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和楽器は洋楽器にはない音色の複雑さがあり海外でも人気があります。中でも尺八は特に人気です。 また近年では三味線や琴などの和楽器とベースやドラムなどの洋楽器を融合させた「和楽器バンド」も海外でも高い評価を得ています。 彼らがカバーした代表曲「千本桜」は誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
今回はそんなグローバルな人気がある和楽器について楽しく解説していきます!
和楽器とは日本で伝統的に使われてきた楽器で邦楽器とも呼ばれます。 先史時代以前のものから近世に誕生したものまで多種にわたります。飛鳥時代から奈良時代にかけ仏教が伝来するとともに笙などの楽器も日本にわたり貴族間では雅楽が流行しました。
和楽器のほとんどが大陸文化の影響を受けており日本で独自に発展していきました。 その歴史はどれも奥深いものばかりです。 三味線など15世紀から16世紀にかけて成立した比較的新しい楽器もあります。
和楽器は弾いたり叩いたり吹いたりという奏法のものが多く、初めの音が強く出て音の伸びが短いといった特徴があります。
和楽器にはかすれや揺らぎがあり、また小さな音量を出す楽器もあります。 これは西洋に比べ狭い室内で演奏する機会が多いことに由来しており、また西洋の楽器が機能面や音域の広さに重きを置いて発展していったのに対し和楽器は音色の追及により発展していきました。
雑音(噪音)が出ない楽器でもあえて雑音を出す奏法もあります。三味線のさわりという奏法はまさにその代表です。雑音の美しさも認められているのは和楽器の大きな特徴と言えるでしょう。
琴や笙といった楽器は舞と関わりが深い楽器です。 アジア大陸から伝来した音楽や舞が融合し日本独自の音楽が発展してきました。 ここでは琴や笙の演奏方法や特徴はもちろん、どのような舞と関係が深いのかも紹介していきます。
琴は奈良時代に唐から日本に伝わり、雅楽の伴奏楽器として演奏されているのが始まりとされています。平安時代には貴族の教養として琴が親しまれていました。
西洋の楽器と比べると音が小さいですが、凛とした美しい音色が特徴です。 恐山などのイタコが交霊の際に演奏する楽器の一つとしても用いられます。
見た目の特徴は細長い胴に弦が13本張られており、右手に指又は指先に爪をつけて弦を弾くことで音を出します。 左手で弦を押さえることで音の高さや音色を変えることができ、これを押し手といいます。
ただ琴の弦はかなりピンと張られているため、押し手には力が必要で最初はこれがなかなか大変です。 その優雅な音色からは想像できないかもしれません。
笙は雅楽で使われる管楽器です。 笙といってもピンと来ない人もいるかもしれませんが、お正月によく聴く「ぷぁ~~~ん」という音と言えばイメージが湧くのではないでしょうか? ちなみにあの曲は「越天楽」という雅楽の一種です。
匏(ほう)というお椀状の部分に長さの異なる十七本の竹管のが並べられています。 竹管が上になるように両手で匏を持ち吹口に唇を当てて演奏します。 息を吸ったり吐いたりすることで音を出しますがどちらの場合も音色は同じです。
一音ずつ旋律を鳴らす一竹(いっちく)と和音を鳴らす合竹(あいたけ)という奏法がありますが基本的に和音を演奏する場合が多いです。 和音を奏でられる笙は雅楽には欠かせない楽器です。
鼓は歌舞伎などで使われる打楽器の一つです。 鼓には小鼓、大鼓と種類がありますが、一般的に鼓というと小鼓を指します。
小鼓を演奏する際は適度な湿気が必要ですが、一方の大鼓では高く乾いた音を出すために演奏前に火で炙り乾燥させる必要があります。
見た目はドラム缶型の胴に両面に革を張って緒が縛られており、この緒を締めたり緩めたりすることで音色を調整することが可能です。 小鼓は数種類の音色を叩き分けることが可能で実に多彩な音が出ます。
一方、または両方の革を手やバチで打って演奏するのですが、その際掛け声を出すのが特徴です。 鼓はインド発祥で中国に渡り多数の種類が誕生し、日本にも伝わりました。 最初に伝わったのは飛鳥時代と言われています。
虚無僧の修行やお経を読む際にも使われる楽器があります。 ここでは掠れた音色が特徴の尺八や木魚の特徴を中心に、尺八とは大体何㎝くらいなのか?お坊さんが木魚を叩くのは何故なのか?など、雑学も合わせて紹介していきます。
尺八は日本の木管楽器の一種で見た目は縦笛の形をしています。 管の長さが一尺八寸だったことがその名の由来です。表に4つ、裏に1つ穴があります。
ちなみに一尺は約30.3cmで、1寸はその10分の1の3.03cm。 つまり一尺八寸は54~55cmほどというわけです。これは新聞紙の縦サイズと大体同じサイズです。
尺八を吹くことで悟りを得ることを目指している虚無僧の修行の一環として演奏されたり、音楽の教科書に掲載されるなど比較的なじみ深い楽器であると言えます。
斜めに削られた管の上端に口を当て演奏します。 その音色は艶のあるかすれた音で今や日本だけでならず海外にもその人気が高まっています。
木魚は木の中身をくり抜いて作られた打楽器です。木の素材はクスノキなどが使われます。 もともとは夜も目を開けて過ごす魚のように怠けず修行に励むという意味で魚の形をしていましたが、現在は球状が主流です。 ちなみに魚は瞼がないため目を閉じれないだけで実際はじっとしているときは睡眠状態にある種類のものが多いとか。
お坊さんがお経を読む際に使用しているのは眠気覚ましとも言われていますが、リズムを整える意味もあるようです。お経の邪魔にならないように裏打ち、所謂バックビードで叩かれています。
ここまでは貴族の教養としての楽器や修行僧のための楽器などを紹介してきましたが、日本には玩具や庶民文化と関わりの深い楽器も存在しています。 ここでは祭と縁が深い鳴子や、庶民のお稽古事として人気があった三味線などを紹介していきます。
鳴子は木製の打楽器です。しゃもじのような見た目をしています。 木の板に小さなバチがついていて振るとカチカチと音が鳴ります。
もともとは田畑で農作物を荒らす鳥類を追い払うための道具で、高知県のよさこい祭では踊り子たちが鳴子を鳴らしながら踊ります。 これは年にお米が二度採れる土佐ならではの要素を踊りに取り入れたいと思ったことが由来といわれています。
三味線は中国の伝統楽器である三弦が琉球に伝わり、宮廷音楽に取り入れられて三線になりました。 さらに沖縄から伝わった三線に改良が加えられたものが三味線です。
猫や犬の皮などを張った胴に木で出来た棹がついており3本の糸が渡されています。他の和楽器と比べると比較的新しい楽器です。 長唄、小唄、民謡など様々なシーンで演奏されます。
左手で糸を押さえ音程を作りイチョウの形のバチを下ろして弦をはじいて演奏するのですが、その奏法は指で弦を弾くエレキベースのスラップ奏法によく似ています。
ただし三味線にはギターやベースのように音程の目印となるフレットがないため奏者が耳で音を確認しながら演奏することが重要です。また三味線は音程がすぐ変わりやすいためにチューニングも難しいとされています。
でんでん太鼓は柄のついた小さな太鼓の両側に糸で玉や鈴をつけたかわいらしい太鼓で、ぐるぐると回すことで玉や鈴が太鼓にぶつかり軽快な音が出るのが特徴です。
同じような原理の楽器は中国、朝鮮、ミャンマー、インドなどアジア各国でも見られます。 でんでん太鼓は雅楽で用いられる「振鼓」をモデルとしています。
「太鼓」と名がついていますが演奏で用いられることはほとんどありません。 昔は悪霊を祓うために使われていたとされていましたが、現在ではお宮参りの小物や出産祝いとしても送られることがあります。
楽器自体が小さいため赤ちゃんが自分で持つことができ、自分で音を鳴らすことも可能なため小さな子をあやす道具としても役立ちます。
雅楽や宗教、庶民のお稽古事といった様々なシーンで演奏される日本の和楽器。 それぞれに深い歴史があり面白いエピソードがあります。 アミナフライヤーズでは他にも様々な世界の楽器を紹介しているので、興味がわいた方は是非他の国ものぞいてみてはいかがでしょうか?
和楽器は洋楽器にはない音色の複雑さがあり海外でも人気があります。中でも尺八は特に人気です。
また近年では三味線や琴などの和楽器とベースやドラムなどの洋楽器を融合させた「和楽器バンド」も海外でも高い評価を得ています。
彼らがカバーした代表曲「千本桜」は誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
今回はそんなグローバルな人気がある和楽器について楽しく解説していきます!
目次
和楽器とは
和楽器とは日本で伝統的に使われてきた楽器で邦楽器とも呼ばれます。
先史時代以前のものから近世に誕生したものまで多種にわたります。飛鳥時代から奈良時代にかけ仏教が伝来するとともに笙などの楽器も日本にわたり貴族間では雅楽が流行しました。
和楽器のほとんどが大陸文化の影響を受けており日本で独自に発展していきました。
その歴史はどれも奥深いものばかりです。
三味線など15世紀から16世紀にかけて成立した比較的新しい楽器もあります。
和楽器の特徴
和楽器は弾いたり叩いたり吹いたりという奏法のものが多く、初めの音が強く出て音の伸びが短いといった特徴があります。
和楽器にはかすれや揺らぎがあり、また小さな音量を出す楽器もあります。
これは西洋に比べ狭い室内で演奏する機会が多いことに由来しており、また西洋の楽器が機能面や音域の広さに重きを置いて発展していったのに対し和楽器は音色の追及により発展していきました。
雑音(噪音)が出ない楽器でもあえて雑音を出す奏法もあります。三味線のさわりという奏法はまさにその代表です。雑音の美しさも認められているのは和楽器の大きな特徴と言えるでしょう。
舞いと関わりの深い和楽器
琴や笙といった楽器は舞と関わりが深い楽器です。
アジア大陸から伝来した音楽や舞が融合し日本独自の音楽が発展してきました。
ここでは琴や笙の演奏方法や特徴はもちろん、どのような舞と関係が深いのかも紹介していきます。
意外と力がいる!日本の伝統的な琴
琴は奈良時代に唐から日本に伝わり、雅楽の伴奏楽器として演奏されているのが始まりとされています。平安時代には貴族の教養として琴が親しまれていました。
西洋の楽器と比べると音が小さいですが、凛とした美しい音色が特徴です。
恐山などのイタコが交霊の際に演奏する楽器の一つとしても用いられます。
見た目の特徴は細長い胴に弦が13本張られており、右手に指又は指先に爪をつけて弦を弾くことで音を出します。
左手で弦を押さえることで音の高さや音色を変えることができ、これを押し手といいます。
ただ琴の弦はかなりピンと張られているため、押し手には力が必要で最初はこれがなかなか大変です。
その優雅な音色からは想像できないかもしれません。
日本古来の儀式音楽などが元となっており、中国大陸や朝鮮半島から伝えられた音楽などの影響を受け長い時代をかけて発展し日本独自の様式に整えられました。
宮廷や寺院、神社などでさかんに演奏されます。
お正月に大活躍!笙
笙は雅楽で使われる管楽器です。
笙といってもピンと来ない人もいるかもしれませんが、お正月によく聴く「ぷぁ~~~ん」という音と言えばイメージが湧くのではないでしょうか?
ちなみにあの曲は「越天楽」という雅楽の一種です。
匏(ほう)というお椀状の部分に長さの異なる十七本の竹管のが並べられています。
竹管が上になるように両手で匏を持ち吹口に唇を当てて演奏します。
息を吸ったり吐いたりすることで音を出しますがどちらの場合も音色は同じです。
一音ずつ旋律を鳴らす一竹(いっちく)と和音を鳴らす合竹(あいたけ)という奏法がありますが基本的に和音を演奏する場合が多いです。
和音を奏でられる笙は雅楽には欠かせない楽器です。
多彩な音色が出る打楽器!鼓
鼓は歌舞伎などで使われる打楽器の一つです。
鼓には小鼓、大鼓と種類がありますが、一般的に鼓というと小鼓を指します。
小鼓を演奏する際は適度な湿気が必要ですが、一方の大鼓では高く乾いた音を出すために演奏前に火で炙り乾燥させる必要があります。
見た目はドラム缶型の胴に両面に革を張って緒が縛られており、この緒を締めたり緩めたりすることで音色を調整することが可能です。
小鼓は数種類の音色を叩き分けることが可能で実に多彩な音が出ます。
一方、または両方の革を手やバチで打って演奏するのですが、その際掛け声を出すのが特徴です。
鼓はインド発祥で中国に渡り多数の種類が誕生し、日本にも伝わりました。
最初に伝わったのは飛鳥時代と言われています。
宗教と関わりの深い和楽器
虚無僧の修行やお経を読む際にも使われる楽器があります。
ここでは掠れた音色が特徴の尺八や木魚の特徴を中心に、尺八とは大体何㎝くらいなのか?お坊さんが木魚を叩くのは何故なのか?など、雑学も合わせて紹介していきます。
海外でも大人気の尺八
尺八は日本の木管楽器の一種で見た目は縦笛の形をしています。
管の長さが一尺八寸だったことがその名の由来です。表に4つ、裏に1つ穴があります。
ちなみに一尺は約30.3cmで、1寸はその10分の1の3.03cm。
つまり一尺八寸は54~55cmほどというわけです。これは新聞紙の縦サイズと大体同じサイズです。
尺八を吹くことで悟りを得ることを目指している虚無僧の修行の一環として演奏されたり、音楽の教科書に掲載されるなど比較的なじみ深い楽器であると言えます。
斜めに削られた管の上端に口を当て演奏します。
その音色は艶のあるかすれた音で今や日本だけでならず海外にもその人気が高まっています。
眠気覚ましのために演奏される⁈木魚
木魚は木の中身をくり抜いて作られた打楽器です。木の素材はクスノキなどが使われます。
もともとは夜も目を開けて過ごす魚のように怠けず修行に励むという意味で魚の形をしていましたが、現在は球状が主流です。
ちなみに魚は瞼がないため目を閉じれないだけで実際はじっとしているときは睡眠状態にある種類のものが多いとか。
お坊さんがお経を読む際に使用しているのは眠気覚ましとも言われていますが、リズムを整える意味もあるようです。お経の邪魔にならないように裏打ち、所謂バックビードで叩かれています。
玩具や庶民文化と関わりの深い和楽器
ここまでは貴族の教養としての楽器や修行僧のための楽器などを紹介してきましたが、日本には玩具や庶民文化と関わりの深い楽器も存在しています。
ここでは祭と縁が深い鳴子や、庶民のお稽古事として人気があった三味線などを紹介していきます。
よさこい祭と縁が深い楽器!鳴子
鳴子は木製の打楽器です。しゃもじのような見た目をしています。
木の板に小さなバチがついていて振るとカチカチと音が鳴ります。
もともとは田畑で農作物を荒らす鳥類を追い払うための道具で、高知県のよさこい祭では踊り子たちが鳴子を鳴らしながら踊ります。
これは年にお米が二度採れる土佐ならではの要素を踊りに取り入れたいと思ったことが由来といわれています。
演奏方法がベースにそっくり!?三味線
三味線は中国の伝統楽器である三弦が琉球に伝わり、宮廷音楽に取り入れられて三線になりました。
さらに沖縄から伝わった三線に改良が加えられたものが三味線です。
猫や犬の皮などを張った胴に木で出来た棹がついており3本の糸が渡されています。他の和楽器と比べると比較的新しい楽器です。
長唄、小唄、民謡など様々なシーンで演奏されます。
左手で糸を押さえ音程を作りイチョウの形のバチを下ろして弦をはじいて演奏するのですが、その奏法は指で弦を弾くエレキベースのスラップ奏法によく似ています。
ただし三味線にはギターやベースのように音程の目印となるフレットがないため奏者が耳で音を確認しながら演奏することが重要です。また三味線は音程がすぐ変わりやすいためにチューニングも難しいとされています。
太棹:強くて太い音色を奏でることが可能。津軽を演奏するときや浪曲、義太夫などで使われます。
中棹:落ち着いた標準的な音色。民謡、地歌、常磐津、清元節などに使われます。
細棹:長唄、小唄や俗唄などで使われており、繊細な音色が特徴です。
赤ちゃんをあやすのに大活躍?でんでん太鼓
でんでん太鼓は柄のついた小さな太鼓の両側に糸で玉や鈴をつけたかわいらしい太鼓で、ぐるぐると回すことで玉や鈴が太鼓にぶつかり軽快な音が出るのが特徴です。
同じような原理の楽器は中国、朝鮮、ミャンマー、インドなどアジア各国でも見られます。
でんでん太鼓は雅楽で用いられる「振鼓」をモデルとしています。
「太鼓」と名がついていますが演奏で用いられることはほとんどありません。
昔は悪霊を祓うために使われていたとされていましたが、現在ではお宮参りの小物や出産祝いとしても送られることがあります。
楽器自体が小さいため赤ちゃんが自分で持つことができ、自分で音を鳴らすことも可能なため小さな子をあやす道具としても役立ちます。
様々なシーンで愛される日本の楽器
雅楽や宗教、庶民のお稽古事といった様々なシーンで演奏される日本の和楽器。
それぞれに深い歴史があり面白いエピソードがあります。
アミナフライヤーズでは他にも様々な世界の楽器を紹介しているので、興味がわいた方は是非他の国ものぞいてみてはいかがでしょうか?