黄道十二宮の12番目の星座であるうお座には、足を縛られた二つの魚というミステリアスな神話があります。
12星座で最も幻想的な星座とも言われるうお座には、どのような意味があるのか気になりますよね。
今宵、夜空に輝く星座たちに、想いを馳せてみましょう。

魚座（うお座）の基本情報

うお座は黄道十二星座の最後を司る星座です。
うお座であるPISCESは英語ではパイシーズ、ラテン語読みではピスケスと読みます。
四等星以下の星で組み合わされた、やや地味な輝きの星座がうお座です。
控えめな輝きの中にドラマティックな神話を持つ壮大なうお座の世界を、覗いてみましょう。

水と関わりが深い？魚座（うお座）の起源・由来

古代メソポタミア文明が由来のうお座は、Lのような形状で二つの魚が結ばれている様を表しています。
ユーフラテス川とチグリス川の二つの川が合流する状態を、象徴しているのです。

うお座は星の数は多いものの、最も目立つ星でも4等星でやや明るさが物足りない星座です。
このため、星座の中でも少し見つけにくい星座のひとつと言えるでしょう。
星座として表現する時は、二匹の魚の尻尾をリボンで繋いでいる姿で描かれています。

魚座（うお座）と星座、惑星との関係

黄道十二星座としてのうお座は、春分点の直前である12番目の星座であり、十二宮では双魚宮（そうぎょきゅう）と呼ばれています。

太陽は春分点を起点として、360度ある黄道の12の星座を、一ヶ月かけて一つずつ星座を巡っていきます。
春分点が0度のため、330度から360度までがうお座の領域となります。

一つ前の星座にみずがめ座、一つ後の星座におひつじ座があります。夜空に輝く実際の星座としてのうお座の近くにあるのは、秋の大四辺形。
うお座のLの形状の間という、割と近くにあります。
また、星座としてのうお座の守護星となる惑星は、木星と海王星です。

魚になった神々《うお座の神話》

うお座にまつわる話で、最も有名なものは美の女神であるアフロディーテ（アプロディーテー、アプロディタとも）と、息子のエロス（エロース）の神話です。
母子がなぜ星座になってしまったのか、その謎を読み解いていきましょう。

魚座（うお座）に由来する神々・アフロディーテとエロスとは

女神アフロディーテは、絶世の美女です。
天界で美しい神々として有名なゼウスの妻ヘラ、戦いと知恵の女神アテーナー（アテネ、アテナ）と共に「三美神」と讃えられていました。
息子エロスは、射られた人が恋に落ちる金の矢と矢を手に持つ、美しい子供の神です。

母子の目の前に突如現れた怪物

ある日アフロディーテは我が子エロスを伴い川にやってきました。
その時、怪獣テュポーンが目の前に登場したのです。

テュポーンはギリシャ神話の中でも、最も凶悪とされる怪獣。
恐ろしい怪物の出現に、さぞや恐怖を感じたのでしょう。

二人は魚の姿に変身して川に飛び込み、逃亡を図ることにしました。
水の中で離れ離れになってしまうことを心配したため、お互いの尾をリボンで結んだのです。

こうして二人は、無事に難を逃れることに成功しました。
二匹の魚となった姿を見た神々は、二人を天の星座にしたと言われています。
今でもお互いがはぐれてしまわないよう結び合う二人の姿が、星座となり夜空に燦然と輝いているのです。

魚座（うお座）生まれの人ってどんな人？魚座（うお座）と星占い

世界各地の人々に、占いは楽しまれています。
日本では4パターンで占う血液型占いの方が有名ですが、意外なことに外国の方々は気にしない様子。
むしろ星占いの方が支持されているようです。

たとえばヨーロッパや中国、アメリカやインドなどで人気を得ています。
よくある西洋占星術以外にも、インド占星術や宿曜占星術など、様々な星占いが存在するようです。
「当たるも八卦当たらぬも八卦」と言われる占いですが、星占いにおいてうお座生まれの人はどんな性格の持ち主か、気になりますよね。
また、一年のうちでいつ頃がうお座生まれとなるのか、詳しく見ていきましょう。

何月生まれが魚座（うお座）？

うお座生まれは2月19日から春分の日である3月20日頃の生まれです。

なぜ「3月20日頃」なのかと言うと、春分の日の決まり方が関係しています。
太陽がおひつじ座に入る日を、春分の日と言います。

しかし太陽の動きと春分点の関係上、実際には年により春分の日時が少しずつ変わるようです。
春分の日時が変わるということは、それぞれの星座の区切りの日も変わるということ。
このため最初の頃と最後の頃の生まれの人は、隣の星座生まれになっている可能性があります。

「みずがめ座だと思っていたら、調べたら一つ後のうお座だった！」
「うお座だと信じていたのに、本当はおひつじ座？」
このようなこともありえるので、2月19日前後の人と3月20日前後の人は詳しく調べてみるといいでしょう。

またうお座の期間の日でも、時間によっては隣の星座生まれになっていることもあります。
母子手帳などに記載されている出生時刻を確認してみるといいでしょう。

魚座（うお座）生まれの人の特徴

うお座生まれには、他の星座にはない独特の個性や特徴があります。
うお座生まれならではの美点と欠点を見ていきましょう。

うお座生まれはロマンティックで豊かな発想力を持つ

うお座の二つの守護星は、幸運と拡大の星・木星と、幻想の星・海王星です。
このためうお座生まれは二つの天体の影響を受け、類いまれな直感力や美的センスに恵まれ、豊かな才能を発揮して社会に貢献していきます。
不思議なものに関心を持つ傾向があり、見えないものを感じる優れた感性と直感力を持つでしょう。

繊細で情緒豊かな一面を持つ

水のエレメントであり、芸術肌でインスピレーションに恵まれています。
イメージを膨らませるのが得意なロマンティストなのです。
しかし想像力が豊かであるために、少しのことで悩みすぎてしまいます。
傷付きやすい一面がありますが、感情表現は豊かでしょう。

迷いやすい一面も

うお座は柔軟宮のため臨機応変に行動しますが、判断に迷う所があります。
人の意見に惑わされる一面があるからです。
このため、どうすればいいのか分からなくなり、決断を後回しにすることもあるようです。

心優しく他者への共感力に優れている

女性星座であり、人の心を敏感に察知します。
愛情豊かで慈悲の心があり、他人を思いやる優しさがあるでしょう。
それはうお座生まれがさみしがり屋で、誰かと関わっていたいと考えているからです。
自分の心の痛みを知っているからこそ、他者の痛みに共感するのです。

このように、うお座生まれの人は非常に親切で同情心に溢れており、夢見がちで慈愛に満ちた善人です。
誰とでも仲良くしようという人懐っこさがある反面、善意を利用されてしまう一面があるので気をつけるといいでしょう。

魚座（うお座）生まれの人に向いている職業

一般的に芸術肌で博愛精神であるうお座は、これらの職業に適しているとされています。

• 癒しに関する仕事（ex.セラピスト、カウンセラー）
• 美に関する仕事（ex.アーティスト、美容師、デザイナー、芸術家）
• クリエイティブ系の仕事（ex.表現者、作家、ライター）
• 対人系の仕事（ex.サービスや接客、店員）
• 他者に貢献する仕事（ex.医療関係）
• 直感が必要な仕事（ex.宗教家や巫女、占い師）
• 海や水にまつわる仕事（ex.飲食業や水商売、海運業や水産関係）

他にも、奉仕の精神が豊かであるため、ボランティアのように無償で誰かのために尽くすことも得意とされています。

《12星座別》魚座（うお座）と相性の良い星座&上手く行くコツ

うお座にとって最も相性がいいのは、同じ水の星座であるかに座とさそり座、うお座です。
これらの星座とは、仲間意識が芽生えやすいでしょう。
次に相性が良いとされるのは、おうし座とやぎ座です。

逆に相性が悪いとさ言われるのはふたご座、おとめ座、いて座となります。
しかしポイントさえ押さえれば、どの星座とも上手く付き合って行けるでしょう。

上手く行く秘訣はこちらです。

どこにある？観測できる季節は？魚座（うお座）の見つけ方

うお座を探す時は、星図を頼りに双眼鏡を用いるといいでしょう。
なぜならうお座は最も目立つ星でも4等星までの、やや暗い星で構成されている星座だからです。
視力が良い人は、肉眼で6等星くらいまで見えるとされています。
しかし視力が弱めの人の場合、4等星を裸眼で見るのは難しいかもしれません。

魚座（うお座）を見つけるポイント

うお座は最も明るく輝く星ですら4等星で難しい星座のため、星図があると便利です。
北にアンドロメダ座、東におひつじ座があるので、これらの手がかりを元に目を凝らして探してみるといいでしょう。
独特のL字型の形状を頼りに探すのもいいです。
4等星以下の星で構成されるうお座は探すのが少し面倒ですが、星図とともに探し出す楽しみもあると言えます。

魚座（うお座）生まれが誕生日に魚座（うお座）を見ることはできる？

残念ながらうお座生まれが誕生日にうお座を見ることはできません。

星座をよりよく見ることができる時期は、星座で言えば正反対の頃の季節である秋頃となります。
なぜなら「うお座の期間とは、うお座の辺りに太陽が来ている時期」だからです。
太陽の近くにうお座があるということは、うお座が見えるはずの時間は「昼間」になってしまいます。
太陽からやや離れた位置でしか、ほとんどの星を肉眼で観測することはできません。
特に四等星以下の星の組み合わせであるうお座の地味な輝きは、たやすく太陽の光に隠れてしまうでしょう。
このため春であるうお座の時期に、夜空に輝くうお座を見ることはできません。

魚座（うお座）のラッキーアイテム

魚座の持つ幻想的でロマンティックな雰囲気を感じられるアイテムをご紹介します。日々の暮らしにそっと寄り添ってくれるようなお気に入りアイテムを見つけてみてください。

魚座（うお座）の神話が教えてくれる大切な想い

うお座は、愛と美の女神であるアフロディーテにまつわる神話がある、ドラマティックな星座です。
愛と絆の神話に彩られたうお座は、リボンで結び合いたいほど大切な人や家族の存在を思い出させてくれるでしょう。

とんでもない怪物に出くわすのは不運ですが、不幸は絆や大切な何かを再確認するチャンスだと、星々は教えてくれているのかもしれません。

12星座の終わりであり、始まりのおひつじ座へと続くうお座。
うお座が終わった時、新しい運命のサイクルがまた、始まるのです。
そんなうお座の期間を、心静かに誰かと、あるいは自分自身と向き合う時にするのもいいでしょう。

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