中欧チェコのクリスマスマーケットを訪れて

ヨーロッパの人々にとって、クリスマスは年末年始よりも大切なイベント。

ヨーロッパ各国では「クリスマスマーケット」が大々的に開催されます。
土地土地の名物フードやドリンクで温まりながら、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。

歴史的な街並みが、まるで中世のような中欧の国チェコでも、もちろんクリスマスは特別な日。
仕事を休んで、家族との時間をゆっくり過ごします。

チェコで3年の時を過ごした、猪村ゆりが現地のクリスマスの思い出を語ります。

ろうそくに火を灯して始まる、チェコのクリスマス

チェコのクリスマスは、11月末の日曜日(クリスマスの3週間前)にきまってろうそくに火を灯します。
各家庭で、長さの違う4本のろうそくを準備するんです。
ろうそくがついたアドベントリースはチェコのクリスマスの伝統的なもの。

毎週日曜日に1本ずつ、ろうそくに明かりを灯していきながら、クリスマスをワクワクしながら待つのです。
2022年は11月27日に、1本目のろうそくが灯ることになりますね。

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この時期になると、クリスマスのイルミネーションで飾られるトラム(プラハ市内を走る路面電車)が街中を走り始めて、街は徐々にクリスマスの雰囲気が漂い始めます。

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12月5日は、サンタクロースの元とも云われる「聖ミクラーシュの日」。
聖ミクラーシュと天使、鬼に扮した3人組が、街中を歩き回ったり、幼稚園を訪れたりとイベントが行われます。
チェコの人々はこのイベントを見て、「今年もクリスマスが近づいてきたなぁ」と感じるのです。

そしてクリスマスといえば、チキンやケーキを連想しますよね?
チェコの食卓は、チキンではなく「鯉」がご馳走としてならびます。そしてケーキではなく、クッキーでお祝いするんですよ。
クリスマスが近づくと、各家庭ではクリスマスクッキー「ヴァーノチュニー・ツクロヴィー」を何種類も大量に作り、年明けにかけて、ゆっくりと味わうことが通例です。

ちなみに、パン屋さんやケーキ屋さんでも購入できるもので、チェコに滞在していた3年間は、毎年お気に入りのお店のクッキーを購入していました。

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チェコのクリスマスツリーは、生木を使います。
お気に入りの木を購入したら、クリスマス直前までは外で保存します。

そして、近づいてきたら、定番の木製オーナメントやガラスのオーナメントで飾り付けします。ガラスが伝統産業であるチェコらしいクリスマスツリーです。

このように、クリスマス本番に向けて、徐々に気分を高めていくんです。
そして、チェコ各地で行われるクリスマスマーケットもとても魅力的。

チェコの素朴で中世のようなクリスマスマーケットをご紹介しましょう。

チェコのクリスマスマーケットは大盛り上がり!

11月後半になると、チェコ国内の主要都市でクリスマスマーケットが開かれて、年明けまで続きます。

首都プラハでは、旧市街広場をメインに、プラハ城、共和国広場、カレル広場などで開催。
どの広場も有名で、毎日のように人でにぎわっていますが、クリスマスマーケットが開かれると、木製屋台が多く並び、ますます人で溢れかえります。

ホットワインを片手に談笑する人々が多くみられ、屋台から放たれるオレンジ色の光に照らされて、クリスマスならではの温かい雰囲気を醸し出します。

屋台に並ぶのはフードだけではありません。
クリスマスツリーに飾るオーナメントや羊毛用品など、雑貨もたくさん。

美味しいホットドリンクで体を温めながら、じっくりと散策すれば、あれもこれも欲しくなってしまいます。

それぞれの会場は、綺麗に輝く大きなクリスマスツリーが飾られます。
広場のシンボルとなる教会やプラハ城と並んで立つ姿は、なんとも美しい光景。

クリスマスツリーの中でも一番大きいものは、旧市街広場に飾られて点灯式でイルミネーションに明かりが灯ります。

大きなクリスマスツリーの点灯式は一大イベント

毎年、チェコ全国から大きな木を選んで、旧市街広場に運ばれます。
そして、旧市街広場のシンボルであるティーン教会の前に飾られます。

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ツリーの前には、撮影スポットとして高台が設置されて、地上から見るときとまた違った角度から教会とツリーを楽しむことができます。

ちなみに2022年のクリスマスツリーに選ばれた木は、高さ約25メートル!
ここまで大きくなるのに、58年の歳月が掛かったそうです。

このように選び抜かれた、旧市街広場のクリスマスツリーの点灯式は、中継も行われるほどの一大イベントになっています。
合唱隊の美しい歌声包みこむ、クリスマスの幻想的な空間で、大きなツリーに明かりが灯っていく光景は忘れられません。

チェコグルメを食べ歩き!美味しいクリスマスマーケット

中欧といえど、チェコの冬は寒い。
クリスマスマーケットの温かいフードやドリンクは体にじっくりと沁みます。

大人のドリンクは、ホットワイン「スヴァジャーク」がメイン。
チェコはモラヴィア地方の白ワインが美味しい国ですが、この時ばかりは赤ワインの美味しさに酔いしれます。

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チェコ名物の一つ、「はちみつ酒」もホットで出してくれるので、冷えた体がぽかぽかと温まりますよ。
子ども用にはホットチョコレートがあるので、老若男女、家族みんなで温まることができます。

フードもとっても美味しい。
焼きたてのソーセージやプラハハムの屋台はもちろん、「トゥルデルニーク」という子どもに人気の焼きたてパンの屋台もあります。

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クリスマスのお菓子として有名な「ペルニーク」もあります。
伝統菓子であるペルニークは、スパイスの入った生地で作られ、可愛いアイシングが目を惹く焼き菓子。

クリスマスマーケットで売られているものは、大人の手のひらサイズで、可愛いメッセージ入りなので、プレゼントにもおすすめ。

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チェコのクリスマスマーケットを巡って

チェコのクリスマスマーケットは、温かい雰囲気に包まれています。

私はチェコを含め、12か国を訪れ、他の国のクリスマスマーケットにも足を運んだことがありますが、思い返してみると、チェコのクリスマスマーケットが一番ゆったり過ごせました。

チェコの人たちは皆親切で、子どもに優しい国民性があります。
だからこそ、のんびりと温かい雰囲気のクリスマスマーケットなのかもしれませんね。

おしゃべり好きな一面も持つチェコ人は、街中のカフェや居酒屋で、時には自然の中を歩きながら、言葉を多くかわします。
クリスマスマーケットでも温かい飲み物を片手に談笑する人が多くて、クリスマスを前に楽しそうな会話が飛び交っていました!なんだか私まで楽しい気分になってしまいます。

そんな流れで、私も白ワインに一輪のラベンダーが入っているホットワインを飲んでみました。
ふわっと香るラベンダーと、温かいワインで体も心も温まります。

歩いていると、木製のクリスマスオーナメントのお店を見つけました。
素朴で温かい雰囲気をまとったそのオーナメントに目を惹かれてお店に入りました。職人さんが丁寧に作っているもののようです。

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多少混んではいたものの、店員さんは急かすこともなく、お客さんたちはじっくりとお気に入りを選んでいるようでした。私もいざ来店。

細かい模様のオーナメントを一つ一つ手に取りながら見てみました。職人さんのこだわりや、木のぬくもりが伝わってきました。そこそこに長い時間をかけて、お気に入りを見つけて買いました。

今では、クリスマスツリーに飾ったオーナメントを見ると、チェコのクリスマスを思い出がよみがえって、なんだか心がホッと温かい気持ちになります。

中世の街並み残るプラハのクリスマスマーケットは、まるでタイムスリップしてしまったような
素朴で温かみのある雰囲気に包まれていました。

大きなクリスマスツリーと、温かい飲み物を片手に語り合う人々。
幸せな空間の中でゆったりと時間が流れる、チェコのクリスマスマーケット。

一度訪れたら、きっとまた足を運びたくなるはず。

カラフルで温かみのあるクリスマスマーケット

ヨーロッパ雑貨店「欧州航路」ではヨーロッパ各国からクリスマスアイテムが続々と届いています。
ヨーロッパのクリスマスマーケットを感じる空間で、とっておきのアイテムを探してみてくださいね。

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ヨーロッパのクリスマスマーケットについてもっと知りたい方はこちら▼

カラフルでにぎやかなヨーロッパのクリスマスマーケットを巡る

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「日常の中の小さな幸せ」を感じてもらえるようなモノづくりを目指しています。

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