掲載日:2022.10.03
更新日:2024.10.24

七五三で子どもの成長をお祝い|神社への参拝で心に残るひとときを

「健康に大きくなってくれてありがとう」。七五三のお詣りでは、自然とこんな言葉があふれます。
よちよちと歩いていた頃を思い出し、晴れ着姿のわが子がとても愛おしく感じられるものです。

子どもたちも「自分のための特別な行事」だと認識できます。親に大切にされていると実感できる良い機会となり、親子の絆がさらに深まることでしょう。

ここでは、七五三の行い方や歴史、楽しみ方を紹介します。素敵な七五三の思い出づくりにぜひお役立てください。

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七五三の由来や歴史

古くは平安時代から

七五三の起源は「平安時代」にまで遡ります。

天皇や朝廷に仕える公家の間では、子どもが数え年で3歳・5歳・7歳を迎えるにあたり、その成長をお祝いする儀式があったことが、平安時代や鎌倉時代の史料に記録されています。

・三歳:髪置(かみおき)

男女ともに三歳でお祝いをしていました。当時は三歳まで髪を剃る習慣があり、髪置の日を境に、髪を伸ばすことが許されたといいます。三歳まで髪を短くしておくと、将来は美しい髪が伸びると信じられていたのです。

・五歳:袴着(はかまぎ)

現代では男の子の儀式として知られていますが、江戸時代以前は男女ともに行われていました。この日に初めて袴を着け、社会の一員になることを祝います。勝負事にも勝てるようにと、人生を表す「碁盤」の上に立たせて祝ったといわれています。

・七歳:帯解(おびとき)

女の子が七歳でお祝いする儀式ですが、かつては男女ともに九歳で行うことが多かったといいます。付紐のついた子ども用の着物から、大人と同じ形の帯を締める着物になることをお祝いしました。

「数え年」でお祝いをしたことも特徴です。昔は、生まれた日を「1歳」として、1月1日に正月を迎えると年をとる、という考え方でした。

私たちは日常生活の中で、生まれた日を「0歳」として、誕生日ごとに年を重ねていく「満年齢」を使っています。わが子が七五三を迎えるにあたり、初めて「数え年」を知ったという人も少なくないのではないでしょうか。

江戸時代になって庶民に広まった

最初から「七五三」と呼ばれていたわけではありません。

髪置、袴着、帯解、これらの儀式をまとめて「七五三」と呼ぶようになったのは、江戸時代からです。江戸やその周辺地域を中心に、庶民に広まっていきました。

11月15日に祝うようになった理由は、以下のように諸説あります。

  • 第5代将軍「徳川綱吉」が、体の弱かった長男の健康を祈願した日にあやかった
  • 作物の実り、子どもの成長を神に感謝したのが、収穫祭を行う11月15日だった

諸説はさまざまですが、子どもが無事に成長できるよう祈願したことが「七五三」の由来であることに変わりはありません。「七つ前は神のうち」ともいわれました。
多くの子どもが幼いうちに亡くなった時代には、健やかな成長を神様に願うしかなかったのです。

七五三で子どもの成長をお祝い|神社への参拝で心に残るひとときを01 「七五三祝ひ乃圖」 国立国会図書館蔵

江戸時代には、浮世絵師の三代歌川豊国が「七五三祝ひ乃図」を手がけています。その絵には、千歳飴を持つ子どもが描かれています。「千歳」が意味するのは「長生き」です。

今でもおなじみの「千歳飴」は、子どもの長寿を願って、遠い昔に生まれたものだったのですね。

参考: https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/collection/features/digital_showcase/003/09/index.html

現代の七五三お祝いですること

晴れ着姿で神社やお寺に参拝する

七五三のお祝いでは、神社やお寺に参拝するのが一般的です。毎年、11月15日前後になると、神社は七五三のお祝いに来た家族連れでにぎわいます。

人生において記念すべき日ですから、子どもたちは和装などの「晴れ着」に身を包んでお詣りします。

七五三で子どもの成長をお祝い|神社への参拝で心に残るひとときを02

かつては「数え年」でお詣りをする決まりでしたが、現在は「満年齢」での参拝も増えています。

また、11月15日に参拝しなければならない、という決まりもありません。ご祈祷の受付期間も10月〜12月だったり、通年だったりと、神社によって違いがあります。

神社とお寺のどちらにするか迷われる方も多いでしょう。神道では生まれた土地の神様に感謝するため、自宅に近い神社へ参拝するのが習わしです。
しかし、これも厳格な定めはなく、七五三の参拝を受け付けているお寺もあります。

ご祈祷を受ける

七五三では「ご祈祷」を受けて、神様からの加護がもらえるように願いを込めます。

ご祈祷では、神主が祝詞(のりと)を唱えます。子どもが無事に成長していることへの感謝とともに、さらなる健康や長寿を祈るための儀式が「ご祈祷」なのです。

お祓いや祝詞などに身構える必要はなく、事前に説明を受けるだけで十分です。
10分程度であることが多いのですが、10〜11月などの混雑する時期には、一緒にご祈祷を受ける人数が増えるため、30分に及ぶこともあります。

ご祈祷が終わると、子どもには「千歳飴」や「お守り」などが手渡されます。

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食事会や写真撮影も記念に

午前中に参拝したあと、記念に食事会をする家族もいます。

七五三の衣装をレンタルしている場合は、食事の前に着替えておきましょう。レストランや料亭では、七五三に合わせた特別プランが用意されていることもあります。

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神社での晴れ姿を写真に残したい場合は、カメラマンに出張撮影を依頼したり、神社のセットプランを利用したりするという方法もあります。
ただし、ご祈祷中は撮影ができない神社もあることを理解しておきましょう。

注意点やマナー

ご祈祷についての注意点

ご祈祷を希望する場合、できれば事前に予約をしておくと混雑時期でも安心です。ご祈祷前に「祈祷料」を受付で納めましょう。神社によって祈祷料には違いがあります。

子ども一人につき3,000円と決まっている神社がある一方で、自分で納める金額を決める神社もあります。「お気持ちでお納めください」という神社では、一般的な相場である5,000円から10,000円を目安に決めましょう。

祈祷料は、財布から現金を取り出すのではなく、水引がついた「のし袋」に入れて渡すのが一般的です。納めるのが神社であれば「御初穂料」、お寺であれば「お布施」または「御祈祷料」と記入します。

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神社とお寺では参拝方法にも違いがあります。最も間違えやすいのが「拍手」です。
神社は「2礼、2拍手、1礼」を基本としますが、お寺では拍手をせずに手を合わせるだけです。ただし、拍手の回数などが違う場合もあります。参拝する神社やお寺で確認しておきましょう。

親の服装は子どもよりも控えめに

子どもが洋装の場合、親はフォーマルを意識した洋装にします。
七五三の主役は子どもなので、格上となる和装は避けましょう。母親は、上品なスーツもしくはワンピースにします。

父親は、基本的にスーツを選びます。仕事で着用するような「ビジネススーツ」で問題ありません。黒、ネイビーなどの落ち着いた色合いのスーツで、子どもを引き立たせます。

子どもが和装であれば、母親も和装を選ぶことができます。その場合も、子どもの晴れ着より控えめとなるように、派手な色や柄の着物を避けるのが決まりです。

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晴れやかに過ごすために

七五三はお祝いごとですから、気負わずに楽しむことが大切です。
当日は、朝から着付けをしたり、神社まで移動をしたりと子どもにも負担がかかります。「ご祈祷」を受けるかどうかは自由ですし、参拝する日付に強くこだわらなくても良いのです。

和装を着るのは、前撮りの「フォトスタジオ」だけにする、という方法もあります。
神社に参拝する日は動きやすい洋装を選ぶと、移動時の負担も少なくなります。洋装を着ている姿を写真に残せるのも、うれしいメリットです。

子どもや家族に合わせて、和やかに過ごせるプランを組みましょう。

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最後に

七五三という伝統文化を通じて、子どもに「あなたの成長がうれしい」という気持ちを伝えてあげましょう。伝統というと難しく感じますが、子どもの成長を願う親の気持ちは、昔も今も変わりません。

撮影した写真を飾って、当日を振り返るのも良いですね。子どもはあっという間に大きくなりますから、「節目の行事」として楽しむ気持ちでお祝いしましょう。

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