人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
日本のお墓参りは、故人やご先祖様を供養する大切な風習の1つです。日本人の多くは仏教の教えに基づいた方法でお墓参りをしますが、その手順やマナーについては詳しく知らないという方も少なくないと思います。
そこで今回は、お墓参りの手順やふさわしい服装、やってはいけないことなどについて海外のお墓参りとともに解説していきます。
お墓参りとは、故人やご先祖様の供養を行う場所であるお墓を綺麗に清め、故人を偲びつつ冥福を祈り、花や線香などを供えて故人やご先祖様に日々の感謝を伝えて今後の家族の幸せや繁栄を願って行う習慣です。一般的には、故人の命日やお盆、春と秋のお彼岸に行われています。
日本で現在のようなお墓参りが行われるようになったのは、江戸時代以降です。これは、中国から伝わった儒教にある先祖を大切にしなければならないという教えの影響を強く受けたものとされています。それまでは、お葬式をしたらおしまいで、貴族や武家、富裕層などが命日などにお寺で供養することが一般的でしたが、江戸時代に入ると武家を中心にお墓参りをする習慣が庶民にも広まっていきました。
お盆や命日などでお墓参りに行くものの、何をしてよいのかよく分からなくて不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、お墓参りに行った際の基本的な手順とマナーについて解説していきましょう。
お墓参りに行って最初にすることは、お墓の掃除です。霊園には水道が備え付けられているので、そこで水を汲んでからお墓に向かいます。水をくむ手桶やバケツは持参してもいいですし、霊園などの大きな墓地には手桶や柄杓、雑巾などが置いてある場合もありますので、そちらを使っても大丈夫です。
掃除の仕方は次のようになります。
掃除が終わったら、お供えをしましょう。お供え物は、「五供(ごく)」と呼ばれる「花、食べ物、水、ろうそく、香」が基本とされています。
お花は適当な長さに切りそろえ、左右対称になるように花立に生けます。お花が生花の場合はたっぷりと水を入れ、造花の場合は水を入れずに花立に生けてください。神道やの場合は、榊をお供えします。
お菓子や果物などの食べ物は、正面の香炉の前にある拝石と呼ばれる部分に、お盆やお皿に乗せたり半紙やハンカチを敷いたりしてから置きます。ジュースやお酒などの飲み物は、コップや湯呑みに注いだものや缶やペットボトルごと正面を向けて拝石にお供えします。ペットボトルなどの場合、蓋は開けても開けなくてもどちらでも大丈夫ですが、神道の場合は蓋を開けてお供えし、蓋を閉めるとお供え終了とされています。
水は、墓石に掘られている水鉢と呼ばれるくぼみに注ぎます。近年のお墓では、ステンレス製などの取り外しができる水鉢もあるので、きれいに洗ってから水を注いでください。水鉢が無い場合は、水を入れた湯吞みやコップを拝石にお供えしましょう。
ろうそくはお墓に備え付けてあるろうそく立てに立てます。お墓にロウを垂らしてろうそくを立てるのは墓石を傷つけるのでNGです。ロウソク立てが無い場合は、灰皿やお墓用のロウソク立てを使うとよいでしょう。
お線香は、ろうそくの火やライターなどで火をつけ、火を手で仰いで消してから香炉に立てます。横向きの香炉の場合は、お線香の火がついている方を左側にして寝かせた状態で置きます。宗派によって、束のままお供えする場合と数本ずつお供えする場合があるので、前もって調べておくとよいでしょう。神道やキリスト教の場合は、お線香はお供えしません。
お供えしたら、墓石に向かって手を合わせ、故人を偲びます。合掌をする際には墓石の正面に立ち、静かに手を合わせて故人の冥福を祈ります。感謝の気持ちを伝えたり、家族の近況を伝えたり、健康などをお願いしたりするのもよいでしょう。神道の場合は、合掌をせず、二礼二拍手一礼をしてから頭を下げたままお祈りします。キリスト教の場合は、神様に祈りを捧げます。
お墓参りの際には、他家のお墓に立ち入ったり、他家のお墓に物を置いたり傘や杖などを立てかけたり、線香やろうそくの火を口で吹き消したりすることは失礼にあたるので、しないように注意してください。また、お供えものはそのままにしておくとお墓が荒れてしまい、周りのお墓にも迷惑がかかるので、必ず持ち帰りましょう。
お墓参りをする際には、やってはいけないことがいくつかあります。これらは、一般的なマナー違反であったり宗教的観念からタブーとされているものであったりします。そこでここでは、お墓参りでやってはいけないことについて解説していきましょう。
お供え物をそのまま置いて帰ることはNGです。昔はお供え物をそのまま置いて帰ることもよくありましたが、放置して帰るとカラスやタヌキ、虫などの生き物にお墓を荒らされてしまうので、最近ではお供え物を必ず持ち帰ることがマナーとされています。 多くの霊園や寺院でもお供え物を持ち帰るように注意書きがされているので、ルールを守って必ず持ち帰るようにしてください。
線香やろうそくの火を消すときには、口で息を吹きかけて消さないようにしましょう。口で吹き消すと、線香の灰や唾が飛び散ってお墓が汚れてしまうのでNGです。
また、宗教上の観念からも吹き消すことはNGとされています。仏教では、口で物を食べ、口から煩悩が混じった言葉を発するため、口は不浄のものと考えられています。そのため、仏様やご先祖様に供える線香やろうそくの火を、口から出した息で消すのは失礼にあたるとされているからです。線香やろうそくの火を消す際には、手で扇いだり線香やろうそく自体を振ったりして消しましょう。
お酒やジュースを墓石にかけることはおすすめできません。お酒やジュースをかけてしまうと、墓石がサビたり変色したりするからです。また、お酒やジュースに含まれる糖分に虫が寄ってきて墓石が汚れる原因にもなってしまいます。お酒やジュースは、湯呑みやコップに注いでお供えするか、容器のままお供えするようにしましょう。また、宗教上の理由でやむを得ず墓石にかける場合は、あとで水をかけて洗い流してください。
墓石に触れること自体は問題ありませんが、強く叩いたり寄りかかったりすると、古い墓石が傷んだり破損したりする恐れがあります。掃除の際には優しく扱うようにしましょう。
また、お盆の時期は炎天下で墓石が暑くなっているので火傷をしてしまう恐れがあります。夏にお墓を掃除する場合は、墓石に水をかけて冷やしてから触れてください。
夜間のお墓参りは、足元が見えにくく危険なため、一般的には避けた方がよいとされています。暗いとお墓の掃除もしにくいですし、住宅街の中にお墓がある場合は近所迷惑にもなってしまいます。
また、昔から日没後の薄暗い時間帯は「逢魔が時(おうまがとき)」と呼ばれており、不吉な時間帯と考えられていました。仏様に関することは後回しにしてはいけないと昔からいわれているので、お墓参りは明るい時間帯で、できれば午前中に行くことをおすすめします。
お墓にお供えする花にもふさわしくないものがあります。トゲがある花(バラなど)、毒のある花(彼岸花など)、香りが強い花(金木犀やユリなど)、花粉が落ちやすい花(ユリなど)は避けた方がよいでしょう。
お墓参りに適しているとされる花は、菊・カーネーション・トルコキキョウ・リンドウ・ホオズキ・ミソハギ・グラジオラスなどです。迷った際には、花屋で仏花として売られているものや故人の好きだったお花を供えると良いでしょう。
お墓参りに行く際には、どのような服装で行ったらいいのか迷ってしまいますよね。故人を偲ぶためにお参りをするので、喪服を着た方がよいのではと思われがちですが、お墓参りの服装に特別な決まりはありません。ですから、基本的には普段着で良いのですが、何でもよいわけでもありません。そこでここでは、お墓参りに行く際に着る服を選ぶポイントを紹介します。
お盆やお彼岸などのお墓参りの際に服を選ぶポイントは、落ち着いた色合いと露出の少ない服を選ぶという点です。色は、黒やグレー、ネイビー、茶色、ベージュ、淡いピンクや藤色、水色などの控えめな色を選ぶと良いでしょう。また、お盆などの暑い時期にお墓参りに行く際でも、薄手の長袖の服やカーディガンなどなるべく露出を少ない服を選びましょう。また、お墓参りの際には墓石の掃除もするので、動きやすくて汚れても良いが、清潔感のある服を選ぶのもポイントです。
靴を選ぶポイントは、お墓は山の中にあったり砂利が敷き詰めてあったりして歩きにくい場合が多いので、スニーカーやローファーなどの歩きやすいものがおすすめです。
一周忌などの法要と合わせてお墓参りをする際には、喪服や準礼服(黒や紺のワンピースやスーツなど)を着用してください。
お墓参りの服装には決まりがありませんが、避けた方が良いとされている服装があります。お墓は公共の場で色々な方が来る場所で、悲しみが大きい方や静かに故人を偲びたいという方も多くいらっしゃいます。そのため、次のような服は仏様や故人に対して失礼にあたったり、周りの方に不快な思いをさせたりする、お墓参りに相応しくない服装とされています。
赤や黄色、緑色などの明るく派手な色の服や、大きな花柄や迷彩柄、大きなフリルやレースがたくさん付いたものやキラキラしたスパンコール刺繡などの華やかなデザインの服は故人を偲ぶのにはふさわしくないとされています。
ノースリーブや胸元が大きく開いた服、オフショルダー、ミニスカート、短パンなどの露出が多い服は、仏様や神様、故人への失礼にあたったり、周りの人たちへの配慮不足とみなされるため、NGとされています。また、夏場のお墓は虫や草木が多いので、虫刺され防止のためや草木での怪我を防止するためにも、薄手の長袖シャツやカーディガンなどの羽織もの、長ズボン、丈の長いスカートなどを着ると良いでしょう
ヒールの高い靴は、砂利道や土の地面など足元の悪いお墓では歩きにくいため、おすすめできません。また、ヒールが地面に埋まりやすく、転倒やつまずきの原因になることもあります。特に雨上がりなどで地面がぬかるんでいる場合は、さらに歩行が不安定になるため注意が必要です。
仏教では動物の殺生がタブーとされています。そのため、殺生を連想させる毛皮や動物柄(ヒョウ柄やゼブラ柄など)はお墓参りにふさわしくないとされています。また、靴やバッグなどの小物類も同様なので注意してください。
お墓参りに行く際に用意するものは、次のようになります。
お墓を掃除するために、バケツ・ぞうきん・タオル・スポンジ・歯ブラシ・軍手・ゴミ袋などの掃除道具を用意します。簡単な掃除だけする場合も、バケツとぞうきんとタオルだけは用意していきましょう。
お供えをするための線香とろうそくです。お墓にろうそく立てが無い場合は、ろうそく立ても用意してください。
線香やろうそくに火をつけるために用意します。
墓石に水を掛けるための道具です。霊園や寺院によっては置いてあるところもありますが、お盆やお彼岸など人が多い時期には借り出されてすぐに使えないこともあるので、用意しておくと良いでしょう。
お墓に供える花と、花を切りそろえるためのハサミです。お墓には花立が両サイドに置かれているので、必ず同じものを一対用意しましょう。神道の場合は榊の枝を用意します。
お菓子や果物、お酒やジュースなどのお供え物を用意します。また、お供え物を置くためのお盆や半紙、湯呑みやコップなども用意しておきましょう。
海外では日本と違ってお墓参りをする国としない国があります。これは、宗教や国によってお墓に対する考え方が違うからです。ここでは、各国のお墓参りについて詳しく解説していきましょう。
アメリカなどのキリスト教文化の国では、公園のような墓地(メモリアルパーク)に個人の墓石に十字架を立てたお墓が主流です。しかし、キリスト教では日本のようにお盆やお彼岸のような定期的なお墓参り文化は一般的ではありません。キリスト教では、人は亡くなると魂が天に召されるのでお墓には魂がいないとされているからです。キリスト教文化の国では基本的にお墓に行くのは葬儀の際だけで、心の中でお祈りをして故人を偲びます。ただし、5月の最終月曜日にある「メモリアルデー(戦没者追悼記念日)」には多くの人がお墓参りをし、戦没者のお墓に星条旗や花を飾ります。
イスラム教において、お墓参りは善行として推奨されています。しかし、偶像崇拝は禁止されているので、お供え物をしたりお墓に向かって手を合わせたりすることはタブーとなっているため、お墓参りに行った際には故人のための祈り(ドゥア)と神様(アッラー)への祈りを捧げます。また、お盆などの決まったお墓参りの日はなく、いつ行っても大丈夫です。イスラム教では土葬が基本で、お墓は最後の審判の日に復活できるよう、体を置いておく雁の場所と考えられています。
フランスでは、毎年11月1日が「諸聖人(無名の聖人)の日」とされており、名もない聖人=ご先祖様を称えるためにお墓参りに行く習慣があります。フランスのお墓参りでは、カラフルな菊の花をたくさん飾ります。また、ユダヤ人のお墓には「永遠に枯れない」ことから石を積み上げるそうです。
ドイツでは、11月2日がカトリック教の「死者の日」となっているため、11月にお墓参りをする習慣があります。お墓には、季節の花で作ったお墓参り用の飾りや赤い蝋燭などを置きます。
スウェーデンの墓地は「森の墓地」と呼ばれる公園のような美しい場所にあるため、墓地を家族で散歩しながら穏やかに故人を偲びます。夏休みや、毎年10月31日から11月6日の間にある土曜日にある「万聖節」という祝日などにお墓参りをすることが一般的です。
中国では、毎年春分から15日前後にあたる4月5日ごろの「清明節(チンミンジェー)」と呼ばれる伝統的な祭日にお墓参りをします。「清明節」とは日本のお彼岸にあたる、故人を偲ぶ日です。「清明節」のお墓参りでは、家族総出でお墓に土を盛り直したり草むしりをしたりしてお墓をきれいにします。掃除の後、食べ物やお酒などのお供え物をして、線香を灯し、あの世で使う紙で作ったお金(紙銭・冥銭)をお墓の前で燃やし、故人やご先祖様を弔います。
お墓参りの際にしてはいけないことには、仏教の考えの中で禁忌とされていることや、お墓参りに来ている他の人に迷惑を掛けないようにするためのマナーがベースとなっています。しかしそれだけではなく、ケガをしないようにだったり、悪いものを引き寄せないようにするためなど、自分自身を守るためのものも入っています。みなさんも、お墓参りに行く時には、マナーを守って気持ちよくお参りをするようにしてください。
日本のお墓参りは、故人やご先祖様を供養する大切な風習の1つです。
日本人の多くは仏教の教えに基づいた方法でお墓参りをしますが、その手順やマナーについては詳しく知らないという方も少なくないと思います。
そこで今回は、お墓参りの手順やふさわしい服装、やってはいけないことなどについて海外のお墓参りとともに解説していきます。
目次
お墓参りについて
お墓参りとは、故人やご先祖様の供養を行う場所であるお墓を綺麗に清め、故人を偲びつつ冥福を祈り、花や線香などを供えて故人やご先祖様に日々の感謝を伝えて今後の家族の幸せや繁栄を願って行う習慣です。
一般的には、故人の命日やお盆、春と秋のお彼岸に行われています。
日本で現在のようなお墓参りが行われるようになったのは、江戸時代以降です。
これは、中国から伝わった儒教にある先祖を大切にしなければならないという教えの影響を強く受けたものとされています。
それまでは、お葬式をしたらおしまいで、貴族や武家、富裕層などが命日などにお寺で供養することが一般的でしたが、江戸時代に入ると武家を中心にお墓参りをする習慣が庶民にも広まっていきました。
お墓参りの基本的な手順とマナー
お盆や命日などでお墓参りに行くものの、何をしてよいのかよく分からなくて不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは、お墓参りに行った際の基本的な手順とマナーについて解説していきましょう。
掃除
お墓参りに行って最初にすることは、お墓の掃除です。
霊園には水道が備え付けられているので、そこで水を汲んでからお墓に向かいます。
水をくむ手桶やバケツは持参してもいいですし、霊園などの大きな墓地には手桶や柄杓、雑巾などが置いてある場合もありますので、そちらを使っても大丈夫です。
掃除の仕方は次のようになります。
お供え
掃除が終わったら、お供えをしましょう。
お供え物は、「五供(ごく)」と呼ばれる「花、食べ物、水、ろうそく、香」が基本とされています。
お花
お花は適当な長さに切りそろえ、左右対称になるように花立に生けます。
お花が生花の場合はたっぷりと水を入れ、造花の場合は水を入れずに花立に生けてください。
神道やの場合は、榊をお供えします。
食べ物
お菓子や果物などの食べ物は、正面の香炉の前にある拝石と呼ばれる部分に、お盆やお皿に乗せたり半紙やハンカチを敷いたりしてから置きます。
ジュースやお酒などの飲み物は、コップや湯呑みに注いだものや缶やペットボトルごと正面を向けて拝石にお供えします。
ペットボトルなどの場合、蓋は開けても開けなくてもどちらでも大丈夫ですが、神道の場合は蓋を開けてお供えし、蓋を閉めるとお供え終了とされています。
水
水は、墓石に掘られている水鉢と呼ばれるくぼみに注ぎます。
近年のお墓では、ステンレス製などの取り外しができる水鉢もあるので、きれいに洗ってから水を注いでください。
水鉢が無い場合は、水を入れた湯吞みやコップを拝石にお供えしましょう。
ろうそく
ろうそくはお墓に備え付けてあるろうそく立てに立てます。
お墓にロウを垂らしてろうそくを立てるのは墓石を傷つけるのでNGです。
ロウソク立てが無い場合は、灰皿やお墓用のロウソク立てを使うとよいでしょう。
お線香
お線香は、ろうそくの火やライターなどで火をつけ、火を手で仰いで消してから香炉に立てます。
横向きの香炉の場合は、お線香の火がついている方を左側にして寝かせた状態で置きます。
宗派によって、束のままお供えする場合と数本ずつお供えする場合があるので、前もって調べておくとよいでしょう。
神道やキリスト教の場合は、お線香はお供えしません。
合掌
お供えしたら、墓石に向かって手を合わせ、故人を偲びます。
合掌をする際には墓石の正面に立ち、静かに手を合わせて故人の冥福を祈ります。
感謝の気持ちを伝えたり、家族の近況を伝えたり、健康などをお願いしたりするのもよいでしょう。
神道の場合は、合掌をせず、二礼二拍手一礼をしてから頭を下げたままお祈りします。
キリスト教の場合は、神様に祈りを捧げます。
注意点
お墓参りの際には、他家のお墓に立ち入ったり、他家のお墓に物を置いたり傘や杖などを立てかけたり、線香やろうそくの火を口で吹き消したりすることは失礼にあたるので、しないように注意してください。
また、お供えものはそのままにしておくとお墓が荒れてしまい、周りのお墓にも迷惑がかかるので、必ず持ち帰りましょう。
お墓参りでやってはいけないこと
お墓参りをする際には、やってはいけないことがいくつかあります。
これらは、一般的なマナー違反であったり宗教的観念からタブーとされているものであったりします。
そこでここでは、お墓参りでやってはいけないことについて解説していきましょう。
お供え物を放置して帰る
お供え物をそのまま置いて帰ることはNGです。
昔はお供え物をそのまま置いて帰ることもよくありましたが、放置して帰るとカラスやタヌキ、虫などの生き物にお墓を荒らされてしまうので、最近ではお供え物を必ず持ち帰ることがマナーとされています。
多くの霊園や寺院でもお供え物を持ち帰るように注意書きがされているので、ルールを守って必ず持ち帰るようにしてください。
線香やろうそくの火を口で吹き消す
線香やろうそくの火を消すときには、口で息を吹きかけて消さないようにしましょう。
口で吹き消すと、線香の灰や唾が飛び散ってお墓が汚れてしまうのでNGです。
また、宗教上の観念からも吹き消すことはNGとされています。
仏教では、口で物を食べ、口から煩悩が混じった言葉を発するため、口は不浄のものと考えられています。
そのため、仏様やご先祖様に供える線香やろうそくの火を、口から出した息で消すのは失礼にあたるとされているからです。
線香やろうそくの火を消す際には、手で扇いだり線香やろうそく自体を振ったりして消しましょう。
お酒・ジュースを墓石にかける
お酒やジュースを墓石にかけることはおすすめできません。お酒やジュースをかけてしまうと、墓石がサビたり変色したりするからです。
また、お酒やジュースに含まれる糖分に虫が寄ってきて墓石が汚れる原因にもなってしまいます。お酒やジュースは、湯呑みやコップに注いでお供えするか、容器のままお供えするようにしましょう。また、宗教上の理由でやむを得ず墓石にかける場合は、あとで水をかけて洗い流してください。
墓石を必要以上に触る
墓石に触れること自体は問題ありませんが、強く叩いたり寄りかかったりすると、古い墓石が傷んだり破損したりする恐れがあります。掃除の際には優しく扱うようにしましょう。
また、お盆の時期は炎天下で墓石が暑くなっているので火傷をしてしまう恐れがあります。
夏にお墓を掃除する場合は、墓石に水をかけて冷やしてから触れてください。
夜間のお参り
夜間のお墓参りは、足元が見えにくく危険なため、一般的には避けた方がよいとされています。暗いとお墓の掃除もしにくいですし、住宅街の中にお墓がある場合は近所迷惑にもなってしまいます。
また、昔から日没後の薄暗い時間帯は「逢魔が時(おうまがとき)」と呼ばれており、不吉な時間帯と考えられていました。仏様に関することは後回しにしてはいけないと昔からいわれているので、お墓参りは明るい時間帯で、できれば午前中に行くことをおすすめします。
お墓参りに持って行ってはいけない花
お墓にお供えする花にもふさわしくないものがあります。
トゲがある花(バラなど)、毒のある花(彼岸花など)、香りが強い花(金木犀やユリなど)、花粉が落ちやすい花(ユリなど)は避けた方がよいでしょう。
お墓参りに適しているとされる花は、菊・カーネーション・トルコキキョウ・リンドウ・ホオズキ・ミソハギ・グラジオラスなどです。
迷った際には、花屋で仏花として売られているものや故人の好きだったお花を供えると良いでしょう。
お墓参りにふさわしい服装の基本マナー
お墓参りに行く際には、どのような服装で行ったらいいのか迷ってしまいますよね。
故人を偲ぶためにお参りをするので、喪服を着た方がよいのではと思われがちですが、お墓参りの服装に特別な決まりはありません。
ですから、基本的には普段着で良いのですが、何でもよいわけでもありません。
そこでここでは、お墓参りに行く際に着る服を選ぶポイントを紹介します。
選ぶポイント
お盆やお彼岸などのお墓参りの際に服を選ぶポイントは、落ち着いた色合いと露出の少ない服を選ぶという点です。
色は、黒やグレー、ネイビー、茶色、ベージュ、淡いピンクや藤色、水色などの控えめな色を選ぶと良いでしょう。
また、お盆などの暑い時期にお墓参りに行く際でも、薄手の長袖の服やカーディガンなどなるべく露出を少ない服を選びましょう。
また、お墓参りの際には墓石の掃除もするので、動きやすくて汚れても良いが、清潔感のある服を選ぶのもポイントです。
靴を選ぶポイントは、お墓は山の中にあったり砂利が敷き詰めてあったりして歩きにくい場合が多いので、スニーカーやローファーなどの歩きやすいものがおすすめです。
一周忌などの法要と合わせてお墓参りをする際には、喪服や準礼服(黒や紺のワンピースやスーツなど)を着用してください。
お墓参りで避けた方が良い服装
お墓参りの服装には決まりがありませんが、避けた方が良いとされている服装があります。
お墓は公共の場で色々な方が来る場所で、悲しみが大きい方や静かに故人を偲びたいという方も多くいらっしゃいます。
そのため、次のような服は仏様や故人に対して失礼にあたったり、周りの方に不快な思いをさせたりする、お墓参りに相応しくない服装とされています。
派手な色や柄の服
赤や黄色、緑色などの明るく派手な色の服や、大きな花柄や迷彩柄、大きなフリルやレースがたくさん付いたものやキラキラしたスパンコール刺繡などの華やかなデザインの服は故人を偲ぶのにはふさわしくないとされています。
露出の多い服
ノースリーブや胸元が大きく開いた服、オフショルダー、ミニスカート、短パンなどの露出が多い服は、仏様や神様、故人への失礼にあたったり、周りの人たちへの配慮不足とみなされるため、NGとされています。
また、夏場のお墓は虫や草木が多いので、虫刺され防止のためや草木での怪我を防止するためにも、薄手の長袖シャツやカーディガンなどの羽織もの、長ズボン、丈の長いスカートなどを着ると良いでしょう
ヒールの高い靴
ヒールの高い靴は、砂利道や土の地面など足元の悪いお墓では歩きにくいため、おすすめできません。また、ヒールが地面に埋まりやすく、転倒やつまずきの原因になることもあります。特に雨上がりなどで地面がぬかるんでいる場合は、さらに歩行が不安定になるため注意が必要です。
毛皮やファー、動物柄の服
仏教では動物の殺生がタブーとされています。
そのため、殺生を連想させる毛皮や動物柄(ヒョウ柄やゼブラ柄など)はお墓参りにふさわしくないとされています。
また、靴やバッグなどの小物類も同様なので注意してください。
お墓参りで用意するもの
お墓参りに行く際に用意するものは、次のようになります。
掃除道具
お墓を掃除するために、バケツ・ぞうきん・タオル・スポンジ・歯ブラシ・軍手・ゴミ袋などの掃除道具を用意します。
簡単な掃除だけする場合も、バケツとぞうきんとタオルだけは用意していきましょう。
線香・ろうそく
お供えをするための線香とろうそくです。
お墓にろうそく立てが無い場合は、ろうそく立ても用意してください。
ライター・マッチ・など火をつけるもの
線香やろうそくに火をつけるために用意します。
手桶(バケツ)・柄杓
墓石に水を掛けるための道具です。
霊園や寺院によっては置いてあるところもありますが、お盆やお彼岸など人が多い時期には借り出されてすぐに使えないこともあるので、用意しておくと良いでしょう。
花・ハサミ
お墓に供える花と、花を切りそろえるためのハサミです。
お墓には花立が両サイドに置かれているので、必ず同じものを一対用意しましょう。
神道の場合は榊の枝を用意します。
お供え物
お菓子や果物、お酒やジュースなどのお供え物を用意します。
また、お供え物を置くためのお盆や半紙、湯呑みやコップなども用意しておきましょう。
世界のお墓参り
海外では日本と違ってお墓参りをする国としない国があります。
これは、宗教や国によってお墓に対する考え方が違うからです。
ここでは、各国のお墓参りについて詳しく解説していきましょう。
アメリカ(キリスト教)
アメリカなどのキリスト教文化の国では、公園のような墓地(メモリアルパーク)に個人の墓石に十字架を立てたお墓が主流です。
しかし、キリスト教では日本のようにお盆やお彼岸のような定期的なお墓参り文化は一般的ではありません。キリスト教では、人は亡くなると魂が天に召されるのでお墓には魂がいないとされているからです。
キリスト教文化の国では基本的にお墓に行くのは葬儀の際だけで、心の中でお祈りをして故人を偲びます。
ただし、5月の最終月曜日にある「メモリアルデー(戦没者追悼記念日)」には多くの人がお墓参りをし、戦没者のお墓に星条旗や花を飾ります。
イスラム教
イスラム教において、お墓参りは善行として推奨されています。
しかし、偶像崇拝は禁止されているので、お供え物をしたりお墓に向かって手を合わせたりすることはタブーとなっているため、お墓参りに行った際には故人のための祈り(ドゥア)と神様(アッラー)への祈りを捧げます。
また、お盆などの決まったお墓参りの日はなく、いつ行っても大丈夫です。
イスラム教では土葬が基本で、お墓は最後の審判の日に復活できるよう、体を置いておく雁の場所と考えられています。
ヨーロッパ(スウェーデンなど)
フランスでは、毎年11月1日が「諸聖人(無名の聖人)の日」とされており、名もない聖人=ご先祖様を称えるためにお墓参りに行く習慣があります。
フランスのお墓参りでは、カラフルな菊の花をたくさん飾ります。
また、ユダヤ人のお墓には「永遠に枯れない」ことから石を積み上げるそうです。
ドイツでは、11月2日がカトリック教の「死者の日」となっているため、11月にお墓参りをする習慣があります。
お墓には、季節の花で作ったお墓参り用の飾りや赤い蝋燭などを置きます。
スウェーデンの墓地は「森の墓地」と呼ばれる公園のような美しい場所にあるため、墓地を家族で散歩しながら穏やかに故人を偲びます。
夏休みや、毎年10月31日から11月6日の間にある土曜日にある「万聖節」という祝日などにお墓参りをすることが一般的です。
中国(清明節)
中国では、毎年春分から15日前後にあたる4月5日ごろの「清明節(チンミンジェー)」と呼ばれる伝統的な祭日にお墓参りをします。
「清明節」とは日本のお彼岸にあたる、故人を偲ぶ日です。
「清明節」のお墓参りでは、家族総出でお墓に土を盛り直したり草むしりをしたりしてお墓をきれいにします。
掃除の後、食べ物やお酒などのお供え物をして、線香を灯し、あの世で使う紙で作ったお金(紙銭・冥銭)をお墓の前で燃やし、故人やご先祖様を弔います。
お墓参りのマナーは故人の供養だけでなく自分を守るためのもの
お墓参りの際にしてはいけないことには、仏教の考えの中で禁忌とされていることや、お墓参りに来ている他の人に迷惑を掛けないようにするためのマナーがベースとなっています。
しかしそれだけではなく、ケガをしないようにだったり、悪いものを引き寄せないようにするためなど、自分自身を守るためのものも入っています。
みなさんも、お墓参りに行く時には、マナーを守って気持ちよくお参りをするようにしてください。
関連記事