本場ドイツのクリスマスマーケットとは?魅力・おすすめ都市・楽しみ方を解説

最近ではクリスマスが近くなると、日本各地でも「クリスマスマーケット」が開催されています。
クリスマスマーケットの発祥地はドイツです。中世から続く伝統を持つクリスマスマーケットは、ドイツの冬を象徴する風物詩で、ドイツの大きな都市だけで2,500ものクリスマスマーケットが開催されていると言われています。

今回は、ドイツのクリスマスマーケットの歴史や魅力、人気のマーケットから楽しみ方、旅行の実用情報をご紹介します。

ドイツのクリスマスマーケットの魅力

ドイツのクリスマスマーケットを訪れると、街がイルミネーションとキャンドルの光に包まれ、スパイスと焼き菓子のいい香りが漂います。

想像するだけでわくわくしてしまうクリスマスマーケットの歴史や文化、開催時期について見ていきましょう。

クリスマスマーケットの歴史と文化

ドイツ発祥と言われるクリスマスマーケットの歴史は14世紀ごろまで遡ると言われています。

歴史的に証明されているもので最古のクリスマスマーケットは、1393年に行われたフランクフルト・アム・マインのクリスマスマーケットという説があります。
しかし、その頃のクリスマスマーケットはクリスマスを楽しむためのものではなく、ドイツの寒い冬を乗り越えるための食材や日用品を売る最後の機会として設けられた1日限りの市場でした。

14世紀以降、職人たちの工芸品やお菓子、子どものクリスマスプレゼントなども販売され始め、現在のようにドイツ各地で盛大に開催されるようになったのは19世紀になってからとも言われています。

クリスマスマーケットの魅力とは

街並みに合った美しいイルミネーション

街並みに合った美しいイルミネーション

ドイツのクリスマスマーケットの魅力の1つは、歴史的建造物や広場、街並みに施されたイルミネーションです。
街全体がクリスマス一色に染まり、まるで絵本の世界に迷い込んだような幻想的な雰囲気はクリスマスマーケットならではと言えるでしょう。

クリスマスマーケット限定のお土産

クリスマスマーケット限定のお土産

クリスマスマーケットにはここでしか手に入らない魅力的なグッズがたくさんあります。

中でも一番人気なのが、グリューワイン用の「クリスマスマーケット限定マグカップ」です。
このマグカップのデザインは都市ごとに違い、さらにその年限定のデザインになっています。

ちなみにグリューワインとはシナモンなどのスパイスが入った、いわゆるホットワインのことです。

そのマグカップはデポジット制となっていて、返却するとマグカップ代が返金され、マグカップが欲しければそのまま貰ってお土産にすることができます。

他にも木製やガラス製のオーナメントくるみ割り人キャンドルホルダーなどの伝統的な手作りの商品も人気です。

おいしいドイツ料理の食べ歩き

おいしいドイツ料理の食べ歩き

ドイツといったらやっぱりソーセージですよね。
たくさんの種類のソーセージがあるので食べ比べも楽しめます。

他にも、ニュルンベルクのレープクーヘンやアーヘンのプリンテン、ドレスデンのクリストシュトレン肉桂入りの星型クッキーなど、その地方独特の焼き菓子もクリスマスには欠かせません。

いつ開催される?

ドイツのクリスマスマーケットの多くは、11月下旬から12月24日まで開催されます。
開催時間は午前10時頃から午後9時頃までと長く楽しめるのも嬉しいポイントです。

ただし、平日と週末で営業時間が異なったり、気温や天候による営業時間の変更があったりすることも珍しくありません。

また最終日の12月24日は、クリスマスマーケットの多くが午後2時頃には終了してしまうことは覚えておくといいでしょう。

実際にクリスマスマーケットを訪れる際は、事前に各マーケットの公式サイトやSNSで最新情報を確認しておきましょう。

ドイツのおすすめのクリスマスマーケット7選

ドイツ国内で行われているクリスマスマーケットの中から、今回は代表的な7都市をご紹介します。

ニュルンベルク

ニュルンベルク

ニュルンベルクのクリスマスマーケットはクリストキンドレスマルクト(Christkindlesmarkt) という名称で親しまれており、世界一有名なマーケットとも言われています。
クリストキントとはキリストが愛した幼い子供の天使のことで、クリストキンドレスマルクトとは日本語で幼い天使のマーケットを意味します。

中世の面影を残す旧市街の中心、ハウプトマルクト広場で開催され、フラウエン教会を背景に約180もの赤と白のストライプの屋台がずらりと並んだ様子はニュルンベルクの特徴の1つです。
毎年200万人以上が訪れ、その3分の1は海外からの観光客だと言われています。

ニュルンベルクのクリスマスマーケットのシンボルは「クリストキント」と呼ばれる金色の巻き髪とクリスマスドレスに身を包み天使に扮した少女たちです。

毎年開幕式では、クリストキントが教会のバルコニーから祝福のメッセージを述べ、クリスマスマーケットの開催を宣言し、その模様はテレビで生中継されるほど重要な行事となっています。

ニュルンベルク
ニュルンベルク

ニュルンベルクならではの名物として、クリスマスでは定番の伝統的なクッキーであるニュルンベルガー・レープクーヘンと、ニュルンベルガー・ブラートヴルストという小さめのソーセージが特に人気です。

ドレスデン

シュトリーツェル・マルクト

ドレスデンのクリスマスマーケットはシュトリーツェル・マルクトと呼ばれており、1434年から続くドイツで最古のクリスマスマーケットの1つと言われています。

ドレスデンのクリスマスマーケットのシンボルはアルトマルクト広場中心の高さ約14メートルのクリスマスピラミッドです。
これは世界最大としてギネスブックにも登録されているほどです。

ドレスデン・シュトレン

ドレスデンの名物はマーケットの名称の由来にもなっている「ドレスデン・シュトレン」と呼ばれるフルーツ入りの発酵菓子です。
ドレスデンはシュトレン発祥の地と呼ばれており、ドレスデンのクリスマスマスマーケットには欠かせない注目商品です。

フランクフルト

フランクフルト

フランクフルトのクリスマスマーケットは1393年から続いているクリスマスマーケットで、世界最古という説があるだけでなく、規模もドイツ最大級最も美しいクリスマスマーケットだとも言われています。

中心部のレーマー広場やパウルス広場、マインカイ通りの旧市街地には華やかにイルミネーションされた約200ほどの屋台が立ち並び、街中がクリスマス一色に染まります。

また、市庁舎前には30mもあるクリスマスツリーの周りではクリスマスコンサートやニコライ教会のバルコニーではブラスバンドの演奏が開かれるなど、様々なイベントを楽しむことができるクリスマスマーケットです。

ミュンヘン

ミュンヘン

ミュンヘンのクリスマスマーケットは町のエリアごとに様々なコンセプトクリスマスマーケットが開催されています。
その中でもメインは市庁舎前のマリエン広場のクリスマスマーケットです。

広場には2,500個の電球で飾られた30mの大きなツリーがあり、ライトアップされた市庁舎とも相まって思わず見とれてしまいます。

他にもノイハウザー通りで開催されているクリスマスマーケットでは、イエス・キリスト生誕の場面を模した手工芸品クリッペの品揃えがドイツで最も充実しており、お土産としても人気です。

シュトゥットガルト

シュトゥットガルト

シュトゥットガルトのクリスマスマーケットは世界最大と言われています。
シュロス広場、シラー広場、マルクト広場、カールス広場の4会場で同時開催され、約300の屋台がずらりと並ぶ大規模なスケールとなっています。

また、シュトゥットガルトのクリスマスマーケットで注目したいのは、屋台の多さだけでなく、屋根の上に施された装飾です。

シュトゥットガルトでは屋台のデコレーションコンテストが行われており、どのお店も工夫を凝らした装飾を行っています。

きらびやかに装飾された屋台を見ているだけで楽しめるのもシュトゥットガルトならではの特徴です。

ベルリン

ベルリン

ベルリンでは市内で60余りのクリスマスマーケットが開催されており、様々な雰囲気を味わえます。

ベルリン

中でも高さ50mの巨大観覧車がある赤の市庁舎のクリスマスマーケットがおすすめです。

最も美しい広場と称されるジャンダルメン広場をはじめ、シュパンダウ地区の旧市街や、16世紀までさかのぼる歴史を持つミッテ地区のアレクサンダー広場も見どころです。
また、ノスタルジックな雰囲気が漂うウンター・デン・リンデンのオペラパレス前のマーケットも人気があります。

ケルン

ケルン

ケルンのクリスマスマーケットは西ドイツ最大級と言われています。

高さ157mの世界遺産でもあるケルン大聖堂を背景にした圧巻のイルミネーションは必見です。
このクリスマスマーケットのシンボルはケルン大聖堂の前に高さ25mもあるクリスマスツリーです。

ツリーを中心に70,000個ものLEDライトが施されたライトテントの下にはステージが設置され、クリスマスマーケットの間、様々なショーやイベントが開催されています。

クリスマスマーケットの楽しみ方

グルメを楽しむ

クリスマスマーケットの最大の楽しみの1つが、ドイツ各地の冬の味覚を堪能できるグルメの数々です。
定番のグルメはぜひチェックしておきましょう。

グリューワイン

赤ワインにシナモンやクローブなどのスパイスを加えたホットワインです。
ドイツの寒い冬の中で飲むグリューワインは格別。

地域ごとに毎年異なるデザインのグリューワインカップはデポジット制になっており、気に入ったマグカップは持って帰ることができます。

ソーセージ

ソーセージ

ドイツと言えばソーセージ。クリスマスマーケットでもたくさんの種類のソーセージが売られています。

ドイツでは豚肉、もしくは牛肉で作られるソーセージをブラートヴルストと言い、クリスマスマーケットでは、一般的にパンに挟まれた形で提供され、食べ歩きできるようになっています。

様々な種類のブラートヴルストを食べ比べしてみるのもおすすめです。

レープクーヘン

レープクーヘン

レープクーヘンははちみつとスパイスを使った、クリスマスでは定番の伝統的なクッキーです。
シナモンやジンジャーの香りしっとりした食感が特徴です。

クリスマスマーケットでは、文字が描かれているハートや星型のレープクーヘンもよく見かけます。
ちなみにこれはクリスマスの装飾用で、壁に飾ったり、リボンを通して首からかけたりするものもあります。

カラフルなデコレーションが施されていて、思わず購入したくなる魅力的なお菓子です。

ショッピングを楽しむ

クリスマスマーケットにはここでしか手に入らない限定品が数多く並んでいます。
クリスマスの思い出を形に残すなら、ぜひお気に入りの雑貨を探してみましょう。

オーナメント

オーナメント

クリスマスツリーを彩るオーナメントは定番のお土産です。

木製やガラス製の手作り装飾品は一点もので、どれにしようか迷ってしまうほどたくさんの種類があります。

世界に一つだけしかないオーナメントをお土産として購入するのも素敵ですよね。

▼ドイツから仕入れたおすすめのオーナメント

【Fromドイツ】サンタクロースレースオーナメント 【Fromドイツ】サンタクロースレースオーナメント 税込み¥660

▼ツリーを賑やかに彩るオーナメント

【Fromチェコ】チェコベルオーナメント 【Fromチェコ】チェコベルオーナメント 税込み¥2,090
アニマルオーナメント 税込み¥1,210 アニマルオーナメント 税込み¥1,210

スノードーム

スノードーム

店頭にずらりと並ぶスノードームは思わず目を奪われてしまいます。
中のモチーフはサンタや雪だるまやツリーなど様々。
光るスノードームでお部屋の雰囲気もぐっとよくなるアイテムです。

▼音楽を一緒に楽しめるスノードーム

ランプスノードーム 税込み¥5,720 ランプスノードーム 税込み¥5,720

▼プチギフトにおすすめ

リボンスノードーム 税込み¥825 リボンスノードーム 税込み¥825

キャンドル

キャンドル

手作りのキャンドルは冬のインテリアにおすすめのお土産です。
蜜蝋を使用した自然由来のキャンドル香り付きのアロマキャンドル手彫りの装飾キャンドルなど種類も豊富。

ちょっとした贈り物にもピッタリで、お土産として人気を集めています。

▼あたたかなお部屋を演出

キャンドル クリスマスキャンドルセット 税込み¥660
キャンドル 【From リトアニア】アルザスキャンドルハウス 税込み¥6,600

民芸品

民芸品

ドイツのクリスマスマーケットでは今でも伝統を受け継いで職人さんが1つひとつ手作りで製作している民芸品が数多く売られています。

その中でもエルツ山地の伝統工芸として知られる木製工芸品が有名です。

くるみ割り人形、煙出し人形、クリスマスピラミッドなど、職人の手作業による繊細な細工が施された品々は、クリスマスを感じさせるインテリアとして海外のコレクターに愛されています。

大きさや値段も様々ですが、ドイツの伝統文化を受け継いで作られた木製工芸品は見ているだけでほっとするものばかりです。

▼ドイツから仕入れたおすすめのくるみ割り人形

カスパールくるみ割り人形 【Fromドイツ】カスパールくるみ割り人形 税込み¥9,350

▼セット置きが可愛いくるみ割り人形

カスパールくるみ割り人形 ナッツクラッカーセット 税込み¥2,090

▼玄関やデスクなどちょっとしたスペースに

スノーツリーオーナメントS スノーツリーオーナメントS 税込み¥2,420

限定グリューワインマグカップ

地域ごとに毎年異なるデザインのグリューワインカップが海外の観光客からも人気のお土産となっています。

グリューワインの料金にはカップのデポジット代が含まれており、カップを返却するとデポジットが返金されますが、返金を希望しなければそのままマグカップを持ち帰ることができます。

ついつい何個も集めたくなってしまうほどデザインもかわいいものばかりです。

雰囲気、イベントを楽しむ

クリスマスマーケットの会場では、期間中様々なイベントが開催されています。
昼と夜で雰囲気がガラリと変わるため、時間を変えて訪れるのもおすすめです。

移動遊園地

移動遊園地

クリスマスの時期に関わらず、ヨーロッパでは移動遊園地が盛んな地域です。

メリーゴーラウンドや観覧車スケートリンクなどが設置されているクリスマスマーケットもあり、子どもから大人まで楽しむことができます。

ライトアップされた夜のマーケット

ライトアップされた夜のマーケット

ドイツのクリスマスマーケットの魅力は、中世から続く伝統的な雰囲気美しい装飾の数々です。

昼間ももちろん魅力的ですが、夜はライトアップされ昼間とは違った雰囲気を味わえます。

無数のイルミネーションに輝くクリスマスマーケットは幻想的で、おとぎ話の世界に入り込んだかのような世界観を醸し出しています。

クリスマスコンサート

クリスマスマーケットで開催されるイベントと言えば、クリスマスコンサートです。

クリスマスマーケット期間中は聖歌隊による讃美歌の合唱管楽器の演奏人形劇の上演など、クリスマスシーズンを彩る多彩なクリスマスコンサートが毎日のように行われています。

クリスマスコンサートがクリスマスの雰囲気をより一層高めてくれます。

ドイツのクリスマスマーケットの観光情報

ドイツのクリスマスマーケットを訪れる際に知っておいたほうがいいポイントをチェックしていきましょう。

費用の目安

ドイツのクリスマスマーケットは一部入場料がかかるところもありますが、ほとんどの場所が入場無料で入ることができます。

グリューワインは約4〜6ユーロ(+デポジット2〜4ユーロ)、ソーセージや軽食は約3〜8ユーロ、オーナメントなどのお土産は約5〜30ユーロとなっています。

各都市で違いがありますので、目安として参考にしてみてください。

旅行期間の目安

ドイツの複数都市のクリスマスマーケットを巡るなら5〜7日間、1都市だけなら3日程度でも十分楽しめます。

旅行会社によって、ドイツのクリスマスマーケットを楽しめるツアーも多数組まれていますので、ぜひチェックしてみてください。

開催時期の気候・服装

ドイツの冬はとても寒く、12月の平均気温は0〜5℃前後、夜は氷点下になることも少なくありません。
防寒コートやマフラー、耳当て、手袋、冬用の靴など、とにかく暖かい服装がおすすめです。

また、クリスマスマーケットが開催されている会場の広場は石畳が多く足元から冷えるため、長時間の屋外観光に備えて、厚手の靴下やインナー、使い捨てカイロもあるといいでしょう。

決済方法

最近ではクレジットが使える屋台も増えていますが、基本的に現金支払いが多いため、小額紙幣やコインを多めに用意しておくと便利です。

500ユーロ札などの高額紙幣は偽札対策で使用できない場合もあるため注意しておきましょう。

英語は通じる?

フランクフルトやベルリンなど、比較的大都市では英語が通じやすいですが、小さな町ではドイツ語のみの場合もあります。

簡単な挨拶やお礼は覚えて、ぜひ訪れた際にはドイツ語で注文してみてはどうでしょうか?

本場ドイツのクリスマスマーケットを体験しよう

ドイツのクリスマスマーケットは、歴史と文化を感じながら食やショッピングを楽しめる冬の一大イベントです。

街ごとにそれぞれ特徴があり、地域によって全く違う雰囲気のクリスマスマーケットが味わえるのも魅力の1つです。
温かいグリューワイン片手にイルミネーションを楽しむ時間は、きっと特別な思い出になること間違いなし!

今年の冬は、美しくイルミネーションが輝くドイツのクリスマスマーケットを訪れてみませんか?


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