人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
日本には数多くの妖怪伝説がありますが、動物をモチーフとしているものも見られます。中でも犬の妖怪はメジャーなので、本記事で詳しく解説します。
妖怪として語られる怖い伝説だけでなく、神様やその眷属として祀られることもあり、ただ恐ろしいものというだけではありません。世界各地にも伝説上の生き物や神様として犬が登場することはあるので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
「妖怪」とは人知を超えた現象を起こす怪物のことで、「物の怪(もののけ)」などと呼ばれることがあります。日本では古来よりあらゆる物に精霊が宿っていると信じられてきました。
怪奇現象や不思議な現象など、理屈で説明できないものを妖怪に例えることで説明をつけようとしていたのかもしれません。妖怪にはさまざまなモチーフがあり、動物がモデルになっているものも多数あります。
今回は犬がモチーフになった妖怪や伝説をピックアップするので、知っているものがいるかをぜひ確認してくださいね。
犬の妖怪の中でも、特にメジャーな以下の5つを紹介します。
それぞれの妖怪についての特徴について解説します。全体的には、人に災いなどをもたらすものが多いのが特徴です。
犬神とは、西日本を中心に伝わる犬の姿をした妖怪の一種です。手順を踏んで人為的に作られ、人に憑りつくなどして病気や災いをもたらす呪いとして信じられていました。憑かれた人は精神に異常をきたしたり、犬の行動を真似たりといった行動が見られるのが特徴です。
また、日本に伝わる憑き物(つきもの)の一つでもあります。犬神を祀る家系が人を祟るために使役するともいわれるなど、さまざまな逸話があります。
特に四国地方や九州地方に根強く信仰が残り、犬神に憑かれた「犬神憑き」は精神疾患や奇病の原因とされました。徳島県三好市にある賢見神社は、この犬神憑きを祓う神社として全国的に知られています。
送り犬は夜の山道を行く人の後をつけてくる妖怪で、転んでしまうと食い殺されるといわれています。しかし、転んだ際に「どっこいしょ」などと座ったように見せかけたり、休憩のふりをしたりすれば襲ってこないともされます。
ほかにも、無事に山道を抜けた後「ありがとう」と声をかけたり、家に着いたらまず足を洗って帰路の無事を感謝して捧げものをしたりすると、その後追ってこなくなるとも言われています。
山伏狼は、山伏に関する逸話に登場する犬や狼の妖怪のことです。諸説ありますが、山伏が山中で狼に襲われその中の「五郎太夫婆」という大狼を切りつけると、翌朝隣村の「五郎太婆」が包帯をして寝ていたといった逸話です。
狼が人に化けたり憑いたりして襲ってくるなどの話としてだけでなく、狼や犬が単なる獣ではなく、神秘的な力を持つ存在として捉えられていたことがうかがえます。
人面犬は人間の顔を持つ犬の妖怪のことです。古くは江戸時代、ある牝犬が生んだ犬が人に似ていることから見世物となり、人気を博したという伝承があります。当時梅毒患者は牝犬と交わると病気が治るという迷信があり、その結果人面犬の伝承が生まれたとされています。
また、1989年から1990年代初頭にかけて日本で流行した都市伝説で、テレビ番組や雑誌などで頻繁に取り上げられていました。多くの場合、迷惑なだけで危険は少ない妖怪ですが、口汚く罵ってくるなど迷惑な存在として語られるコミカルな妖怪です。
羽犬は、福岡県筑後市で語り伝えられている伝説上の犬の妖怪です。当時島津征伐のために九州を訪れていた羽柴秀吉が、悪さをする羽のある犬を討って亡骸を葬ったという説があります。
ほかにも、秀吉の飼っていた子犬が、羽が生えたように飛び回る元気な犬で、亡くなって気落ちしていた秀吉のために家臣たちが「羽犬塚」という塚に手厚く葬ったという説もあります。
犬神憑きとは、主に西日本に伝わる犬の霊が人間に憑依して災いをもたらすことを指します。当時原因不明だった精神疾患や奇病の原因とされ、かつては深刻な問題として認識されていました。
犬神憑きを「落とす」ことで知られるのが、徳島県三好市にある「賢見神社(けんみじんじゃ)」です。仁賢天皇の御鎮守と伝えられており、御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)と応神天皇です。
精神病や物の怪憑き、五穀豊穣、海上安全の守り神として信仰されています。険しい山間にある神社ですが、年間2万人ほどの人が訪れる人気の神社でもあり、7割以上の方がご祈祷を依頼されるようです。
徳島県三好市は自然豊かな土地で、「祖谷のかずら橋」など観光資源も豊富なので、ぜひ合わせて訪れてみてくださいね。
犬神と狼信仰は、言葉の響きは似ていますが異なるものです。犬神は病気や災いをもたらす「憑き物」としての側面が強く、出自も犬を虐待するなどして人為的に作られるものでした。
一方で狼信仰は、ニホンオオカミを神聖な存在として崇拝するものです。山の神の眷属として、イカやイノシシなどから人や作物を守る守護神として信仰の対象となっています。
後述する武蔵御嶽神社や三峯神社などは、狼信仰と関わりの深い場所です。当てはまらないケースもありますが、犬神は人に害を成すものとして、狼信仰は人を守護するものとしてそれぞれ畏れられていました。
犬や狼を神や眷属として祀る神社を3つ紹介します。
信仰や伝説なども合わせて紹介するので、旅行などで訪れた際は知っておくとより楽しめるかもしれませんよ。
武蔵御嶽神社は、東京都青梅市御岳山の山頂にある神社です。かつて日本武尊(やまとたけるのみこと)が御岳山で道に迷った際、白い狼が救ってくれたとされ、この地に留まり守護するよう命じたといわれています。
狼は「大口真神(おおくちのまかみ)」として信仰され、災いから守護する「おいぬ」様信仰につながりました。そのため、この神社では愛犬の健康祈願を願う神社としても有名になり、連日多くの方が犬を連れて参拝されています。
三峯神社は紀元前91年に創建されたと言われており、非常に古い歴史を持つ神社です。日本武尊が東征の際に、伊弉諾尊・伊弉冊尊(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)を祀ったのが始まりとされています。
三峯神社のある荒川上流一帯は、かつてニホンオオカミの生息地であったことから、地域一帯にオオカミ信仰がある地域です。そして武蔵御嶽神社と同様に、深い霧の中で道に迷った時に道案内をしたのが狼だと言われています。
その狼もまた「大口真神」として祀られ、境内には狛犬ならぬ「狛狼」が鎮座しているのが特徴です。関東屈指のパワースポットとしても有名で、標高1,100mという山の上ですが、連日多くの参拝客の方が訪れていますよ。
以前はペットを連れての参拝も黙認されていましたが、現在では禁止されているので注意してくださいね。
寳登山神社は、埼玉県秩父郡長瀞町にある神社で、こちらも「お犬様」として狼を祀る神社です。日本武尊が東征の際、この山で山火事に遭遇し、火を消し止めたのが山犬たちであると言われています。
こうした伝承から、寳登山神社は火災盗難除けなどのご利益があるとされているのが特徴です。秩父鉄道長瀞駅から徒歩圏内にあり、ロープウェイで山頂の奥宮へもアクセスできるので、訪れやすさも魅力ですよ。
日本だけでなく、世界にも犬にまつわる神や伝説上の生き物の伝承があるので3点紹介します。
それぞれの特徴や伝承について詳しく解説していきます。
ケルベロスとはギリシャ神話に登場する冥界の番犬のことです。三つ首で尾が蛇になっており、地上と冥界の往来を許さない恐ろしい存在として表現されています。漫画やゲームなど、さまざまな創作物にも登場するメジャーな犬の怪物です。
テュポーンとエキドナの息子であり、冥界の神ハデスの宮を守っているという神話と、冥界に続く門の前に控えているという神話など諸説あります。テュポーンはギリシャ神話においてゼウスとも比肩されるほどの巨人です。また、エキドナはケルベロス以外にもさまざまな子を産んだ、上半身が美女で下半身が蛇の怪物たちの母です。
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスの逸話である「十二の難行」にも登場し、力比べでケルベロスを圧倒したヘラクレスによって地上に連れ出されます。
そのときに、垂らした涎の跡からトリカブトが発生したという逸話も有名です。他にもオルフェウスが死んだ恋人エウリュディケーを追って冥界に向かう際、竪琴を奏でてケルベロスを眠らせた逸話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。星座の「こと座」の伝説や神話は、この逸話が元になったとも言われています。
アヌビスは、エジプト神話に登場する冥府の神です。犬の頭を持ち、冥界でオシリスの裁判に立ち合って罪を裁定する役割を持っています。また、死者の守り神でもあり、ミイラづくりや医学の神です。
黒いジャッカルの頭をし、天秤などを持っている姿を創作物などで見たことはありませんか?名前も姿も知名度が高く、恐ろしい怪物としてではなく神としての側面が強いのが特徴です。
アヌビスの天秤は死者に心臓と、羽の重さを比べて罪の重さを測るといわれています。羽よりも心臓が重ければ怪物に食べられ、二度と生まれ変わることができません。アヌビスも、さまざまな姿で多くの創作物に登場するメジャーな神様です。
禍斗とは、中国の南方異民族を妖怪化させたものとされています。犬の姿をした怪物で、炎を吹き散らし、火災を引き起こすものです。
妊娠している母犬に流星が当たって誕生するといわれており、黒い色の体毛が特徴です。炎を食べ、糞便も炎が出るため周囲に災いをもたらすものとして恐れられていましたが、特に火神が職を辞した際にはその職の代わりを行うとされています。
倭物やカヤでは、以下のように妖怪をモチーフとしたアイテムも販売しています。
妖怪の浮世絵を全体にプリントしたデザインで、シックな色使いがお洒落です。肌触りの良い綿100%と厚みのある生地感で着心地もよいのが特徴となっています。ほかのバリエーションとして、「神仏」や「生き物」も選択可能です。
A4サイズも入る大きめのサイズの平たいトートバッグです。普段使いもしやすく、日常の買い物にも便利で、収納力は抜群。長めの持ち手で肩掛けも楽にできるので、通勤・通学用のカバンとしてもおすすめです。
カヤでは他にも浮世絵をモチーフとしたさまざまなファッションアイテムを取り扱っています。人とは被りたくない、和柄モチーフが好きという方は、ぜひ以下のページもチェックしてみてくださいね。
犬の妖怪は、人を守ったりご利益を授けたりする神様のような存在から、害を成す不吉なものまで全国にさまざまな伝説があります。また、犬神は憑き物としての側面が強く、狼信仰は神聖な人を守護するものという違いが特徴です。
各地には犬の妖怪や神様などを祀る神社などがあるので、ぜひ訪れてみてくださいね。その際は、どのような逸話があるかを知ったうえで行くとより楽しめるかもしれませんよ。
日本三大妖怪って何者?▼
かわいい猫も実は妖怪!?▼
日本には数多くの妖怪伝説がありますが、動物をモチーフとしているものも見られます。中でも犬の妖怪はメジャーなので、本記事で詳しく解説します。
妖怪として語られる怖い伝説だけでなく、神様やその眷属として祀られることもあり、ただ恐ろしいものというだけではありません。世界各地にも伝説上の生き物や神様として犬が登場することはあるので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
目次
妖怪とは?
「妖怪」とは人知を超えた現象を起こす怪物のことで、「物の怪(もののけ)」などと呼ばれることがあります。日本では古来よりあらゆる物に精霊が宿っていると信じられてきました。
怪奇現象や不思議な現象など、理屈で説明できないものを妖怪に例えることで説明をつけようとしていたのかもしれません。妖怪にはさまざまなモチーフがあり、動物がモデルになっているものも多数あります。
今回は犬がモチーフになった妖怪や伝説をピックアップするので、知っているものがいるかをぜひ確認してくださいね。
犬の妖怪にはどんなものがいる?
犬の妖怪の中でも、特にメジャーな以下の5つを紹介します。
それぞれの妖怪についての特徴について解説します。全体的には、人に災いなどをもたらすものが多いのが特徴です。
犬神
画像引用:WIKIMEDIA COMMNS
犬神とは、西日本を中心に伝わる犬の姿をした妖怪の一種です。手順を踏んで人為的に作られ、人に憑りつくなどして病気や災いをもたらす呪いとして信じられていました。
憑かれた人は精神に異常をきたしたり、犬の行動を真似たりといった行動が見られるのが特徴です。
また、日本に伝わる憑き物(つきもの)の一つでもあります。犬神を祀る家系が人を祟るために使役するともいわれるなど、さまざまな逸話があります。
特に四国地方や九州地方に根強く信仰が残り、犬神に憑かれた「犬神憑き」は精神疾患や奇病の原因とされました。徳島県三好市にある賢見神社は、この犬神憑きを祓う神社として全国的に知られています。
送り犬
画像引用:WIKIMEDIA COMMNS
送り犬は夜の山道を行く人の後をつけてくる妖怪で、転んでしまうと食い殺されるといわれています。しかし、転んだ際に「どっこいしょ」などと座ったように見せかけたり、休憩のふりをしたりすれば襲ってこないともされます。
ほかにも、無事に山道を抜けた後「ありがとう」と声をかけたり、家に着いたらまず足を洗って帰路の無事を感謝して捧げものをしたりすると、その後追ってこなくなるとも言われています。
山伏狼
山伏狼は、山伏に関する逸話に登場する犬や狼の妖怪のことです。諸説ありますが、山伏が山中で狼に襲われその中の「五郎太夫婆」という大狼を切りつけると、翌朝隣村の「五郎太婆」が包帯をして寝ていたといった逸話です。
狼が人に化けたり憑いたりして襲ってくるなどの話としてだけでなく、狼や犬が単なる獣ではなく、神秘的な力を持つ存在として捉えられていたことがうかがえます。
人面犬
人面犬は人間の顔を持つ犬の妖怪のことです。古くは江戸時代、ある牝犬が生んだ犬が人に似ていることから見世物となり、人気を博したという伝承があります。当時梅毒患者は牝犬と交わると病気が治るという迷信があり、その結果人面犬の伝承が生まれたとされています。
また、1989年から1990年代初頭にかけて日本で流行した都市伝説で、テレビ番組や雑誌などで頻繁に取り上げられていました。多くの場合、迷惑なだけで危険は少ない妖怪ですが、口汚く罵ってくるなど迷惑な存在として語られるコミカルな妖怪です。
羽犬 (はいぬ)
羽犬は、福岡県筑後市で語り伝えられている伝説上の犬の妖怪です。当時島津征伐のために九州を訪れていた羽柴秀吉が、悪さをする羽のある犬を討って亡骸を葬ったという説があります。
ほかにも、秀吉の飼っていた子犬が、羽が生えたように飛び回る元気な犬で、亡くなって気落ちしていた秀吉のために家臣たちが「羽犬塚」という塚に手厚く葬ったという説もあります。
犬神憑きとは何?落とすにはどうする?
犬神憑きとは、主に西日本に伝わる犬の霊が人間に憑依して災いをもたらすことを指します。当時原因不明だった精神疾患や奇病の原因とされ、かつては深刻な問題として認識されていました。
犬神憑きを「落とす」ことで知られるのが、徳島県三好市にある「賢見神社(けんみじんじゃ)」です。仁賢天皇の御鎮守と伝えられており、御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)と応神天皇です。
精神病や物の怪憑き、五穀豊穣、海上安全の守り神として信仰されています。険しい山間にある神社ですが、年間2万人ほどの人が訪れる人気の神社でもあり、7割以上の方がご祈祷を依頼されるようです。
徳島県三好市は自然豊かな土地で、「祖谷のかずら橋」など観光資源も豊富なので、ぜひ合わせて訪れてみてくださいね。
犬神と狼信仰の違い
犬神と狼信仰は、言葉の響きは似ていますが異なるものです。犬神は病気や災いをもたらす「憑き物」としての側面が強く、出自も犬を虐待するなどして人為的に作られるものでした。
一方で狼信仰は、ニホンオオカミを神聖な存在として崇拝するものです。山の神の眷属として、イカやイノシシなどから人や作物を守る守護神として信仰の対象となっています。
後述する武蔵御嶽神社や三峯神社などは、狼信仰と関わりの深い場所です。当てはまらないケースもありますが、犬神は人に害を成すものとして、狼信仰は人を守護するものとしてそれぞれ畏れられていました。
犬・狼を神や眷属として祀る神社
犬や狼を神や眷属として祀る神社を3つ紹介します。
信仰や伝説なども合わせて紹介するので、旅行などで訪れた際は知っておくとより楽しめるかもしれませんよ。
■ 武蔵御嶽神社
武蔵御嶽神社は、東京都青梅市御岳山の山頂にある神社です。かつて日本武尊(やまとたけるのみこと)が御岳山で道に迷った際、白い狼が救ってくれたとされ、この地に留まり守護するよう命じたといわれています。
狼は「大口真神(おおくちのまかみ)」として信仰され、災いから守護する「おいぬ」様信仰につながりました。そのため、この神社では愛犬の健康祈願を願う神社としても有名になり、連日多くの方が犬を連れて参拝されています。
■ 三峯神社
三峯神社は紀元前91年に創建されたと言われており、非常に古い歴史を持つ神社です。日本武尊が東征の際に、伊弉諾尊・伊弉冊尊(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)を祀ったのが始まりとされています。
三峯神社のある荒川上流一帯は、かつてニホンオオカミの生息地であったことから、地域一帯にオオカミ信仰がある地域です。そして武蔵御嶽神社と同様に、深い霧の中で道に迷った時に道案内をしたのが狼だと言われています。
その狼もまた「大口真神」として祀られ、境内には狛犬ならぬ「狛狼」が鎮座しているのが特徴です。関東屈指のパワースポットとしても有名で、標高1,100mという山の上ですが、連日多くの参拝客の方が訪れていますよ。
以前はペットを連れての参拝も黙認されていましたが、現在では禁止されているので注意してくださいね。
■ 寳登山神社
寳登山神社は、埼玉県秩父郡長瀞町にある神社で、こちらも「お犬様」として狼を祀る神社です。日本武尊が東征の際、この山で山火事に遭遇し、火を消し止めたのが山犬たちであると言われています。
こうした伝承から、寳登山神社は火災盗難除けなどのご利益があるとされているのが特徴です。秩父鉄道長瀞駅から徒歩圏内にあり、ロープウェイで山頂の奥宮へもアクセスできるので、訪れやすさも魅力ですよ。
世界の犬にまつわる神や伝説上の生き物
日本だけでなく、世界にも犬にまつわる神や伝説上の生き物の伝承があるので3点紹介します。
それぞれの特徴や伝承について詳しく解説していきます。
ケルベロス
ケルベロスとはギリシャ神話に登場する冥界の番犬のことです。三つ首で尾が蛇になっており、地上と冥界の往来を許さない恐ろしい存在として表現されています。漫画やゲームなど、さまざまな創作物にも登場するメジャーな犬の怪物です。
テュポーンとエキドナの息子であり、冥界の神ハデスの宮を守っているという神話と、冥界に続く門の前に控えているという神話など諸説あります。テュポーンはギリシャ神話においてゼウスとも比肩されるほどの巨人です。また、エキドナはケルベロス以外にもさまざまな子を産んだ、上半身が美女で下半身が蛇の怪物たちの母です。
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスの逸話である「十二の難行」にも登場し、力比べでケルベロスを圧倒したヘラクレスによって地上に連れ出されます。
そのときに、垂らした涎の跡からトリカブトが発生したという逸話も有名です。他にもオルフェウスが死んだ恋人エウリュディケーを追って冥界に向かう際、竪琴を奏でてケルベロスを眠らせた逸話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。星座の「こと座」の伝説や神話は、この逸話が元になったとも言われています。
アヌビス
アヌビスは、エジプト神話に登場する冥府の神です。犬の頭を持ち、冥界でオシリスの裁判に立ち合って罪を裁定する役割を持っています。また、死者の守り神でもあり、ミイラづくりや医学の神です。
黒いジャッカルの頭をし、天秤などを持っている姿を創作物などで見たことはありませんか?名前も姿も知名度が高く、恐ろしい怪物としてではなく神としての側面が強いのが特徴です。
アヌビスの天秤は死者に心臓と、羽の重さを比べて罪の重さを測るといわれています。羽よりも心臓が重ければ怪物に食べられ、二度と生まれ変わることができません。アヌビスも、さまざまな姿で多くの創作物に登場するメジャーな神様です。
禍斗 (カトウ)
禍斗とは、中国の南方異民族を妖怪化させたものとされています。犬の姿をした怪物で、炎を吹き散らし、火災を引き起こすものです。
妊娠している母犬に流星が当たって誕生するといわれており、黒い色の体毛が特徴です。炎を食べ、糞便も炎が出るため周囲に災いをもたらすものとして恐れられていましたが、特に火神が職を辞した際にはその職の代わりを行うとされています。
倭物やカヤおすすめ!商品紹介
倭物やカヤでは、以下のように妖怪をモチーフとしたアイテムも販売しています。
浮世色メンズTシャツ:YOKAI
妖怪の浮世絵を全体にプリントしたデザインで、シックな色使いがお洒落です。肌触りの良い綿100%と厚みのある生地感で着心地もよいのが特徴となっています。
ほかのバリエーションとして、「神仏」や「生き物」も選択可能です。
浮世色トートBAG:YOKAI
A4サイズも入る大きめのサイズの平たいトートバッグです。普段使いもしやすく、日常の買い物にも便利で、収納力は抜群。
長めの持ち手で肩掛けも楽にできるので、通勤・通学用のカバンとしてもおすすめです。
カヤでは他にも浮世絵をモチーフとしたさまざまなファッションアイテムを取り扱っています。人とは被りたくない、和柄モチーフが好きという方は、ぜひ以下のページもチェックしてみてくださいね。
犬の妖怪は人を守るものから害を成すものまでさまざま
犬の妖怪は、人を守ったりご利益を授けたりする神様のような存在から、害を成す不吉なものまで全国にさまざまな伝説があります。また、犬神は憑き物としての側面が強く、狼信仰は神聖な人を守護するものという違いが特徴です。
各地には犬の妖怪や神様などを祀る神社などがあるので、ぜひ訪れてみてくださいね。その際は、どのような逸話があるかを知ったうえで行くとより楽しめるかもしれませんよ。
関連記事
日本三大妖怪って何者?▼
かわいい猫も実は妖怪!?▼