掲載日:2024.05.19

ご当地グルメの旅へ出かけよう!〜東北編〜ふるさとの味を求めて

日本各地には、その土地ならではの郷土料理やご当地グルメがたくさんあります。
皆さんはいくつ知っていますか?
今回は東北6県にスポットライトを当て、ご当地の絶品グルメをご紹介します。自然豊かな東北地方は、食材の宝庫。見逃せないグルメばかりです。

さあ、ふるさとの味を求めて味覚探訪へ出かけましょう!

青森県のご当地グルメ

太平洋・日本海・津軽海峡の“3つの海”に囲まれる青森県は新鮮な海産物はもちろんですが、山の恵みを活かした料理も豊富です。
夏は東北三大祭りの青森ねぶた祭が開催され、世界各地から多くの旅行客が訪れます。

ねぶた漬

ねぶた漬は、海の幸と山の幸を同時に味わえる、青森を代表する漬物です。
ポリポリとした数の子、シャキシャキの大根、とろりとした粘りを感じる昆布などいろいろな食感を楽しむことができます。噛めば噛むほどスルメから強烈な旨味が出て、止まらぬ美味しさです。数の子が少なく野菜が多めの姉妹品「味よし」も地元の人に人気があります。

十和田バラ焼き

十和田バラ焼き

青森県東部のご当地グルメ「十和田バラ焼き」は、牛バラ肉を大量の玉ねぎとともに醤油ベースの甘辛いタレに絡めて焼いた料理です。
熱々の鉄板で水分が飛ぶまでじゅうじゅうと焼き付けるのがポイント。煙とともに食欲をそそる匂いが立ち上ります。牛バラ肉のコクと玉ねぎの甘みでご飯が進む、大満足のスタミナ系グルメです。

秋田県のご当地グルメ

自然の美しさや豊かな歴史、文化が魅力的な地域であり、特に秋の紅葉・冬の雪景色は美しいとして知られている秋田県。
能楽や秋田犬、なまはげといった伝統文化が根付いており、能舞台が残る能代市や、なまはげの祭りが行われる大館市など、古来からの文化が息づく地域が点在しています。

稲庭うどん

稲庭うどん

日本三大うどんの一つである稲庭うどんは、つるつるとした滑らかな食感と強いコシが特徴の干しうどんです。
手作業で手間ひまをかけて作られ、昔は庶民は口にできない高級品でした。
おすすめの食べ方は、ざるうどんです。艶々で透明感のある白い麺は、芸術品のよう。よく噛んで、独特な食感や小麦の甘みを存分に味わってください。

きりたんぽ

きりたんぽ

きりたんぽは、炊いた米をすり潰して串に塗り付け焼いたもので、比内地鶏の出汁を使った鍋に入れるのが定番の食べ方。
具材から出た旨味を十分に吸い込んだ中に、お米の甘みと粒感、焼いた香ばしさが加わって、なんとも言えない美味しさです。もちもちとした食感もやみつきになります。

ババヘラアイス

ババヘラアイス

「ババヘラアイス」は、秋田県民なら誰もが知るアイスの路上販売です。秋田では中高年の女性を「ババ」と呼び、ババがヘラで2色のアイスを盛りつけることからこの名前がつきました。ピンクはイチゴ風味、黄色はバナナ風味です。シャーベットのような口当たりで、どこか懐かしい味がします。
ババヘラアイスは主に国道沿いに多く、パラソルが目印です。
休憩がてら味わうアイスは、地元の人にはもちろん、観光客にも大人気です。

岩手県のご当地グルメ

豊かな自然に支えられ、海の幸や山の幸が豊富な岩手県。
厳しい寒さで米作りが難しかったため、寒さに強い小麦やソバを利用した粉もの文化が発達してきました。くるみの産地としても有名で、岩手では「美味しい」を「くるみ味がする」と言うそうです。
ここからは岩手のくるみ味がするグルメをご紹介します。

わんこそば

わんこそば

言わずと知れた岩手を代表するご当地グルメ。
一口大のそばが次々とお椀に乗せられ、お椀の蓋を閉めるまで絶えず続けられます。
わんこそばには「給仕がつき、お椀で温かいそばを食べる」という条件があり、これを満たさなければわんこそばとは認められません。エンターテイメント性が高い料理なので、旅先で食べれば思い出になること間違いなしです。

じゃじゃ麺

じゃじゃ麺

中国のジャージャー麺をもとに、盛岡で独自に進化した料理です。麺は中華麺ではなく、平うどんに似た独自の麺が使われます。
肉味噌や薬味、お好みでラー油やお酢などをかけて混ぜながら食べますが、完食手前で一旦止め、ここからがクライマックスです。
卵を割り入れ、そこに麺の茹で汁を加えたら、卵スープのような「チータンタン」の出来上がり。最後まで楽しめるグルメです。

宮城県のご当地グルメ

東北第一の都市仙台のある宮城県は、伊達政宗のお膝元。
グルメな武将であった伊達政宗公が田んぼを整備したり酒造りをしたりしたことで、宮城県は米どころ・日本酒どころになりました。さらに太平洋側は優れた漁場で、海の幸が豊富です。
他にも名物牛タンやずんだ餅でも知られる宮城は、まさに「食の王国」です。

はらこ飯

はらこ飯

宮城を代表する郷土料理がこの「はらこ飯」。
「はらこ」とはこの地方の言葉で「いくら」のことを言います。鮭の身をたっぷり使った炊き込みご飯に、宝石のように輝くはらこがのった、とても贅沢な料理です。鮭が旬を迎える秋から年末ごろまでの限定のグルメなので、旅の時期には注意が必要です。

油麩丼

油麩丼

油麩は宮城のご当地麩です。
元々煮物や味噌汁などに使われてきましたが、ある旅館の女将さんが肉が苦手なお客さんのために、油麩で代用して作った油麩丼が評判になり、いつしか宮城のご当地グルメとなりました。
油麩を卵とじにした料理で、見た目はカツ丼に似ています。油麩が出汁をよく吸って他の具材とよく絡み、ごはんとの相性は抜群!子どもから大人まで皆に人気です。

山形県のご当地グルメ

山形県は、鳥海山や蔵王山などの日本百名山にも選ばれている山々や、「母なる川」と呼ばれて地元の人々の生活を支える最上川などの雄大な自然が魅力です。
自然の恵みを生かして、果物や米の生産が盛んに行われています。温泉王国でもあり、ノスタルジックな温泉街の銀山温泉には特に注目が集まっています。

山形のだし

山形のだし

山形の夏には「だし」が欠かせません。
ナスやオクラなどの夏野菜とミョウガやネギなどの香味野菜を細かく刻んで醤油やみりんなどで味付けしたもので、大きなお皿にたっぷり盛って食卓に並びます。
各自ご飯に乗せて食べるほか、お蕎麦や冷奴にのせたりしてアレンジしています。食欲の落ちる夏に、一度で多くの野菜が摂れるという先人の知恵が詰まった料理です。

芋煮

芋煮

400年近くの歴史を持つ山形を代表する郷土料理です。里芋と牛肉、長ネギ、こんにゃくを煮込んだ醤油ベースの煮物が基本スタイルですが、地域によって豚肉を使ったり、味噌ベースだったりと違いが見られます。
大鍋で煮込まれた里芋はホクホクと柔らかく、具材から旨味が溶け出したスープは身体を芯から温めてくれます。

芋煮会

「芋煮会」は10月から11月頃に東北の各地で行われる地域行事です。
家族や職場などのグループで河川敷に集まり、芋煮を囲みます。芋煮を通して親睦を深めることを、「飲みニケーション」にかけて「芋煮ケーション」ともいうそうです。近年では町おこしのイベントとして、観光客向けに秋以外にも開催されることが増えています。皆さんもぜひ芋煮会に参加して、地元の方との芋煮ケーションを楽しんでくださいね。

福島県のご当地グルメ

全国3位の広大な面積をもつ福島県。
温暖な太平洋側から、冬の寒さ厳しい内陸側までエリアによって気候に違いがあるため、多彩な食文化をもつグルメな県です。幕末期を中心に歴史的に重要な地域だった福島には、大堀焼や会津塗などの古い歴史を持つ伝統工芸品も伝わっています。

円盤餃子

こんがりきつね色の焼き餃子が円盤状にぎっしり並んでいる、写真映えもボリュームも抜群の、福島の名物グルメです。円盤餃子の歴史は古く、戦後まもない頃までさかのぼります。満州から引き上げて来た菅野かつゑさんが本場の焼き餃子を再現し、評判を呼んだことが始まりです。以来、戦後復興とともに円盤餃子も福島のソウルフードとなりました。お店によって味は様々ですが、野菜多めのあっさり系が多数派です。

ねぎそば

茅葺き屋根の民家が立ち並び、タイムスリップしたような気分になる大内宿。江戸時代に宿場町として栄えた大内宿の名物は「ねぎそば」です。
お椀に盛られたお蕎麦に長ネギが刺さったワイルドなビジュアルには驚かされます。ねぎは、箸代わりにしてそばをすくったり、薬味としてかじったりしながらいただきます。ねぎの香りと辛味がお蕎麦の味を引き立て、格別です。

ねぎそば

王林は福島生まれのりんご?!

王林

スーパーへ行くと「サンフジ」、「ジョナゴールド」、「つがる」など数種類のりんごを見かけます。赤いりんごが並ぶ中、一際目をひくのが青リンゴの「王林」。青森のご当地アイドルの名前にもなった品種ですが、発祥は青森ではなく福島。「ゴールデンデリシャス」と「印度」という品種を掛け合わせて生まれました。芳醇な香りと強い甘味をもつので、加工せずにそのままかぶり付くのがおすすめです。

東北ご当地グルメの旅へ出かけましょう!

東北6県の代表的なご当地グルメをご紹介しました。気になるグルメはありましたか?
どれも食欲をそそる料理ばかりで、迷ってしまう方もいるかもしれません。
その土地ならではのグルメは、その風土や人々の想い、歴史など、たくさんのことを教えてくれます。旅先の食事にこだわることで、旅の充実度が桁違いに高くなることは間違いありません。

東北を訪れたときには、ご当地グルメを目いっぱいお腹いっぱい楽しんでくださいね。

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