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みなさんは、「サグラダファミリア」を知っていますか?なんとなく名前を聞いたことがあるという方、詳しくはよくわからないという方など、さまざまだと思います。
このコラムでは、そんなサグラダファミリアについて、知っておきたい基本情報から、建設が続いている理由、観光情報などをわかりやすくご紹介します。スペインや世界遺産に興味がある方、サグラダファミリアについて知りたい方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
「サグラダファミリア(Sagrada Família)」は、スペイン・バルセロナにあるカトリック教会(聖家族贖罪教会)です。建築家アントニ・ガウディが設計を引き継ぎ、生涯をかけて取り組んだ代表作として知られています。
1882年に着工してから140年以上経った今も建設が続いており、「未完の世界遺産」として世界中から注目を集めています。独創的なデザインと壮大なスケールから、スペインを代表する観光名所のひとつとなっています。
サグラダファミリアがあるのは、スペイン第二の都市・バルセロナです。サグラダファミリアをはじめとした歴史的建造物、グエル公園、ゴシック地区の美しい街並みなど、見どころも多くあります。
また、バルセロナは地中海に面しているため、美しいビーチや魚介を使ったおいしいグルメも楽しめます。
ガウディは、スペインが誇る天才建築家として有名です。19〜20世紀に活躍した人物で、曲線や自然の形を取り入れた独創的なデザインで知られています。
サグラダファミリア以外にも、カサ・バトリョ、カサ・ミラ、カサ・ビセンス、グエル邸など、多くの建造物を残しました。ちなみに、サグラダファミリア建築をはじめたときには、他の仕事を全部断り、建築現場に泊まり込むほど教会造りに熱中していたといわれています。
サグラダファミリアは、1984年に「アントニ・ガウディの作品群」を構成する物件のひとつとして世界文化遺産に登録されました。ただし、実は大聖堂全体が世界遺産というわけではなく、「生誕のファサード」と「地下礼拝堂」の2ヶ所のみが登録されています。
後ほど詳しくご紹介するとおり、サグラダファミリアは今でも完成していません。未完ではあるものの、ガウディを象徴する独創的なデザインや、建築スタイルなどの表現力が評価されたことが、登録の理由と考えられています。
先ほど述べたとおり、サグラダファミリアは現在でも完成していません。1882年に建設が開始され、140年以上経っても工事が続いているのですが、それにはいくつか理由がありました。
まず、サグラダファミリアが完成しない大きな理由のひとつが、「資金面」です。実は、国や街がお金を出しているのではなく、サグラダファミリアは寄付と観光収益によって建設されているのです。
そのため、資金不足で建設が中止されることも多く、なかなか建設がスムーズに進んでこなかったのです。ちなみにガウディは、資金不足の際、信者を戸別訪問して献金を集めることもあったといわれています。
壮大な建築物でありながら、実はサグラダファミリアには明確な設計図が存在していないと言われています。ガウディはいくつものスケッチを描いていましたが、1936年ごろのスペイン内戦の時期に、多くが消失してしまいました。そのため、工房に保存されていた数少ない設計図をもとに建築を進めなくてはならないため、完成に時間がかかっているのです。
しかし、現在では3Dモデルを使用していることで、工事スピードが上がっています。
サグラダファミリアの設計は、幾何学的な形を多用しているため、非常に複雑だと言われています。現場の職人の理解を促すため、図面ではなく模型で説明する必要があったそうです。
また、ガウディは建築の途中で、何度も設計を修正していました。そのため、修正があるたびに一度これまでの作業をストップさせる必要があったのです。
サグラダファミリアの主要部分は2026年に完成する予定です。ただし、装飾などを含めた最終的な全体の完成は、2034年〜2035年ごろと予想されています。
もともとは、完成までに300年ほどかかると想定されていましたが、先ほどもご紹介したとおり、3Dモデルの使用によって完成時期が早まっていると言われています。
ガウディ没後100年にあたる2026年には、高さ172.5メートルあるメインタワー「イエス・キリストの塔」が完成すると宣言されています。イエス・キリストの塔は中心に位置する最も高い塔であり、この工事が終わればサグラダファミリアの主要部分が完成することになります。
2027年からも建築は続き、最終的に全体が完成するのは2034年〜2035年ごろと予想されています。
スペインの建築というと、あまり日本とは関係がなさそうに思いますよね。しかし、実は日本人の彫刻家が関わっているんです!
サグラダファミリアには、外尾悦郎(そとおえつろう)さんという日本人彫刻家が関わっています。建築家、彫刻家など計約200名がサグラダファミリア建築に携わっていますが、彼が最も長期間勤め続け、ガウディの意志を最も深く受け継いでいると言われるほど。
1978年バルセロナに渡り、サグラダファミリアの彫刻に力を注いできました。彼の作品を含む「生誕の門」と「地下礼拝堂」は、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
外尾さんは、自分で売り込んでサグラダファミリアに関わり始めましたが、それは決して簡単な道のりではありませんでした。
まずは何度もサグラダファミリアへ足を運び、どうやって交渉したら良いかを考えたといいます。そして、日本人の駐在員と知り合い、なんとかサグラダファミリアの職員へコンタクトを取ることに成功。
しかし、「働かせてほしい」といっても、何度も断られたといいます。1ヶ月ほど経ったときに、ようやく主任建築家と合うことができました。そして、試験を受けて、見事合格を勝ち取り、サグラダファミリアの建築に関わるようになったのです。
しかし現在でも、外尾さんはサグラダファミリアの職員ではありません。一回一回、契約で仕事をする請負の彫刻家として働いています。外尾さんは、「常に契約が切られるかもしれない、これが最後かもしれない、という緊張感の中で石を彫り続けてきた」といいます。
こうした緊張感のなかで、素晴らしい彫刻を生み出し続けていることが、スペインの建築に日本人が関わっている理由と言えるでしょう。
ここからは、サグラダファミリアの多くの見どころをご紹介します。どれも息をのむような美しさと荘厳な雰囲気。ぜひ一つずつチェックしていきましょう!
生誕のファサードは、キリスト生誕の喜びを表しています。これを見るだけでキリストの生涯全体が理解できることから、「石の聖書」とも呼ばれています。
1892年に建築が始まり、1930年に完成しました。また、4つの塔があり、それぞれ使徒4人(左から:ベルナベ、シモン、タダイと呼ばれたユダ、マチア)を表しています。
生誕のファサードは、左から希望の門、慈愛の門、信仰の門と、3つ門がありますが、そのうち「慈愛の門」の扉には、日本人彫刻家の外尾悦郎さんの作品も残されています。
また、サグラダファミリアには3つのファサードがありますが、生誕のファサードはガウディ本人が細部に至るまで設計し、彼の存命中に完成した唯一のファサードです。
太陽が沈む西側にあるのが「受難のファサード」です。1954年に着工し、その後長い年月をかけて建設が進められてきました。キリストが十字架にかけられるまでの受難と死を表しています。カタルーニャ出身の彫刻家ジョセップ・マリア・スビラックスによる、装飾のないシンプルな彫刻が特徴です。このシンプルさが、受難の苦しみをより際立たせています。
キリストの像の上には、骨のように見える18本の柱が並んでおり、柱の上には「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と書かれています。さらに、内側の壁には聖書に登場する族長、預言者の名前などが書かれています。
南側にある栄光のファサードは、死・審判・地獄と栄光を表現している門であり、現在も工事が進められています。完成すると、3つのファサードの中でも最も壮大で豪華な正面玄関になるといわれています。
正面の入り口にブロンズ製の大きな扉があり、扉の上には聖体のシンボルのキリスト像が置かれています。扉には、50か国語で「主の祈り」の句が書かれており、日本語でも「われらの父」と書かれているので、訪れた際はぜひチェックしてみてくださいね。
聖堂内の美しいステンドグラスも見どころです。光にこだわったガウディならではの、太陽光をふんだんに取り入れた設計が特徴です。特に、西日が差し込む時間帯はよりいっそう美しく、床や壁を自然の光が優しく包み込み、神父的な雰囲気になります。
ちなみに、ステンドグラスの色は場所によって少し異なります。生誕のファサード側は青と緑色がメインの色となっており、これはバルセロナが面している地中海をイメージしています。
一方、受難のファサード側は主にオレンジ色が多く使われています。夕方になると、このオレンジがより一層鮮やかに聖堂内を照らします。
サグラダファミリアは、完成すると全部で18の塔ができることになります。まず、サグラダファミリアの3つのファサードにそれぞれ4本ずつ塔があります。生誕のファサードには、ベルナベ、シモン、ユダ(タダイと呼ばれた)、マチアの塔。
受難のファサードには、ヤコブ、バルトロマイ、トマス、フェリペの塔。現在未完成の栄光のファサードには、アンデレ、ペトロ、パウロ、大ヤコブの塔が作られる予定です。
そして、教会の上にイエスの塔、聖母マリアの塔、福音書記者4人(マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネ)の塔があります。
現在ある塔に登りたい場合は、生誕の門と受難の門のどちらかを選び、エレベーターで上に向かいます。
塔の上からは、サグラダファミリア上部の彫刻を間近で見ることができるほか、バルセロナの美しい街並みを一望することもできます。
サグラダファミリアに行ったらぜひ訪れてほしいのが、地下にある博物館です。ガウディが描いた貴重なスケッチや模型、資料などが展示されています。
特に有名なのが、「フニクラ」と呼ばれる逆さ吊り模型。これは、糸の先におもりをつけて逆さに吊るし、自然にできる曲線を利用して建物の構造を考える方法です。鏡に映して見ることで、力学的に安定したアーチ構造を設計できるため、ガウディはこの手法を建築に取り入れました。
ちなみに、サグラダファミリアの入場料にはこの博物館の見学料も含まれているので、あわせて見学するのがおすすめですよ。
サグラダファミリアは、夜のライトアップされた姿も圧巻です。昼間とはまた違った幻想的な雰囲気を楽しむことができます。おすすめの写真撮影スポットは、生誕のファサード側にあるガウディ広場(Plaça de Gaudí)。池に映る「逆さサグラダファミリア」が見られますよ。
なお、ライトアップの時間は時期によって異なるので、行く前にホームページなどで確認してくださいね。
ここからは、サグラダファミリアの観光に役立つ情報をご紹介します。サグラダファミリアを見に行ってみたい!と思った方は、ぜひ参考にしてくださいね。
日本からサグラダファミリアへは、まず成田や羽田、関西国際空港などからヨーロッパ主要都市(パリやフランクフルトなど)を経由し、バルセロナへ向かうのが一般的。日本からバルセロナへの直行便が運航していないため、乗継が主流で、所要時間は約15〜18時間です。空港到着後、地下鉄やタクシーで市内へ移動し、地下鉄L2またはL5線で最寄り駅(サグラダファミリア駅)で下車。駅からは徒歩数分で到着します。
バルセロナでは、地下鉄・バス・路面電車が充実し、観光には地下鉄が便利です。主要観光地はほぼ網羅され、料金は共通チケットで利用可能。ICカード「T-casual(10回乗車分の回数券)」などを使えばお得に乗車できるので利用がおすすめです。
空港から市内へはエアロバスや鉄道があり、タクシーや配車アプリも利用しやすいです。街並みの美しさを堪能できる徒歩や自転車も移動手段として人気があります。
サグラダファミリアは大人気スポットのため、入場チケットは、公式サイトなどで事前にオンライン予約するのがベストです。
訪問日と入場時間を選び、通常券・塔付き・ガイド付きなどの種類を選択し、個人情報入力後に決済すると、QRコード付き電子チケットがメールで届きます。特に繁忙期(4〜9月)は数週間前にオンラインチケットが売り切れることも多いため、早めの予約がおすすめ。
サグラダファミリアの見学にかかる時間は、一般的に2〜3時間程度となります。内部見学や展示、写真撮影をゆっくり楽しむと3時間以上かかることもあり、塔に上る場合はさらに時間に余裕を見ておくと安心です。
サグラダファミリアについて、なんとなく知っていたという方も、建設が続いている理由や、日本人の彫刻家が重要な役割を果たしていることなどは、新たな発見だったのではないでしょうか。
天才建築家・ガウディの夢がつまったサグラダファミリアの完成は、着実に近づいています。ぜひ、こちらでご紹介した、たくさんの魅力を知ってサグラダファミリアの完成を楽しみに待ちましょう!
みなさんは、「サグラダファミリア」を知っていますか?
なんとなく名前を聞いたことがあるという方、詳しくはよくわからないという方など、さまざまだと思います。
このコラムでは、そんなサグラダファミリアについて、知っておきたい基本情報から、建設が続いている理由、観光情報などをわかりやすくご紹介します。
スペインや世界遺産に興味がある方、サグラダファミリアについて知りたい方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
サグラダファミリアとは?
「サグラダファミリア(Sagrada Família)」は、スペイン・バルセロナにあるカトリック教会(聖家族贖罪教会)です。
建築家アントニ・ガウディが設計を引き継ぎ、生涯をかけて取り組んだ代表作として知られています。
1882年に着工してから140年以上経った今も建設が続いており、「未完の世界遺産」として世界中から注目を集めています。
独創的なデザインと壮大なスケールから、スペインを代表する観光名所のひとつとなっています。
どこにある?
サグラダファミリアがあるのは、スペイン第二の都市・バルセロナです。
サグラダファミリアをはじめとした歴史的建造物、グエル公園、ゴシック地区の美しい街並みなど、見どころも多くあります。
また、バルセロナは地中海に面しているため、美しいビーチや魚介を使ったおいしいグルメも楽しめます。
サグラダファミリアの建築を手掛けたガウディってどんな人?
ガウディは、スペインが誇る天才建築家として有名です。
19〜20世紀に活躍した人物で、曲線や自然の形を取り入れた独創的なデザインで知られています。
サグラダファミリア以外にも、カサ・バトリョ、カサ・ミラ、カサ・ビセンス、グエル邸など、多くの建造物を残しました。
ちなみに、サグラダファミリア建築をはじめたときには、他の仕事を全部断り、建築現場に泊まり込むほど教会造りに熱中していたといわれています。
サグラダファミリアは世界遺産なの?
サグラダファミリアは、1984年に「アントニ・ガウディの作品群」を構成する物件のひとつとして世界文化遺産に登録されました。
ただし、実は大聖堂全体が世界遺産というわけではなく、「生誕のファサード」と「地下礼拝堂」の2ヶ所のみが登録されています。
後ほど詳しくご紹介するとおり、サグラダファミリアは今でも完成していません。
未完ではあるものの、ガウディを象徴する独創的なデザインや、建築スタイルなどの表現力が評価されたことが、登録の理由と考えられています。
なぜ完成しない?サグラダファミリアの建設が続く理由
先ほど述べたとおり、サグラダファミリアは現在でも完成していません。
1882年に建設が開始され、140年以上経っても工事が続いているのですが、それにはいくつか理由がありました。
寄付と観光収益で建設されている
まず、サグラダファミリアが完成しない大きな理由のひとつが、「資金面」です。
実は、国や街がお金を出しているのではなく、サグラダファミリアは寄付と観光収益によって建設されているのです。
そのため、資金不足で建設が中止されることも多く、なかなか建設がスムーズに進んでこなかったのです。
ちなみにガウディは、資金不足の際、信者を戸別訪問して献金を集めることもあったといわれています。
明確な設計図が存在しない
壮大な建築物でありながら、実はサグラダファミリアには明確な設計図が存在していないと言われています。
ガウディはいくつものスケッチを描いていましたが、1936年ごろのスペイン内戦の時期に、多くが消失してしまいました。
そのため、工房に保存されていた数少ない設計図をもとに建築を進めなくてはならないため、完成に時間がかかっているのです。
しかし、現在では3Dモデルを使用していることで、工事スピードが上がっています。
設計が複雑すぎる
サグラダファミリアの設計は、幾何学的な形を多用しているため、非常に複雑だと言われています。
現場の職人の理解を促すため、図面ではなく模型で説明する必要があったそうです。
また、ガウディは建築の途中で、何度も設計を修正していました。
そのため、修正があるたびに一度これまでの作業をストップさせる必要があったのです。
サグラダファミリアは2026年に完成する?最新の完成予定を解説
サグラダファミリアの主要部分は2026年に完成する予定です。
ただし、装飾などを含めた最終的な全体の完成は、2034年〜2035年ごろと予想されています。
もともとは、完成までに300年ほどかかると想定されていましたが、先ほどもご紹介したとおり、3Dモデルの使用によって完成時期が早まっていると言われています。
ガウディ没後100年にあたる2026年には、高さ172.5メートルあるメインタワー「イエス・キリストの塔」が完成すると宣言されています。
イエス・キリストの塔は中心に位置する最も高い塔であり、この工事が終わればサグラダファミリアの主要部分が完成することになります。
2027年からも建築は続き、最終的に全体が完成するのは2034年〜2035年ごろと予想されています。
サグラダファミリアに関わる日本人彫刻家とは?
スペインの建築というと、あまり日本とは関係がなさそうに思いますよね。
しかし、実は日本人の彫刻家が関わっているんです!
日本人彫刻家 外尾悦郎ってどんな人?
「Etsuro Sotoo Portrait (4x5 cropped).jpg」
サグラダファミリアには、外尾悦郎(そとおえつろう)さんという日本人彫刻家が関わっています。
建築家、彫刻家など計約200名がサグラダファミリア建築に携わっていますが、彼が最も長期間勤め続け、ガウディの意志を最も深く受け継いでいると言われるほど。
1978年バルセロナに渡り、サグラダファミリアの彫刻に力を注いできました。
彼の作品を含む「生誕の門」と「地下礼拝堂」は、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
なぜ日本人が関わっているのか
「Sagradafamilia-1.jpg」
外尾さんは、自分で売り込んでサグラダファミリアに関わり始めましたが、それは決して簡単な道のりではありませんでした。
まずは何度もサグラダファミリアへ足を運び、どうやって交渉したら良いかを考えたといいます。
そして、日本人の駐在員と知り合い、なんとかサグラダファミリアの職員へコンタクトを取ることに成功。
しかし、「働かせてほしい」といっても、何度も断られたといいます。
1ヶ月ほど経ったときに、ようやく主任建築家と合うことができました。
そして、試験を受けて、見事合格を勝ち取り、サグラダファミリアの建築に関わるようになったのです。
しかし現在でも、外尾さんはサグラダファミリアの職員ではありません。
一回一回、契約で仕事をする請負の彫刻家として働いています。
外尾さんは、「常に契約が切られるかもしれない、これが最後かもしれない、という緊張感の中で石を彫り続けてきた」といいます。
こうした緊張感のなかで、素晴らしい彫刻を生み出し続けていることが、スペインの建築に日本人が関わっている理由と言えるでしょう。
サグラダファミリアの見どころ
ここからは、サグラダファミリアの多くの見どころをご紹介します。
どれも息をのむような美しさと荘厳な雰囲気。
ぜひ一つずつチェックしていきましょう!
生誕(降誕)のファサード
生誕のファサードは、キリスト生誕の喜びを表しています。
これを見るだけでキリストの生涯全体が理解できることから、「石の聖書」とも呼ばれています。
1892年に建築が始まり、1930年に完成しました。
また、4つの塔があり、それぞれ使徒4人(左から:ベルナベ、シモン、タダイと呼ばれたユダ、マチア)を表しています。
生誕のファサードは、左から希望の門、慈愛の門、信仰の門と、3つ門がありますが、そのうち「慈愛の門」の扉には、日本人彫刻家の外尾悦郎さんの作品も残されています。
また、サグラダファミリアには3つのファサードがありますが、生誕のファサードはガウディ本人が細部に至るまで設計し、彼の存命中に完成した唯一のファサードです。
受難のファサード
太陽が沈む西側にあるのが「受難のファサード」です。
1954年に着工し、その後長い年月をかけて建設が進められてきました。
キリストが十字架にかけられるまでの受難と死を表しています。
カタルーニャ出身の彫刻家ジョセップ・マリア・スビラックスによる、装飾のないシンプルな彫刻が特徴です。
このシンプルさが、受難の苦しみをより際立たせています。
キリストの像の上には、骨のように見える18本の柱が並んでおり、柱の上には「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と書かれています。
さらに、内側の壁には聖書に登場する族長、預言者の名前などが書かれています。
栄光のファサード
南側にある栄光のファサードは、死・審判・地獄と栄光を表現している門であり、現在も工事が進められています。
完成すると、3つのファサードの中でも最も壮大で豪華な正面玄関になるといわれています。
正面の入り口にブロンズ製の大きな扉があり、扉の上には聖体のシンボルのキリスト像が置かれています。
扉には、50か国語で「主の祈り」の句が書かれており、日本語でも「われらの父」と書かれているので、訪れた際はぜひチェックしてみてくださいね。
内部のステンドグラス
聖堂内の美しいステンドグラスも見どころです。
光にこだわったガウディならではの、太陽光をふんだんに取り入れた設計が特徴です。
特に、西日が差し込む時間帯はよりいっそう美しく、床や壁を自然の光が優しく包み込み、神父的な雰囲気になります。
ちなみに、ステンドグラスの色は場所によって少し異なります。
生誕のファサード側は青と緑色がメインの色となっており、これはバルセロナが面している地中海をイメージしています。
一方、受難のファサード側は主にオレンジ色が多く使われています。
夕方になると、このオレンジがより一層鮮やかに聖堂内を照らします。
塔
サグラダファミリアは、完成すると全部で18の塔ができることになります。
まず、サグラダファミリアの3つのファサードにそれぞれ4本ずつ塔があります。
生誕のファサードには、ベルナベ、シモン、ユダ(タダイと呼ばれた)、マチアの塔。
受難のファサードには、ヤコブ、バルトロマイ、トマス、フェリペの塔。
現在未完成の栄光のファサードには、アンデレ、ペトロ、パウロ、大ヤコブの塔が作られる予定です。
そして、教会の上にイエスの塔、聖母マリアの塔、福音書記者4人(マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネ)の塔があります。
現在ある塔に登りたい場合は、生誕の門と受難の門のどちらかを選び、エレベーターで上に向かいます。
塔の上からは、サグラダファミリア上部の彫刻を間近で見ることができるほか、バルセロナの美しい街並みを一望することもできます。
博物館
サグラダファミリアに行ったらぜひ訪れてほしいのが、地下にある博物館です。
ガウディが描いた貴重なスケッチや模型、資料などが展示されています。
特に有名なのが、「フニクラ」と呼ばれる逆さ吊り模型。
これは、糸の先におもりをつけて逆さに吊るし、自然にできる曲線を利用して建物の構造を考える方法です。
鏡に映して見ることで、力学的に安定したアーチ構造を設計できるため、ガウディはこの手法を建築に取り入れました。
ちなみに、サグラダファミリアの入場料にはこの博物館の見学料も含まれているので、あわせて見学するのがおすすめですよ。
ライトアップ
サグラダファミリアは、夜のライトアップされた姿も圧巻です。
昼間とはまた違った幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
おすすめの写真撮影スポットは、生誕のファサード側にあるガウディ広場(Plaça de Gaudí)。
池に映る「逆さサグラダファミリア」が見られますよ。
なお、ライトアップの時間は時期によって異なるので、行く前にホームページなどで確認してくださいね。
サグラダファミリアの観光情報
ここからは、サグラダファミリアの観光に役立つ情報をご紹介します。
サグラダファミリアを見に行ってみたい!と思った方は、ぜひ参考にしてくださいね。
日本からのアクセス方法
日本からサグラダファミリアへは、まず成田や羽田、関西国際空港などからヨーロッパ主要都市(パリやフランクフルトなど)を経由し、バルセロナへ向かうのが一般的。
日本からバルセロナへの直行便が運航していないため、乗継が主流で、所要時間は約15〜18時間です。
空港到着後、地下鉄やタクシーで市内へ移動し、地下鉄L2またはL5線で最寄り駅(サグラダファミリア駅)で下車。
駅からは徒歩数分で到着します。
現地での交通手段
バルセロナでは、地下鉄・バス・路面電車が充実し、観光には地下鉄が便利です。
主要観光地はほぼ網羅され、料金は共通チケットで利用可能。
ICカード「T-casual(10回乗車分の回数券)」などを使えばお得に乗車できるので利用がおすすめです。
空港から市内へはエアロバスや鉄道があり、タクシーや配車アプリも利用しやすいです。
街並みの美しさを堪能できる徒歩や自転車も移動手段として人気があります。
入場チケットの予約方法
サグラダファミリアは大人気スポットのため、入場チケットは、公式サイトなどで事前にオンライン予約するのがベストです。
訪問日と入場時間を選び、通常券・塔付き・ガイド付きなどの種類を選択し、個人情報入力後に決済すると、QRコード付き電子チケットがメールで届きます。
特に繁忙期(4〜9月)は数週間前にオンラインチケットが売り切れることも多いため、早めの予約がおすすめ。
見学にかかる時間はどのくらい?
サグラダファミリアの見学にかかる時間は、一般的に2〜3時間程度となります。
内部見学や展示、写真撮影をゆっくり楽しむと3時間以上かかることもあり、塔に上る場合はさらに時間に余裕を見ておくと安心です。
建設が続く理由や見どころを知って、もっとサグラダファミリアに親しもう
サグラダファミリアについて、なんとなく知っていたという方も、建設が続いている理由や、日本人の彫刻家が重要な役割を果たしていることなどは、新たな発見だったのではないでしょうか。
天才建築家・ガウディの夢がつまったサグラダファミリアの完成は、着実に近づいています。
ぜひ、こちらでご紹介した、たくさんの魅力を知ってサグラダファミリアの完成を楽しみに待ちましょう!
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