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日本では幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校と長い期間にわたって「運動会」が開催されています。 ただ、ひとくちに運動会といっても珍しい競技が行われることもありますし、変わった風習がある地域もあります。 また、海外の運動会は日本の運動会とはまったく違った形で行われていることもあります。 そこでここでは日本と世界のさまざまな運動会について紹介していきたいと思います。
日本では学校の運動場などを使って子どもの運動能力を引き上げることを目的として運動会が開催されています。 そこでまず日本の運動会の特徴、競技、地域ごとの風習などについて紹介していきます。
日本の運動会の起源とされているのは、明治時代にイギリス人教師の指導のもと海兵学校で開催された「競闘遊戯会(きそいあそび)」とされています。 勉強の合間に生徒の運動のため、ストレス解消のために行われていました。 明治時代末期ごろには西洋の文化を見本にしながら子ども向けの運動会が開催されていきますが、戦時中には軍事的な要素が増えて訓練を目的とした競技が増えていきました。 現在の運動会の「整列」「行進」「騎馬戦」などはその名残だと言われています。 戦後には再び子ども向けの競技が増えてくることとなり、個人競技と団体競技で行われるようになっています。
運動会のようなスポーツのイベントは世界中で行われていますが、日本の運動会とは少し違ったものとなっています。 日本特有のものとしては以下のような特徴があります。
海外では自由参加の場合が多くなっているというのは日本との大きな違いだと言えるでしょう。
一般的な運動会で行われているのは「徒競走」「リレー」「綱引き」「大縄跳び」などの競技ですが、中にはちょっと変わった競技が行われる場合もあります。 ここではそんなちょっと変わった競技を紹介していきます。
● 仮装リレー、クラブ対抗リレー
単純にリレーをするのではなく、コスプレやクラブのユニフォームで走るという競技です。 本気で速さを競うのではなく、楽しさ重視で行われることが多くあります。 クラブ対抗リレーでは体操部がバク転などをしながら走ったり、それぞれのクラブの特徴をおもしろく紹介しながら走ったりするので非常に盛り上がる競技となっています。
● 追撃玉入れ
普通の玉入れは固定されたカゴめがけて大勢で玉を入れていく競技ですが、こちらの追撃玉入れは相手チームが背中に背負ったカゴをめがけて玉を入れるという競技です。 カゴを背負った選手は走って逃げるので、それを追いかけて玉を入れていくこととなります。 普通の玉入れよりもスリリングな展開になることが多く、盛り上がる競技となっています。
● ムカデ競争
長い棒状の板に大勢が足を固定してムカデのように進んで競争するものです。 あまりスピードが出ないために大きなケガをする心配もなく、チームプレーで競われるために足が遅い人でも活躍できるチャンスがある競技となっています。 生徒が行う場合もありますし、普段速く走ることに慣れていないPTAなどが参加する競技としても利用されています。
同じ日本国内でも地域によって変わった風習があります。 ここではそれらの中から珍しい風習を紹介していきます。
茨城県の運動会では運動場に出店が出るという風習があります。 PTAなどが少し食べ物を販売するといったものではなく、かき氷やお好み焼き、景品当てなどのように本格的な屋台です。 ただ、食べ物の屋台も多く出ていますが生徒はいつでも自由に購入できるというわけではなく、昼休憩の時間と運動会終了後のみに購入できるということがほとんどです。 その他の時間は保護者や生徒の兄弟などが利用するようになっています。
宮城県の小中学校では運動会の開催日当日の早朝に打ち上げ花火を上げるという風習があります。 広範囲に一気に開催を伝えることができる花火は宮城で長く続く習慣でしたが、近年では「うるさい」というクレームが入ることもあり、花火を打ち上げない学校も増えてきています。
運動会のようなイベントは世界中で行われていますが、内容は日本の運動会とは違ったものとなっている場合がほとんどです。 そこでここではそれぞれの国でどのような運動会が開催されているのかについて紹介していきます。
アメリカでは日本の運動会にあたるイベントとして「Field day」というイベントがあります。 子どもが運動場などで体を動かすイベントなのですが、日本の運動会とは違って基本的に全員参加ではなく、自由参加となっています。 平日に行われることも多く、保護者が見に来る大イベントという位置づけではありません。 参加したい子どもが運動場に出て、サッカーやバスケットボールなど自分ができるスポーツを楽しむというイベントです。 点数を激しく競うというものではなく、「運動して楽しむ」ことが目的のイベントとなっています。
イギリスでは「sports day」というイベントがあります。 日本の運動会のようなプログラムが設定されていて進行されていくのではなく、運動場のあちこちで種目が行われており、生徒たちはグループごとにそれらの種目を回っていくようになっています。 特に開会式や閉会式といったものもなく、ふわっと始まって、ふわっと終わります。 競技自体は日本のものに近いものもあり、サックレースやエッグスプーンレースなどが開催されています。 サックレースは大きな麻袋に足を入れて飛び跳ねながらゴールを目指すもので、エッグスプーンレースはスプーンに卵を乗せて落とさないようにゴールを目指すというものです。 どちらかと言えば小道具を使った競技が多い傾向があります。
アジア圏では運動会に近いイベントを行う国は多いのですが、中国では運動会のようなものはありません。 そもそも中国では「体育」という授業が全員参加ではなく、運動能力に優れた子ども、スポーツ選抜に勝ち抜いた子どもが体育を受けるというイメージが強く、全員が受けるものではないのです。 そのため、運動系のクラブ活動のようなものはほとんどなく、「専門的にスポーツをする人」と「特に体を動かす授業は受けない」という人に分かれているのです。
韓国の運動会は比較的日本に近いものとなっています。 違う点とすると、日本では運動会の練習は一か月前から始まることが多いのですが、韓国では一週間前から始まります。 そのため全体で合わせるダンスや行進のようなものは少なく、個人競技が多いという特徴があります。 あまり全体意識や仲間との調和というものに偏らず、個人の能力を発揮するという点を重視しているとも言えるでしょう。 また、日本では運動会は弁当を持ってくる子どもが多いのですが、韓国では運動会の会場に「出前」を注文することが多いという特徴もあります。
学校全体や保護者までを巻き込んで盛り上がることが多い運動会ですが、同じ日本の中でもさまざまな競技があったり、変わった風習があったりするのがおもしろい点です。 また、世界中には運動会に似たようなイベントはありますが、それぞれの国によって位置づけが違っており、内容が違っているのも興味深い点だと言えるでしょう。
日本では幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校と長い期間にわたって「運動会」が開催されています。
ただ、ひとくちに運動会といっても珍しい競技が行われることもありますし、変わった風習がある地域もあります。
また、海外の運動会は日本の運動会とはまったく違った形で行われていることもあります。
そこでここでは日本と世界のさまざまな運動会について紹介していきたいと思います。
目次
日本の運動会
日本では学校の運動場などを使って子どもの運動能力を引き上げることを目的として運動会が開催されています。
そこでまず日本の運動会の特徴、競技、地域ごとの風習などについて紹介していきます。
いつからはじまったの?
日本の運動会の起源とされているのは、明治時代にイギリス人教師の指導のもと海兵学校で開催された「競闘遊戯会(きそいあそび)」とされています。
勉強の合間に生徒の運動のため、ストレス解消のために行われていました。
明治時代末期ごろには西洋の文化を見本にしながら子ども向けの運動会が開催されていきますが、戦時中には軍事的な要素が増えて訓練を目的とした競技が増えていきました。
現在の運動会の「整列」「行進」「騎馬戦」などはその名残だと言われています。
戦後には再び子ども向けの競技が増えてくることとなり、個人競技と団体競技で行われるようになっています。
日本の運動会の特徴
運動会のようなスポーツのイベントは世界中で行われていますが、日本の運動会とは少し違ったものとなっています。
日本特有のものとしては以下のような特徴があります。
海外では自由参加の場合が多くなっているというのは日本との大きな違いだと言えるでしょう。
ちょっと変わった競技
一般的な運動会で行われているのは「徒競走」「リレー」「綱引き」「大縄跳び」などの競技ですが、中にはちょっと変わった競技が行われる場合もあります。
ここではそんなちょっと変わった競技を紹介していきます。
● 仮装リレー、クラブ対抗リレー
単純にリレーをするのではなく、コスプレやクラブのユニフォームで走るという競技です。
本気で速さを競うのではなく、楽しさ重視で行われることが多くあります。
クラブ対抗リレーでは体操部がバク転などをしながら走ったり、それぞれのクラブの特徴をおもしろく紹介しながら走ったりするので非常に盛り上がる競技となっています。
● 追撃玉入れ
普通の玉入れは固定されたカゴめがけて大勢で玉を入れていく競技ですが、こちらの追撃玉入れは相手チームが背中に背負ったカゴをめがけて玉を入れるという競技です。
カゴを背負った選手は走って逃げるので、それを追いかけて玉を入れていくこととなります。
普通の玉入れよりもスリリングな展開になることが多く、盛り上がる競技となっています。
● ムカデ競争
長い棒状の板に大勢が足を固定してムカデのように進んで競争するものです。
あまりスピードが出ないために大きなケガをする心配もなく、チームプレーで競われるために足が遅い人でも活躍できるチャンスがある競技となっています。
生徒が行う場合もありますし、普段速く走ることに慣れていないPTAなどが参加する競技としても利用されています。
地域ごとの変わった風習
同じ日本国内でも地域によって変わった風習があります。
ここではそれらの中から珍しい風習を紹介していきます。
茨城県
茨城県の運動会では運動場に出店が出るという風習があります。
PTAなどが少し食べ物を販売するといったものではなく、かき氷やお好み焼き、景品当てなどのように本格的な屋台です。
ただ、食べ物の屋台も多く出ていますが生徒はいつでも自由に購入できるというわけではなく、昼休憩の時間と運動会終了後のみに購入できるということがほとんどです。
その他の時間は保護者や生徒の兄弟などが利用するようになっています。
宮城県
宮城県の小中学校では運動会の開催日当日の早朝に打ち上げ花火を上げるという風習があります。
広範囲に一気に開催を伝えることができる花火は宮城で長く続く習慣でしたが、近年では「うるさい」というクレームが入ることもあり、花火を打ち上げない学校も増えてきています。
世界の運動会
運動会のようなイベントは世界中で行われていますが、内容は日本の運動会とは違ったものとなっている場合がほとんどです。
そこでここではそれぞれの国でどのような運動会が開催されているのかについて紹介していきます。
アメリカ
アメリカでは日本の運動会にあたるイベントとして「Field day」というイベントがあります。
子どもが運動場などで体を動かすイベントなのですが、日本の運動会とは違って基本的に全員参加ではなく、自由参加となっています。
平日に行われることも多く、保護者が見に来る大イベントという位置づけではありません。
参加したい子どもが運動場に出て、サッカーやバスケットボールなど自分ができるスポーツを楽しむというイベントです。
点数を激しく競うというものではなく、「運動して楽しむ」ことが目的のイベントとなっています。
イギリス
イギリスでは「sports day」というイベントがあります。
日本の運動会のようなプログラムが設定されていて進行されていくのではなく、運動場のあちこちで種目が行われており、生徒たちはグループごとにそれらの種目を回っていくようになっています。
特に開会式や閉会式といったものもなく、ふわっと始まって、ふわっと終わります。
競技自体は日本のものに近いものもあり、サックレースやエッグスプーンレースなどが開催されています。
サックレースは大きな麻袋に足を入れて飛び跳ねながらゴールを目指すもので、エッグスプーンレースはスプーンに卵を乗せて落とさないようにゴールを目指すというものです。
どちらかと言えば小道具を使った競技が多い傾向があります。
中国
アジア圏では運動会に近いイベントを行う国は多いのですが、中国では運動会のようなものはありません。
そもそも中国では「体育」という授業が全員参加ではなく、運動能力に優れた子ども、スポーツ選抜に勝ち抜いた子どもが体育を受けるというイメージが強く、全員が受けるものではないのです。
そのため、運動系のクラブ活動のようなものはほとんどなく、「専門的にスポーツをする人」と「特に体を動かす授業は受けない」という人に分かれているのです。
韓国
韓国の運動会は比較的日本に近いものとなっています。
違う点とすると、日本では運動会の練習は一か月前から始まることが多いのですが、韓国では一週間前から始まります。
そのため全体で合わせるダンスや行進のようなものは少なく、個人競技が多いという特徴があります。
あまり全体意識や仲間との調和というものに偏らず、個人の能力を発揮するという点を重視しているとも言えるでしょう。
また、日本では運動会は弁当を持ってくる子どもが多いのですが、韓国では運動会の会場に「出前」を注文することが多いという特徴もあります。
まとめ
学校全体や保護者までを巻き込んで盛り上がることが多い運動会ですが、同じ日本の中でもさまざまな競技があったり、変わった風習があったりするのがおもしろい点です。
また、世界中には運動会に似たようなイベントはありますが、それぞれの国によって位置づけが違っており、内容が違っているのも興味深い点だと言えるでしょう。