掲載日:2024.07.22

「クラフト」の意味とは?魅力や日本と海外のクラフト文化についてご紹介!

みなさんは、「クラフト」という言葉を聞いたことがありますか?
テレビやラジオなどで「クラフト○○」といった表現をよく耳にする、という方も多いのではないでしょうか。しかし、「クラフト」の実際の意味についてはよくわからないという方もいるはず。

そこで、このコラムでは、クラフトの意味や定義、最近話題のクラフト商品などについてご紹介していきます。
またあわせて、クラフトの魅力や楽しみ方、日本の伝統工芸とクラフトや、海外のクラフト文化との違いなどについてもわかりやすく解説していきます。

ぜひこのコラムを最後まで読んで、クラフトについて深く知りましょう♪

クラフトとは?意味や定義をご紹介!

クラフトとは?意味や定義をご紹介!

まずは、「クラフト」という言葉の意味や定義を一緒に確認していきましょう!

クラフトの定義とは

日本語ではカタカナで「クラフト」と表記されますが、英語の「craft」に由来する言葉です。
もともとは「技術」や「技巧」、「手仕事」という意味を持つ単語です。そこから派生して、「工芸品」「手芸品」「民芸品」「手工芸品」などの意味で使われるようになりました。人々の技術を使ったり、手仕事で生み出されるもの、とイメージするとわかりやすいかもしれませんね。

また、作り手がこだわって少量生産で作った商品のことを「クラフト○○」と呼んでいます。
後ほど詳しく解説しますが、クラフトビールなどがそれに含まれます。機械による大量生産ではないことがクラフトの定義とも言えるでしょう。

クラフトの起源(歴史)

英語の「craft」は、古英語の「cræft」に起源があると考えられています。もともとの古英語の意味は「力・威力」でしたが、そこから意味が派生して「手工芸、作られたもの」という意味になっていきました。

また、クラフトのなかでも特に革を使ったレザークラフトは歴史が古いと考えられています。革を扱うための専用の道具は何千年も前からあったと言われているんですよ。

クラフトとアートの違い

クラフトと似た言葉に「アート」があります。
はっきりとした決まった違いはないものの、クラフトは「実用性があるもの、目的や機能を持って作られるもの」、アートは「鑑賞目的のもの、『無用の美』として開花したもの」といった点を違いと考えるのが一般的です。

ただし、近年ではクラフトとアートの境目があいまいになってきている現状もあります。

クラフトの種類

クラフトにはさまざまな種類があります。
たとえば、お皿や湯飲みなどの食器類、革を使ったレザークラフト、ビーズや天然石などを使ったアクセサリー、そして最近特に話題になっている飲み物・食べもののクラフトなどがあります。

クラフト〇〇の例をご紹介!

ここからは、近年人々から熱い視線が向けられているクラフト○○をいくつかご紹介します。

クラフトビール

クラフトビール

クラフトビールは今もっともアツいクラフト商品のひとつ。もともと日本では地ビールの生産がさかんでしたが、クラフトビールも2000年代に入ってから人気を集めるようになりました。
ちなみに、地ビールはラガータイプ(下面発酵)が多いのに対して、クラフトビールはエールビール(上面発酵)が多いです。また、クラフトビールは作り手の個性がより強く出ていることも特徴です。

男女問わず人気のクラフトビール。作っている企業や工房も多いので、飲み比べてみるのもおすすめですよ。

クラフトジン

ジンはベースのスピリッツに植物を加えて蒸留して作ります。ここで使う植物こそがクラフトジンのこだわりポイント。その地域でしかとれないような植物を使うことで、その土地ならではのジンを作ることができます。

クラフトコーラ

こちらも人気のクラフト商品であるクラフトコーラ。大手飲料メーカーのコーラではなく、職人などが丁寧に作っていることがクラフトコーラの特徴であり魅力でもあります。さまざまなスパイスの配合によって、ちょっとした味の違いを楽しむことができますよ。

クラフトコーヒー

クラフトコーヒーも、大手企業のものではなく、職人が手間暇かけて作っている点がポイントです。焙煎や抽出を丁寧に行い、そのコーヒーならではの酸味や香りを生み出しています。自分の好みのクラフトコーヒーを探すのも楽しいかもしれませんね。

クラフトチョコレート

クラフトチョコレート

クラフトチョコレートは、アメリカで注目されたのをきっかけに、そのブームが日本にもやってきました。
クラフトチョコレートの「ビーントゥバー(Bean to Bar)」という製造方法に注目が集まっています。これは、原料のカカオ豆からチョコレートになるまでのすべての加工工程をショコラティエや工房が手がける方法のことです。カカオそのものの味わいが楽しめるチョコレートなど、ショコラティエのこだわりを感じられる点が魅力です。

クラフトの魅力

続いて、クラフトの魅力をご紹介します。これらを知れば、きっとみなさんもクラフトに魅了されるはず♪

手作りの満足感

手作りの満足感

やはり、素材や原料選びといった「イチから自分で作る」ことで得られる満足感がクラフトの大きな魅力ではないでしょうか。
すでにできあがったものを買う場合には感じられなかった愛着や、自分なりのこだわり、誇りを感じられるはずです。

リラックス効果

自分でクラフトを作っている時間は、ものづくりに集中でき、他のことで気が散らないため、リラックスすることができます。また、クラフトの食べものや飲み物の場合は、リラックス効果がある原料が使われていることもありますよ。

クラフトの楽しみ方

クラフトの楽しみ方

ここまで、クラフトの種類や魅力をご紹介してきました。
ここからは、どんなふうにクラフトを楽しめるのか、その方法をいくつかご紹介します。

自分なりのこだわりを追求する

クラフトの良いところは、自分の好みにあわせて作れること。たとえばクラフトコーヒーであれば、酸味や香りをとことんこだわってみてはいかがでしょうか。きっと、自分にぴったり合うものが作れるはずですよ。

また、工芸品の場合も、使う素材をじっくり選ぶ楽しさもあります。布やフェルトの種類、ビーズや天然石をどのように使うのかなどを考えるのも楽しいのではないでしょうか。

職人や工房ごとの違いを楽しむ

クラフトには、職人や工房ごとの特徴やこだわりが特に強く表れます。たとえば、クラフトチョコレートであれば、職人によって材料や品質管理などの方法が異なります。それぞれ足を運んで見て、職人や工房ごとの味の違いを楽しむのも良いでしょう。

家族や友人と好みを比べてみる

クラフトはもちろん1人でも楽しめますが、ご家族や友人と好みを比べてみたり、お互いに作ってプレゼントしあうというのも素敵ではないでしょうか。どんな想いが込められているのか、どこにこだわって作ったのかなど、想像するのも楽しいですね。

クラフトの文化

最後に、クラフトの文化をわかりやすく解説していきます。日本と海外のクラフトにはどんな違いがあるのかなど、知っているとよりクラフトを楽しめるはずです。

日本の伝統工芸とクラフト

日本の伝統工芸は、各地の風土や特徴を「もの」として今に伝える品々です。
ひとつひとつ職人の手作業によって作られ、日本人の美意識が感じられるのが特徴です。
クラフトも、大量生産ではなく、丁寧に作っている点は同じ。近年では、伝統工芸とクラフトを素敵に組み合わせるなど、新たな取り組みもはじまっています。

海外のクラフト文化との比較

海外でもクラフト文化があります。たとえば、フランスでは150年以上の歴史があるパスマントリー(タッセル)が特に有名です。刺繍糸やビーズなどを使用して作られる飾り紐で、ロマンチックな印象を与えるクラフトです。

また、イギリスでは19世紀から変わらない手仕事で作る「デンビー」という食器ブランドがあります。地元・ダービーシャーの粘土を使い、丁寧に作られた食器は耐久性も抜群です。

海外のクラフトもとても魅力的ですが、日本のクラフトの特徴は、デザインや作りの繊細さ。また、品質の高さも評価されています。日本の絵付けの細かさや、織物や染物の微妙な色合いなどに、日本人の職人の勤勉さと丁寧さが表れているのです。

クラフトと地域文化の関係

クラフトは、地域文化に根ざした品々です。伝統工芸品やクラフトは、その地域から産出される素材を元に伝統的な技術で作られてきたもの。その場所の気候や風習などから生み出された知恵をもとに、工夫を重ねて作っています。

たとえば、徳島県鳴門市の代表的なクラフトである「大谷焼」は地元の大麻町萩原で採取される「萩原粘土」が使われているんですよ。また、「寝ろくろ(助手が作業台の下に寝ころび、足でろくろを回す)」と呼ばれる独特の製造方法で作られます。

クラフトを取り入れて、日常に彩りを加えよう

クラフトを取り入れて、日常に彩りを加えよう

今回のコラムでは、クラフトの意味や魅力、最近人気のクラフト商品などについてご紹介してきました。

小物や飲み物、チョコレートなど、日常生活に取り入れやすいクラフトもたくさんあります。ぜひ、クラフトをあなたの毎日に加えてみませんか?きっと彩りを与えてくれるはずです。

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