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伊勢の神宮が御鎮座する神都三重県伊勢市。ここには特別な「しめ縄」の風習があります。一度伊勢に訪れた方はご存じの通り、伊勢は一年中しめ縄を飾っている玄関をいくつも見ることができます。
広い範囲で「しめ縄はお正月に飾るもの」という認識が持たれていますが、伊勢にとっての「しめ縄」とはどんな意味を持つものなのか、なぜ伊勢の地域だけが異なるのかを詳しく解説していきます。
そもそもしめ縄とは、どういう意味のあるものなのかご存じでしょうか。「お正月に飾るもの」という認識はあれども、詳しい意味についてはわからないという方も多いのではないでしょうか。由来に沿って簡単に紹介していきます。
しめ縄というものは、どうやって生まれたのでしょうか。
神社に「しめ縄」が張られているのをよく見ると思いますが、実は神社にかけられているしめ縄と、お正月の時期に飾るしめ縄は少し意味が異なります。
しめ縄の一番最初は、古来から伝承されている「天岩戸神話」から来ているとされています。
神代の昔、最も尊い神様とされる太陽の神様「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」がいらっしゃいました。弟にあたるスサノオ(須佐之男命)が天界で乱暴なふるまいを繰り返すため、心を痛めたアマテラスはとうとう大きな岩戸に隠れてしまいます。
太陽の女神が隠れたことで、天も地も闇に包まれ厄災あふれる世界に変貌。困った神々はいくつかの作戦を打ち出しました。そのうちのひとつ、にぎやかな宴のさなかにアマテラスはやっと姿を現します。
そこで力もちの神様がアマテラスを連れ出し、世界に光が戻ります。そしてアマテラスが二度と岩戸に隠れることのないよう、しめ縄で岩戸を塞いだのが由来とされています。
天岩戸神話の舞台は宮崎県高千穂にある「天岩戸神社」といわれており、しめ縄もこの地が発祥とされています。高千穂を含めた宮崎の一部地域でもしめ縄を一年間飾る風習があり、ここの地域のしめ縄は「七五三縄」とも呼ばれます。神様を模したとされる七・五・三に分かれた房が特徴なしめ縄です。
宮崎から遠く離れた伊勢の地域にも「天岩戸」といわれる場所が存在します。こちらの天岩戸は、伊勢市と志摩市(伊勢市から少し南下したところにある地区)の堺に位置します。
ちなみに、こちらの「天岩戸」は水穴になっており別名は「恵利原の水穴」。環境省が選定する名水百選に選ばれるほど美しい水が湧く場所でもあります。このあたり一帯を高天原(神様の住まう場所)と呼ぶこともあるそうで、神話を大切に思う地域なのが伺い知れますね。
しめ縄は「神様の居場所」と「そうでない場所」を別つ役割を担っています。転じて「神々が暮らす清らかで尊い世界である神域」と「わたしたちが暮らす現実的な世界である俗世」とを分ける境界線という意味を持ちます。
神社の社殿や鳥居にしめ縄がかけられているのはそのためです。
そうなると、神社ではない場所に飾られるしめ縄……例えば、一般家庭や会社・お店などで飾るしめ縄はどういった意味を持つのでしょうか。これらは「しめ飾り」と称されるもので、神社のしめ縄とは少し意味合いが異なります。
年末に自宅へ取り付けるしめ縄は、一年に一度訪れて家に福を呼び込む「年神様」をお迎えする目印として使われるもの。家を清潔にして玄関に取り付けることで「神様を迎え入れる準備ができましたよ」という目印になる飾りなのです。
そのため、年末の時期、神棚のお掃除をして、新しい年のお札をおまつりするのと同じタイミングで、しめ縄を飾るのが一般的です。
神棚の準備やしめ縄を飾る日にちは、年末の時期のうち、12月29日(二重苦につながる)と31日(一夜飾りになる)を避けた日にするのが良いとされています。
しめ縄を飾る期間については、年神様が家に滞在しているとされる松の内の間は、飾っておくのが一般的です。
しめ縄についてのより詳しい説明はこちらをご参照下さい。
しめ縄の意味や由来は?意外と知らない、お正月に飾る「しめ飾り」との違いも解説!
神社は「結界」、玄関に飾るのは「目印」だとすると、伊勢特有のしめ縄はいったいどんな役割なのでしょうか。用途や特徴を含めて解説していきます。
伊勢のしめ縄は、「伊勢型」という特徴的なもの。
その年の稲穂が出る前の青い時期に刈り取った藁を使い、大根のように太くひねったしめ縄に前垂を付け、さまざまな飾りを付けたものが基本的な形状です。
正面から見て左に太く結った藁の部分があり、右へいくにつれて細くなります。前垂部分には、「飾り」といわれる、植物や和紙、木札がついています。
ユズリハ:
若い葉が成長するまで古葉が落ちず、順調な世代交代の象徴
ヒイラギ:
生命力豊富で、鋭い葉が邪気を避ける
ダイダイ:
家が代々栄える、子孫繁栄のごろ合わせ
ウラジロ:
向き合う葉は夫婦の意、後ろ暗い事なく白髪まで添い遂げる
などそれぞれ、魔除けや子孫繁栄など家内安全の意味につながる植物が飾られます。
「伊勢流紙垂(四手)」や「切下げ」と呼ばれる。「角付きの四つ折」が伊勢流の正式なもの。伊勢神宮の「紙垂」の形を継承しているとされます。
蘇民将来子孫家門(蘇民将来子孫門):
蘇民将来の子孫であるという表記で無病息災を祈る言葉
笑門:
笑いの絶えない家には福がくるという意味
千客万来:
途絶えない客足を祈る言葉
かつては桃の木でできていたとされますが、現在ではヒノキでできた札が一般的。それぞれに祈りの文字が書かれています。とくに「蘇民将来子孫之門」と書かれているものが伊勢地域で古くから伝わる伝統的な形です。詳細な意味は後ほど紹介します。
また「笑門」という文字は、「蘇民将来子孫之門」が短くなって「将門」となり、「平将門」と区別するため「笑門」になったといわれる説もあります。
裏には九字切りや五行説を表すドーマン・セーマンと、「急々如律令」の文字。セーマンは安倍清明、ドーマンは芦屋道満に由来するといわれ、伊勢の海女さんは危険から身を守るために頭に巻く「磯手ぬぐい」にこの文様を縫い付けるとされています。「急々如律令」については陰陽道由来の「速やかに願い事がかなうように」という祈りの意味を持ちます。
伊勢のしめ縄は、「外から邪気を寄せ付けないため」一般的なしめ縄とは逆向きになっています。神道においては「左上位、右下位」が基本原則で、これは神様側から見て左が上位、右が下位となることを指します。つまり、人間から見ると逆方向になり、右が上位になります。
しめ縄の造りもその原則に則い向かって右に太い部分がくるのが一般的ですが、伊勢のしめ縄は外からの邪気を防ぐために外側に向かってつけることが前提された作りなのです。このつくりは出雲の大しめ縄と同じです。
先にもお話しましたが、「一年中飾る」という大きな特徴。年末に新しいものに付け替えたらそのまま一年、玄関にかけておくそうです。そのため、伊勢地域では「正月飾り」という意識がなく「しめ縄」と呼ぶことが多いようです。
それではなぜ、一年中しめ縄を飾るのでしょうか?さまざまな説がありますので、いくつかピックアップしたものをご紹介します。
伊勢で一年中しめ縄を飾る理由は、伊勢地区に伝わる「蘇民将来の説話」が関連しているのではないかと考えられています。
その昔、伊勢を旅していたスサノオが下宿場所に困っていました。伊勢に住む兄弟のうち、裕福な弟の巨旦将来(こたんしょうらい)の元を訪ねて一晩泊めて欲しいことを伝えると断られたため、兄である蘇民将来(そみんしょうらい)の元を訪ねました。
兄の蘇民は貧しいながらも快く迎え入れ、これに喜んだスサノオは蘇民にこう言い残しました。
「蘇民将来の子孫と書いて家の周りにしめ縄を張り巡らしておけば子孫代々病気を免れる」
その言葉を受け継いだ蘇民家は、代々病気を免れ栄えました。それ以来、神話の地である伊勢では言い伝えにあやかって「蘇民将来子孫之門」と記されたしめ縄を飾るようになったといわれており、現在でも一年中飾る御守りとして大事にされています。
また伊勢のなかでも二見町という地区には、スサノオを祀っている「松下社」という神社が存在し、その辺りは「蘇民の森(社)」と呼ばれ、地域の人に親しまれています。
この「蘇民将来の説話」は伊勢のみならず各地に伝わる神話です。信仰や伝承等の違いによって登場する神や、疫病退治の方法などの違いがあります。
毎日出入りする玄関に常に存在する身近な存在であり、御守りである「伊勢のしめ縄」は伊勢に住む人たちだけでなく、全国各地から注目を集める存在になりつつあります。
とくに感染病が大きく取り上げられて以降は、疫病から身を守りたいという気持ちが高まり、無病息災を願うひとが多くなったように思われます。
12月は買い替えのために、伊勢市内のお店で伊勢のしめ縄が並びます。伊勢の神宮に参拝される際は、しめ縄をお土産としてお求めになられても楽しいかもしれません。伊勢神宮の鳥居前町として栄える「おはらい町」の一角にある岩座伊勢店でも、伊勢のしめ縄が販売されています。入荷のたびに好評いただいている商品ですので、訪れる際は是非チェックしてみてくださいね。
太陽の神天照大御神がご鎮座する地、伊勢。独特な形のしめ縄が街中に並ぶ姿は、神話を身近に感じ、重んじる土地ならではの風習を強く感じられるようで素敵な光景です。
伊勢に住んでいなくとも「伊勢のしめ縄」の力を借りてご家庭のお守りにしてみませんか。
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伊勢の神宮が御鎮座する神都三重県伊勢市。ここには特別な「しめ縄」の風習があります。
一度伊勢に訪れた方はご存じの通り、伊勢は一年中しめ縄を飾っている玄関をいくつも見ることができます。
広い範囲で「しめ縄はお正月に飾るもの」という認識が持たれていますが、伊勢にとっての「しめ縄」とはどんな意味を持つものなのか、なぜ伊勢の地域だけが異なるのかを詳しく解説していきます。
目次
そもそもしめ縄とは?
そもそもしめ縄とは、どういう意味のあるものなのかご存じでしょうか。
「お正月に飾るもの」という認識はあれども、詳しい意味についてはわからないという方も多いのではないでしょうか。由来に沿って簡単に紹介していきます。
しめ縄の起源と意味
しめ縄というものは、どうやって生まれたのでしょうか。
神社に「しめ縄」が張られているのをよく見ると思いますが、実は神社にかけられているしめ縄と、お正月の時期に飾るしめ縄は少し意味が異なります。
しめ縄の起源|天岩戸神話との関わり
しめ縄の一番最初は、古来から伝承されている「天岩戸神話」から来ているとされています。
神代の昔、最も尊い神様とされる太陽の神様「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」がいらっしゃいました。
弟にあたるスサノオ(須佐之男命)が天界で乱暴なふるまいを繰り返すため、心を痛めたアマテラスはとうとう大きな岩戸に隠れてしまいます。
太陽の女神が隠れたことで、天も地も闇に包まれ厄災あふれる世界に変貌。困った神々はいくつかの作戦を打ち出しました。そのうちのひとつ、にぎやかな宴のさなかにアマテラスはやっと姿を現します。
出典:Wikimedia Commons
そこで力もちの神様がアマテラスを連れ出し、世界に光が戻ります。
そしてアマテラスが二度と岩戸に隠れることのないよう、しめ縄で岩戸を塞いだのが由来とされています。
一年中しめ縄を飾る地域は伊勢だけじゃない|高千穂のしめ縄
天岩戸神話の舞台は宮崎県高千穂にある「天岩戸神社」といわれており、しめ縄もこの地が発祥とされています。
高千穂を含めた宮崎の一部地域でもしめ縄を一年間飾る風習があり、ここの地域のしめ縄は「七五三縄」とも呼ばれます。神様を模したとされる七・五・三に分かれた房が特徴なしめ縄です。
伊勢の天岩戸
宮崎から遠く離れた伊勢の地域にも「天岩戸」といわれる場所が存在します。
こちらの天岩戸は、伊勢市と志摩市(伊勢市から少し南下したところにある地区)の堺に位置します。
ちなみに、こちらの「天岩戸」は水穴になっており別名は「恵利原の水穴」。環境省が選定する名水百選に選ばれるほど美しい水が湧く場所でもあります。
このあたり一帯を高天原(神様の住まう場所)と呼ぶこともあるそうで、神話を大切に思う地域なのが伺い知れますね。
神道におけるしめ縄の意味|神域と俗世を分ける役割
しめ縄は「神様の居場所」と「そうでない場所」を別つ役割を担っています。
転じて「神々が暮らす清らかで尊い世界である神域」と「わたしたちが暮らす現実的な世界である俗世」とを分ける境界線という意味を持ちます。
神社の社殿や鳥居にしめ縄がかけられているのはそのためです。
正月に飾るしめ縄(しめ飾り)の意味|神様をお迎えする目印
そうなると、神社ではない場所に飾られるしめ縄……例えば、一般家庭や会社・お店などで飾るしめ縄はどういった意味を持つのでしょうか。
これらは「しめ飾り」と称されるもので、神社のしめ縄とは少し意味合いが異なります。
年末に自宅へ取り付けるしめ縄は、一年に一度訪れて家に福を呼び込む「年神様」をお迎えする目印として使われるもの。家を清潔にして玄関に取り付けることで「神様を迎え入れる準備ができましたよ」という目印になる飾りなのです。
そのため、年末の時期、神棚のお掃除をして、新しい年のお札をおまつりするのと同じタイミングで、しめ縄を飾るのが一般的です。
しめ縄を飾るタイミング
神棚の準備やしめ縄を飾る日にちは、年末の時期のうち、12月29日(二重苦につながる)と31日(一夜飾りになる)を避けた日にするのが良いとされています。
しめ縄を飾る期間については、年神様が家に滞在しているとされる松の内の間は、飾っておくのが一般的です。
しめ縄についてのより詳しい説明はこちらをご参照下さい。
しめ縄の意味や由来は?意外と知らない、お正月に飾る「しめ飾り」との違いも解説!
「伊勢のしめ縄」とは
神社は「結界」、玄関に飾るのは「目印」だとすると、伊勢特有のしめ縄はいったいどんな役割なのでしょうか。用途や特徴を含めて解説していきます。
伊勢のしめ縄の特徴
伊勢のしめ縄は、「伊勢型」という特徴的なもの。
その年の稲穂が出る前の青い時期に刈り取った藁を使い、大根のように太くひねったしめ縄に前垂を付け、さまざまな飾りを付けたものが基本的な形状です。
正面から見て左に太く結った藁の部分があり、右へいくにつれて細くなります。
前垂部分には、「飾り」といわれる、植物や和紙、木札がついています。
植物
ユズリハ:
若い葉が成長するまで古葉が落ちず、順調な世代交代の象徴
ヒイラギ:
生命力豊富で、鋭い葉が邪気を避ける
ダイダイ:
家が代々栄える、子孫繁栄のごろ合わせ
ウラジロ:
向き合う葉は夫婦の意、後ろ暗い事なく白髪まで添い遂げる
などそれぞれ、魔除けや子孫繁栄など家内安全の意味につながる植物が飾られます。
和紙の飾り
「伊勢流紙垂(四手)」や「切下げ」と呼ばれる。「角付きの四つ折」が伊勢流の正式なもの。伊勢神宮の「紙垂」の形を継承しているとされます。
木札
蘇民将来子孫家門(蘇民将来子孫門):
蘇民将来の子孫であるという表記で無病息災を祈る言葉
笑門:
笑いの絶えない家には福がくるという意味
千客万来:
途絶えない客足を祈る言葉
かつては桃の木でできていたとされますが、現在ではヒノキでできた札が一般的。
それぞれに祈りの文字が書かれています。とくに「蘇民将来子孫之門」と書かれているものが伊勢地域で古くから伝わる伝統的な形です。詳細な意味は後ほど紹介します。
また「笑門」という文字は、「蘇民将来子孫之門」が短くなって「将門」となり、「平将門」と区別するため「笑門」になったといわれる説もあります。
裏には九字切りや五行説を表すドーマン・セーマンと、「急々如律令」の文字。
セーマンは安倍清明、ドーマンは芦屋道満に由来するといわれ、伊勢の海女さんは危険から身を守るために頭に巻く「磯手ぬぐい」にこの文様を縫い付けるとされています。
「急々如律令」については陰陽道由来の「速やかに願い事がかなうように」という祈りの意味を持ちます。
普通のしめ縄と向きが違う
伊勢のしめ縄は、「外から邪気を寄せ付けないため」一般的なしめ縄とは逆向きになっています。
神道においては「左上位、右下位」が基本原則で、これは神様側から見て左が上位、右が下位となることを指します。つまり、人間から見ると逆方向になり、右が上位になります。
しめ縄の造りもその原則に則い向かって右に太い部分がくるのが一般的ですが、伊勢のしめ縄は外からの邪気を防ぐために外側に向かってつけることが前提された作りなのです。
このつくりは出雲の大しめ縄と同じです。
飾る期間
先にもお話しましたが、「一年中飾る」という大きな特徴。
年末に新しいものに付け替えたらそのまま一年、玄関にかけておくそうです。そのため、伊勢地域では「正月飾り」という意識がなく「しめ縄」と呼ぶことが多いようです。
なぜ一年中飾るのか
それではなぜ、一年中しめ縄を飾るのでしょうか?
さまざまな説がありますので、いくつかピックアップしたものをご紹介します。
スサノオと蘇民将来の説話
伊勢で一年中しめ縄を飾る理由は、伊勢地区に伝わる「蘇民将来の説話」が関連しているのではないかと考えられています。
その昔、伊勢を旅していたスサノオが下宿場所に困っていました。
伊勢に住む兄弟のうち、裕福な弟の巨旦将来(こたんしょうらい)の元を訪ねて一晩泊めて欲しいことを伝えると断られたため、兄である蘇民将来(そみんしょうらい)の元を訪ねました。
兄の蘇民は貧しいながらも快く迎え入れ、これに喜んだスサノオは蘇民にこう言い残しました。
「蘇民将来の子孫と書いて家の周りにしめ縄を張り巡らしておけば子孫代々病気を免れる」
その言葉を受け継いだ蘇民家は、代々病気を免れ栄えました。
それ以来、神話の地である伊勢では言い伝えにあやかって「蘇民将来子孫之門」と記されたしめ縄を飾るようになったといわれており、現在でも一年中飾る御守りとして大事にされています。
また伊勢のなかでも二見町という地区には、スサノオを祀っている「松下社」という神社が存在し、その辺りは「蘇民の森(社)」と呼ばれ、地域の人に親しまれています。
この「蘇民将来の説話」は伊勢のみならず各地に伝わる神話です。信仰や伝承等の違いによって登場する神や、疫病退治の方法などの違いがあります。
家を守る御守り「伊勢のしめ縄」を生活にとりいれてみませんか?
毎日出入りする玄関に常に存在する身近な存在であり、御守りである「伊勢のしめ縄」は伊勢に住む人たちだけでなく、全国各地から注目を集める存在になりつつあります。
とくに感染病が大きく取り上げられて以降は、疫病から身を守りたいという気持ちが高まり、無病息災を願うひとが多くなったように思われます。
12月は買い替えのために、伊勢市内のお店で伊勢のしめ縄が並びます。
伊勢の神宮に参拝される際は、しめ縄をお土産としてお求めになられても楽しいかもしれません。
伊勢神宮の鳥居前町として栄える「おはらい町」の一角にある岩座伊勢店でも、伊勢のしめ縄が販売されています。入荷のたびに好評いただいている商品ですので、訪れる際は是非チェックしてみてくださいね。
神様を身近に感じ、重んじる「伊勢のしめ縄」の風習
太陽の神天照大御神がご鎮座する地、伊勢。
独特な形のしめ縄が街中に並ぶ姿は、神話を身近に感じ、重んじる土地ならではの風習を強く感じられるようで素敵な光景です。
伊勢に住んでいなくとも「伊勢のしめ縄」の力を借りてご家庭のお守りにしてみませんか。
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「アマテラスが隠れた」は本当は何を意味しているのか|神話で紐解く自然への畏れ▼