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「ネコ科の野生動物」と聞いて頭に浮かぶ動物といえば、ライオンやトラという方が多いのではないでしょうか。 しかし「ネコ科の野生動物」にはそっくりすぎて違いがよくわからない3種の動物がいます。それは、チーター・ヒョウ・ジャガー。
このコラムではこの3種の動物の違いや見分け方についてご紹介。 彼らのあまり知られていない魅力を発見できますよ。
「チーター」といえば、足が速い動物。国内には約104施設の動物園がありますが、チーターを飼育している動物園は約13施設。 なかなか実物を見ることのできないチーターの特徴、ヒョウやジャガーとの違いや見分け方などを紹介します。
チーターはアフリカのサハラ砂漠以南、西アジア、中近東などのサバンナに生息。 体長は110cm〜150cm、体重は40〜70kg。小顔で手足が長くほっそりとした体型です。 柄は茶系のボディに黒い斑点。顔には目頭から口に沿って涙の跡のような黒い線が入っています。この黒い線は昼行性のチーターの目を日中の眩しい光から守る効果があるそうです。
チーターの簡単な見分け方は、顔の黒い線の有無!
チーターは世界最速の動物。走り始めて約3秒で時速100kmに到達します。その俊足から世界最速かつ最強と思われがちですが、実は2つの弱点があります。 ひとつは「持久力に欠ける」こと。世界最速の足を持っているのに約500m走るので精一杯。狙われた獲物も必死に逃げるので狩りが失敗に終わることもしばしば。 もうひとつは「顎の力が弱い」こと。サバンナでは獲物を仕留めたら素早く食べないと他の動物から横取りされてしまいます。チーターは顎の力が弱いので食べるのが遅く、他の動物から横取りされることが多いそうです。
他の大型のネコ科と比べて体も足も長いチーター。さらに背骨の柔軟性も高く、体をうまく曲げ伸ばしして歩幅を長くしています。 『後ろ脚で蹴り上げる⇒地面に前足を着ける⇒そのさらに先に後ろ足を出して着地』を繰り返すチーターは走っている間体はほとんど空中にあり、まるで空を飛んでいる状態です。 また、足先の爪をネコのように隠すことができず常に爪が出たままになったいます。この爪がスパイクの役割を果たし、しっかりと蹴りだすことに役立っています。
チーターは臆病で慎重な性格。他の動物から獲物を横取りされそうになると争わずに自らその場を離れるそうです。ムダな争いはしない平和主義者ですね。 また、人間によくなついて温厚な性格に育つので海外ではチーターをペットとして飼っている人もいます。
「ヒョウ」といえばレオパード柄(またはヒョウ柄)。洋服・靴・バッグ・ポーチ・ネイルなど私たちの生活に溶け込んでいる柄ですね。筆者もレオパード柄のスニーカーを長年愛用しています。 国内でヒョウを飼育している動物園は約12施設。チーターと同じく少ないですね。そんなヒョウの特徴をご紹介します。
ヒョウはアフリカ大陸、アラビア半島、東南アジアなどに生息。ネコ科の野生動物の中では最も幅広い地域に生息していて地域によってはユキヒョウやクロヒョウなどの亜種が存在しています。寒い地域のヒョウは柄が大きく毛が長い、暑い地域のヒョウは柄が小さく毛が短い傾向にあります。 体長は100cm〜150cm、体重は30〜90kg。チーターよりもムチっとした体型です。 柄は茶系のボディにロゼットと呼ばれるバラの花が開花したような形をした斑点。その斑点は内側のオレンジ色を囲むように外側に黒い花びらのような模様が付いています。
ヒョウの簡単な見分け方は、多くの方が見たことのあるレオパード柄!
ヒョウは運動能力が高く木登りが得意。敵が近くにいるときは仕留めた獲物を木の上に持ち上げて枝や葉で隠します。ヒョウは顎が強いので獲物を木の上まで持ち上げることも楽々。 夜行性のヒョウにとって木の上は安心できる場所なので、昼間は木の上で寝て夜になると木から下りて活動します。 またジャンプ力が高く、垂直には約3m、地面と平行には約6mも跳ぶそうです。
ヒョウは基本的に群れを作らず単独行動を行う動物。それぞれが広い縄張りを持ち、尿・糞・地面掘りなどでマーキングをします。ネコ科野生動物界の一匹狼ですね。 一匹狼なので自由奔放なイメージがありますが、実は警戒心が強く慎重に行動をする性格の持ち主です。
白・グレー・薄いベージュなどの体毛で覆われて柄がくっきりとしていない「ユキヒョウ」は「ユキ(雪)」という名前の通り、中央アジアのアルタイ山脈やヒマラヤ山脈など極寒の山岳地帯に生息しています。雪景色に溶け込むカラーがかわいいユキヒョウですが地球温暖化や密猟により絶滅危惧種になっています。 また「クロヒョウ」も珍しい色のヒョウです。ノーマルカラーの両親から突然生まれることもある真っ黒いヒョウ。パッと見は黒1色ですが、よく見るとロゼット模様の斑点があります。こちらも頭数が少ないので準絶滅危惧種になっています。
チーター・ヒョウ・ジャガーの中で「ジャガー」が1番わからないことが多い動物という印象を持った筆者ですが、皆さんはいかがでしょうか。 国内でジャガーを飼育している動物園は約10施設と少なめ。実物を見ることができたらラッキーかもしれないジャガーの特徴、チーターやヒョウとの違いや見分け方などを紹介します。
ジャガーは北アメリカ大陸南部や南アメリカ大陸に生息。この地域の生態系の頂点に君臨しています。見た目がヒョウと似ているのでアメリカヒョウと呼ばれることも。 体長は120cm〜180cm、体重は50〜130kg。チーターやヒョウより大きいです。 柄はヒョウと同じく茶系のボディにロゼット模様の斑点がありますが、ジャガーには斑点の中心部分に黒い点があります。
ジャガーの簡単な見分け方は、この黒い点の有無ですね!
ジャガーは手足が短くガッシリとした体型。しかし運動能力は高く、ヒョウのように木登りをしたり、陸上での狩りはもちろん水辺での狩りも得意。上手に泳いで魚やカメを獲ったり、ときにはワニに襲いかかることも。前脚の力が強く狩りのときには獲物を前脚で叩いて捕らえることもあります。 また、水辺にいる獲物を狙うときは水中に隠れて待ち伏せをし、チャンスが来たら獲物に襲いかかるそうです。南米最強捕食者と呼ばれるのも納得ですね。
ジャガーは単独行動を行う動物。南米最強捕食者と恐れられていますが、性格は意外にも慎重派。 他のジャガーとの無意味な争いを避けたり、人間を見ても警戒して近づいてこないそうです。しかし縄張りが侵されれば猛然と襲いかかってくるので注意が必要です。
番外編として「ピューマ」を紹介します。 ピューマは英語で書くと【puma】 そう!多くの方がご存知のスポーツメーカー “PUMA”のモデルになっている動物です。 スポーツメーカーの名前にまでなっているプーマですが、生態は知らない…という人がほとんどではないでしょうか?
「ピューマ」は北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の幅広い環境に適応しており、森林や高山だけではなく半砂漠などにも生息。 体長は85cm〜150cm、体重は30〜100kg。狩りに適した強くてたくましい体型をしています。 ピューマは柄が全くない茶系のボディ。
ピューマの簡単な見分け方は、柄の有無です!
ピューマはネコ科の野生動物の中でも特に眼球が大きく視力が優れていて、数百メートル離れた場所からでも獲物を見つけられます。 またジャンプ力にも優れていて約5mの高さの木の枝まで垂直にジャンプすることができるそうです。 ピューマは捕らえた獲物を他の動物に取られないように、土・落葉・雪などを使って隠して保存する賢い動物。その保存した獲物を数回に分けて食べながら、厳しい自然界を生き抜いています。
狩りに適した強くてたくましい体型のピューマですが、性格は穏やかで警戒心が強く人を襲うことはほとんどないそうです。 ロシアに住むとある夫妻は自宅でピューマをペットとして飼育しています。人懐こくて甘えん坊な性格なので大きめなネコという感じらしいですよ。
ネコ科の野生動物のそっくりさん達、チーター・ヒョウ・ジャガー・ピューマの違いや見分け方を紹介しました。 見た目以上に大きく違うところもあれば、見た目通り似ているところもあったのではないでしょうか。同じネコ科の野生動物でもそれぞれ異なる魅力があって興味深いですよね。 動物園で見かけたら、それぞれの違いにぜひ注目してみてくださいね。
「ネコ科の野生動物」と聞いて頭に浮かぶ動物といえば、ライオンやトラという方が多いのではないでしょうか。
しかし「ネコ科の野生動物」にはそっくりすぎて違いがよくわからない3種の動物がいます。それは、チーター・ヒョウ・ジャガー。
このコラムではこの3種の動物の違いや見分け方についてご紹介。
彼らのあまり知られていない魅力を発見できますよ。
目次
この俊足からは逃げられない!?世界最速の「チーター」
「チーター」といえば、足が速い動物。国内には約104施設の動物園がありますが、チーターを飼育している動物園は約13施設。
なかなか実物を見ることのできないチーターの特徴、ヒョウやジャガーとの違いや見分け方などを紹介します。
「チーター」はどんな動物?
チーターはアフリカのサハラ砂漠以南、西アジア、中近東などのサバンナに生息。
体長は110cm〜150cm、体重は40〜70kg。小顔で手足が長くほっそりとした体型です。
柄は茶系のボディに黒い斑点。顔には目頭から口に沿って涙の跡のような黒い線が入っています。この黒い線は昼行性のチーターの目を日中の眩しい光から守る効果があるそうです。
チーターの簡単な見分け方は、顔の黒い線の有無!
世界最速「チーター」の弱点
チーターは世界最速の動物。走り始めて約3秒で時速100kmに到達します。その俊足から世界最速かつ最強と思われがちですが、実は2つの弱点があります。
ひとつは「持久力に欠ける」こと。世界最速の足を持っているのに約500m走るので精一杯。狙われた獲物も必死に逃げるので狩りが失敗に終わることもしばしば。
もうひとつは「顎の力が弱い」こと。サバンナでは獲物を仕留めたら素早く食べないと他の動物から横取りされてしまいます。チーターは顎の力が弱いので食べるのが遅く、他の動物から横取りされることが多いそうです。
チーターの足の速さの秘密
他の大型のネコ科と比べて体も足も長いチーター。さらに背骨の柔軟性も高く、体をうまく曲げ伸ばしして歩幅を長くしています。
『後ろ脚で蹴り上げる⇒地面に前足を着ける⇒そのさらに先に後ろ足を出して着地』を繰り返すチーターは走っている間体はほとんど空中にあり、まるで空を飛んでいる状態です。
また、足先の爪をネコのように隠すことができず常に爪が出たままになったいます。この爪がスパイクの役割を果たし、しっかりと蹴りだすことに役立っています。
「チーター」の性格は?
チーターは臆病で慎重な性格。他の動物から獲物を横取りされそうになると争わずに自らその場を離れるそうです。ムダな争いはしない平和主義者ですね。
また、人間によくなついて温厚な性格に育つので海外ではチーターをペットとして飼っている人もいます。
人間界でメジャーになったレオパード柄の持ち主「ヒョウ」
「ヒョウ」といえばレオパード柄(またはヒョウ柄)。洋服・靴・バッグ・ポーチ・ネイルなど私たちの生活に溶け込んでいる柄ですね。筆者もレオパード柄のスニーカーを長年愛用しています。
国内でヒョウを飼育している動物園は約12施設。チーターと同じく少ないですね。そんなヒョウの特徴をご紹介します。
「ヒョウ」はどんな動物?
ヒョウはアフリカ大陸、アラビア半島、東南アジアなどに生息。ネコ科の野生動物の中では最も幅広い地域に生息していて地域によってはユキヒョウやクロヒョウなどの亜種が存在しています。寒い地域のヒョウは柄が大きく毛が長い、暑い地域のヒョウは柄が小さく毛が短い傾向にあります。
体長は100cm〜150cm、体重は30〜90kg。チーターよりもムチっとした体型です。
柄は茶系のボディにロゼットと呼ばれるバラの花が開花したような形をした斑点。その斑点は内側のオレンジ色を囲むように外側に黒い花びらのような模様が付いています。
ヒョウの簡単な見分け方は、多くの方が見たことのあるレオパード柄!
「ヒョウ」は木登りが得意
ヒョウは運動能力が高く木登りが得意。敵が近くにいるときは仕留めた獲物を木の上に持ち上げて枝や葉で隠します。ヒョウは顎が強いので獲物を木の上まで持ち上げることも楽々。
夜行性のヒョウにとって木の上は安心できる場所なので、昼間は木の上で寝て夜になると木から下りて活動します。
またジャンプ力が高く、垂直には約3m、地面と平行には約6mも跳ぶそうです。
「ヒョウ」の性格は?
ヒョウは基本的に群れを作らず単独行動を行う動物。それぞれが広い縄張りを持ち、尿・糞・地面掘りなどでマーキングをします。ネコ科野生動物界の一匹狼ですね。
一匹狼なので自由奔放なイメージがありますが、実は警戒心が強く慎重に行動をする性格の持ち主です。
ちょっと珍しい色のヒョウたち
白・グレー・薄いベージュなどの体毛で覆われて柄がくっきりとしていない「ユキヒョウ」は「ユキ(雪)」という名前の通り、中央アジアのアルタイ山脈やヒマラヤ山脈など極寒の山岳地帯に生息しています。雪景色に溶け込むカラーがかわいいユキヒョウですが地球温暖化や密猟により絶滅危惧種になっています。
また「クロヒョウ」も珍しい色のヒョウです。ノーマルカラーの両親から突然生まれることもある真っ黒いヒョウ。パッと見は黒1色ですが、よく見るとロゼット模様の斑点があります。こちらも頭数が少ないので準絶滅危惧種になっています。
体が大きく運動能力も抜群!南米最強捕食者「ジャガー」
チーター・ヒョウ・ジャガーの中で「ジャガー」が1番わからないことが多い動物という印象を持った筆者ですが、皆さんはいかがでしょうか。
国内でジャガーを飼育している動物園は約10施設と少なめ。実物を見ることができたらラッキーかもしれないジャガーの特徴、チーターやヒョウとの違いや見分け方などを紹介します。
「ジャガー」はどんな動物?
ジャガーは北アメリカ大陸南部や南アメリカ大陸に生息。この地域の生態系の頂点に君臨しています。見た目がヒョウと似ているのでアメリカヒョウと呼ばれることも。
体長は120cm〜180cm、体重は50〜130kg。チーターやヒョウより大きいです。
柄はヒョウと同じく茶系のボディにロゼット模様の斑点がありますが、ジャガーには斑点の中心部分に黒い点があります。
ジャガーの簡単な見分け方は、この黒い点の有無ですね!
「ジャガー」は高いスペックの持ち主
ジャガーは手足が短くガッシリとした体型。しかし運動能力は高く、ヒョウのように木登りをしたり、陸上での狩りはもちろん水辺での狩りも得意。上手に泳いで魚やカメを獲ったり、ときにはワニに襲いかかることも。前脚の力が強く狩りのときには獲物を前脚で叩いて捕らえることもあります。
また、水辺にいる獲物を狙うときは水中に隠れて待ち伏せをし、チャンスが来たら獲物に襲いかかるそうです。南米最強捕食者と呼ばれるのも納得ですね。
「ジャガー」の性格は?
ジャガーは単独行動を行う動物。南米最強捕食者と恐れられていますが、性格は意外にも慎重派。
他のジャガーとの無意味な争いを避けたり、人間を見ても警戒して近づいてこないそうです。しかし縄張りが侵されれば猛然と襲いかかってくるので注意が必要です。
【番外編】模様のないシンプルボディ!「ピューマ」
番外編として「ピューマ」を紹介します。
ピューマは英語で書くと【puma】
そう!多くの方がご存知のスポーツメーカー “PUMA”のモデルになっている動物です。
スポーツメーカーの名前にまでなっているプーマですが、生態は知らない…という人がほとんどではないでしょうか?
「ピューマ」はどんな動物?
「ピューマ」は北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の幅広い環境に適応しており、森林や高山だけではなく半砂漠などにも生息。
体長は85cm〜150cm、体重は30〜100kg。狩りに適した強くてたくましい体型をしています。
ピューマは柄が全くない茶系のボディ。
ピューマの簡単な見分け方は、柄の有無です!
高い身体能力と賢さを合わせ持つ「ピューマ」
ピューマはネコ科の野生動物の中でも特に眼球が大きく視力が優れていて、数百メートル離れた場所からでも獲物を見つけられます。
またジャンプ力にも優れていて約5mの高さの木の枝まで垂直にジャンプすることができるそうです。
ピューマは捕らえた獲物を他の動物に取られないように、土・落葉・雪などを使って隠して保存する賢い動物。その保存した獲物を数回に分けて食べながら、厳しい自然界を生き抜いています。
「ピューマ」の性格は?
狩りに適した強くてたくましい体型のピューマですが、性格は穏やかで警戒心が強く人を襲うことはほとんどないそうです。
ロシアに住むとある夫妻は自宅でピューマをペットとして飼育しています。人懐こくて甘えん坊な性格なので大きめなネコという感じらしいですよ。
それぞれ異なる魅力の「チーター・ヒョウ・ジャガー」
ネコ科の野生動物のそっくりさん達、チーター・ヒョウ・ジャガー・ピューマの違いや見分け方を紹介しました。
見た目以上に大きく違うところもあれば、見た目通り似ているところもあったのではないでしょうか。同じネコ科の野生動物でもそれぞれ異なる魅力があって興味深いですよね。
動物園で見かけたら、それぞれの違いにぜひ注目してみてくださいね。