目から鱗!世界のお掃除事情

日本人は世界でも綺麗好きとして有名です。サッカー日本代表とサポーター、学校の生徒による清掃活動、新幹線の7分間神業清掃、江戸時代の上下水道整備など、清潔エピソードもよく耳にしますよね。

海外では、「部屋をとてもきれいに使ってくれるから」と、日本人にアパートを貸したがる大家さんもとても多いです。強制されなくても、誰も見ていなくても、ひとりひとりが清潔を心掛けているからこその称賛ですね。

世界を見渡すと、お掃除の方法や向き合い方はさまざま。
お掃除が大好きなあなたも、正直なところ面倒で、できるだけ手早く済ませたいあなたも、「お掃除」の概念が覆されてしまうかも?
さあ、日本とはひと味違うお掃除事情を覗いてみましょう。

そもそもお掃除ってなに?

日本のお掃除は、古く飛鳥時代まで遡ることができます。
仏教思想から始まったお掃除は、穢れを払い災いを断ち切る神事となり、寺院での修行となった後、公衆衛生の意識に至り、現在の「清潔な日本」につながっています。お掃除やお片付けによる断捨離の習慣も、随分と浸透していますね。

世界各国の人々にとっては、そもそもお掃除とはどのようなものなのでしょうか?意外な効果もありそうです。

浄化

お掃除は、汚れやゴミを取り除いて、家や町を物理的に清潔にするだけの行為ではありません。
世界の多くの国で、お掃除は心理的・スピリチュアル的浄化の効果があると考えられています。体や心に溜まっている邪気やネガティブなエネルギーを払い、場を浄化して、さまざまな悪影響から身を守ります。

開運

近年、物への執着を捨てシンプルで豊かな生活を送るというライフスタイル、ミニマリズムやシンプルライフ、断捨離の概念が注目されています。

中国で始まった風水が欧米諸国にも浸透してきています。身軽で環境にも優しい生活、ストレスの軽減や集中力の向上などのメリット、物が減ることでお掃除もしやすくなり、いつも清潔で快適な家で暮らすことができます。
お掃除で運気を良くするという考えも受け入れられています。

瞑想

フランスやイギリスでは、お掃除を瞑想やストレス発散の手段と考える人が多くいます。
物理的な汚れと共に心理的な澱を捨て去り、軽やかでクリアな心を取り戻して、精神の安定を図ります。

世界のお掃除術いろいろ

全世界共通の家事である「お掃除」。各国のお料理が千差万別であるように、各国のお掃除も千差万別です。
ここでは3つだけご紹介しますが、紹介しきれないお掃除術が世界にはたくさんあります!
日本とは異なるお気に入りのお掃除方法を見つけて、参考にしてみるのもおすすめです。

No music, No cleaning

日本では、神道や仏教の影響を受け、お掃除は精神性を高める行為として、黙々と集中して行うものとされています。
一方、欧米では、お掃除に音楽は欠かせないようです。お掃除をしながら音楽を聴く人が多数派で、歌ったり踊ったりする人も多くいます。音楽を聴くことでお掃除が楽しくなるのか、お掃除が楽しいから音楽を聴きたくなるのかは分かりません。

日本でも、お掃除の時間にいつも同じ曲がかかっていたという小中学校も多いのではないでしょうか。耳に残る思い出の曲を聴きながらお掃除したら、てきぱきとはかどるかも。

No music, No cleaning

ナチュラル派?効率重視派?

お掃除の方法にもお国柄が現れます。
ブラジルのように、昔ながらのほうきで埃を払い、バケツに水を溜めて雑巾やモップで水拭きする国もあれば、
中国のように、高圧洗浄機やスチームクリーナー、ロボット掃除機のような道具を活用する国もあります。
ロシアやポーランドのように、重曹、クエン酸やホワイトビネガー、オリーブオイル由来の黒石鹸、柑橘系やラベンダーやティーツリーのアロマオイルなど、自然素材で、穏やかに汚れを落とす方法を好む国もあれば、
日本のように、時短やバクテリア除去率を重視する国では、強烈な化学薬品を使う国もあります。

お掃除に正解はありません。ライフスタイルや好みに合わせて、自由に選ぶのもいいですね。

ナチュラル派?効率重視派?

お掃除を文化にしてしまおう!

「皆ですれば辛くない」の精神で、国や地域を挙げて、お掃除に取り組む国もあります。
ルワンダもそのひとつ。世界一清潔な国とも言われ、毎月第4土曜日はウムガンダ(Umuganda:共に働く)の日、何と国民全員!で掃除をします。
健康な成人に限られるものの、義務です。その時間帯はお店を開けることも車を運転することも禁止されるという徹底ぶり。
この背景には、民族紛争で分断された国民の絆を取り戻すという思いがあります。民族の垣根を超えて、地域のために、道路掃除、街路樹の整備や草刈り、公共施設の修理、社会的弱者向け建築などを行います。

またドイツにも同様に、ケアヴォッヘ(Kehrwoche:お掃除ウィーク)という地域や集合住宅のお掃除を協力して交替で行う習慣があります。共有部分は共同で綺麗に。合理的なドイツらしいですね。

世界各国の大掃除

世界にはさまざまな大掃除の文化があります。
日本、中国、タイ、イランのように新年を迎えるためにする国、宗教的な行事の準備のためにする国、春を迎えるためにする国など。日本と海外の大掃除事情をご紹介します。

日本特有「大掃除」

日本人にとって年末の大掃除は欠かせない年中行事のひとつです。
平安時代の宮中行事「煤払い」がその起源。その年に溜まった煤や埃を払い、厄や穢れを払って、来年の年神様をお迎えするという意味を持っています。新年を清々しく迎えるためのお清めであり、家族の絆を深める行事でもあります。12月13日から12月28日までの間にするのが習わしです。

インドの神聖な「ディワリ」前の大掃除

インドには、ヒンドゥー教の重要な宗教的祭典「ディワリ(Diwali:光の列)」があります。
善が悪に、光が闇に、知識が無知に打ち勝つことを祝う「光の祭り」です。ヒンドゥー教の新年を迎えるに当たり、ディワリの前には数週間かけて徹底的に大掃除をするだけでなく、家の壁を白く塗り直したり、新しい家具や装飾品で飾ったりもします。ディワリ期間中に清潔な家を訪れ、富と繁栄をもたらす女神ラクシュミーをお迎えします。

インド人がお掃除を重視するのは、聖典の言葉、Cleanliness is next to godliness(清潔は敬神に次ぐ美徳)という考え、アティティ・デーヴォ・バヴァ(Atithi Devo Bhava:お客様は神である)という伝統的価値観に基づいているからです。
インド人にとってお掃除は、神々を迎えるための準備なのです。

インドの神聖な「ディワリ」前の大掃除

<英米 vs ロシア>春の大掃除とは?

春の始まりに、アメリカやイギリスなど多くの国で行われているのは、スプリングクリーニング(Spring Cleaning:春の大掃除)です。
イランのノウルーズ(Nowruz)、ユダヤ教のパスオーバー(Pesach)に由来するという研究もある古い習慣で、冬の間に溜まった埃や汚れを取り除き、家を徹底的に綺麗にします。

またロシアにも同様に、イースター前に行うゲネラーリナヤ ウボールカ(генеральная уборка:徹底的な掃除)という春の大掃除があります。ムィーチ(мыть:洗う)、スティラーチ(стирать:洗濯する)、ウブラーチ(убрать:片付ける)、チースチチ(чистить:掃除する・磨く)の4つの方法で、余すところなくお掃除します。

こちらは、スプリングクリーニングと比べて、宗教的な意味合いが強くなります。

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筆者プロフィール:gracen

ヨーロッパ在住ライター・翻訳家。
海外在住歴15年・旅行歴25ヶ国の経験を活かして幅広い分野で執筆。
幼少期に「いろいろな国の本当の姿をこの目で確かめたい」と強烈に感じたことが原動力に。得意分野は、海外移住・旅行、語学、お花・農業、自然療法、IT、法律など。パリの老舗花店であるMouliéとLa Maison Vertumneで花修行の経験あり。


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