ブロックプリントのアトリエ訪問

インド・ラジャスタン州、ジャイプール。
マハラジャの華やかな文化、砂漠の民の鮮やかな色彩感覚。そんなラジャスタン地方では、ハンドワークの職人達が今も活躍しています。

ブロックプリントのアトリエ訪問01

そんな中でもハンドブロックプリントは花形です。木版を削りだす職人さん、カラーマスターさん、ハンドプリント職人さんの経験と技術の結晶ですね。

8月初旬のジャイプール。メーカーさんとの打ち合わせの合間にブロックプリント工房を訪問しました。

ブロックプリントのアトリエ訪問02

同行したチャイハネ衣料のデザイナー、リンさんにとっては初めてのインド。もちろん、ブロックプリントの作業を実際に見るのも初めての体験です。タイミング良く、ちょうど秋物新作ティブロシリーズのプリント作業をしている現場を見ることが出来ました。

インド、ジャンプールはここ▼

初めての出張 ファッションデザイナー リンさんの感想

後日、リンさんに感想を聞いてみました。

初めてブロックプリントの作業を見てどう思った?

「まず、ほんとに大変な作業だなと思いました!どんな作業かは大体理解していましたよ、映像でも何度も見ていますから。それにしても暑い中、職人さんたちが、こんなにも丁寧に作業しているのには改めて驚かされます。」

ブロックプリントのアトリエ訪問03

自分達で企画デザインした柄が商品として形になっていくのを、目の前で見るのはどんな気持ち?

「自分達が平面で考えたデザイン。もちろん、ブロックプリントで生産すると指示したのも自分達です。それでも、こんなに手間がかかっているのかとシンプルに思います。作業自体はリズミカルで想像以上に早い。そして、丁寧で均等で綺麗。作業を見ていると、想像していた以上に価値があると実感します。
学生の頃、ハンドワークの勉強をしていました。私自身は彫刻をやっていたのですが、作るのはひとつだけです。それが、このブロックプリントの現場は量産していますよね?ハンドワークで量産!そこがさらに凄い!」

ブロックプリントのアトリエ訪問04

他に何か言いたいこと、伝えたい事は?

「この職人さんたちがいつまでも活躍していて欲しい、消えていかないで欲しいと思いました。私達自身がブロックプリントの素敵な商品、売れる商品を企画デザインする事で貢献できれば良いですね。そして、その魅力と価値をお客様に伝え続ける。お客様たちと一緒に、職人さん達の生活とハンドワークの文化を守っていければ最高です!」

白い生地にリズミカルに木版を捺して模様を染めていく。
まだ、服になる前の布の状態で、風に揺れる様子が愛おしい。
ここから一着一着、裁断され、縫われ、形になっていくんですね。

ブロックプリントのアトリエ訪問05

ブロックプリントの木版は手彫り。硬く丈夫な木が使わています。アトリエには歴代の版がこんなにたくさん保管されています。

ファッションデザイナー しおりさんのコメント

ティハールは5日間続く富と繁栄を願うネパールのお祭りです。夕方になるとろうそくを灯し、富と豊穣の女神、ラクシュミを家に招き入れ歓迎します。「光のお祭り」とも呼ばれ、華やかに家や玄関先を飾ります。

ブロックプリントのアトリエ訪問06

女神を迎えるために描かれた絵や花の曼荼羅にろうそくが灯る様子は幻想的。

ブロックプリントの柄はあえての花柄ではなく、タイルを敷き詰めたような繊細な模様にしました。隙間なく多色を使った模様は技術的に難しいのですが、そのリクエストに応えてくれる職人技にいつも感心します。

きれいにプリントするだけならば、現在は様々な技術があり、しかも早いです。でも、そこはあえて職人技を振るってもらい、判をひとつひとつ押していくブロックプリントにしました。
よーく目を凝らしてみなければ判らない、小さなズレや色の滲みやムラのあるブロックプリントに愛着を持ってもらえると思います。

ブロックプリントのワークを生かしたウェア

風になびく心地よいワンピース。
インドの伝統的なブロックプリントの手法で、インドのお祭りティハールの光をイメージした柄。
素朴な素材と華やかな色合いが落ちついた雰囲気を醸し出す。

ブロックプリントのアトリエ訪問07

※スカートはこちら
 トップスはこちら

ブロックプリントってどんなもの?詳しく知りたい方はこちら▼

ぬくもり溢れるインドの伝統技法ハンドブロックプリント

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チャイハネ元デザイナーいとっちのインド日記

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