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いきなりですが、みなさんは「点心」と「飲茶」の違いをご存知でしょうか?どちらも中国や中華料理をイメージされる方が多いと思います。しかし、具体的にそれぞれがどのようなものなのか、何を表しているのか、なかなかわかりにくいですよね。
そこで、このコラムでは、「点心」と「飲茶」の違いを詳しくご紹介していきたいと思います。そもそも基本的に「点心」と「飲茶」は何なのか、食事スタイルや提供される料理といった具体的な違い、さらにはそれぞれを楽しむためのポイントをわかりやすく解説します。
中華料理がお好きな方、中国の食文化に興味があるという方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
点心と飲茶、どちらも言葉としてはよく耳にするけれど、いったいどういうものなの?と不思議に思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、まずは点心と飲茶の基本的な理解を一緒にしていきましょう!
点心(てんしん)とは、中国語で「軽食」や「間食」という意味があります。軽食や間食と聞くと、日本では「3時のおやつ」をイメージするかもしれませんが、中国の点心は、正式な食事以外の時間に楽しむもの、という意味だけでなく、「主菜」と「スープ」以外の食べ物をすべて、「点心」と呼んでいます。
点心は、代表的なものとして4つの種類にわけられています。1つめは「鹹点心(シェンテンシン)」です。餃子やシュウマイ、小籠包、肉まんといった塩気のあるものが含まれます。
2つめは「甜点心(テンテンシン)」です。これには、ごま団子、杏仁豆腐、マンゴープリンといった甘いものが含まれます。
3つめは「小吃(シャオチー)」です。鹹点心のうち、小皿にわけて提供される料理を指します。たとえば、小分けにしたえびチリ、酢豚、麻婆豆腐、チャーハンおかゆ、ラーメンなどがあります。
4つめは「果子(グオズ)」です。特に調理の必要がなく、そのまま食べられるナッツやフルーツのことを指します。
点心の種類のうち、果子(グオズ)は調理せずそのまま食べます。
鹹点心(シェンテンシン)の調理法としては、ゆでる・蒸す・揚げるなどがあります。また、小麦粉の生地であんを包むものが多いのも特徴です。甜点心(テンテンシン)は甘い点心全般を指すため、明確な調理法のルールは決まっていません。
ちなみに、広東料理の点心は特に種類が多いことが特徴です。蒸し物、揚げ物、焼き物など、さまざまな点心が味わえます。
飲茶(ヤムチャ)は、広東省、香港、マカオといった地域で、朝から昼にかけて中国茶を飲みながら点心を楽しむ伝統的な食事スタイル・食習慣のことを指します。そのため、「飲茶を食べる」ではなく「飲茶をする」という表現の方が適切です。
飲茶の歴史について、明確な起源はわかっていませんが、唐の時代(7世紀ごろ)にまでさかのぼるとも言われています。もともとは、お茶を飲むことが重視されており、座禅中の眠気覚ましに利用されていたそうです。その後、海上のシルクロードの始まりとされる広州地方では、多くの商人たちが集まり、コミュニケーションの一部として飲茶が取り入れられていました。そして、19世紀後半ごろから香港で飲茶文化が発展し、現在の形に近いスタイルとなりました。
先ほどもご紹介したとおり、飲茶は商人たちのコミュニケーションを円滑にするという意義も持っていました。また、20世紀以降、世界中の人々の移動が活発になると、貿易港として栄えていた香港には多くの外国人が集まりました。飲茶に魅了された外国人たちや、香港から世界に移住した人々によって、多くの国に飲茶文化が広まっていきました。
このことからも、飲茶は単なる飲食スタイルというだけではなく、人々のコミュニケーションにも大きな役割を担っていたことがわかりますね。
飲茶で飲まれるお茶にはさまざまな種類があります。たとえば、「鉄観音(てっかんのん)茶」や「プーアル茶」などの菊花茶は有名であり、人気もあります。また、花の香りが好きな方はジャスミンティーもおすすめです。
ちなみに、香港では「ポーレイ茶」という中国茶の一種や、ウーロン茶の一種である「寿眉(サウメイ)茶」が人気です。また、緑茶を飲む人もいますが、香港や広東省などで提供されることはめずらしいです。
ここからは、点心と飲茶の違いをさらに細かくチェックしていきましょう!
まず、食事のスタイルとして、点心は軽食、飲茶は食事全体を指すという違いがあります。
また、飲茶は主に昼食やブランチとして楽しまれることが多いですが、点心は決まった時間はなく、人々が食べたいときに食べています。
地域によるスタイルの違いとしては、饅頭(マントウ)やシュウマイといった点心を食べる習慣は中国のさまざまな地域で見られますが、合わせて喫茶に重きを置く地域は広東省の周りや江蘇省揚州市などでよく見られます。ほかの地域では、米やアワの粥、麺料理または豆乳などと一緒に摂る場合が多いのが特徴です。
点心は、点心は小皿料理を中心に提供されます。普段は大皿料理で提供される麻婆豆腐なども、小皿にわけられて出された場合は点心に分類されます。
一方、飲茶は多様な料理のコースで、中国風アフタヌーンティーととらえるとわかりやすいかもしれません。
また、オーダー方式としては、点心は自分の食べたいものを注文して食べるのが一般的です。飲茶はワゴン式とオーダー式の2種類があります。ワゴン式とは、店内を回るワゴンやカートから食べたいものを選ぶスタイル。オーダー式は注文票(シート)に食べたいものを記入します。なお、ワゴン式は特に広東料理の飲茶文化でよく見られるスタイルです。
最後に、点心と飲茶の楽しみ方やマナーをご紹介します。
点心は、食べる時間によって呼び方が異なります。それぞれ、朝は「早点(ザオディエン)」、昼は「午点(ウーディエン)」夜は「晩点(ワンディエン)」と呼ばれています。食べる時間が明確に決まっているわけではないため、自分のお腹の好き具合を見ながら最適な時間帯を選ぶのが大切です。
また、信頼できる情報源を活用したり、おすすめの点心を事前にリサーチするのもおすすめです。行きたいお店が決まっている場合は、お店の公式サイトを見るのが一番です。また、点心を少しずつ食べているうちにお腹がいっぱいになり、食べたいものが食べられなかった!とならないためにも、自分が気になる点心をあらかじめチェックしておきましょう。
飲茶は基本的に朝から15時くらいまでに行われ、夜に行われることは少ないです。また、飲茶にはいくつか基本的なマナーがあります。
たとえば、お店に入ったらまずはお茶の注文からはじまります。あらかじめ自分が飲みたいものを考えておくと注文がスムーズです。お茶をおかわりしたいときには、急須のふたを半開きにしておきます。
また、伝統的なお店では、お茶とともにガラスのボールや陶器の容器が出てくる場合があります。これは、お茶の殺菌効果を利用して、食器を洗うためのもの。中国では、この作法を「洗杯(サイブイ)」と呼びます。こちらは、どうしてもしなければならないものではないため、抵抗がある場合はしなくてもOKです。
また、飲茶を含めた広東省の食文化に触れるのも素敵です。広東省にはさまざまな調理法やレシピがあり、そのおいしさから「食は広州にあり(食在広州)」というフレーズもあるほど。
そのほか、飲茶を楽しむためのおすすめの方法としては、色々なお茶と点心を飲んだり食べたりしてみること。ウーロン茶やプーアル茶は、脂っこい料理が多い中華料理との相性も良いです。また、すっきりとした香りのジャスミン茶は甘い点心ともよく合います。
点心と飲茶について、何となく似ていて混乱しやすいな、と思っていた方も多かったのではないでしょうか。詳しい違いを知ることで、それぞれをさらに楽しめるはずです。
点心と飲茶で、おいしい料理や素敵なコミュニケーションを楽しんでみてくださいね。
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いきなりですが、みなさんは「点心」と「飲茶」の違いをご存知でしょうか?
どちらも中国や中華料理をイメージされる方が多いと思います。しかし、具体的にそれぞれがどのようなものなのか、何を表しているのか、なかなかわかりにくいですよね。
そこで、このコラムでは、「点心」と「飲茶」の違いを詳しくご紹介していきたいと思います。そもそも基本的に「点心」と「飲茶」は何なのか、食事スタイルや提供される料理といった具体的な違い、さらにはそれぞれを楽しむためのポイントをわかりやすく解説します。
中華料理がお好きな方、中国の食文化に興味があるという方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
点心と飲茶の基本的な理解
点心と飲茶、どちらも言葉としてはよく耳にするけれど、いったいどういうものなの?と不思議に思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、まずは点心と飲茶の基本的な理解を一緒にしていきましょう!
点心とは何か
点心(てんしん)とは、中国語で「軽食」や「間食」という意味があります。軽食や間食と聞くと、日本では「3時のおやつ」をイメージするかもしれませんが、中国の点心は、正式な食事以外の時間に楽しむもの、という意味だけでなく、「主菜」と「スープ」以外の食べ物をすべて、「点心」と呼んでいます。
点心の種類
点心は、代表的なものとして4つの種類にわけられています。1つめは「鹹点心(シェンテンシン)」です。餃子やシュウマイ、小籠包、肉まんといった塩気のあるものが含まれます。
2つめは「甜点心(テンテンシン)」です。これには、ごま団子、杏仁豆腐、マンゴープリンといった甘いものが含まれます。
3つめは「小吃(シャオチー)」です。鹹点心のうち、小皿にわけて提供される料理を指します。たとえば、小分けにしたえびチリ、酢豚、麻婆豆腐、チャーハンおかゆ、ラーメンなどがあります。
4つめは「果子(グオズ)」です。特に調理の必要がなく、そのまま食べられるナッツやフルーツのことを指します。
点心の調理法や食べ方
点心の種類のうち、果子(グオズ)は調理せずそのまま食べます。
鹹点心(シェンテンシン)の調理法としては、ゆでる・蒸す・揚げるなどがあります。また、小麦粉の生地であんを包むものが多いのも特徴です。甜点心(テンテンシン)は甘い点心全般を指すため、明確な調理法のルールは決まっていません。
ちなみに、広東料理の点心は特に種類が多いことが特徴です。蒸し物、揚げ物、焼き物など、さまざまな点心が味わえます。
飲茶の文化とその意味
飲茶(ヤムチャ)は、広東省、香港、マカオといった地域で、朝から昼にかけて中国茶を飲みながら点心を楽しむ伝統的な食事スタイル・食習慣のことを指します。そのため、「飲茶を食べる」ではなく「飲茶をする」という表現の方が適切です。
飲茶の歴史
飲茶の歴史について、明確な起源はわかっていませんが、唐の時代(7世紀ごろ)にまでさかのぼるとも言われています。もともとは、お茶を飲むことが重視されており、座禅中の眠気覚ましに利用されていたそうです。その後、海上のシルクロードの始まりとされる広州地方では、多くの商人たちが集まり、コミュニケーションの一部として飲茶が取り入れられていました。そして、19世紀後半ごろから香港で飲茶文化が発展し、現在の形に近いスタイルとなりました。
飲茶が持つ文化的な意義
先ほどもご紹介したとおり、飲茶は商人たちのコミュニケーションを円滑にするという意義も持っていました。また、20世紀以降、世界中の人々の移動が活発になると、貿易港として栄えていた香港には多くの外国人が集まりました。飲茶に魅了された外国人たちや、香港から世界に移住した人々によって、多くの国に飲茶文化が広まっていきました。
このことからも、飲茶は単なる飲食スタイルというだけではなく、人々のコミュニケーションにも大きな役割を担っていたことがわかりますね。
お茶との関係性
飲茶で飲まれるお茶にはさまざまな種類があります。たとえば、「鉄観音(てっかんのん)茶」や「プーアル茶」などの菊花茶は有名であり、人気もあります。また、花の香りが好きな方はジャスミンティーもおすすめです。
ちなみに、香港では「ポーレイ茶」という中国茶の一種や、ウーロン茶の一種である「寿眉(サウメイ)茶」が人気です。また、緑茶を飲む人もいますが、香港や広東省などで提供されることはめずらしいです。
点心と飲茶の具体的な違い
ここからは、点心と飲茶の違いをさらに細かくチェックしていきましょう!
食事のスタイルの違い
まず、食事のスタイルとして、点心は軽食、飲茶は食事全体を指すという違いがあります。
また、飲茶は主に昼食やブランチとして楽しまれることが多いですが、点心は決まった時間はなく、人々が食べたいときに食べています。
地域によるスタイルの違いとしては、饅頭(マントウ)やシュウマイといった点心を食べる習慣は中国のさまざまな地域で見られますが、合わせて喫茶に重きを置く地域は広東省の周りや江蘇省揚州市などでよく見られます。ほかの地域では、米やアワの粥、麺料理または豆乳などと一緒に摂る場合が多いのが特徴です。
提供される料理の種類
点心は、点心は小皿料理を中心に提供されます。普段は大皿料理で提供される麻婆豆腐なども、小皿にわけられて出された場合は点心に分類されます。
一方、飲茶は多様な料理のコースで、中国風アフタヌーンティーととらえるとわかりやすいかもしれません。
また、オーダー方式としては、点心は自分の食べたいものを注文して食べるのが一般的です。飲茶はワゴン式とオーダー式の2種類があります。ワゴン式とは、店内を回るワゴンやカートから食べたいものを選ぶスタイル。オーダー式は注文票(シート)に食べたいものを記入します。なお、ワゴン式は特に広東料理の飲茶文化でよく見られるスタイルです。
点心と飲茶の楽しみ方
最後に、点心と飲茶の楽しみ方やマナーをご紹介します。
点心を楽しむためのポイント
点心は、食べる時間によって呼び方が異なります。それぞれ、朝は「早点(ザオディエン)」、昼は「午点(ウーディエン)」夜は「晩点(ワンディエン)」と呼ばれています。食べる時間が明確に決まっているわけではないため、自分のお腹の好き具合を見ながら最適な時間帯を選ぶのが大切です。
また、信頼できる情報源を活用したり、おすすめの点心を事前にリサーチするのもおすすめです。行きたいお店が決まっている場合は、お店の公式サイトを見るのが一番です。また、点心を少しずつ食べているうちにお腹がいっぱいになり、食べたいものが食べられなかった!とならないためにも、自分が気になる点心をあらかじめチェックしておきましょう。
飲茶のマナーと楽しみ方
飲茶は基本的に朝から15時くらいまでに行われ、夜に行われることは少ないです。また、飲茶にはいくつか基本的なマナーがあります。
たとえば、お店に入ったらまずはお茶の注文からはじまります。あらかじめ自分が飲みたいものを考えておくと注文がスムーズです。お茶をおかわりしたいときには、急須のふたを半開きにしておきます。
また、伝統的なお店では、お茶とともにガラスのボールや陶器の容器が出てくる場合があります。これは、お茶の殺菌効果を利用して、食器を洗うためのもの。中国では、この作法を「洗杯(サイブイ)」と呼びます。こちらは、どうしてもしなければならないものではないため、抵抗がある場合はしなくてもOKです。
また、飲茶を含めた広東省の食文化に触れるのも素敵です。広東省にはさまざまな調理法やレシピがあり、そのおいしさから「食は広州にあり(食在広州)」というフレーズもあるほど。
そのほか、飲茶を楽しむためのおすすめの方法としては、色々なお茶と点心を飲んだり食べたりしてみること。ウーロン茶やプーアル茶は、脂っこい料理が多い中華料理との相性も良いです。また、すっきりとした香りのジャスミン茶は甘い点心ともよく合います。
違いを知れば、点心と飲茶がもっと楽しめる♪
点心と飲茶について、何となく似ていて混乱しやすいな、と思っていた方も多かったのではないでしょうか。詳しい違いを知ることで、それぞれをさらに楽しめるはずです。
点心と飲茶で、おいしい料理や素敵なコミュニケーションを楽しんでみてくださいね。
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