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チャイハネには、世界の各国で長きに渡りお付き合いをさせていただいている工場のメーカーさんがいます。伝統的なハンドメイドの工房から機械化された工場まで、国籍も人種も多様な生産者様との取引を積み重ね、今日に至るまでグローバル規模でのパートナーシップを創り上げてきました。
多くの商品の生産は、様々な困難と共に、未知との出逢いや学びがありました。それは、言葉や文化の違いがあれど、ともにベストを尽くしてくれるパートナーとの関係、長年チャイハネが積み上げてきたパワーの源でもあります。
生産者さんなくして、チャイハネはお客様に商品をお届けできません。 今回はその感謝の気持ちも込めて、長年お付き合いをさせていただいている、インドのラジャスタン州にあるメーカーさんの社長さんに、チャイハネ(アミナコレクション)とのパートナーシップについてインタビュー!チャイハネの商品番号の頭3文字に、IACという文字がついているのが、そのメーカーさんが生産してくれたアイテムの目印です。 アミナコレクション(チャイハネ)とそのメーカーさん(以下IAC)の出逢いや乗り越えてきた困難など、多くのエピソードを語っていただきました!社員でも知らなかった知られざるエピソードをお楽しみください♪
1994年1月、私たちはわずか5人で創業しました。現在では550人の正社員と400人の契約スタッフを抱えるまでに成長しています。 私たちは、誠心誠意、献身的に努力する、という理念を掲げています。たとえ短期的に私たちの損失となったとしてもお客さまの利益を第一に動きます。お客さまの信用を得ることは、いずれ私たちの利益におのずとつながると信じているからです。
まず、私はインド一の経営大学院であるインド経営大学院(IIMアーメダバード)でMBAを取得しています。大学院を卒業するとき、32もの仕事のオファーをいただきましたが、私は自分の力で起業することを決めていました。失業や貧困が問題となっているインドで、いつか人々に雇用機会を提供したいと考えていたのです。 IIMを卒業後、条件の良い数々のオファーを蹴って自営業を選択する人はほとんどいませんが、私は起業を心に決めていました。のちにこれがかなり難しい決断だったと気づくことになります。資金もじゅうぶんでない中起業することを、友人や家族、親戚からも心配され、別の仕事に就くべきだと勧められました。 しかし、私はあきらめずにビジネスを立ち上げました。口座の残高はわずか700ルピー(注:当時およそ2000円程度)でした。こうしてIACが誕生したのです。
私たちが日本のお客さまと関係を築くことに意欲があるのは、次のような理由からです。
新規のバイヤー開拓は容易ではありませんが、品質・納期の面で信頼できるメーカーだとわかれば、日本のお客さまは覚えてくれていて、毎年継続的な発注をいただけることが多いです。
1995年の7月です。
これは面白いですよ。 1995年7月、私たちは初めてインド国際衣料見本会に出展しました。当時、伸さん率いるアミナチームも会場にいたようですが、私たちのブースにはいらっしゃいませんでした。 7月24日、自宅でランチを取っていた時、スタッフが「ランチを終えてオフィスに急いでください!アミナコレクションと書かれた大きな車で来た日本人バイヤーさんが来ています!」と興奮気味に飛び込んできました。ランチを中断し、スクーターで当時の小さな工場へ向かうと、ショールームにはすでに伸さんと3人のデザイナーが待っていました。
【アミナコレクションのOB伸さんの連載『#noadhoof』は こちらから】
日本人バイヤーさんを目の前にすると、緊張と興奮、そして喜びが同時に押し寄せてきました。2時間後には、50着のアップリケ付きジャケットの発注をその場でもらいました。 さっそくこの小ロットの注文に取りかかりましたが、完成した50着のジャケットのアップリケには染みがあり、結局ボツにせざるを得ませんでした。 気を取り直して再度50着縫製しましたが、今度はベージュのジャケットの生地にシミを発見してまたもボツ。3度目は問題なく完成したかのように思えましたが、最後の確認でボタンの位置が間違っていることに気付き、またしてもボツになりました。4度目の製作分をようやく出荷することができましたが、この50着のために200着も作ってしまったため、大きな損失となってしまいました。
この2か月後、アミナチームからファックスが届きました。ジャケットの品質がとても良かったので、今後さらに取引を続けていきたいという内容でした。 そこから、私たちとアミナとの長い取引が始まったのです。50着から始まった発注は、今では年間約25万着までにもなっています。
はい、アミナコレクションは他の日本の会社とは次のような点で大きく異なると思います。
アミナコレクションは常に新しい生地やスタイルを提案します。
アミナコレクションは、鮮やかなプリント、手刺繍や機械刺繍、無地、タイダイ、オンブレなど、毎シーズン多彩な衣料品のコレクションを発表しています。
アミナコレクションは、他の日本のバイヤーと比較して、エキゾチックさを取り入れたファッションをよく取り扱います。これにより、他とは違った特別感のある服ができます。また、民俗的な服飾には、手作業や手刺繍が欠かせません。こうした衣料品は、特に地方の女性職人たちにとって貴重な雇用機会を生み出すことにもつながります。
アミナコレクションは、自分たちだけで全てを決めるのではなく、売り手からの新しいアイデアを歓迎し、高く評価してくれます。これは、私たちが常に革新的なアイデアを探すモチベーションにもなっています。
1.前述の通り、初めての受注は50着のジャケットでした。 その50着を発送してから一ヶ月後、神戸で商売をしていたきょうだいに会うため、日本へ行く機会がありました。新幹線の旅をしている時、東京への道中で横浜を通りました。 彼は「せっかくだからアミナコレクションのオフィスに行って、もっと注文をもらえないか頼んでみたら?」と提案してくれました。しかし、私は「50着しか送っていないのに、品質が良くなければ怒鳴られてしまうかもしれない。怖いから行かない」と答えてしまいました。
そして、ジャイプールに戻ると、なんと机の上にファックスが届いており、50着のジャケットを気に入ってもらえたという内容が書かれていたのです。
2.一度、尊敬するシンドウさん(チャイハネ創業者 通称BOSS)がオフィスにいらっしゃったことがあります。彼の博識さ、創造性、そして飾らない人柄、芸術や工芸品への愛に私たちは皆、とても驚きました。今でも、会社にいらっしゃった時の彼の顔を鮮明に覚えています。
3.29年間アミナコレクションと仕事をしていますが、インドにいらっしゃる社員さんたちにインド料理が嫌いな人が一人もいないというのは、とてもユニークだと思います。他の日本のバイヤー(それほど多くはありませんが)は、ピザと麺しか好まない人がほとんどです。アミナコレクションの皆さんが、インドの家庭料理を愛してくれているのは、とても嬉しく思います。 アミナコレクションは、インド料理が好きであることが入社条件に含まれているんじゃないかと私は思っています。
アミナコレクションと私たちが29年間も共に歩み、長期的な関係を築いてきたことは、私たちの信頼関係の何よりの証だと思います。この絆はシーズンや年を重ねるごとに強固になりつつあり、今後100年、この関係が続いてほしいと願っています。アミナコレクション、そしてこれまで働いてきた、また現在働いている全てのスタッフが、私たちに対して信頼をおいてくださっていることに心から感謝しています。
長年にわたる協力関係のおかげで、生地、デザインの品質などの面で、アミナコレクションの要求を理解することは非常に容易になりました。ですので、作業工程をとてもスムーズに進められるようになっています。 ジャイプールでは、私たちとアミナコレクションの築いてきた絆については大変よく知られています。だからこそ多くの競合他社が、私たちに取って代わることを夢みて、定期的にアミナコレクションにアプローチしているのです。
取引を始めた当初、アミナの商品は非常にエキゾチックなテイストの強いものでした。手染めやタイダイ染めが多く用いられていましたし、私たちは手刺繍にも強く、しかも価格も安価だったため、取引はすぐに拡大しました。 しかしその後、アミナコレクションは市場動向を非常にうまく読み、プリント柄の衣服のバリエーションを増やす方向にシフトし始めました。私たちもそれに気がつき、アミナは非常に大切な取引先でしたので、プリント加工の強化に乗り出しました。その一環として、プリント工場への投資も行いました。 この決断は、さらなるビジネス拡大に大きく貢献しました。
アミナコレクションは、シーズン毎に新しい商品を開発していて、同じ商品を毎年使いまわすことはしません。そのため、私たちは常にアミナのデザイナーからの指示に従った新商品開発に努めると同時に、新しいアイテム、技法、スタイルも提案しています。 アミナのスタッフは常に私たちのアイデアを歓迎してくれますし、提案の中からいくつか選んでくださいます。これはとても励みになります。というのも、多くの日本のバイヤーはターゲット価格とともに具体的な製品を持ち込んでくるため、私たちがデザインに介入できる余地がないからです。 アミナコレクション向けのサンプルを作成する際には、サンプルと量産品との間に差が生じないように常に心がけています。そのため、サンプル作成時にはオーダーの可能性が100%だと想定し、量産の段階で問題が発生しないように細心の注意を払っています。 その結果、展示会サンプルと量産品との間に大きな違いがないことがお分かりいただけるかと思います。
1.1998年にデザイナーの方から、アップリケワークと手刺繍をふんだんに使用したジャケット、ドレス、スカートのサンプル製作を依頼されました。非常に難度の高いものでしたが、何とか開発することができました。 しかし、見積もり金額が32ドル~35ドルとなってしまい、アミナコレクションはこれでは受け入れてくれないだろう、型ごとキャンセルになるのではないかと思いました。それでも、とりあえず完成品を航空便で送りました。 すると、驚くことにデザインだけではなく、価格も快く了承していただき、後にこれらの衣服に対して大きなオーダーをいただくことになりました。
2.葉の模様を手刺繍で施した衣服のサンプル製作を依頼されました。こちらも無事に完成させ、好調な発注をいただきました。ところが、ジャイプールの複数のエキスポーターがこのデザインをコピーして、大阪の展示会で展示したのです。 このコピー品にも注文が入ってしまったようで、3ヶ月後、2組の輸出業者が「アニルさん、私たちにはこの服は作れません。お願いできませんか?」と頼みに来ました。しかし、私は「私たち(アミナ)のスタイルを真似しておいて、今さら作れと言うのですか」と断りました。 それ以来、彼らが私たちのデザインを真似することはありませんでした。
3.2001年には、ガネーシャ卿のプリントが入ったTシャツのサンプル製作を依頼されました。私はガネーシャを崇拝していますので、ガネーシャで衣服を作ることはしたくありませんでした。作業中の衣料品が機械から落ちたり、職人さんが踏んでしまったりする可能性があり、それではガネーシャ卿への失礼にあたります。心苦しく思いながらも依頼を断念しました。 すると、アミナコレクションは快く理解を示し、スタイルの変更、キャンセルに応じてくださいました。
確かにブロックプリントは、あたたかく、伝統的で、持続可能で、雇用を生み出す印刷技術です。長い間トレンドから外れていましたが、最近ではアメリカやオーストラリアからもブロックプリント製品について問い合わせが来るようになり、再び注目されつつあるように思います。
1.手刺繍/機械刺繍、無地、プリント、タイダイ、オンブレ、スパンコールなど、さまざまな種類の衣料品を生産することができます。綿、レーヨン、ドビー織りシルク、ウール、ポリエステル、アクリル、天然素材など、幅広い種類の生地を使用しています。
2.染色、プリント、レーザーカット、デジタルプリント、コンピューター刺繍など、ほとんどの工程を自社工場で一貫生産していることが強みです。手刺繍に関しては、私たちと連携する女性職人たちが1,000人以上おり、彼女たちは仕事を通じてビジネス感覚を身につけると同時に、経済的な安定も得ることができています。
3.工場で使われている電力の70%が太陽光発電でまかなわれており、社会と環境に配慮されています。また、小さな子どもを持つ女性労働者のために、最近工場内にキッズスペースを新設しました。子どもを預けられる場所があるため、安心して働くことができるようになりました。
まず初めに、アミナコレクションをご愛顧いただいている全てのお客さまに対して、デザイン、品質、納期に対する大きな信頼をいただき、大変感謝しております。 私たちは、アミナコレクションを単なるバイヤーとしてではなく、ビジネスパートナーとして捉えています。常に共同の努力を重ね、最高の商品を日本のお客さまへお届けできるよう努力しています。 お客さまの好み、ご要望、そしてお客さまからの貴重なフィードバック(肯定的なものも否定的なものも)は、よりクリエイティブな商品開発、そして品質向上へと私たちが挑戦するための原動力となっています。
チャイハネには、世界の各国で長きに渡りお付き合いをさせていただいている工場のメーカーさんがいます。伝統的なハンドメイドの工房から機械化された工場まで、国籍も人種も多様な生産者様との取引を積み重ね、今日に至るまでグローバル規模でのパートナーシップを創り上げてきました。
多くの商品の生産は、様々な困難と共に、未知との出逢いや学びがありました。それは、言葉や文化の違いがあれど、ともにベストを尽くしてくれるパートナーとの関係、長年チャイハネが積み上げてきたパワーの源でもあります。
生産者さんなくして、チャイハネはお客様に商品をお届けできません。
今回はその感謝の気持ちも込めて、長年お付き合いをさせていただいている、インドのラジャスタン州にあるメーカーさんの社長さんに、チャイハネ(アミナコレクション)とのパートナーシップについてインタビュー!チャイハネの商品番号の頭3文字に、IACという文字がついているのが、そのメーカーさんが生産してくれたアイテムの目印です。
アミナコレクション(チャイハネ)とそのメーカーさん(以下IAC)の出逢いや乗り越えてきた困難など、多くのエピソードを語っていただきました!社員でも知らなかった知られざるエピソードをお楽しみください♪
目次
インタビューをしたメーカーさん(IAC)のご紹介
Q1/IACについて教えてください。
1994年1月、私たちはわずか5人で創業しました。現在では550人の正社員と400人の契約スタッフを抱えるまでに成長しています。
私たちは、誠心誠意、献身的に努力する、という理念を掲げています。たとえ短期的に私たちの損失となったとしてもお客さまの利益を第一に動きます。お客さまの信用を得ることは、いずれ私たちの利益におのずとつながると信じているからです。
Q2/創業秘話を教えてください。
まず、私はインド一の経営大学院であるインド経営大学院(IIMアーメダバード)でMBAを取得しています。大学院を卒業するとき、32もの仕事のオファーをいただきましたが、私は自分の力で起業することを決めていました。失業や貧困が問題となっているインドで、いつか人々に雇用機会を提供したいと考えていたのです。
IIMを卒業後、条件の良い数々のオファーを蹴って自営業を選択する人はほとんどいませんが、私は起業を心に決めていました。のちにこれがかなり難しい決断だったと気づくことになります。資金もじゅうぶんでない中起業することを、友人や家族、親戚からも心配され、別の仕事に就くべきだと勧められました。
しかし、私はあきらめずにビジネスを立ち上げました。口座の残高はわずか700ルピー(注:当時およそ2000円程度)でした。こうしてIACが誕生したのです。
Q3/日本とのビジネスについて思うことを教えてください。
私たちが日本のお客さまと関係を築くことに意欲があるのは、次のような理由からです。
新規のバイヤー開拓は容易ではありませんが、品質・納期の面で信頼できるメーカーだとわかれば、日本のお客さまは覚えてくれていて、毎年継続的な発注をいただけることが多いです。
アミナコレクションとのパートナーシップについて
Q4/アミナコレクションとの取引はいつからですか?
1995年の7月です。
Q5/アミナコレクションとの出会いは?
これは面白いですよ。
1995年7月、私たちは初めてインド国際衣料見本会に出展しました。当時、伸さん率いるアミナチームも会場にいたようですが、私たちのブースにはいらっしゃいませんでした。
7月24日、自宅でランチを取っていた時、スタッフが「ランチを終えてオフィスに急いでください!アミナコレクションと書かれた大きな車で来た日本人バイヤーさんが来ています!」と興奮気味に飛び込んできました。ランチを中断し、スクーターで当時の小さな工場へ向かうと、ショールームにはすでに伸さんと3人のデザイナーが待っていました。
【アミナコレクションのOB伸さんの連載『#noadhoof』は こちらから】
日本人バイヤーさんを目の前にすると、緊張と興奮、そして喜びが同時に押し寄せてきました。2時間後には、50着のアップリケ付きジャケットの発注をその場でもらいました。
さっそくこの小ロットの注文に取りかかりましたが、完成した50着のジャケットのアップリケには染みがあり、結局ボツにせざるを得ませんでした。
気を取り直して再度50着縫製しましたが、今度はベージュのジャケットの生地にシミを発見してまたもボツ。3度目は問題なく完成したかのように思えましたが、最後の確認でボタンの位置が間違っていることに気付き、またしてもボツになりました。4度目の製作分をようやく出荷することができましたが、この50着のために200着も作ってしまったため、大きな損失となってしまいました。
この2か月後、アミナチームからファックスが届きました。ジャケットの品質がとても良かったので、今後さらに取引を続けていきたいという内容でした。
そこから、私たちとアミナとの長い取引が始まったのです。50着から始まった発注は、今では年間約25万着までにもなっています。
Q6/アミナコレクションが、他の会社とはここが違う!
と思うところはありますか?またその内容を教えてください。
はい、アミナコレクションは他の日本の会社とは次のような点で大きく異なると思います。
1. 独創性
アミナコレクションは常に新しい生地やスタイルを提案します。
2. コレクションのバリエーション
アミナコレクションは、鮮やかなプリント、手刺繍や機械刺繍、無地、タイダイ、オンブレなど、毎シーズン多彩な衣料品のコレクションを発表しています。
3. 異国情緒あふれるコレクション
アミナコレクションは、他の日本のバイヤーと比較して、エキゾチックさを取り入れたファッションをよく取り扱います。これにより、他とは違った特別感のある服ができます。また、民俗的な服飾には、手作業や手刺繍が欠かせません。こうした衣料品は、特に地方の女性職人たちにとって貴重な雇用機会を生み出すことにもつながります。
4. 新しいアイデアにオープン
アミナコレクションは、自分たちだけで全てを決めるのではなく、売り手からの新しいアイデアを歓迎し、高く評価してくれます。これは、私たちが常に革新的なアイデアを探すモチベーションにもなっています。
Q7/アミナコレクションとのエピソードで印象に残っていることはありますか?
1.前述の通り、初めての受注は50着のジャケットでした。
その50着を発送してから一ヶ月後、神戸で商売をしていたきょうだいに会うため、日本へ行く機会がありました。新幹線の旅をしている時、東京への道中で横浜を通りました。
彼は「せっかくだからアミナコレクションのオフィスに行って、もっと注文をもらえないか頼んでみたら?」と提案してくれました。しかし、私は「50着しか送っていないのに、品質が良くなければ怒鳴られてしまうかもしれない。怖いから行かない」と答えてしまいました。
そして、ジャイプールに戻ると、なんと机の上にファックスが届いており、50着のジャケットを気に入ってもらえたという内容が書かれていたのです。
2.一度、尊敬するシンドウさん(チャイハネ創業者 通称BOSS)がオフィスにいらっしゃったことがあります。彼の博識さ、創造性、そして飾らない人柄、芸術や工芸品への愛に私たちは皆、とても驚きました。今でも、会社にいらっしゃった時の彼の顔を鮮明に覚えています。
3.29年間アミナコレクションと仕事をしていますが、インドにいらっしゃる社員さんたちにインド料理が嫌いな人が一人もいないというのは、とてもユニークだと思います。他の日本のバイヤー(それほど多くはありませんが)は、ピザと麺しか好まない人がほとんどです。アミナコレクションの皆さんが、インドの家庭料理を愛してくれているのは、とても嬉しく思います。
アミナコレクションは、インド料理が好きであることが入社条件に含まれているんじゃないかと私は思っています。
Q8/アミナコレクションはメーカーさんと一時的なお付き合いではなく、長期的にパートナーシップを築いていく想いで一緒にお仕事をさせていただいています。
シャルマさんが感じているアミナコレクションへの想いを教えてください。
アミナコレクションと私たちが29年間も共に歩み、長期的な関係を築いてきたことは、私たちの信頼関係の何よりの証だと思います。この絆はシーズンや年を重ねるごとに強固になりつつあり、今後100年、この関係が続いてほしいと願っています。アミナコレクション、そしてこれまで働いてきた、また現在働いている全てのスタッフが、私たちに対して信頼をおいてくださっていることに心から感謝しています。
長年にわたる協力関係のおかげで、生地、デザインの品質などの面で、アミナコレクションの要求を理解することは非常に容易になりました。ですので、作業工程をとてもスムーズに進められるようになっています。
ジャイプールでは、私たちとアミナコレクションの築いてきた絆については大変よく知られています。だからこそ多くの競合他社が、私たちに取って代わることを夢みて、定期的にアミナコレクションにアプローチしているのです。
アミナコレクションのモノ作りについて
Q9/出逢った頃と今とで商品作りに対して進化しているなと感じる部分を教えてください。
取引を始めた当初、アミナの商品は非常にエキゾチックなテイストの強いものでした。手染めやタイダイ染めが多く用いられていましたし、私たちは手刺繍にも強く、しかも価格も安価だったため、取引はすぐに拡大しました。
しかしその後、アミナコレクションは市場動向を非常にうまく読み、プリント柄の衣服のバリエーションを増やす方向にシフトし始めました。私たちもそれに気がつき、アミナは非常に大切な取引先でしたので、プリント加工の強化に乗り出しました。その一環として、プリント工場への投資も行いました。
この決断は、さらなるビジネス拡大に大きく貢献しました。
Q10/アミナコレクションの商品を作っていただいている中で、気を付けていることや大切にしていることなどを教えてください。
アミナコレクションは、シーズン毎に新しい商品を開発していて、同じ商品を毎年使いまわすことはしません。そのため、私たちは常にアミナのデザイナーからの指示に従った新商品開発に努めると同時に、新しいアイテム、技法、スタイルも提案しています。
アミナのスタッフは常に私たちのアイデアを歓迎してくれますし、提案の中からいくつか選んでくださいます。これはとても励みになります。というのも、多くの日本のバイヤーはターゲット価格とともに具体的な製品を持ち込んでくるため、私たちがデザインに介入できる余地がないからです。
アミナコレクション向けのサンプルを作成する際には、サンプルと量産品との間に差が生じないように常に心がけています。そのため、サンプル作成時にはオーダーの可能性が100%だと想定し、量産の段階で問題が発生しないように細心の注意を払っています。
その結果、展示会サンプルと量産品との間に大きな違いがないことがお分かりいただけるかと思います。
Q11/今までに印象に残っている商品や商品作りに対してアミナコレクションとの印象的なエピソードはありますか?
1.1998年にデザイナーの方から、アップリケワークと手刺繍をふんだんに使用したジャケット、ドレス、スカートのサンプル製作を依頼されました。非常に難度の高いものでしたが、何とか開発することができました。
しかし、見積もり金額が32ドル~35ドルとなってしまい、アミナコレクションはこれでは受け入れてくれないだろう、型ごとキャンセルになるのではないかと思いました。それでも、とりあえず完成品を航空便で送りました。
すると、驚くことにデザインだけではなく、価格も快く了承していただき、後にこれらの衣服に対して大きなオーダーをいただくことになりました。
2.葉の模様を手刺繍で施した衣服のサンプル製作を依頼されました。こちらも無事に完成させ、好調な発注をいただきました。ところが、ジャイプールの複数のエキスポーターがこのデザインをコピーして、大阪の展示会で展示したのです。
このコピー品にも注文が入ってしまったようで、3ヶ月後、2組の輸出業者が「アニルさん、私たちにはこの服は作れません。お願いできませんか?」と頼みに来ました。しかし、私は「私たち(アミナ)のスタイルを真似しておいて、今さら作れと言うのですか」と断りました。
それ以来、彼らが私たちのデザインを真似することはありませんでした。
3.2001年には、ガネーシャ卿のプリントが入ったTシャツのサンプル製作を依頼されました。私はガネーシャを崇拝していますので、ガネーシャで衣服を作ることはしたくありませんでした。作業中の衣料品が機械から落ちたり、職人さんが踏んでしまったりする可能性があり、それではガネーシャ卿への失礼にあたります。心苦しく思いながらも依頼を断念しました。
すると、アミナコレクションは快く理解を示し、スタイルの変更、キャンセルに応じてくださいました。
インドの伝統技術について
Q12/ブロックプリントなど、私たち日本人にとっては温もりある魅力的な技法だと感じているのですが、インドの方にとっての自国の伝統技術は、どんな存在ですか?
確かにブロックプリントは、あたたかく、伝統的で、持続可能で、雇用を生み出す印刷技術です。長い間トレンドから外れていましたが、最近ではアメリカやオーストラリアからもブロックプリント製品について問い合わせが来るようになり、再び注目されつつあるように思います。
Q13/ インド生産、IACのアイテムだからこその魅力をお客様に教えてください。
1.手刺繍/機械刺繍、無地、プリント、タイダイ、オンブレ、スパンコールなど、さまざまな種類の衣料品を生産することができます。綿、レーヨン、ドビー織りシルク、ウール、ポリエステル、アクリル、天然素材など、幅広い種類の生地を使用しています。
2.染色、プリント、レーザーカット、デジタルプリント、コンピューター刺繍など、ほとんどの工程を自社工場で一貫生産していることが強みです。手刺繍に関しては、私たちと連携する女性職人たちが1,000人以上おり、彼女たちは仕事を通じてビジネス感覚を身につけると同時に、経済的な安定も得ることができています。
3.工場で使われている電力の70%が太陽光発電でまかなわれており、社会と環境に配慮されています。また、小さな子どもを持つ女性労働者のために、最近工場内にキッズスペースを新設しました。子どもを預けられる場所があるため、安心して働くことができるようになりました。
最後に、日本のお客様へメッセージ
まず初めに、アミナコレクションをご愛顧いただいている全てのお客さまに対して、デザイン、品質、納期に対する大きな信頼をいただき、大変感謝しております。
私たちは、アミナコレクションを単なるバイヤーとしてではなく、ビジネスパートナーとして捉えています。常に共同の努力を重ね、最高の商品を日本のお客さまへお届けできるよう努力しています。
お客さまの好み、ご要望、そしてお客さまからの貴重なフィードバック(肯定的なものも否定的なものも)は、よりクリエイティブな商品開発、そして品質向上へと私たちが挑戦するための原動力となっています。