クアラルンプールから行ける!ピンクモスク&ブルーモスクとは?行き方や魅力をご紹介

マレーシアには、色の名前で呼ばれるモスクがあります。プトラジャヤの「ピンクモスク」と、シャー・アラムの「ブルーモスク」です。

それぞれクアラルンプールから日帰りで行きやすく、美しい建築を目当てに多くの旅行者が訪れる観光地です。ピンクや青の外観はもちろん、湖に浮かんで見える姿や、幻想的なステンドグラスが彩る礼拝堂など、訪れてみたい魅力が詰まっています。

今回はそんなピンクとブルー、それぞれの色の秘密やモスクの見どころ、訪れるときのポイントまでご紹介します。

ピンクモスク(プトラモスク)とは?

ピンクモスク(プトラモスク)とは?

「ピンクモスク」の名前で知られるこちらのモスクは、正式には「プトラモスク」といいます。
マレーシアの行政都市・プトラジャヤに建ち、1999年に完成しました。

「プトラ」はマレー語で「王子」を意味し、マレーシア初代首相トゥンク・アブドゥル・ラーマン・プトラに由来しています。
約1万5,000人が一度に礼拝できるほどの大きさを誇り、外観だけでなく、内部にもピンクを基調とした繊細で美しい空間が広がっています。

何故ピンク色なの?

そして、気になるのが特徴的なピンク色。これは建物を着色しているわけではありません。
主に使われているのは、バラ色に発色する花崗岩(かこうがん)です。壁や柱など、建物のさまざまな部分にこの石が使われているため、モスク全体がやわらかなピンク色に包まれています。

花崗岩は一色ではなく、細かな粒が混ざり合ったような表情を持つ石。遠くから見ると淡いピンク一色に見えますが、近づくと、石の質感や色の濃淡にも気づきます。
陽の光の当たり方によって少しずつ表情を変えるのも、天然石でつくられたピンクモスクならではの魅力です。

プトラジャヤってどんな街?

ピンクモスクが建つプトラジャヤは、クアラルンプールから南へ約25kmの場所にあるマレーシアの行政都市です。

じつは、街ができてからまだ30年ほど。クアラルンプールの過密化を解消するためにつくられた、比較的新しい都市です。

ピンクモスクの見どころ

ピンクモスクの魅力は、色だけではありません。細部までの美しい装飾から、湖畔ならではの眺め方まで、さまざまな見どころをみていきましょう。

細部まで美しいピンクのイスラム建築

細部まで美しいピンクのイスラム建築

まず目を引くのが、繊細な模様に彩られた巨大なドームです。ピンクや淡い色のガラスモザイクで幾何学模様が描かれており、太陽の光を受けるたびにきらきらと輝きます。
直径36メートル、礼拝堂の床から63メートルという大きさも、このドームの迫力を感じさせます。

正面の壁を彩るのは、チェンパカやジャスミンといったマレーシアの花をモチーフにした彫刻。その上には、クルアーンの一節が縁取るように施されています。

細部まで美しいピンクのイスラム建築
細部まで美しいピンクのイスラム建築

足元に敷かれているのは、幾何学模様が織り込まれたピンクの絨毯。
ドームを見上げても、壁を眺めても、足元に目を向けても、細かな装飾が目に入ります。

巨大なピンクのミナレット

巨大なピンクのミナレット

ドームを見上げると、隣にそびえる高さ116メートルのミナレットにも目が留まります。ミナレットとは、モスクに併設される塔のことです。

ピンクモスクのミナレットは1本だけで、5層に分かれています。上にいくほど少しずつ細くなる姿が、空に向かって伸びていくようで印象的です。
5層という構造には、イスラム教の5つの柱である信仰告白・礼拝・喜捨(きしゃ)・断食・巡礼と、1日5回の礼拝を表しているという意味があります。

さらに、このミナレットの断面は、正方形を回転させてつくる八芒星(はちぼうせい)の形になっています。遠くから見ると細長い塔に見えますが、近くから見上げると、イスラム文化ならではの幾何学的な形の美しさにも気づきます。

プトラジャヤ湖畔のツアーもおすすめ

そしてこのピンクモスク、なんと敷地の4分の3ほどが人工のプトラジャヤ湖の上に建っています。

プトラ橋のあたりから眺めると、まるで湖に浮かんでいるかのよう。陸から見ると大きくそびえるモスクも、湖越しに眺めると、湖と一体になったような姿に見えてきます。
湖の上からピンクモスクを眺めるなら、プトラジャヤ湖を巡るツアーに参加するのもおすすめです。船の上からモスク全体を見渡せば、陸から見るのとはまた違った美しさに出会えますよ。

ピンクモスクへのアクセスと注意点

ピンクモスクを訪れる前に、アクセス方法や見学時間、服装などを確認しておきましょう。

ピンクモスクへのアクセス

ピンクモスクがあるプトラジャヤは、クアラルンプールから南へ約25kmの場所にある観光地です。

日本からクアラルンプールまでは、直行便でおよそ7時間半。クアラルンプール市内からは、タクシーや電車、バスなどでアクセスできます。

タクシーなら、渋滞がなければ30分ほどで到着します。電車の場合は、KLセントラル駅からKLIAトランジットに乗り、プトラジャヤ&サイバージャヤ駅まで約20分。駅からはタクシーやバスに乗り継ぎ、ピンクモスクへ向かいます。

見学できる時間は、曜日によって異なります。金曜日以外は9時〜12時半、14時〜16時、17時半〜18時。金曜日は15時〜16時、17時半〜18時のみです。
金曜日はイスラム教で重要な礼拝が行われるため、見学できる時間が限られています。礼拝の時間帯は入場できないので注意しましょう。入場は無料です。

ピンクモスク観光の所要時間と注意点

見学にかかる時間は、ドームやミナレットをひととおり眺めるだけなら30分ほど。細部までじっくり楽しみたい人は、1時間ほど見ておくと安心です。
暑さを避けたいなら、日差しが強くなる前の午前中や夕方以降がおすすめです。

服装にも気をつけたいポイントがあります。肌の露出を避け、長袖・長ズボンを着用するのが基本。女性は髪を覆う必要があります。

とはいえ、入口では無料のローブを貸し出してくれるので、服装に自信がなくても安心です。フード付きのピンクのローブを羽織って見学するのも、ここならではの体験です。

また、ピンクモスクには無料で案内してくれるボランティアガイドがいます。歴史や建築について解説してもらえるので、時間に余裕があれば、ガイドと一緒に見学するのもいいですね。

ブルーモスクとは?

ブルーモスクとは?

「ブルーモスク」の名前で親しまれるこちらのモスクは、正式には「スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズ・シャー・モスク」といいます。名前は、当時のスランゴール州を治めていたスルタン(州の君主)に由来しています。

ブルーモスクが建つのは、クアラルンプールから西へ約30kmの場所にあるシャー・アラム。現在はスランゴール州の州都として知られています。

ブルーモスクはシャー・アラムの象徴

ブルーモスクが建つシャー・アラムが州都になったのは1974年のこと。それまで州都だったクアラルンプールに代わる、新しい州都として整備されました。

ブルーモスクは、そんなシャー・アラムの街の象徴として建設され、1988年に完成しました。現在では、街を代表するランドマークのひとつとして親しまれています。

何故青色なの?

そして気になるのが、その名の通りの青い外観。この青も、塗料で色をつけているわけではありません。

ドームやミナレットを覆っているのは、青と淡いグレーのガラス質エナメルで、焼き付け加工された三角形のスチールパネル。光沢のある表面が、特徴的な青い外観を生み出しています。

何故青色なの? 側面にはコーランの聖句が配置されています

青はイスラム建築で古くから親しまれてきた色でもあります。空や天国を連想させる色として、古くからモスクのドームやタイルなどに取り入れられてきました。
外はもちろん内部にも、ブルーモスクならではの青く彩られた美しい空間が広がっています。

ブルーモスクの見どころ

ブルーモスクの魅力は、外観だけではありません。その圧倒的なスケールや、幻想的な光の演出まで、見どころはさまざまです。

東南アジア最大級の巨大な礼拝堂

東南アジア最大級の巨大な礼拝堂

ブルーモスクの礼拝堂は、東南アジアでも最大級の広さを誇ります。一度に礼拝できる人数は、なんと約2万4,000人。マレーシア最大の規模です。

その広大な礼拝堂を取り囲むようにそびえるのが、高さ140メートルを超える4本のミナレット。空に向かって伸びる4本の塔が、モスクのスケールをさらに大きく見せています。その高さは約142.3mと、ミナレットの大きさは世界で4番目に入る高さです。
そんな壮大なモスクが完成にいたるまでには、計画から12年もの歳月がかかりました。

透かし彫りの回廊

透かし彫りの回廊

礼拝堂へ向かう途中にあるのが、白い大理石の回廊です。壁一面に幾何学模様の透かし彫りが施されており、太陽の光が差し込むと、模様がそのまま影となって床や壁に浮かび上がります。

歩くたびに、光の差し込む角度が少しずつ変わり、床に落ちる影の形も表情を変えていきます。大理石と揺れ動く光と影が重なり合う、静かで幻想的な空間です。

回廊を歩いた先には、無数の三角形のパネルからなる青いドームも見えてきます。遠くからはひとつの大きな青いドームに見えますが、近づくと、細かなパネルが独特の模様をつくっていることに気づきます。

幻想的なステンドグラス

幻想的なステンドグラス

礼拝堂に足を踏み入れると、目の前に広がるのが、青を基調とした大きなステンドグラスです。窓から差し込む光が色とりどりのガラスを通り抜け、礼拝堂の中にやわらかな青い光を落とします。

よく見ると、ガラスには幾何学模様や植物文様、アラビア文字を美しく図案化したカリグラフィーが細やかに描かれています。ひとつひとつの模様が組み合わさることで、大きな窓全体にひとつの美しい図柄が浮かび上がっているのです。

人物や生き物ではなく、こうした模様が中心なのは、イスラム美術に人や動物の姿を描かない伝統(偶像崇拝の禁止)があるためです。

幻想的なステンドグラス 内部も青でまとめられています

さらに、床に敷かれているのも青い絨毯。ステンドグラスから差し込む光と青い絨毯が重なり、礼拝堂全体が青に包まれているような幻想的な空間になっています。

ブルーモスクへのアクセスと注意点

ブルーモスクを訪れる前に、アクセス方法や見学時間、服装などを確認しておきましょう。

ブルーモスクへのアクセス

ブルーモスクがあるシャー・アラムも人気の観光地ですが、ピンクモスクのあるプトラジャヤとは正反対の方角にあります。プトラジャヤがクアラルンプールの南なのに対し、シャー・アラムは西。両方を1日で訪れることもできますが、移動時間を考えると、ゆっくり見学するなら別日に分けるのがおすすめです。

クアラルンプール市内からは、タクシーで渋滞がなければ30分ほど。2026年6月に開業したばかりのLRT3シャー・アラム線を使う場合は、最寄りの「ダト・ムンテリ」駅で下車します。モスクは駅から上り坂を15分ほど歩いた場所にあるため、徒歩で向かうか、タクシーに乗り継ぐことになります。

見学できる時間は、金曜日以外は9時〜12時半、14時〜18時半。金曜日は9時〜11時半のみです。
金曜日はイスラム教で重要な礼拝が行われるため、見学できる時間が限られています。礼拝の時間帯は入場できないので注意しましょう。入場は無料です。

ブルーモスク観光の所要時間と注意点

ブルーモスクの内部を見学するには、無料のガイドツアーへの参加が必須です。予約はできず当日受付のみで、案内は基本的に英語で行われます。
ツアーは決まった時間に出発し、所要時間は30分から1時間ほど。到着したタイミングによっては、開始まで少し待つこともあります。

暑さを避けたいなら、日差しが強くなる前の午前中や夕方以降がおすすめです。
服装は肌の露出を避け、長袖・長ズボンを着用するのが基本です。女性は髪を覆う必要があります。入口では無料のローブを貸し出してくれるので、服装に迷った場合も安心ですよ。

幻想的なステンドグラス風アクセサリー

  • ミナレットネックレス

    ミナレットネックレス

    タイルや木彫りの模様を切り取った、ステンドグラス風ネックレス。
    光が差し込めば色鮮やかにキラキラと輝き、首元が華やかに。

  • ミナレットリング

    ミナレットリング

    色使いが美しいエキゾチックなデザインの、ステンドグラス風リング。
    付けているだけで手元が華やかに。

まとめ

同じマレーシアにありながら、異なる美しさを持つピンクモスクとブルーモスク。
ピンクモスクは、花崗岩が生み出すやわらかな色合いや繊細な装飾、湖畔に佇む姿が魅力です。一方のブルーモスクは、青い外観の美しさはもちろん、巨大な礼拝堂や、透かし彫りの回廊、青いステンドグラスがつくり出す幻想的な空間も印象に残ります。

それぞれクアラルンプールから日帰りで訪れることができ、外観だけでは気づかない建築の細部までじっくり楽しめます。
同じイスラム建築でも、色や素材、デザインによって、これほど違う魅力が生まれるのも面白いですね。

マレーシアへ旅行などで訪れることがあれば、2つのモスクを見比べながら、それぞれの美しさを堪能してみてはいかがでしょうか?


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