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クリスマスといえば、みなさんはどんなことをイメージしますか? おいしいクリスマスディナーやケーキ、クリスマスツリーやリースの飾りつけなど、1年のなかでも特に楽しさがあふれる時期ですよね。 そして、子どものときにはサンタクロースからプレゼントが届くのをとても楽しみにしていた、という方も多いのではないでしょうか。
そんなサンタさんですが、実は世界には「ブラックサンタ」という存在がいることを知っていますか? 日本ではなかなか馴染みがないブラックサンタですが、特にヨーロッパでは有名な存在。 そこで、今回のコラムではそんなブラックサンタについて、いったいどのようなサンタで、どのような見た目をしていてどのような言い伝えがあるのか、国によって違いはあるのかなどを詳しくわかりやすくご紹介していきたいと思います。
ぜひこのコラムを最後まで読んで、クリスマスについての知識をさらに深めていきましょう♪
そもそも、ブラックサンタとはいったい何なのでしょうか?
普通のサンタクロースと言えば、赤い服を着て白いひげを生やした親しみやすい見た目で、クリスマスに子どもたちにプレゼントを届けてくれる、ハッピーなイメージがありますよね。
しかし、ブラックサンタは普通のサンタクロースとはちょっと違います…
ブラックサンタは、「悪い子におしおきをしにやってくる」存在。 ブラックサンタの言い伝えがある国々ではクリスマスが近づくと、親が子どもたちに 「いい子にしていないとブラックサンタが来るよ!」 「悪い子のところにはブラックサンタが来るから、いい子にしていなさい!」 などと言って注意します。
日本では、年末に怖い見た目をした鬼が「泣ぐ子はいねが〜!」と子どもを叱りにくるなまはげの風習がありますが、海外のブラックサンタもそれと似ていると考えるとわかりやすいかもしれません。
クリスマスを語るにあたり外せない人物が「サンタクロース」ですが、実はモデルがいるのを知っていましたか?
サンタクロースのモデルとなったのは、「聖ニコラウス」という人。 聖ニコラウスは、4世紀、小アジア(現在のトルコ)のミュラという場所で司教を務めていた人物です。彼は普段から困っている人や貧しい人を助け、自分の持ち物を与えていた心のやさしい人でした。
有名なエピソードの一つにこんなお話があります。 ある貧しい家に3人の娘がいました。娘たちを売らなければならないほどお金に困っていた家族の話を聞いたニコラウスはその夜、その家の煙突から金貨を投げ入れます。その金貨は暖炉のそばの靴下の中へ落ち、この金貨のおかげで娘たちは身売りをせずに済んだという話が残っています。 クリスマスに靴下を下げておくと、サンタクロースが贈り物を入れてくれるという風習は、ここから生まれたと言われています。
サンタクロースという名前は、英語の「セント・ニコラウス」のオランダ語読み(シンタ・クロース)に由来します。
ブラックサンタの言い伝えはいろいろな国にありますが、もっとも有名なのは、ドイツに伝わるブラックサンタである「クネヒト・ループレヒト」です。 「クネヒト」というのは召使・従者・しもべといった意味があります。「ループレヒト」は男性名です。
ドイツでは地域にもよりますが、赤と黒のサンタクロースがペアで活動していると言われています。
ブラックサンタの見た目は諸説あります。
たとえば、毛皮かワラを着ている、長いひげを生やしている、黒い服に身を包んでいる、小枝を束ねた鞭を持っている、服には鈴がついている…などです。 長い棒や、灰の入れられた袋を持って現れるという説もありますよ。
ブラックサンタは、悪い子にお仕置きをする存在です。 ジャガイモ・石炭・木の棒などのもらって嬉しくないものをプレゼントしたり、子どもを袋に入れて持ち去ってしまうことも… また、血が滴る牛や豚の臓物を、部屋にまき散らすとも言われています。
とても怖い存在に思えるブラックサンタですが、実は良い人という説もあるとか…?
ブラックサンタが持ってくるジャガイモは、かつて貧しい国だったドイツの人々の主食でした。食料が慢性的に不足していた当時のドイツでは、栄養失調の子供がたくさんいたことでしょう。 また、臓物に関しては、主食のジャガイモだけでは補えない栄養素を補足するためとも考えられます。 素敵なクリスマスプレゼントが欲しい子供たちからするとがっかりしてしまいますが、ブラックサンタはお仕置きと称して、大切な食材をプレゼントしてくれていたのかもしれません。
また、お仕置きに関してもお祈りができない悪い子にのみとのこと。 そうなってくると、案外良い人なのかも…?
とはいっても、部屋に臓物をまき散らすのは考え物ですよね…
最後に、世界各地のブラックサンタについて、見た目の特徴や伝承をご紹介します。
ヨーロッパ中部のアルプス周辺に伝わる伝承で、ブラックサンタと似たものが「クランプス」です。 半分ヤギ、半分悪魔といった怪物のようなとても怖い見た目をしています。
ドイツのブラックサンタと同じように、悪い子どもを連れ去ったり、地獄へ引きずり込んだりする、という伝承があります。
サンタクロースの名前の由来である「シンタクラース(オランダ語)」ですが、その従者が「黒いピート(ズワルトピート)」です。
黒い顔、くるくるとした髪の毛、金色のリングのイヤリングといった見た目をしています。 黒いピートは、良い子に与えるお菓子の入った袋と、悪い子を叩くための白樺の棒と煙突ブラシを持っています。悪い子は杖で叩いたり袋に詰めて持ち去ってしまうという言い伝えがあります。
ペール・フェタールは「鞭打ちおじさん」という意味があります。その名のとおりムチを持っているのが特徴。 クリスマスにペール・ノエル(フランスではサンタクロースのことをこう呼びます)と一緒にやって来て、悪い子をムチで懲らしめます。
私(筆者)はイギリスに住んでいますが、イギリスではサンタクロースのことを「ファーザークリスマス」と呼びます。 厳密に言うと、サンタクロースのモデルとなった「聖ニコラウス」とは別人で、太陽の復活と春の訪れを祝う妖精です。英国北部のケルト族の冬至のお祭りに登場するんですよ。 そして、ファーザークリスマスは緑色の服と帽子を身につけていることが特徴。
ちなみに、イギリスでもクリスマス前には「いい子にしていないと……」と親が子どもに言うことはありますが、ドイツのような具体的なブラックサンタの言い伝えは聞いたことがありません。
日本ではあまり馴染みのないブラックサンタですが、怖いという説だけでなく、実はいい人という説もあるなど、奥深い存在であることがわかりましたね。 ヨーロッパ各地の伝説や言い伝え、文化、風習と深く結びついているブラックサンタ。
ぜひ、今年のクリスマスは、ちょっとだけブラックサンタのことを思い出してみても良いのではないでしょうか。きっとさらにクリスマスを深く楽しめるはずです♪
このコラムが、みなさんがクリスマスやブラックサンタについてより興味をもつきっかけになれば嬉しいです!
クリスマスといえば、みなさんはどんなことをイメージしますか?
おいしいクリスマスディナーやケーキ、クリスマスツリーやリースの飾りつけなど、1年のなかでも特に楽しさがあふれる時期ですよね。
そして、子どものときにはサンタクロースからプレゼントが届くのをとても楽しみにしていた、という方も多いのではないでしょうか。
そんなサンタさんですが、実は世界には「ブラックサンタ」という存在がいることを知っていますか?
日本ではなかなか馴染みがないブラックサンタですが、特にヨーロッパでは有名な存在。
そこで、今回のコラムではそんなブラックサンタについて、いったいどのようなサンタで、どのような見た目をしていてどのような言い伝えがあるのか、国によって違いはあるのかなどを詳しくわかりやすくご紹介していきたいと思います。
ぜひこのコラムを最後まで読んで、クリスマスについての知識をさらに深めていきましょう♪
目次
ブラックサンタとは?
そもそも、ブラックサンタとはいったい何なのでしょうか?
普通のサンタクロースと言えば、赤い服を着て白いひげを生やした親しみやすい見た目で、クリスマスに子どもたちにプレゼントを届けてくれる、ハッピーなイメージがありますよね。
しかし、ブラックサンタは普通のサンタクロースとはちょっと違います…
ブラックサンタは、「悪い子におしおきをしにやってくる」存在。
ブラックサンタの言い伝えがある国々ではクリスマスが近づくと、親が子どもたちに
「いい子にしていないとブラックサンタが来るよ!」
「悪い子のところにはブラックサンタが来るから、いい子にしていなさい!」
などと言って注意します。
日本では、年末に怖い見た目をした鬼が「泣ぐ子はいねが〜!」と子どもを叱りにくるなまはげの風習がありますが、海外のブラックサンタもそれと似ていると考えるとわかりやすいかもしれません。
クリスマスと聖ニコラウス
クリスマスを語るにあたり外せない人物が「サンタクロース」ですが、実はモデルがいるのを知っていましたか?
サンタクロースのモデルとなったのは、「聖ニコラウス」という人。
聖ニコラウスは、4世紀、小アジア(現在のトルコ)のミュラという場所で司教を務めていた人物です。彼は普段から困っている人や貧しい人を助け、自分の持ち物を与えていた心のやさしい人でした。
有名なエピソードの一つにこんなお話があります。
ある貧しい家に3人の娘がいました。娘たちを売らなければならないほどお金に困っていた家族の話を聞いたニコラウスはその夜、その家の煙突から金貨を投げ入れます。その金貨は暖炉のそばの靴下の中へ落ち、この金貨のおかげで娘たちは身売りをせずに済んだという話が残っています。
クリスマスに靴下を下げておくと、サンタクロースが贈り物を入れてくれるという風習は、ここから生まれたと言われています。
サンタクロースという名前は、英語の「セント・ニコラウス」のオランダ語読み(シンタ・クロース)に由来します。
ドイツに伝わるブラックサンタ【クネヒト・ループレヒト】
ブラックサンタの言い伝えはいろいろな国にありますが、もっとも有名なのは、ドイツに伝わるブラックサンタである「クネヒト・ループレヒト」です。
「クネヒト」というのは召使・従者・しもべといった意味があります。「ループレヒト」は男性名です。
ドイツでは地域にもよりますが、赤と黒のサンタクロースがペアで活動していると言われています。
ブラックサンタはどんな見た目?
ブラックサンタの見た目は諸説あります。
たとえば、毛皮かワラを着ている、長いひげを生やしている、黒い服に身を包んでいる、小枝を束ねた鞭を持っている、服には鈴がついている…などです。
長い棒や、灰の入れられた袋を持って現れるという説もありますよ。
悪い子にはお仕置きを…!
ブラックサンタは、悪い子にお仕置きをする存在です。
ジャガイモ・石炭・木の棒などのもらって嬉しくないものをプレゼントしたり、子どもを袋に入れて持ち去ってしまうことも…
また、血が滴る牛や豚の臓物を、部屋にまき散らすとも言われています。
実は良い人という説も…?
とても怖い存在に思えるブラックサンタですが、実は良い人という説もあるとか…?
ブラックサンタが持ってくるジャガイモは、かつて貧しい国だったドイツの人々の主食でした。食料が慢性的に不足していた当時のドイツでは、栄養失調の子供がたくさんいたことでしょう。
また、臓物に関しては、主食のジャガイモだけでは補えない栄養素を補足するためとも考えられます。
素敵なクリスマスプレゼントが欲しい子供たちからするとがっかりしてしまいますが、ブラックサンタはお仕置きと称して、大切な食材をプレゼントしてくれていたのかもしれません。
また、お仕置きに関してもお祈りができない悪い子にのみとのこと。
そうなってくると、案外良い人なのかも…?
とはいっても、部屋に臓物をまき散らすのは考え物ですよね…
世界各地のブラックサンタ
最後に、世界各地のブラックサンタについて、見た目の特徴や伝承をご紹介します。
ヨーロッパ中部【クランプス】
ヨーロッパ中部のアルプス周辺に伝わる伝承で、ブラックサンタと似たものが「クランプス」です。
半分ヤギ、半分悪魔といった怪物のようなとても怖い見た目をしています。
ドイツのブラックサンタと同じように、悪い子どもを連れ去ったり、地獄へ引きずり込んだりする、という伝承があります。
オランダ【黒いピート】
サンタクロースの名前の由来である「シンタクラース(オランダ語)」ですが、その従者が「黒いピート(ズワルトピート)」です。
黒い顔、くるくるとした髪の毛、金色のリングのイヤリングといった見た目をしています。
黒いピートは、良い子に与えるお菓子の入った袋と、悪い子を叩くための白樺の棒と煙突ブラシを持っています。悪い子は杖で叩いたり袋に詰めて持ち去ってしまうという言い伝えがあります。
フランス【ペール・フェタール】
ペール・フェタールは「鞭打ちおじさん」という意味があります。その名のとおりムチを持っているのが特徴。
クリスマスにペール・ノエル(フランスではサンタクロースのことをこう呼びます)と一緒にやって来て、悪い子をムチで懲らしめます。
おまけ:イギリスでは「サンタクロース」と呼ばない!?
私(筆者)はイギリスに住んでいますが、イギリスではサンタクロースのことを「ファーザークリスマス」と呼びます。
厳密に言うと、サンタクロースのモデルとなった「聖ニコラウス」とは別人で、太陽の復活と春の訪れを祝う妖精です。英国北部のケルト族の冬至のお祭りに登場するんですよ。
そして、ファーザークリスマスは緑色の服と帽子を身につけていることが特徴。
ちなみに、イギリスでもクリスマス前には「いい子にしていないと……」と親が子どもに言うことはありますが、ドイツのような具体的なブラックサンタの言い伝えは聞いたことがありません。
ブラックサンタを知れば、クリスマスがもっと楽しめる
日本ではあまり馴染みのないブラックサンタですが、怖いという説だけでなく、実はいい人という説もあるなど、奥深い存在であることがわかりましたね。
ヨーロッパ各地の伝説や言い伝え、文化、風習と深く結びついているブラックサンタ。
ぜひ、今年のクリスマスは、ちょっとだけブラックサンタのことを思い出してみても良いのではないでしょうか。きっとさらにクリスマスを深く楽しめるはずです♪
このコラムが、みなさんがクリスマスやブラックサンタについてより興味をもつきっかけになれば嬉しいです!