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日本の海はほとんどが美しい青色ですが、一部の地域の海はくすんだ青色に見えることがあります。 同じ海なのに、澄んだ水色の海と濁った海など、違いがあるのはなぜなのでしょうか。 そこで、海が青い理由や色の仕組み、世界に存在する青くない海を紹介します。
海の色について知識を深めると、マリンスポーツや海辺の散歩がもっと楽しくなるはずです。
海は青色をしていますが、実際に海水が青い色をしているわけではありません。海が青色に見える理由は、水の性質や太陽の光の見え方が関係しています。 最初に、人間の目に海が青く見える理由と、色の仕組みを紹介します。
海に太陽の光が当たり、水の中に光の波長が入ると、波長が長い赤色から徐々に吸収されます。海の奥深くで反射し、人間の目が認識できるまでの間に赤の光が吸収され青色のみが残るため、海水は青に見えているのです。
太陽光で海の表面が照らされても、水は透明であるため光はそのまま海の中に入ります。
人間が目視で確認できる光の種類は、赤色、オレンジ、黄色、緑色、青色、藍色、紫色です。
光の分子が水に入ると、赤色、オレンジ、黄色と順番に吸収されますが、赤色とオレンジは最後に吸収される紫色の1,000倍も吸収します。 つまり、青色の光は吸収されにくく底まで透過し、海の中で本来透明な水が人間の目には青く見えるのです。
浅いところでは赤色のみが吸収されて、深い場所では青色のみが残っています。
実際には青色ではなく紫色が吸収されにくく残りますが、人間の目では紫色が認識しにくいため青色が強調されます。
浸透すればするほど青く見えるということは、浅瀬では黄色や緑色が残るということです。
海と同じように、空も青く見えるもののひとつです。空の色も、海の色と同様に変化することを疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。 しかし、海が青く見える理由と空が青く見える理由は若干異なります。
ここでは、空が青色に見える理由を簡単に紹介します。
晴れている空は青く見えますが、曇りの日や雨の日の空は暗く見え、朝焼けや夕暮れはオレンジ色のように赤く見え、夜は黒くなります。
空の色が天候や時間帯によって変化する理由は、太陽光と地球の周辺を覆っている大気が深く関係しています。太陽の光は宇宙から大気を通過して人間の目に届いていますが、大気中には非常に小さな微粒子と呼ばれる粒が浮いている状態です。
青い光は波長が短く、微粒子に当たると進む方向が変わるため、様々な方向へ波長が散っている状態になります。 これは光の産卵と呼ばれる現象であり、大気中で散乱した青い光が他の色よりも人間の目に届きやすいため空が青色に見えます。
早朝や夕暮れの空が赤やオレンジ色に見える理由は、地球が太陽に照らされる方向が変化するためです。早朝や夕暮れは太陽光が斜めから地球に当たるため、日中より多くの大気を通過します。
青色の光が日中よりもより様々な方向へ散乱することから、人間の前に人間の目が認識する前に青色が消え、赤とオレンジ色の光が目立つため空の色が赤く見えます。
海が青く見える理由は、砂浜の色も関係しているのではと考える方も多いでしょう。ここでは、砂浜の色や海に存在する砂の色がどのように海の色に影響しているのかを紹介します。
砂浜の色が白いと、海も青く見える傾向があります。特に水深の浅い場所では砂浜の砂と海水が混ざり合うため、浅瀬の海の色が薄く美しい水色に見えることが多いです。
地域ごとに海の色に違いがあるのには、海の底に存在する砂の色も深く関係しています。例えば、海の浅瀬で海の底にある砂も白い場合は、砂の白い色が海水に混ざり、明るい色に見えます。
しかし、水深が深い場所は海底にある砂の色が海水の色に影響を及ぼしにくく、青い色が濃く見えます。海底にある砂の色が、海水の色に与える影響は、どの程度の範囲に太陽の光が届いているかどうかが関係しているのです。
砂浜や海底の砂が黒や白など地域によって異なる理由は、含まれている成分が異なるためです。 例えば、砂が黒く見えるのは、溶岩が砕け、砂となって蓄積していることが理由です。溶岩が固まると、グレーまたは黒色になります。つまり、火山付近にある砂浜や海底の砂は、黒い傾向があります。
一方、砂浜が白い場合、サンゴの死骸が砕けたものが蓄積しているケースが多いです。珊瑚が蓄積した砂浜は、炭酸カルシウムが多く含まれているほか、ホタテをはじめとした貝殻が細かく砕けて白い砂に見えることもあります。
世界には、青い色をしていない海がいくつか存在します。そこで、世界にある青くない海を4つ紹介します。
中国と朝鮮半島の間にある黄海は、黄海は、中国の北の地域を流れている川から運ばれた黄色い泥が流れ込み、部分的に黄色く濁っていることが特徴です。
水が黄色く泥で濁って見えることから、「黄海」と名付けられた説や、黄海川に鮭が登って産卵する際、鮭の大群が黄色に見えることに由来して「黄海」という名前がついたともいわれています。黄海に存在する魚類は非常に種類が多いことが特徴で、日本、韓国、中国など周辺の国が漁獲に利用している海です。
黒海はトルコの北にあるエーゲ海とつながっており、深い場所の海水には硫化鉄と呼ばれる成分が含まれているため海が黒く見えます。黒海はアジアとヨーロッパ大陸に囲まれており、古代ペルシャ人が暖かく波も緩やかなペルシャ湾になぞらえて「暗黒の海」と呼んだといわれています。
北の地域ならではの、荒々しく暗いイメージがある海です。一時期、ロシア側では「ロシア海」とも言われていましたが、後にオスマン帝国が海を支配下に置くと、「暗い海」の訳語である「黒海」と呼ばれるようになり、これが通称となりました。
白海は、海中に泥やプランクトンが混ざり、海底で光の反射が起こるため、白く見えています。
ロシア南部にあり、白さが北を連想させ、北国ならではの空の色が海面を白く見せることから名付けられました。
紅海は、アラビア半島とアフリカに挟まれた海です。海中に存在する藻が繁殖し、海が赤色に見えることから紅海という名前がつけられたといわれています。紅海は乾燥した地域にあるため海水が蒸発しやすいほか、河川がほとんど流入しておらず通常の海水と比較して塩分濃度が高いことが特徴です。
さらに、地形や気候が特殊なことから、世界でもトップクラスの透明度があり、ダイビングスポットとしても非常に人気があります。また、カラフルな魚やエイ、サメといった大きな生き物も多く住んでいることも、ダイビングスポットとして人気の理由のひとつでしょう。
海に行く時間帯、季節によって日差しや水の透明度が異なります。そのため、多くの海は青く美しいということは共通していますが、青さは訪れる時期によって違いがあるのです。
このように、普段何気なく見上げている空や海の色も、実は科学的根拠があります。海が青色に見える仕組みを知って、自然の美しさを観察してみましょう。
日本の海はほとんどが美しい青色ですが、一部の地域の海はくすんだ青色に見えることがあります。
同じ海なのに、澄んだ水色の海と濁った海など、違いがあるのはなぜなのでしょうか。
そこで、海が青い理由や色の仕組み、世界に存在する青くない海を紹介します。
海の色について知識を深めると、マリンスポーツや海辺の散歩がもっと楽しくなるはずです。
目次
海が青い理由とは?
海は青色をしていますが、実際に海水が青い色をしているわけではありません。海が青色に見える理由は、水の性質や太陽の光の見え方が関係しています。
最初に、人間の目に海が青く見える理由と、色の仕組みを紹介します。
色を見分けるためのしくみ
海に太陽の光が当たり、水の中に光の波長が入ると、波長が長い赤色から徐々に吸収されます。海の奥深くで反射し、人間の目が認識できるまでの間に赤の光が吸収され青色のみが残るため、海水は青に見えているのです。
光の色ごとの届きやすさの違い
太陽光で海の表面が照らされても、水は透明であるため光はそのまま海の中に入ります。
人間が目視で確認できる光の種類は、赤色、オレンジ、黄色、緑色、青色、藍色、紫色です。
光の分子が水に入ると、赤色、オレンジ、黄色と順番に吸収されますが、赤色とオレンジは最後に吸収される紫色の1,000倍も吸収します。
つまり、青色の光は吸収されにくく底まで透過し、海の中で本来透明な水が人間の目には青く見えるのです。
海の中で吸収される色
浅いところでは赤色のみが吸収されて、深い場所では青色のみが残っています。
実際には青色ではなく紫色が吸収されにくく残りますが、人間の目では紫色が認識しにくいため青色が強調されます。
浸透すればするほど青く見えるということは、浅瀬では黄色や緑色が残るということです。
海が青い理由と空が青い理由は同じ?
海と同じように、空も青く見えるもののひとつです。空の色も、海の色と同様に変化することを疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、海が青く見える理由と空が青く見える理由は若干異なります。
ここでは、空が青色に見える理由を簡単に紹介します。
空の色が変わる理由
晴れている空は青く見えますが、曇りの日や雨の日の空は暗く見え、朝焼けや夕暮れはオレンジ色のように赤く見え、夜は黒くなります。
空の色が天候や時間帯によって変化する理由は、太陽光と地球の周辺を覆っている大気が深く関係しています。太陽の光は宇宙から大気を通過して人間の目に届いていますが、大気中には非常に小さな微粒子と呼ばれる粒が浮いている状態です。
青い光は波長が短く、微粒子に当たると進む方向が変わるため、様々な方向へ波長が散っている状態になります。
これは光の産卵と呼ばれる現象であり、大気中で散乱した青い光が他の色よりも人間の目に届きやすいため空が青色に見えます。
朝と夕方の空が赤いのはなぜ?
早朝や夕暮れの空が赤やオレンジ色に見える理由は、地球が太陽に照らされる方向が変化するためです。早朝や夕暮れは太陽光が斜めから地球に当たるため、日中より多くの大気を通過します。
青色の光が日中よりもより様々な方向へ散乱することから、人間の前に人間の目が認識する前に青色が消え、赤とオレンジ色の光が目立つため空の色が赤く見えます。
海の色には砂の色が関係してる?
海が青く見える理由は、砂浜の色も関係しているのではと考える方も多いでしょう。ここでは、砂浜の色や海に存在する砂の色がどのように海の色に影響しているのかを紹介します。
砂浜の色による海の色の違い
砂浜の色が白いと、海も青く見える傾向があります。特に水深の浅い場所では砂浜の砂と海水が混ざり合うため、浅瀬の海の色が薄く美しい水色に見えることが多いです。
海底の砂の色も海の色に関係している
地域ごとに海の色に違いがあるのには、海の底に存在する砂の色も深く関係しています。例えば、海の浅瀬で海の底にある砂も白い場合は、砂の白い色が海水に混ざり、明るい色に見えます。
しかし、水深が深い場所は海底にある砂の色が海水の色に影響を及ぼしにくく、青い色が濃く見えます。海底にある砂の色が、海水の色に与える影響は、どの程度の範囲に太陽の光が届いているかどうかが関係しているのです。
砂浜や海底の砂の色が違う理由
砂浜や海底の砂が黒や白など地域によって異なる理由は、含まれている成分が異なるためです。
例えば、砂が黒く見えるのは、溶岩が砕け、砂となって蓄積していることが理由です。溶岩が固まると、グレーまたは黒色になります。つまり、火山付近にある砂浜や海底の砂は、黒い傾向があります。
一方、砂浜が白い場合、サンゴの死骸が砕けたものが蓄積しているケースが多いです。珊瑚が蓄積した砂浜は、炭酸カルシウムが多く含まれているほか、ホタテをはじめとした貝殻が細かく砕けて白い砂に見えることもあります。
世界にある「青くない」海
世界には、青い色をしていない海がいくつか存在します。そこで、世界にある青くない海を4つ紹介します。
黄海
中国と朝鮮半島の間にある黄海は、黄海は、中国の北の地域を流れている川から運ばれた黄色い泥が流れ込み、部分的に黄色く濁っていることが特徴です。
水が黄色く泥で濁って見えることから、「黄海」と名付けられた説や、黄海川に鮭が登って産卵する際、鮭の大群が黄色に見えることに由来して「黄海」という名前がついたともいわれています。黄海に存在する魚類は非常に種類が多いことが特徴で、日本、韓国、中国など周辺の国が漁獲に利用している海です。
黒海
黒海はトルコの北にあるエーゲ海とつながっており、深い場所の海水には硫化鉄と呼ばれる成分が含まれているため海が黒く見えます。黒海はアジアとヨーロッパ大陸に囲まれており、古代ペルシャ人が暖かく波も緩やかなペルシャ湾になぞらえて「暗黒の海」と呼んだといわれています。
北の地域ならではの、荒々しく暗いイメージがある海です。一時期、ロシア側では「ロシア海」とも言われていましたが、後にオスマン帝国が海を支配下に置くと、「暗い海」の訳語である「黒海」と呼ばれるようになり、これが通称となりました。
白海
白海は、海中に泥やプランクトンが混ざり、海底で光の反射が起こるため、白く見えています。
ロシア南部にあり、白さが北を連想させ、北国ならではの空の色が海面を白く見せることから名付けられました。
紅海
紅海は、アラビア半島とアフリカに挟まれた海です。海中に存在する藻が繁殖し、海が赤色に見えることから紅海という名前がつけられたといわれています。紅海は乾燥した地域にあるため海水が蒸発しやすいほか、河川がほとんど流入しておらず通常の海水と比較して塩分濃度が高いことが特徴です。
さらに、地形や気候が特殊なことから、世界でもトップクラスの透明度があり、ダイビングスポットとしても非常に人気があります。また、カラフルな魚やエイ、サメといった大きな生き物も多く住んでいることも、ダイビングスポットとして人気の理由のひとつでしょう。
海が青色に見える理由は光の吸収が関係している
海に行く時間帯、季節によって日差しや水の透明度が異なります。そのため、多くの海は青く美しいということは共通していますが、青さは訪れる時期によって違いがあるのです。
このように、普段何気なく見上げている空や海の色も、実は科学的根拠があります。海が青色に見える仕組みを知って、自然の美しさを観察してみましょう。