「お箸」は、みなさんの多くが毎日使っているものではないでしょうか。スプーンやフォークなども使いますが、やはり日本の食卓に欠かせないのはお箸ですよね。

しかし、実はお箸は日本以外の国でも使われているんです！
このコラムでは、どんな国で使われていて、どんな特徴があるのか、そもそもお箸の歴史や起源はなにか、お箸の使い方やマナー、そしておすすめのお箸商品もご紹介します。

ぜひ、最後まで読んでお箸に詳しくなりましょう♪

お箸の歴史と起源

私たちが普段何気なく使っている「お箸」。しかし、お箸がどうして生まれ、どのように発展してきたのか知っている方は多くないかもしれません。
まずは、お箸の歴史と起源をチェックしていきましょう！

お箸の起源と発展

お箸の歴史は、3,000年以上前の古代中国にまでさかのぼるんです！人間が火を使って調理をするようになり、食べ物を取ったりつかんだりするために、お箸のようなものが必要になりました。
そこで、木の枝を折って短くしたり、削ったりしてできたのが、お箸の起源だと考えられています。

日本におけるお箸の歴史

『古事記』や『日本書紀』では、お箸に触れられていることから、日本でお箸が使われ始めたのは、弥生時代から飛鳥時代（3～7世紀）ごろだと考えられています。

小野妹子が遣隋使として隋（中国）に派遣された際、箸を使った食事でもてなされた、ということから「食べる際にお箸を使う」という風習を日本に持ち帰りました。それを学んだ聖徳太子が、日本で最初に箸を使うというルールを採用したと言われています。

実際に、隋の人々を日本でおもてなししたときには、お箸を用意したそうですよ。このころは、まだお箸は高貴な身分の人しか使えませんでした。

お箸が一般の人々に広まったのは、奈良時代ごろでした。このころから、手づかみから「お箸を使って食べる」文化と変化していきました。また、壊れにくいように漆を塗ったお箸は、鎌倉時代に登場しました。そして、江戸時代になると、「割りばし」や若狭で作られた塗箸も誕生し、現代の私たちと同じようなお箸文化になりました。

世界でお箸を使う国々

続いて、世界でお箸を使う国々や、世界のお箸事情についてご紹介します！

お箸を使う人は世界の約28％

世界の中で、お箸を使う文化（箸食文化）で暮らす人々は約28％とされています。ちなみに、そのほかの文化として、手食文化が約44％、ナイフ・フォーク・スプーンなどを使う カトラリー文化が約28％だそうです。

箸食文化の国としては、日本・中国・韓国・シンガポール・タイ・ベトナムなどがあります。

日本はただ一つの完全箸食文化

箸を使う文化とはいえ、お箸とスプーンをセットで使うスタイルが大半で、お箸のみで食事をするスタイルは日本独自のものなんです。
たとえば、中華料理はレンゲ、韓国料理も金属製のスプーンをお箸とともに使用します。そのため、日本はただ一つの「完全箸食文化圏」と言えるのです。

食文化とお箸の役割

続いて、各国の食文化とお箸の役割についてチェックしていきましょう！

各国のお箸文化

先ほどもご紹介したとおり、日本ではお箸のみで食事をするスタイルです。これは、タイ、中国などで食べられているインディカ米よりも、粘り気のある日本の米の方がお箸で掴みやすいからだと考えられています。

中国では、ごはんやおかずはお箸で食べ、スープや汁物はレンゲや匙で食べます。韓国では金属製のスプーンとお箸のセット（「スジョ」と呼ばれます）が使われます。おかずはスプーン、ごはんはお箸で食べるのが一般的。

シンガポールのような多様な文化が共存する国では、中華料理が振る舞われる場面でお箸が提供されます。しかし、お箸に慣れていない場合、代わりにフォークを使う人も多いです。また、インド料理やマレー料理が振る舞われる場面では、フォークやスプーン、または手で食べることが一般的です。

そのほか、タイでは、汁に入った麺類を食べるときだけ箸とレンゲを使い、その他の料理にはスプーンとフォークを使います。ベトナムでは、箸とレンゲまたはスプーンが使われます。

フォーク・スプーンとの違い

箸は「はさむ」こと、フォークは「突き刺す、ひっかける」こと、スプーンは「すくう」ことを目的としていることが大きな違いです。

フォークは硬いものでも簡単に切ったり突き刺したりできるのが利点です。ナイフとともに使われることが多いですが、パンやパスタ、肉類を主食とするフレンチ・イタリアンなどヨーロッパでの食文化に欠かせないものです。
また、スプーンはスープなどの汁物のほか、インディカ米などパラパラしたお米を食べるときにも便利です。

一方、お箸ははさむ以外にも、支える・切る・裂く・ほぐす・のせる・押さえる・分けるなど多様な使い方ができるのがメリットです。お箸を使うのは、米を主食として食べる国が多いという文化的背景があります。

日本・中国・韓国のお箸の違い

ここからは、日本・中国・韓国のお箸について、それぞれの特徴をご紹介します。お隣の国々ですが、お箸は大きな違いがあるんですよ……！

日本のお箸

日本のお箸は短めで先が細くなっているのが特徴です。また、素材としては漆や合成樹脂を塗った「塗り箸」やプラスチックがメインです。割りばしが多く使われているのも日本の特徴ですよ。

また、日本では、自分専用のお箸を使いますが、これも日本ならでは。ほかの国では家族で共有することが多いです。日本で自分専用のお箸を使う理由は、お箸には唾液がつくため、使った人の魂が宿ると信じられており、お箸は自分の分身と考えられていたためです。

ほかにも、「はし」は大和言葉で、二つの世界をつなぐものという意味があり、箸先は人のもの、天部分は神様のものとして考えられていました。そのため、自分と神様をつなぐ役割を持つお箸は、他人と共有せず自分専用の物を使う、という考えなのです。

中国のお箸

中国のお箸は、素材には主に竹・木・骨などが使われており、日本の物より長い（約27cm）です。また、箸先が細くなっている日本の箸とことなり、太さもほぼ一定です。
中国の箸が長い理由は、食べ物をテーブル上で囲んでシェアする文化であり、長い方が遠くに届きやすいからだと考えられています。

ちなみに、中国では大皿に盛られた料理を自分の箸で相手に取り分けるのが親しさの表現なんですよ。

韓国のお箸

韓国のお箸の大きな特徴が、金属製（銅・銀・ステンレスなど）がメインであるということ。朝鮮半島では、昔から戦乱が多く、周辺の人々は移住しなければならないことが多々ありました。そのため、木ではなく、より耐久性のある金属の箸が使われていたという説があります。箸の形は日本のように先細りですが、やや平べったいのが特徴です。

なお、韓国では女性が結婚するときに、夫婦揃いの銀のスジョ（箸と匙のセット）を用意するという文化がありますよ。

お箸の使い方とマナー

続いて、日本人として知っておきたいお箸の使い方とマナーをご紹介します。

基本的なお箸の使い方

お箸は、箸先から約3分の2の部分を持ちます。上の箸は鉛筆をにぎるように持ち、下の箸は中指と薬指の間に入れて固定します。ものをはさむ際は、上の箸を動かし、下の箸は固定するのが基本です。箸先を開いたり、すぼめたりすることで、どんな大きさの物でもはさむことができます。

お箸を使う際のマナーと注意点

お箸を使う際には、「嫌い箸」と呼ばれる行儀の悪い使い方を避けましょう。

嫌い箸はいくつかありますが、たとえば、料理に箸をつきさす「刺し箸」、食事中に器の上に箸を横に置く「渡し箸」などがあります。ほかにも、箸についた食べ物をなめる「ねぶり箸」、お皿を箸で引き寄せたりする「寄せ箸」などにも注意が必要です。

また、食べ物ごとのお箸のマナーもあります。たとえば、汁物は箸をお椀の中に入れて、具材を押さえて飲みます。焼き魚は身を裏返さず、上身を食べたら骨を外して下身を食べるのがマナーです。

お箸商品紹介

ここからは、さまざまな素敵なお箸商品をご紹介します。普段使いにも、プレゼントにもぴったりなものを取り揃えていますよ。

十色箸

若狭塗りで仕上げた日本らしさが感じられるお箸です。持ち手に使われている玉彫りという彫りが特徴で、独特な形により持ちやすく滑りにくい仕上がりになっています。ご自分の好きな色を選んでみては？

祝い箸　縁起箸セット

ひょうたんや鶴亀といった縁起の良いものをモチーフにした夫婦箸です。漆を使った上質な仕上がりで、滑りにくい加工もされているので実用性も十分です。オリジナルの箱に入っているので、プレゼントしても喜ばれるはず。

斧折樺箸

斧が折れるほど硬いといわれる「オノオレカンバ」という素材を使ったお箸。口先を細く作っており、魚の骨などの細かい食材も掴みやすくなっています。また、口から抜けやすい形のため、スムーズに食事を行えるのもうれしいポイント。

お箸の健康効果

お箸を使うことで健康によい効果があるって知っていましたか？
たとえば、お箸を使うことで、手先の器用さを促進する効果があると言われています。たしかに、お箸で小さなものをつまんだり、すべりやすい麺類などをはさんだりするときには、手の力加減や、使い方を工夫しますよね。
ほかにも、お箸を使うことで、少しずつ食べ物を口に運ぶことになるため、食事をゆっくり楽しみ、満腹感を得やすくなるんです。食べすぎや、急いで食べることを防ぎ、胃に負担をかけずにすみます。

世界のお箸文化の違いを楽しもう

世界には、お箸を使う国々がいくつもありましたね。中国や韓国などのお隣の国々でも、日本とは違ったお箸の特徴や使い方があるのは、とても興味深かったのではないでしょうか。

お箸は毎日の食事で使うものだからこそ、マナーを大切にしたいですよね。また、「新しいお箸がほしいな」と思ったら、ぜひこのコラムでご紹介した商品をチェックしてみてくださいね。

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