツメグ、シナモン、クローブの香りを持つ
  • それらと併用することで各スパイスの癖を弱められる
  • 肉料理
  • ニシンの酢漬け
  • サラダドレッシング

「樹脂・樹液系」のスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
アサフェティダ アサフェティダ
  • インドでは「ヒング」、和名を「阿魏(あぎ)」
  • ニンニクやドリアンに似た強烈な臭いを放つ
  • 油で加熱すると臭いが消え、タマネギのような風味に
  • 豆のカレーやスープ
  • 野菜炒め
  • ウスターソース

スパイスの種類一覧 ─ 日本のスパイス ─

スパイスと聞くと海外をイメージするかもしれませんが、日本で馴染み深いスパイスもたくさんあります。さっそくみていきましょう。

山椒

うなぎの蒲焼に使うことで知られていますが、照り焼きや味噌煮みたいに濃い味付けの料理にアクセント付けとして幅広く使えます。
栄養豊富で発汗作用や冷え性対策などの効能もありますが、食べ過ぎるとお腹を壊す可能性が高いので注意してください!

わさび

特徴的な辛みと香りがあって、寿司や刺身以外にも素麵などの薬味や、脂が多めの肉料理にも合います。
食べ過ぎると舌や胃腸を刺激して症状が長引くこともあります。そもそも品種によっては辛すぎて食べすぎた場合には悶絶しちゃうと思いますが…

からし

海外では「マスタード」と呼ばれますが、和からしは西洋の品種と比べて辛みが際立っています。
おでんや納豆など幅広い日本食で使われていますが、わさび同様に食べ過ぎは胃腸や舌を刺激するので適量を守ってくださいね。

しょうが

海外でも「ジンジャー」と呼ばれて多用され、日本ではすりおろしや輪切り・細切りにして使うことも多いですね。
季節や料理に合わせて加熱の有無を使い分けることができる万能スパイスですが、胃腸が弱っている時に食べると胸やけや下痢のリスクがあるので注意してください!

にんにく

粉末に加工してスパイスとして使えますが、そのままや輪切りの形で調理しても美味しいです♪少し食べただけで口臭が気になりますし、食べ過ぎると強い殺菌作用で腸内の善玉菌がやられて腸内環境が悪くなるので注意しましょう!

ねぎ・青じそ(大葉)

スパイスとはちょっとイメージが離れちゃいますが、日本食で欠かせない薬味の定番です。
夏場の料理に清涼感をもたらしますが、食べ過ぎは頭痛や吐き気の原因になるのでほどほどに!

柚子(皮・果汁)

果汁だけでなく皮もスパイスとして使えて、柑橘の酸味とさわやかさを料理にプラスします。サプリでビタミンCを多めに摂取している状態で柚子を食べ過ぎると、胃腸症状やかゆみなどのリスクが高まるので注意してください!

七味唐辛子

赤唐辛子をベースに山椒・陳皮(乾燥させたみかんの皮)・ごまなどを合わせたスパイスです。使っている素材それぞれの栄養を手軽に摂取できて、用途も広く使いやすいですが、唐辛子が多いので食べ過ぎるとお腹を壊したり味覚障害が出たりする可能性も。

スパイスの種類一覧 ― 用途・香り別 ―

スパイスは、料理を美味しくするだけではありません!
種類ごとにさまざまな個性があるので、効果別にいくつか紹介します。

「香りづけ」に適したスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
カルダモン カルダモン
  • 清涼感
  • 柑橘類のような甘い香り
  • 食後や飲酒後の口臭対策
  • 中近東ではコーヒーの香りづけに使い、来客をもてなす
フェンネル フェンネル
  • ほのかな甘い香り
  • 魚料理などの香りづけには葉を使用
  • 茎や種もそれぞれ異なる使い方が可能

「色づけ」に適したスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
サフラン サフラン
  • 黄色
  • ハチミツや花の香りを思わせる上品な芳香
  • その香りの上品さは化粧品に使用されるほど
パプリカパウダー パプリカパウダー
  • 一般に野菜として流通するパプリカとは別品種
  • 熱に対しても色味が安定しやすい
  • 甘酸っぱい香りを持つ

「防腐」に適したスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
オールスパイス オールスパイス
  • オイゲノール(抗菌作用)
  • 肉料理だけでなく甘いものにも合う万能調味料
  • 抗炎症作用や消化促進作用が期待できる
オレガノ オレガノ
  • チモール・カルバクロール(抗菌作用)
  • 香りが強いので多用に注意
  • トマトやチーズとの相性が良いのでイタリア料理全般に活用できる

「防臭」に適したスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
ローレル ローレル
  • シネオール・ゲラニオール(精油成分)
  • 風味が強いが、より香りを出したい場合は葉を折る
  • 煮込みすぎると苦みが出るので完成時に取り出す
セージ セージ
  • ツヨン・シネオール・ボルネオール・カンファー(精油成分)
  • 香りが強いので煮込んだ後に取り出すのが良い
  • ソーセージや豆料理、ドレッシングのアクセントにもおすすめ

「薬効」に適したスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
ターメリック ターメリック
  • 肝機能のサポート
  • 消化促進
  • 抗菌作用
  • 抗酸化作用
  • サフラン同様に黄色く着色でき、サフランより安価
  • ラテなどの飲み物に混ぜた健康志向のドリンクも人気
唐辛子 唐辛子
  • 食欲増進
  • 消化促進
  • 代謝アップ
  • 抗酸化作用
  • 塗布剤「トウガラシチンキ」は腰痛や筋肉痛に効果を発揮
  • 辛み成分の強い近縁種は少量でも刺激が強い

「辛味」に適したスパイス

一般名 画像 特徴 使用例
マスタード マスタード
  • 西洋のからしは和からしと比較して辛みが弱く香りが強い
  • ペッパー類と違って原材料自体に辛みは無い
  • 地域ごとに特徴的なマスタードが作られている
ブラックペッパー ブラックペッパー
  • ピリッとした刺激的な辛さ
  • ホワイトペッパーの方が刺激が少ない
  • 多くの場合は粉砕した状態で使う
  • ホールの状態で肉の煮込み料理やピクルスのつけ汁などにも使える

スパイスの種類一覧 ― 料理の種類別 ―

スパイスは「肉料理を作るならコレ!」みたいに、どんな食材・料理に合わせやすいのか知っておくのも重要です!

料理の種類 おすすめスパイス メリット
牛肉料理に合うスパイス
  • クミン
  • ターメリック
  • ナツメグ
臭み消しや風味付け
  • ブラックペッパー
  • コリアンダー
  • ジンジャー
食欲や消化の促進
豚肉料理に合うスパイス
  • 八角
  • クローブ
  • マスタード
臭み消しや風味付け
  • ジンジャー
  • ブラックペッパー
食欲や消化の促進
鶏肉料理に合うスパイス
  • ローレル
  • バジル
香りづけ
  • わさび
  • マスタード
風味と辛みのアクセント
魚料理に合うスパイス
  • タイム
  • フェンネル
  • バジル
白身魚の臭み消し
  • ジンジャー
  • ガーリック
  • ディル
赤身魚や青魚など癖の強い魚の臭み消し
貝類・甲殻類料理に合うスパイス
  • ガーリック
  • タイム
西洋料理向け
  • ジンジャー
  • チリーペッパー
中華料理向け
卵料理に合うスパイス
  • ホワイトペッパー
  • ブラックペッパー
辛みで味を引き締める
  • バジル
  • オレガノ
トマトを使った卵料理に合う
乳製品・チーズ料理に合うスパイス
  • ナツメグ
  • ローレル
  • ブーケガルニ
シチューなど煮込み料理に合う
  • ブラックペッパー
  • キャラウェイ
チーズ全般に合う
スイーツ・お菓子系に合うスパイス
  • シナモン
  • ジンジャー
甘さと合うのでお菓子づくりで活躍
  • クローブ
バニラの香りを強化

スパイスの種類 ― 世界の地域の料理別 ―

スパイスは各地域ごとに異なる使われ方をしていることが多いです。
それぞれの国でどんな使い方をしているのか、代表的なものを紹介します。

スパイスと言えば!カレー料理

スパイスと言えば!カレー料理

「スパイスを使った料理」と言えば、やっぱり「カレー」を思い浮かべる人は多いですよね!カレーを作る際に市販のカレールーを使うのは手軽ではありますが、本格的なカレーを作りたいなら複数のスパイスを用意してみましょう!
基本はクミン・コリアンダー・ターメリックの3種類が必要で、さらにカルダモン・チリペッパー・オールスパイスがあると本格さが増しますよ♪スパイスの特徴に慣れてきたら、市販のルーやレトルトカレーに好きなスパイスをちょい足しすると簡単に美味しさアップします!自分好みの調合を見つけるのも楽しいですね♪

インド料理

インド料理

カレー以外にもインド料理にはスパイスを使った美味しい料理が多いです。
インドやスリランカの伝統的な医学アーユルヴェーダでは、古くからスパイスを薬として活用してきた歴史があります。インドは宗教の理由から菜食主義の食生活になっていて、スパイスを使った料理は食生活をバラエティーを豊かにするためにも重要な存在だったのです。
インドの炊き込みご飯のビリヤニにはガラムマサラを、インド式ミルクティーのチャイにはシナモン・カルダモン・クローブなど好みのスパイスを入れて楽しんでいます。

タイ料理

タイ料理

ナンプラーやパクチーが有名なタイ料理ですが、温暖で湿度の高い気候と、周辺国からの食文化の流入で、意外とスパイスを使った料理も多いです!タイ料理で馴染み深いスパイスとしては、トムヤムクンに使うレモングラスやバイマックル(コブミカンの葉)が挙げられます。
タイは南北に広い国土で、地域ごとにどの国から食文化や食材が流入するか大きく異なるので、料理や使用するスパイスの特徴も多彩なんですよ♪

ベトナム料理

ベトナム料理

ベトナムの食文化は、中国やフランスの支配で米食とパン食が根付き、ベトナム戦争の経験から効率よく栄養を摂取する健康的なメニューも多く見られます。ベトナム料理にはハーブの存在が欠かせず、ヌクマムやチリソースなどの調味料が有名で、中部地域だとスパイスで辛く調理した料理も多いですね。
北部はあっさりした料理が多い印象ですが、南部は暑さ対策のためかスパイスと砂糖を活用した甘い味付けの料理を楽しめます♪

中華料理

中華料理

麻婆豆腐のように辛い料理が多いイメージの中華料理ですが、八角や陳皮、シナモンなどのスパイスも多用します。
八角・シナモン・クローブなどがミックスされた五香粉(ウーシャンフェン)は、中国の家庭でもよく使われるスパイスの1つで、料理に独特の深みを与えてくれます。
中華料理は辛いイメージが強いですが、辛さを唐辛子や山椒などのスパイスで調節して、香りや味の深みを他のスパイスで組み合わせることで、複雑な味を演出できますよ♪

イタリアン・地中海料理

イタリアン・地中海料理

イタリアは貿易でコショウを北方に流通させていたので、古くからのイタリア料理にコショウをつかったものはあまりみられないようです。
パセリやバジルなどのハーブ類を愛用してきた食文化で、バジルを使ったピザやジェノベーゼも有名ですね。これらにオレガノやタイムを混ぜたミックス調味料があれば、手軽にイタリアンのクオリティーを上げられますよ♪

中南米料理

中南米料理

メキシコ料理ではさまざまなスパイスが使われていて、タコスやサルサなどが日本でも有名ですね。ペルー料理は肉や魚など多彩なメニューが揃っていて、焼き肉の臭み消しや魚料理の風味づけに合わせて豊富なスパイスを使い分けています。
ブラジル料理はバーベキューのシュラスコや、肉と豆と野菜を煮込んだフェジョアーダが有名で、肉の臭み消しや風味付けに香りのよいスパイスが重宝されています。

中東料理

中東料理

中東料理はスパイスをたくさん使うのが特徴ですが、インドや中国ほど辛い料理は多くありません。むしろヨーグルトやレモンを使って酸味を引き出した料理が多いので、スパイスの豊かな風味とさわやかな酸味を楽しめる料理が多い印象ですね。

乾燥させて細かくしたタイム・オレガノ・マジョラムなどに塩と焼いたごまなどをミックスしたザアタルというスパイスが現地で有名です。

アフリカ料理

アフリカ料理

アフリカ旅行で思ったのは、広い大陸に多くの国や部族が存在するので、食文化も多種多様だということ!歴史の中で様々な国の影響を受けてきたことや、広い大陸それぞれの地域ごとに採れる作物の傾向も異なるので、国や地域ごとに使用する食材やスパイスも大きく異なります。

アフリカ発祥として唐辛子などのスパイスを使ったハリッサが有名です。

世界で最も複雑多様と言われるミックススパイスのラス・エル・ハヌートは、何十種類ものスパイスが配合されています。

海外輸入品を多く取り扱ったお店などに売っているので、ぜひ試してみてくださいね♪

効能別スパイスの種類 ― 健康・精神・美容・効能別 ―

スパイスは含まれる成分や食べた時の風味の影響で、私たちの体や心にさまざまな影響を与えます。それぞれの効能について解説していきます。
日々頑張っている自分を労わる時間として、取り入れてみてはいかがでしょうか。

「消化促進・胃腸の調整」に適したスパイス

ターメリックやコリアンダーのように、カレーに使うスパイスの多くに消化促進や胃腸を整える効能があります。料理に加えるだけではなく、ホットジンジャーのように飲み物にスパイスを混ぜて飲むのもおすすめ♪

「冷え性・代謝アップ・ダイエット」に適したスパイス

唐辛子やペッパー類、シナモンは体をポカポカにして冷え性対策だけではなく、代謝アップでダイエットにも効果的!
つい食べ過ぎてしまうこともありますが、胃腸を刺激するものが多いので注意してくださいね。

「抗酸化作用・アンチエイジング」に適したスパイス

ターメリックやシナモン、クローブには抗酸化作用の成分があるので、アンチエイジングで美容や健康に役立ちます!
一度に食べる量の少ないスパイスだけでは弱いので、野菜・果物・ナッツ類のように抗酸化作用の強い食材と上手に組み合わせましょう。

「風邪・抗炎症・免疫力アップ」に適したスパイス

ターメリックやコリアンダー、唐辛子やガーリックには体の免疫力を高める効能が期待できます!唐辛子のように体を温める効能があるスパイスも多いので、風邪をひきやすい寒い時期には積極的に摂取したいですね。

「リラックス・疲労回復・ストレス緩和」に適したスパイス

ストレスが溜まっている時は、ジンジャーエールやカルダモン・ナツメグ入りのチャイなどのドリンクがおすすめ♪
仕事やスポーツで体も疲れている時は、疲労回復効果のあるビタミンBやタンパク質を含んだ豚肉などの食材に、食欲増進作用のあるスパイスを組み合わせれば無理なく食べられます。

「血糖値・コレステロール対策」に適したスパイス

シナモン・しょうがには血糖値改善効果が、クミンにはコレステロール改善効果が期待できます。歴史的に薬の一種として使われてきたスパイスですが、もし血糖値やコレステロールで健康を害している場合は、スパイスの力に頼り過ぎず病院で診てもらってくださいね。

「不眠・自律神経の乱れ」に適したスパイス

カルダモン・クローブ・シナモンには自律神経の乱れを改善し、自律神経の乱れによる不眠改善にも効果が期待できますこれらが配合されている市販のガラムマサラやカレー粉なら、手軽に複数の効能を活用できますね♪

「やる気」を出したい時に適したスパイス

ここぞという時にやる気を出したいなら、スパイスたっぷりのカレーがおすすめ!
クミンの香りとガーリックの強壮効果、各種スパイスの食欲増進・消化促進作用でガッツリ食べてエネルギーを補給しましょう。

記憶力や集中力アップに適したスパイス

夜遅くまでの仕事や勉強には、集中力を高めるシナモンやカルダモンがおすすめ!
シナモントーストやカルダモン入りドリンクなど、軽めの夜食にこれらのスパイスを使うのも良いですね。

スパイスの種類 ― 季節別おすすめ ―

スパイスの効能は季節との相性もあるので、それぞれの季節で効果的なスパイスの使い方を紹介します。

スパイスの種類

春におすすめのスパイス

春は暖かくなる季節の変わり目、新生活や連休の存在など何かと心身の不調が出やすい季節……。免疫や心の不調改善に効果的なターメリックやコリアンダー、カルダモンやナツメグを上手に食生活に取り入れたいですね。
環境の変化でストレスが多くなりやすい季節なので、前述した不眠・自律神経の乱れに適したスパイスのカルダモン・クローブ・シナモンなどが入ったチャイをリラックスタイムに飲むのも、心からほっと落ち着くことができるはず♪
また、効果に個人差があるとは思いますが、ターメリックやシナモン、ジンジャーは花粉症の症状や体調不良を緩和してくれるのだとか。

夏におすすめのスパイス

暑さが本格的になって、バテてしまう人も多い季節……。
食欲増進や消化促進効果で夏バテに負けずしっかり食べられる、スパイスたっぷりのカレーや中華料理がおすすめです。特に唐辛子、クミン、コリアンダー、ターメリック、カルダモン、クローブ、ナツメグがおすすめ。
また、日本のスパイスの生姜は寒い時期に効果的だと思われがちですが、発汗作用がありますので夏バテ解消に効果的です。暑くて食欲が落ちた際には、食欲を増進してくれるわさびを食事に添えるのも良いですよ。

秋におすすめのスパイス

食欲の秋というだけあって、焼き芋みたいにこっくり甘い食べ物が美味しい季節……。
シナモンやクミンを活用して血糖値やコレステロールが上がり過ぎないようにしたいですね。旬の食材をおいしくいただく観点でいうと、りんごにシナモンとバターを詰めた焼きリンゴに、ナッツも入れて、季節の味覚としても味わいたいですね♪

冬におすすめのスパイス

地域にもよりますが、やっぱり冬は寒さで体が凍えてしまう……。
体を温める効能があるジンジャーやシナモン入りのドリンクなら、食事以外のタイミングでもスパイスでポカポカ♪
ドイツを旅行した時には、スパイス入りのホットビールが美味しかったです。

摂取に注意が必要なスパイスの種類

最後に、摂取する際、特に注意が必要なスパイスの情報を載せておきます。いろいろな魅力があるスパイスですが、大量に摂取すれば体を壊してしまうリスクもあります! 摂取量の目安を説明しますので、好きなスパイスがあれば食べ過ぎに注意してください。

一般名 画像 目安 食べ過ぎた際のリスク
ナツメグ 5gで危険10gで致死量
  • 動悸
  • 顔面紅潮
  • 吐き気
  • 幻覚や不安感などの精神障害
シナモン シナモン 3g
  • 肝機能障害
フェヌグリーク フェヌグリーク 600mg
  • 下痢
  • 胃の不快感
  • 腹部膨満感
  • 鼻づまりや咳、喘息などの気管支症状
  • 顔の腫れ
  • 低血糖症状
スターアニス(八角) スターアニス(八角) 入れ過ぎは料理が美味しくなくなるリスク大
  • 胃腸症状
唐辛子 唐辛子 体重1kgに対して5mg(カプサイシン)
  • 胃炎などの胃腸症状
  • 吐き気や嘔吐
  • 下痢
  • 高血圧
ブラックペッパー ブラックペッパー 塩コショウの場合は塩分濃度に注意
  • 下痢
  • 腹痛
  • 気管支症状
  • 味覚障害
サフラン サフラン 5g以上で危険10g~20g以上で致死量
  • 吐き気や嘔吐
  • 下痢
  • 頭痛
  • めまい
  • 低血圧

スパイスを上手に活用して、より豊かな生活を実現しよう!

スパイスは料理を美味しくするイメージが強いですが、優れた効能があることで健康的で充実した生活を送るための心強い味方になることがわかりましたね。
使い方を間違えれば料理が変な味になったり、逆に健康を損なう副作用が出ることもありますが、正しい使い方を知っていれば大丈夫!ぜひレシピを調べて取り入れてみてくださいね♪

世界にはあなたが知らないスパイスも数多くありますから、今まで使ったことのないスパイスにも挑戦してみて、より豊かな食生活を目指してみてください♪


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