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寒さが厳しくなってくる12月下旬の日曜日の12時頃、新横浜北口「スペース・オルタ」では毎年「魂鎮」という行事が行われ、その行事の一貫として新横浜南口の近くの篠原八幡神社にて民俗芸能舞踊の奉納(演舞)をしている。この神社での奉納は既に25年以上もの間継続されていて、コロナ渦の中でもかろうじて開催され、本年も開催予定である。
奉納には「黒川さんさを学ぶ横浜グループ」、「二子流東京鬼剣舞」、「金津流横浜獅子躍」の三団体によって執り行われ、新横浜駅北口側にある「スペース・オルタ」から出発し、太鼓や笛などを鳴らしながら神社に向かい、神社に到着するなり各団体ごとに演舞による奉納が行われる。
そして、奉納が終わり次第「スペース・オルタ」に帰っていく。その後「スペース・オルタ」内では各団体がさらに演舞を行い、その年の踊り納めとして締めくくっている。
神社での奉納は、神主が出てきて神事が執り行われるということなく進行していく。また、観客を集めようという意志も特に感じられない。なぜなら、行事の旗指物や看板などがあるわけでもなく、当該神社のホームページにひっそりと掲載されているのみである。
これらのことは、ここでの奉納は神様を主賓の観客として、踊り手から神様に演舞を通じて、一年の自身の修練の成果報告や一年を通じて演舞できたことの感謝の意を表現する目的であって、奉納により神様から何かのご加護を頂くという目的ではないことを示しているように思える。
よって、そのような目的であれば観客や神事儀式も特に必要ないというのも納得できるし、その姿勢にすがすがしいものを感じられる。
しかしながら、何もしらない第三者から見ると、神社境内で突如、民俗芸能の演舞がおよそ1時間にわたって行われ、終わるとさっと元の静寂な神社境内に戻っているという不思議な出来事になっているだろう。
さて、「魂鎮」に参加している三団体の芸能は全て東北・岩手県の民俗芸能であるのだが、なぜ東北の民俗芸能がこの横浜の地で踊られているのであろうか。話を聞くと東北の民俗芸能に魅せられた東京・神奈川などの人たちが岩手の現地に直接足を運び、芸能を教えてもらうことを何十年も続けた結果、こちらにいる人たちだけでの奉納が許されてきたという。
とりわけ「魂鎮」を主宰してきた故進藤幸彦氏(株式会社アミナコレクション・創業者)やその妻である宏子氏は東北の民俗芸能に対する情熱は強く、「シルクロード舞踏館」という稽古場を通じて民俗芸能の育成の種をまき、成長のための支援を何十年と続けている。現在の「魂鎮」に参加している三団体はその育成の結果とも言えるとのこと。
このように私も含めて多くの人々が東北の民俗芸能に魅せられているわけであるが、その魅せられる理由として、そこに日本民俗的な普遍的芸術性や精神性、並びに神秘性などが体現されているからではないかと思う。
「百聞は一見にしかず」。是非、あなたも「魂鎮」を一度見に来られてはいかがか。
もし、魅せらせたのであれば、あなた自身も民俗芸能を体験してみてはいかがか。
鎮魂は、古くは「たまふり」 「たましづめ」 と読まれ、 古神道では、 身体を揺り動 かし 「魂を振る」ことで、人々の内に蓄えられていたエネルギーを一度発散させ、 新たな 「魂の鎮まり」 を得ていたようです。 「魂振り」 と 「魂鎮め」 は、 この列島 に伝わる心と身体への洞察を表す言葉であり、 太陽のエネルギーが再生する冬至の 時期にふさわしい行事ともいえます。
鬼剣舞は岩手県、 北上地方に伝わる勇壮な民俗芸能で、平安時代に羽黒 山の山伏から伝わった修験舞踏といわれる。青、赤、黒、白の忿怒の形相をもつ鬼のような面は、不動明王を護る四天王を現す。またそれぞれ春夏 秋冬を表わし、 大地を踏みしめ激しく踊ることで、病魔退散、五穀豊饒を 願う。二子流東京鬼剣舞は、中心メンバーが40年以上家族ぐるみで現地と 交流し学び続けた末、北上地方以外で初めて名乗りを許された関東在住の グループ。横浜中華街のシルクロード舞踏館でも稽古をしている。
黒川さんさは平安後期の関東武士による戦勝祈願の踊りが原点といわれ、 低い腰と身体の捻りを特徴とする躍動感溢れる踊り方が特徴。日本で一番 激しい盆踊りともいわれている。盛岡の黒川地区では、毎年8月17日に館 林神社の例大祭で舞の奉納がある。横浜グループは、旧シルクロード舞踏館でこの芸能を学んでいた流れが20年以上となる。
「シシ (鹿)」が聖なる力を顕す獅子躍 (鹿踊) は東北各地に伝わる民族芸能。金津流は江戸時代に岩手県奥州市江刺区梁川の産土の神、 松尾神社の神事 芸能で、五穀豊穣、悪霊退散、祖先供養を舞踏化したもの。平成25年3月に躍組として金津流梁川獅子躍 (岩手県指定無形民俗文化財) より認許され、 横浜において活動している。
▼篠原八幡神社
▼スペース・オルタ
▼シルクロード舞踏館
目次
寒さが厳しくなってくる12月下旬の日曜日の12時頃、新横浜北口「スペース・オルタ」では毎年「魂鎮」という行事が行われ、その行事の一貫として新横浜南口の近くの篠原八幡神社にて民俗芸能舞踊の奉納(演舞)をしている。
この神社での奉納は既に25年以上もの間継続されていて、コロナ渦の中でもかろうじて開催され、本年も開催予定である。
奉納には「黒川さんさを学ぶ横浜グループ」、「二子流東京鬼剣舞」、「金津流横浜獅子躍」の三団体によって執り行われ、新横浜駅北口側にある「スペース・オルタ」から出発し、太鼓や笛などを鳴らしながら神社に向かい、神社に到着するなり各団体ごとに演舞による奉納が行われる。
そして、奉納が終わり次第「スペース・オルタ」に帰っていく。
その後「スペース・オルタ」内では各団体がさらに演舞を行い、その年の踊り納めとして締めくくっている。
神社での奉納は、神主が出てきて神事が執り行われるということなく進行していく。
また、観客を集めようという意志も特に感じられない。なぜなら、行事の旗指物や看板などがあるわけでもなく、当該神社のホームページにひっそりと掲載されているのみである。
これらのことは、ここでの奉納は神様を主賓の観客として、踊り手から神様に演舞を通じて、一年の自身の修練の成果報告や一年を通じて演舞できたことの感謝の意を表現する目的であって、奉納により神様から何かのご加護を頂くという目的ではないことを示しているように思える。
よって、そのような目的であれば観客や神事儀式も特に必要ないというのも納得できるし、その姿勢にすがすがしいものを感じられる。
しかしながら、何もしらない第三者から見ると、神社境内で突如、民俗芸能の演舞がおよそ1時間にわたって行われ、終わるとさっと元の静寂な神社境内に戻っているという不思議な出来事になっているだろう。
さて、「魂鎮」に参加している三団体の芸能は全て東北・岩手県の民俗芸能であるのだが、なぜ東北の民俗芸能がこの横浜の地で踊られているのであろうか。話を聞くと東北の民俗芸能に魅せられた東京・神奈川などの人たちが岩手の現地に直接足を運び、芸能を教えてもらうことを何十年も続けた結果、こちらにいる人たちだけでの奉納が許されてきたという。
とりわけ「魂鎮」を主宰してきた故進藤幸彦氏(株式会社アミナコレクション・創業者)やその妻である宏子氏は東北の民俗芸能に対する情熱は強く、「シルクロード舞踏館」という稽古場を通じて民俗芸能の育成の種をまき、成長のための支援を何十年と続けている。現在の「魂鎮」に参加している三団体はその育成の結果とも言えるとのこと。
このように私も含めて多くの人々が東北の民俗芸能に魅せられているわけであるが、その魅せられる理由として、そこに日本民俗的な普遍的芸術性や精神性、並びに神秘性などが体現されているからではないかと思う。
「百聞は一見にしかず」。是非、あなたも「魂鎮」を一度見に来られてはいかがか。
もし、魅せらせたのであれば、あなた自身も民俗芸能を体験してみてはいかがか。
魂鎮ファンより2023年度 魂鎮(たましずめ)
鎮魂は、古くは「たまふり」 「たましづめ」 と読まれ、 古神道では、 身体を揺り動 かし 「魂を振る」ことで、人々の内に蓄えられていたエネルギーを一度発散させ、 新たな 「魂の鎮まり」 を得ていたようです。
「魂振り」 と 「魂鎮め」 は、 この列島 に伝わる心と身体への洞察を表す言葉であり、 太陽のエネルギーが再生する冬至の 時期にふさわしい行事ともいえます。
スペース・オルタ(オルタナティブ生活館)から、篠原八幡神社まで、道行きを行います。
《舞い納め》奉納舞終了後、同日14時過ぎより17時頃まで
場所/スペース・オルタ(オルタナティブ生活館)
二子流東京鬼剣舞
鬼剣舞は岩手県、 北上地方に伝わる勇壮な民俗芸能で、平安時代に羽黒 山の山伏から伝わった修験舞踏といわれる。
青、赤、黒、白の忿怒の形相をもつ鬼のような面は、不動明王を護る四天王を現す。
またそれぞれ春夏 秋冬を表わし、 大地を踏みしめ激しく踊ることで、病魔退散、五穀豊饒を 願う。
二子流東京鬼剣舞は、中心メンバーが40年以上家族ぐるみで現地と 交流し学び続けた末、北上地方以外で初めて名乗りを許された関東在住の グループ。
横浜中華街のシルクロード舞踏館でも稽古をしている。
黒川さんさを学ぶ横浜グループ
黒川さんさは平安後期の関東武士による戦勝祈願の踊りが原点といわれ、 低い腰と身体の捻りを特徴とする躍動感溢れる踊り方が特徴。日本で一番 激しい盆踊りともいわれている。
盛岡の黒川地区では、毎年8月17日に館 林神社の例大祭で舞の奉納がある。
横浜グループは、旧シルクロード舞踏館でこの芸能を学んでいた流れが20年以上となる。
金津流横浜獅子躍
「シシ (鹿)」が聖なる力を顕す獅子躍 (鹿踊) は東北各地に伝わる民族芸能。
金津流は江戸時代に岩手県奥州市江刺区梁川の産土の神、 松尾神社の神事 芸能で、五穀豊穣、悪霊退散、祖先供養を舞踏化したもの。
平成25年3月に躍組として金津流梁川獅子躍 (岩手県指定無形民俗文化財) より認許され、 横浜において活動している。
▼篠原八幡神社
▼スペース・オルタ
▼シルクロード舞踏館